しがないハナシ。

日常で感じたことを、ぽつぽつと更新中。

講談社ノンフィクション賞

2013-07-31 05:46:23 | 
今年の、講談社ノンフィクション賞が

高野秀行氏「謎の独立国家ソマリランド」
角幡唯介氏「アグルーカの行方」

の2作品に決定した。
早稲田の探検部すごいな。

どちらも大好きな作家さんなので、大変嬉しい。
もっと売れて、次作品の資金になればいいのに。


昔の日記
高野秀行『謎の独立国家ソマリランド』
角幡唯介『空白の五マイル』

サクリファイス

2013-07-08 23:59:15 | 
ずっと気になっていた
サクリファイス/近藤史恵』を
ようやく読んだ



ロードレースの不思議で複雑な仕組みも
臨場感と躍動感に溢れるるレースも
何度もひっくり返されるサスペンスも
そして、最後の『サクリファイス』の意味も

そんなに厚くない本なのに
ぎゅっと詰まっていて
とてもおもしろかった

サイクルロードレースって深い
スポーツものとしても、おもしろいと思う

旅の準備

2013-07-06 20:21:04 | 
旅の準備は、本選びから

今回は弾丸なので、少なめ


四畳半王国見聞録/森見登美彦
 もんもんとした男子大学生を書かせたら
 彼の右に出る人はいないのでは?
 京都を舞台にした、笑いと妄想の短編集。
 いつもの森見節かな?と思い、気楽にチョイス。

観光/ラープチャルーンサップ
 こちらも短編集。久々の翻訳もの。
 タイ系アメリカ人の著者。
 タイトル作品は、失明間近の母とその息子の話。
 とにかく良い小説だと、書評されていたのに
 ずっと読めていなかったので。

あとは、電子書籍KindlePaperwhite

ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観

2013-06-01 22:55:59 | 

ピダハン/ダニエル・L・エヴェレット


1冊3570円の価格設定
部数が伸びるジャンルでは無いので、
仕方ない価格設定だが満足のいく内容だった。

アマゾンの奥地に住む、少数民族ピダハン。
400人を割る彼らは、滅びゆく言語を話す。
キリスト教の伝道師として著者は彼らの村へと派遣される。

布教活動(聖書を彼らの言葉に訳す)を行うには、
彼らの言語を理解することが必要だが、
彼らの言語だけでなく文化、思考、哲学に触れていくうちに衝撃を受けて行く。
結末を言ってしまうと、著者は最終的に無神論者になってしまう。


言語学的なところは難しいので、そこはさらりと流して
私は彼らの文化的な側面に注目して読み進めた。

驚くべきは、彼らには私達が当たり前だと思っている
右と左の概念が無い、数の概念が無い、色の名前も存在しないのだ。
右/左に値する単語が無いので、
自分を基準にした、相対的な右/左では無く、
地理的に川の上流/下流を使って、絶対的な表現で左右を表現する。
色についても同様で、赤は「それは血」、黒は「血は汚い」、緑は「いまのところ未熟」だ。

そして、直接的な経験しか語らない、信じない彼らには
どの民族にもある、創生神話が無い。
そんな彼らにどうやって、イエスの存在を信じさせることが出来ようか。


言語を習得するということは、そこで暮らす人々の文化的知識が無ければ、
完璧に習得することは出来ないのだな、と改めて感じた。

本作というか著者の考えは、言語学的には物議をかもしているようだが
一般向けの内容としての読み物としては、大変興味深い内容だと思う。

夏の終わり

2013-05-27 03:34:45 | 
眠れないので、ブログを更新することにする。
しかも、10年以上前の思い出しレビューだ。

夏に映画が公開されるらしい。
原作はずいぶん昔に読んだ。

高校生だったので、随分背伸びをしていたものだなぁ
男女の機微なんて、まだ分からない年頃だったし
(そして今も分かりません)

愛と衝動で動く主人公、知子は、
愛が深いのか、情に篤いのか、臆病なのか、残酷なのか
完全に「だめんず・うぉ~か~」だと思う

妻子ある年上の作家、慎吾はタヌキ
でも、きっと誰よりも大人で
4人の間の微妙なバランスを取っているのも彼なんだろうね

世に言う草食系男子、という言葉が出てきたとき
私は、この本に出てくる年下の男・涼太を思い出した
「植物的な」と形容されていた場面があった気がするんだけど…

主人公は、どうしようも無く二人の男の間を彷徨うのだけど、
慎吾と涼太の関係も、慎吾の妻と知子の関係も
大人の世界すぎて分からなかったなぁ。

そういえば途中まで、最後は全員死んでしまうんじゃ無いか、
と思いながら読んだことを覚えている。


純文学は、あまり面白いと思って読むことはなかったけど、
この本は、今思い出せば面白いような気がする。
作品としては、今から50年前に発表されたものだし
瀬戸内寂聴の私小説でもある。
また、読み直そうかな。


映画主演の満島ひかりは、NHKの『開拓者たち』のときに思ったが、
いい女優さんだな。