
28日に江戸東京博物館の大妖怪展に行ってきました。
屏風や掛け軸など大きな作品は勿論のこと、読本・豆本といった庶民向けの小品も多く展示されており、日本では妖怪が貴賤を問わず広く愛されてきたことが良くわかりました。日本の妖怪は、怖いというよりは可愛い感じですね。
大妖怪展で気に入った作品をガイドブックからいくつか紹介します。

伊藤若冲「付喪神図」は墨の濃淡による独特な質感が驚くほどモダンでした。

館内には、妖怪大図鑑的な作品が何作か展示されていましたが、この茨木元行「針聞書」が一番可愛かったです。これは、鍼灸師のための口伝書なのですよ。様々な病の原因となる虫を名づけ図鑑化しています。

耳鳥斎「別世界巻」は、地獄で亡者が責め苛まされる姿を軽妙なタッチで描いています。煙草好きな人の地獄や大根役者の地獄など、地獄に送られるほどの罪なのだろうかと疑問に思いますが…(笑)。特に右下の蕎麦にされている亡者が笑えました。ぺったんこ。

幽霊画も多種多様。色彩豊かなものより、この淡く掠れたような絵の方が不気味でした。こちらは作者不明です。

妖怪退治で有名な源頼光と従者たちは、妖怪絵師から大人気。こちらは、右が勝川春亭「土蜘蛛退治」、左が歌川国芳「源頼光土蜘蛛の妖怪を切る図」です。頼光たちを描いた絵は、正確には覚えていませんが6~7作は展示されていました。頼光さん御一行は、酒呑童子に土蜘蛛、大蛇と全国津々浦々の妖怪退治に大忙しなのです。

国芳の妖怪画は躍動感たっぷりで見応えがあります。こちらは有名な「相馬の古内裏」。解剖学的に見て正確な骸骨なのだそうで、国芳が何に依拠してこれを描いたのか気になりますね。今回展示されていた中では、「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」も波間を泳ぐ鰐鮫がダイナミックでしたよ。

お土産にガイドブックのほか、百鬼夜行の筆入れ、妖怪のガシャポンを買いました。
百鬼夜行は、琵琶と箏のコンビが好きです。箏「歩けないよ~」琵琶「歩きなさいよ~」という感じでしょうか。駄々をこねている箏を琵琶が懸命に引っ張っている姿が健気です。百鬼夜行絵巻は勿論、展示されていましたよ。

妖怪飴細工は残念ながら非売品です。

特別展の観覧には二時間弱かかりました。その後、館内のレストランで昼食をとり、常設展に移動しました。

娘、籠に乗る。私も独人時代に友人と訪れた時以来、15年ぶりくらいに乗ってみました。
鳥取藩主の池田慶徳(23歳)が参勤交代で江戸に向かった際、約702キロの道のりを21泊22日かけて行ったそうです。うわ~、お尻壊れる~(汗)。


娘、纏を振ったり、棒手振りをしたり。肥溜め桶や千両箱も担いでいました。


神田明神山車。山車の上の人形は、関羽です。

天下の台所・大坂と江戸を行き来する定期船が、菱垣廻船です。上方から木綿、油、紙などの生活物資を運んでいました。

演芸場では、三味線の演奏を鑑賞しました。