『 誕生祝の花火が上がった!そんな訳はないか!』
ぼんやりと夢うつつの中で徐々に目が覚め始めた。昨夜は5度も小用に起きて眠れなかった。
それでも肩のあたりがうすら寒くてだんだん覚醒してくる。ああ今日も朝が来たのだなぁと
ホッとする。86年目の今朝も目を覚ますことが出来たのだなぁという感慨にひたる。
よくも86年という才月に耐えたものだと思う。
日本には100才越えの人が9万人もいるというから、86才なんてのは珍しくも偉くも凄い
ことでも何でもないが,自分なりには美人薄命ということわざを覆して? よくも長く生きて
来られたものだと思う。
昔から体が弱ったし、体が不自由になったり病気だらけになったり、身体上も不便だらけに
なっても頑張って、何とか自立して生活しているのを思うと感謝の気持ちとこれを誇らしくさえ思う。
何の親孝行も出来なかったが、親兄弟、親戚などもきっと喜んでくれることだろう(最ももうほとんど
は居ないのだけれど)と勝手に思っている。
金も名誉にも縁がなかったが、世間に恥じることはほとんどしなかったし、履歴書的に言うと、
「賞罰なし特技なし」に相違ありません,というところだ。
こんなことを考えているうちに、やっと起き上がる勇気が出て来た。
ヨッコイショと掛け声掛けて起き上がり、よろけながらズボンをはいて、シャツのボタンの掛け
違いもそのままに、階下へと向かう。息子が付けて呉れた階段の手摺にしがみつきながら階段を下りる。
階下には野菜たっぷりのサラダが待っている。私はもともと野菜はあまり好きではないのだが、体の
ことを考えてうちの奥さんがこの何十年も決まって出してくれる。私は必死にそれを食べる。
そのお陰で病みながらもここまで生きて来たのかも知れない。これには奥さんに心から感謝である。
面と向かっては中々言えないが、この日記には書いておこう(幸い奥さんはこの日記を滅多には見ない
ようなのでまず目に留まることはないだろうから)。
娘の由美ちゃんから今朝早く誕生祝のメールがあった。先程は絵のお仲間だった素敵な方からもあった。
嬉しいことである。
我が家では、今日から1週間の間に3人も誕生日の者がいるので、一番遅い人に合わせて誕生パーティを
する慣例なので今夜は何もないのである。
それでも私の大好きなウナギのかば焼きがが出るらしい。(もっともこれは前日から私がリクエストして
いたのだが)。それといつもより一寸上等な吟醸酒の辛口を一杯だけついた夕食らしい。
本当に家族や周りの皆さんに感謝の気持ちを忘れてはならないと思う。
又新しい1年に気持ちを強く持って、新たな挑戦をしてみようと思う。(でも出来るかなぁ……)!
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