「 シルエットの富士 」
河津 米子さん 撮影
新政権の大英断だと評価していた全ての外国人の入国禁止も、これこそ水際作戦であり、
不便や様々な支障や不都合や不公平など諸問題が発生するだろうが、国民を未曾有の
危機から救おうとする緊急避難的な策としては徹底すべきだと思い賛成だった。
その後、仕事で出張中、留学生、観光旅行中などの邦人の帰国に問題があるとして、
何だか様子がおかしくなってきた。
首相の宣言によって、航空局が帰国便の予約を全て止めさせたのが原因だそうだが、
管轄の国交相も官邸も聞いてなかったと釈明した。
何やら今までとあまり変わらぬ日本の政治と官とのギクシャク振りで、結局帰国便を
中止するのを中止すると言う分かり難い発表があった。
海外で働く人、留学生、観光中に日本人等は、日本人全体から見たらごく僅かだろう。
しかし邦人を守るのが国の役目であるから生死に関わるような戦争とか革命に遭遇などの
場合は、例え何人かであっても当然何とかしなければならないだろう。
今回のケースではどう考えるべきだろうか。国内の大多数の日本人を守るために、
ほんの僅かな人数ならばやむなく暫く目を瞑って、国民を優先すべきなのか、
例え数人であっても国内に菌が進入するのを覚悟の上で入国を援護すべきなのか。
難しくて悩ましい問題である。果たして誰がこれを英断できるだろうか。
政治家も本来は菌の侵入を防ぐ方に重点を置きたいのではと感じるが、そうできない
ところに,どちらをとっても苦渋の決断だろう。
海外からも日本人だけ入国させ外国人を禁止するのは科学的でないと非難されている。
菌は国籍を問わないではないかというわけだ。
こうしてみると政治家も結構大変な仕事だ。とても私などには出来ない仕事のようだ。
いつも悪い面ばかりが目につき批判しているが、時にはそう思うこともある。