「 ・・・・・。あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい。わたしは主である。」
旧約聖書 レビ記 19章 18節
を主イエス・キリストはこの愛を発展させてこう言われました。
「 それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。」
新約聖書 マタイの福音書 7章 12節
この日本で愛といえば男女の愛と、母の愛この愛が最高の愛だと言われています。
この「母の愛」が聖書の言う愛に最も近い愛だとも言われていますが、昨今この愛も怪しくなっているこのごろです。
さて「 愛を表す四つのギリシャ語を見ていきましょう。」
まず最初に、「 エロース 」ですが、これは男女の間に用いられ、主に肉体的な情愛(パッション)を表します。この愛の特徴についてグレゴリー・ナジアンゼンは「熱烈だが長続きしない欲望」と言っています。ただ聖書ではこの語「愛」を表す語としては一度も用いられていません。
二つ目は、「ストルゲー」と言うことばです、これは肉親家族間の愛情を表します。親子間の肉親愛や親族愛との関係があります。
三つ目は、「フィレオ―」といいます、これには心地よい温かさを表す語です。誰かを温かい愛情に満ちた心と関心を持って見ることを表します。友情や夫婦間の愛に用いられます。「慈しむ」という表現がぴったりかも知れません、真の愛情と愛の暖かさに満ちています。
四つ目が、「アガペー」と言うことばです。この語にはフィレオ―の特徴である暖か味が少しもありません。フィレオ―が心と感情に自然にわき出てくるほとんど無意識に生まれてくる愛であるとすれば、アガペーは意志と深い繋がりがあり自発的に起こる感情ではなくむしろ私たちが意識的にそれに従って生きる原理でとも言えます。すなわちアガペーは「精神」と関係ある語であり、キリストの教えという基盤に基づいて抱くべき、全ての人々に対する常の「精神的姿勢」であり、「意志の方向なのです。」