ママラボ➕(ぷらす)

摂食障害からの回復を目指して 月一zoomで12ステップミーティングをしています 次回は2021年9月26日

第五章11.

2023-03-04 19:44:00 | This is Japan
p241
これは日本という国の姿にも重なる。敗戦し、占領されて、新たな憲法を持たされた日本が、最近までわりとそのことを忘れてハッピー・ラッキーに歩んでこられたのは、様々なものを「アフォードできた(買うことができた)」から自分たちの気持ちの中では国としての尊厳は保たれていたのだ。例えば、2015年にギリシア債務危機が報道されていたとき、欧州では緊縮財政の是非やEUが抱える問題点などがさかんに議論されていたにもかかわらず、日本の論調は

「借金を返せない方が悪い」

一辺倒だった。



第五章10.

2023-03-03 23:57:00 | This is Japan
p241
「日本では権利と義務はセットとして考えられていて、国民は義務を果たしてこそ権利を得るのだということになっています」…つまり、国民は義務を果たすことで権利を買うのであり、アフォード(税金を支払う能力がある)できなければ、権利は要求してはならず、そんなことをする人間は恥知らずだと判断される(このような社会では、国家は様々な権利を国民に販売する小売店ぐらいの役割しか果たさない)。

たとえば英国では「権利」といえば普通は国民の側にあるものを指し、「義務」は国家が持つものだが、日本ではその両方をもつのは国民で、国家と国民の役割分担がなされていない。

第五章9

2023-03-02 12:33:00 | This is Japan
p240
日本の貧困者があんな風に、もはや一人前の人間ではなくなったかのように力なくぽっきりと折れてしまうのは、日本人の尊厳が、つまるところ「アフォードできること(支払能力があること)」だからではないか。

それは結局、欧州のように、「人間はみな生まれながらにして等しく厳かなものを持っており、それを冒されない権利を持っている」というヒューマニティの形を取ることはなかったのだ。「どんな人間も尊厳を(神から)与えられている」というキリスト教的レトリックは日本人には分かりづらい。

第五章8.

2023-03-01 13:20:00 | This is Japan
p235
「…家族が見ていた社会保障の部分、つまりインフォーマルな社会保障の部分が、家族という機能が弱まるなかで持続不可能になっていて、じゃあ、誰がやるの?という問題が出て来ている」

現在、多くの人が自立するだけの収入がなくても生存できているのは、両親の援助があったり、両親と同居しているからだ。…

「そもそも、いまの若者は親の住居が持ち家じゃない世代ですからね。20年後、30年後はどうなるの?と思うと怖いです」