Lespedeza Museum of Photography レスペデーザ写真美術館

カメラマンな管理人のおたく趣味の雑記と二次創作&コスプレ写真のブログです。Lespedeza(萩)の花言葉は柔軟な精神。

フェルメール<地理学者>とオランダフランドル絵画展in豊田市美術館

2011年06月11日 23時55分00秒 | 日記

本日ですが、豊田市まで足を運んできました。

今日から豊田市美術館で開催の

『フェルメール<地理学者>とオランダフランドル絵画展』(http://www.vermeer2011.com/

を見に行くためでした。

春先にフェルメール展が東京で開催されると知り、5月の遠征中に行こうかと企てていたのですが、後日地元豊田市で巡回展があると判り

「東京遠征の際に時間を割くより、地元で観た方がのんびり観れるだろう」

と判断し、今回の豊田市美術館での巡回展を待ちわびていた次第でした。

しかし、今日は会社での健康診断があり、そちらが終了してから豊田に向かいました。

しかし、最寄りの駅に着いた後、全く不慣れな土地だったために(実質一本道にも関わらず)迷子になる有様。

なんとか地理を把握して美術館に向かったのですが、今度は現地に着く前からぽつぽつと降り出していた雨が本降りに。傘の準備をしていたとはいえなんとも憂鬱な感じでした。

というのも、今回のフェルメール展のメインである

『地理学者』

が東海地区では初の公開ということで相当な人出が予想され、初日ということもあり外で延々待たされることを覚悟しないといけないからでした。

ところが現地について驚きました。既に午前11時前でそこそこ人が集まっていると思いきや客待ちのタクシー運転手さん以外、人影らしい人影が外になかったのです。

あまりのことに頭にはてなマークが浮かびました。館内にはいるとようやくそこそこ人がいることが判明。どうやら(美術館の立地が微妙に悪いことや)あいにくの天気も手伝って自分が想像していたほど人が来ていない様子でした。

荷物やら傘やらを預けてさっそく特別展へ。

今回のフェルメール展、フェルメールの作品の一つである「地理学者」と彼が活躍したのと同じ大航海時代のいわゆる「フランドル絵画」の作品が多数展示されていて、非常に興味深かったです。

抽象画から始まり、風景画の展示に移ったのですがこの中に気に入った絵がありました。日本ではほぼ無名といえる画家、アールベルト・カイプの

『牧草地の羊の群れ』

です。

夕暮れの牧草地、羊飼い達と牧童、牧羊犬が羊の群れを世話し、黄金色の大地の遠く先に街がみえ、どこまでも続く夕映えの空の様子は非常に良いモノがありました。

その為この作品のポストカードを購入(A4版の台紙付きポスターもあったのですが諸事情で諦めました)したぐらいでした。

そして抽象画、風景画、人物画というフランドル絵画の展示品の先にフェルメールの

『地理学者』

が置いてありました。

人がそれほど居なかったこともありかなり近寄って(それでも1m以上離れてますが)観ることが出来たのですが、当時の事物が丁寧に書き込まれ、コンパスを持った地理学者がなにやら思いついたのかふと顔をあげた瞬間を捉えた絵は非常に素晴らしいモノがありました。

フェルメールの絵の後に静物画(果物や花などの絵)の展示があり、こちらも大変良かったです。

特別展を見終えた後、物販コーナーで目録とポストカードを購入。直ぐ帰宅しても良かったのですが折角なのでぶらぶらと館内を見回ることに。

ちょうど6月11日から

『松井紫朗-亀がアキレスに言ったこと 新しい世界の測定法-What the Tortoise Said to Achilles』(http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2011/temporary/matsui.html

という特別展が開催中でした。彫刻家松井紫朗の作品を集めた展示会だったのですがその中に興味深いものが

『宇宙が“詰まっている筈だった”ボトル』

です。

松井紫朗の提案で特製のガラスのボトルをスペースシャトルで宇宙に運び、選外活動中にそのボトルを開けて蓋をする、いわば

「宇宙をボトルに詰め」

地球に持ち帰るという壮大な芸術作品になる筈だったそうです。

ところが、地球に持ち帰って調べたところ、いずれかの段階で

『ボトルの破損が確認』(http://kibo.jaxa.jp/experiment/news/110428_mib.html

され、人々が宇宙の詰まったボトルを手にする機会が先延ばしになってしまったとの事でした(現在再チャレンジに向けて検討中との案内でした)。

展示場にはボトルを持ち運ぶのに使った金属ケースと惜しくも割れてしまったメッセージボトルが展示されていて、失敗を残念に思うと同時に次回は是非成功して欲しいと願わずにはおられませんでした。

しかしこの“宇宙を詰めたメッセージボトル”、壮大な話にも関わらず世間的には全く話題になっていませんでした。自分自身、あの会場に行くまでそのような計画があったこと自体知りませんでした。

それもその筈で、ボトルが地球に帰ってきた直後、日本は3月11日の東日本大震災の為に大変な事態となり、日本にボトルが着いた頃には芸術・文化の話などほとんど忘れ去られていた状態だったからです。

あの震災から早くも三ヶ月、被災地の復興や原発事故の終息などまだまだ先が見えない事ばかりですが、一日でも早くささやかな文化・芸術の話でも普通に出来るように世の中が平穏を取り戻して欲しいと願わずにはいられませんでした。

その後暫く美術館内をうろついていたのですが、展示作品の中にルネ・マグリットの

『無謀な企て』

があるのを発見して驚きました。まさかこれほど高名な画家の作品があるとは思ってもみなかったのです。

美術館内を堪能した後ふと気付くとあれほど降っていた雨が止んでいました。非常に満足した時間を過ごした後、帰宅の途についた次第でした。

今回のフェルメール展、歴史的な絵画や作者が無名ながらも素晴らしい作品に出会えて非常に良かったです。

ところで今回のフェルメール展ですが半券を持っているとラッキーなことがあったりします。

今月末から名古屋市美術館で

『レンブラント 光の探求/闇の誘惑』(http://www.ctv.co.jp/event/rembrandt/

が開催予定なのですが、フェルメール展の半券でレンブラント展の当日券が200円割引になるのです。(レンブラント展の半券でフェルメール展の当日割り引きもあります)

興味のある方は両方の特別展をご覧になるのはいかがでしょうか?

リンク: フェルメール<地理学者>とオランダフランドル絵画展.

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