歴史作家 智本光隆「雪欠片―ユキノカケラ―」

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本能寺将星録秘話第8回―明智光慶―

2011-06-13 23:21:58 | 本能寺将星録
メイン連中は一応終わったので、あとは登場人物についてつらつらと。
本日は山崎の合戦当日(更新は実質、翌日だけど)、
『本能寺将星録』作中、この日に命を散らせた光秀の嫡男・明智光慶。


この光秀の嫡男さん、実はほとんど史料はなし。
イエズス会の宣教師の記録で「ヨーロッパの王子のような優美な人」とあるだけですね。
光秀の年齢に対して嫡男ながらまだ14歳です。
このあたり、光秀が高齢ながら隠居できなかった理由っぽいですね。


実は当初の主人公案として、光慶主人公案というのもありました。
ですが本能寺の変後の混乱は、14歳の子供がひとりでどうにか出来るものではないので、やっぱり無理ですかね?
某作品で病弱を理由に光秀に廃嫡されかかってるってのを見たことあり、本作も少しそんな感じではあります。
作中の時期は元気な少年ですが。


性格は幼少時病弱なために、武断派の忠興を慕って懐いているという設定に自然になりました。
珠子は随分、この弟を可愛がってます。
(一応、光秀と煕子の子だと記録あるのは、光秀の子供の内でこの2人だけかな?)
一方、明智秀満はあんまり快く思っていなかったようで。
下巻の光慶襲撃者ももしかして?って感じにはなりました。光秀も廃嫡を考えていたと・・・


珠子もそれ心配してそれとなく忠興に頼み、鉄砲術し込んで信長にお披露目!!
有無を言わさず明智家継承の既成事実作る・・・なんて書くはずもないサイドストーリー考えたりもしてました(w
何気に腹黒く、策謀巡らす「鬼蛇夫婦」(w
本筋とは何の関係もないですが、「キャラ作り」の一巻としてこういうの考えるのは楽しいです。
ある程度、キャラのイメージが一般的に固定されている『関ヶ原群雄伝』の面々(石田三成とか福島正則とか)では、
こういう一種の遊びは出来ないですね。


光慶は山崎の合戦で、父である光秀を守ってその命を散らせました。
あの最期は作者としても迷いに迷ったところです。
生き残って明智家を継承する案もあり、担当さんとも相談の上、ああなったのですが・・・
ネット上で「可愛かったのに、残念」って意見も見たので、複雑ですね。
まあ、可愛い顔してやることはやってたようですが(w


史実では山崎の合戦後、坂本城を守って自害したようです(生存説もありますが)
武家の嫡男として、その家の運命を背負った生涯でした。
今、考えましたが死なずに生き延びて数年後・・・って設定なら、光慶主人公でいけるような気もする。


最後に、光慶に全力の謝罪を!!
愛宕百韻の結句「国々は猶、のどかなる頃」
あれ作中では忠興が読んでますが、実際には光慶の作です。
義弟からパクるなよって突っ込んでおきます。

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