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しがないハナシ。

日常で感じたことを、ぽつぽつと更新中。

謎の独立国家ソマリランド

2013-05-25 20:41:08 | 
特にネタが無いので、本の感想をアップ


謎の独立国家ソマリランド/高野秀行

著者は、一部の熱烈なファンに支持されているノンフィクション作家
(もちろん私もその中にいれていただきたい)
誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをして、それを面白おかしく書く。
いつも、とにかく変なことをやっている、おっさんだ。

崩壊国家ソマリア、
何年も無政府状態が続き、多くの武装勢力と海賊が蔓延る中、
独自に武装解除に成功して、十数年に及び、
平和に暮らしている民主主義の国があるのだ。それがソマリランド。

無政府状態の国の中で、一体どうやって平和な状態を保っているか、
多くの人はその存在を知らないし、行くこともできない
著者は、そんな謎の国「地上のラピュタ」へ潜入。そのルポタージュだ。

500ページの厚さの本が、すいすい読めてしまう。
軽い口調で、でも分かり易く、そして、ときどき深いことを言う
いつもの高野節が絶好調だ。
但し、著者がソマリランドに肩入れしすぎている感は否めないけれど。笑

カート(チャット)という中毒性のある葉っぱをムシャムシャ食べながら
地元民と交流し、取材していくスタイルは危なっかしいけど、
彼にしか出来ない芸当だと思うし、とても生き生きしている。
(『アヘン王国潜入記』では、完全にアヘン中毒になっていたし、
 『イスラム飲酒紀行』でも、立派なアル中ぶりを発揮していたので
 カート中毒くらいでは、もはや驚きません)

その独自の政治システムは、そこに住む人達の文化、
民族の歴史を淘汰したようなシステムになっているし、
決して国連や先進国のお仕着せでは無く、
自分たちで考えた、自分たちのシステムなのが面白い。
正に、西欧民主主義、破れたり!である。


著者自身も言っているように、代表作になるだろうし、私もそう思う。
多くの書評で取り上げられ、2000円を超えるハードカバーなのに
めずらしく売れまくっているようだ。

高野ファンとしては嬉しい限りである。
これで、次回作の取材費が確保されるといいな。

『インパラの朝』

2013-02-21 18:18:56 | 
3年待った
文庫化に際し、装丁が変わったらイヤだな…
と思っていたけど、カッコイイ装丁のままだった


密林のレビューなんかでは厳しい意見も多くみられる
やはり開口健ノンフィクション賞を受賞しているので
いろんな方が読むのだろうね
読み手のハードルは、間違いなく上がる

たしかに、ノンフィクションというより
ブログにアップした旅行記を、書籍用に少しまとめた感じがする。
逆に私には、それが読み易かったのだけど。
なので骨太のノンフィクションを期待して読むと拍子抜けするかもしれない。

どこを観光したとかは一切なく
その土地のいろんな人と関わって、
彼女は彼女なりに世界との距離を縮めている

世界では先進国と言われる国々が幅を効かせているけれど
世界的にみると先進国の方がマイノリティであり
後進国の方が、圧倒的に多いのだ

青色の部分がIMFによる先進国(出典:Wikipedia)

HONZのHPに掲載されていた
土屋敦さんのレビューが、グッときたので一部抜粋
↓↓↓
“彼女がこの本で伝えてくれるのは、原理主義に犯され、
テロの嵐が吹き荒れる紛争地帯の危険性でも、
膨大な地下資源を秘めた未開の大地の貧困さでもなく、
いくつかのとても当たり前のことだ。
それはすなわち、この世界には、たくさんの悲しみと人の死があり、
差別は絶えず、傲慢で利己的な連中が幅を利かせていること。
そして、ささやかで美しい暮らしがあり、
子ども達は未来そのもので、人々はとても親切だということ。
つまり、世界中のどこでも、
われわれ人類はとてもよく似ている、ということなのだ。”
全文読みたい方はコチラへ→リンク

旅の準備

2012-10-08 00:01:00 | 
旅の準備は本選びから


『ギタンジャリ』/ラビンドラナート・タゴール
 
 バックパッカーのバイブル『深夜特急』で、
 主人公が詩集(漢詩)を持って旅に出たのを思い出して、詩集を。
 アジア人として初ノーベル賞受賞作。 
 自らの英訳と森本氏の注詩もあるし、のんびり読めるかと。
 スリランカで同室になった京都の女の子が読んでいた。
 積読状態で1年以上経つので、そろそろ…


『インドホリック』/旅音
 
 林夫妻のインド旅行142日間の記録。
 インドに行く前にテンションを上げるために読む本だと思う。
 行先はインドでは無いケド。
 これは、読むの我慢してたので。


『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』/モフセン・アフマルバブ
 
 石井光太編の『ノンフィクション新世紀』で
 国分拓氏がベスト30に上げていたので。
 9.11のテロ以前にかかれた本。
 テロ前に、どのようなアフガニスタン像を伝えようとしていたのか。


『世の中で一番おいしいのはつまみ食いである』/平松洋子
 そのタイトル、まちがいないよね。
 軽めのエッセイも1冊。
 日本食が恋しくなったらどうしよう。



kindle日本版、本当に早く発売して欲しい。
紙も好きだけどね。

TRANSIT

2012-09-24 00:00:00 | 
旅人を刺激してやまない雑誌
『TRANSIT』

TRANSIT(トランジット)18号 美しきチベットの未来


楽しみにしていたのだけど
発売と同時に記事の内容が物議になっているので
買うかどうか迷ったけど、結局購入

やっぱりやってしまった感がぬぐえないカモ
amazonの電気猫さんのレビュー参照


でも掲載されている写真は素敵。
個人的には、チベットの写真といえば長岡洋幸さんでしょう。
山西崇文さんも、津田直さんの写真も素敵


チベットにて/2008
20代のうちにもう一度行きたかった