大阪府は23日の戦略本部会議で、府立上方演芸資料館(ワッハ上方)を通天閣に移転する方針を決定しました。通天閣を運営する通天閣観光と正式な協議に入るとしていました。
ワッハ上方が現在入居するビルを所有する吉本興業は27日、「移転計画に正式な説明がなかった」と遺憾の意を表明するファクスを報道機関に送付しました。吉本興業はワッハ上方の開業の経緯に触れ「府の意向に沿って仕様を決定した特殊な施設。恒久的に入居することが前提だった」と指摘。「(移転を)事実として決定されたのなら、非常に残念」とした上で、発生する損害の補償を協議するとしています。
ワッハ上方の通天閣への移転方針に吉本興業が抗議文を発表したことについて、橋下徹知事は28日午前、「府民 をバカにした抗議だ。世の中そんなに甘い商売はない。吉本さんだけは賃料を得続けるなんて、がめつい」と報道陣に語りました。
橋下知事は「吉本さん、勘違いされてるんじゃないですかね」としたうえで、「あれは賃貸借契約で、期間が決まっている。公のお金を入れるかどうか は府民の代表である僕の判断が入る」と指摘。「番組や企画などで自ら撤退するところは撤退するのに、府の撤退には抗議するというのは情けない」と述べました。
賃貸借契約は2011年3月までですが、吉本興業は、残る契約期間を前倒しして、すぐ賃料を半額にすることを柱とする提案をしていました。
ワッハ上方の開業の経緯からして、橋下知事の発言は礼を失するものです。少なくとも、通天閣への移転計画については事前に吉本興業へ説明すべきでした。
橋下知事の言う通り賃貸借契約というのなら、府は移転後の莫大な原状回復費用を吉本興業へ支払わなければなりませんね。