さて、多気ではあと一ヶ所、非常に重要なところがあります。
そこへ行く道を聞いたおばあさんが、こんなことを教えてくれました。
「織田信長が伊勢を攻めたとき、このあたりは残らず焼き払われて。
織田の軍勢は筍の皮を一面に敷き詰めて、それで火を放ったと聞いてますよ」
なお、私はこの時「信長の伊勢侵攻を素材に小説書いてます」とは言っていません。
400年以上を超えて、語り継がれる「記憶」
その老婦人は北畠神社の石垣のあたりで、ずっと掃除をされてました。
そして、聞いた道を進み、、、

雪姫桜
北畠氏の滅亡に際し、雪姫が縛られた伝承のある「雪姫桜」
「待て!小説の中ではその桜、八田城じゃないんかい!!」
申し訳ありません。モチーフということでどうかひとつ。
『神剣の守護者』で雪姫が、己の決意を正具へと語った桜の木です。
北畠具教の息女・雪姫は織田信雄の正室になりますが、
その後の消息については諸説あります。
北畠氏の滅亡後も信雄の正室であり続けたものの、
小田原攻めの後に信雄は改易されて伊予に配流、、、、
雪姫もそれに同行し、その地で没したというもの。
もうひとつは、北畠一族が殺されたとき、
それに殉じて自害したという説です。
そして、この2つとは別に「ひとつの伝承」があります。
雪姫は北畠の滅亡時に自害を試みたが死にきれず、
信雄によって東御所と呼ばれたこの地の、桜の木に縛りつけられていました。
その雪姫をある日、どこからともなくあらわれた一匹の白い狐が救い出していった、、、と。
以来、桜の木は枯れても根が腐ることはなく、
何度となく芽を出しては今に伝わっているとのことです。

桜の花が咲く季節ではありませんが。
物語の設定上、この桜を八田にもって行ってしまうようなことは、
少しばかり迷ったのですが。
ただ、雪姫を語る上では必要不可欠な逸話ですので、
どうしても、作中に入れたかったので。
いずれ、このブログでそのあたりは詳しく書くと思います。
そして、北畠神社に戻ってバスを待ちますが、、、
このお店の名が「雪姫亭」であることに、この時になって気がついた!。
伊勢うどんです。たいへん美味しかったです!!