エピローグ2. 2023-03-09 11:44:00 | This is Japan p268階級なんて存在しない、格差はあっても自分たちはみんな同質なのだと言い続けてきた国は、息苦しい、息苦しいとそこに住む人々が言うわりには奇跡のような場所で閉塞に穴が空いている。ここはどこか、おとぎの国のようにわたしには思えた。「日本は革命ではなく、衰退で終わると思う」…けれどもそう思うのなら、本当にそう確信できるのなら、どうしてこんなに自分が泣いているのかわたしにはわからなかった。
エピローグ1. 2023-03-08 10:52:00 | This is Japan p255自主保育、という言葉にわたしは惹かれた。組織から個人に至るまで、子供を預かるすべてのビジネスが政府の教育監査機関に登録しなければならない英国には、もはや自主保育は存在しない。p256「富裕区の自主保育なんて意識高い系の主婦の集まり。そんなところに行ってどうする」…日本で左派を名乗る人々は、こういうことを言うことが多いのにわたしはきづいていた。…彼らはちっももわかっていない。「するな」と言われるとわたしは猛烈にしたくなるのだ。
第五章14. 2023-03-07 12:49:00 | This is Japan p249「『人権』という言葉を口にすると、すぐに『左翼』と言われます」…しかし日本の場合は、昔は左翼も右翼も人権派だったという歴史がある。
第五章13. 2023-03-06 18:20:00 | This is Japan p245「…このように、自己の意志で決定できる、立派な自立した近代的人間が、人権の主体になっている、そういう考えを現代まで引きずっている人は、いまだにリベラルの中にもたくさんいます」p246「そうなってくると、人権を持つためには自分の意思を持てとか、個人としての意識の高さが必要だとか、まるで自己啓発セミナーみたいになってしまう。でも、それはフランス革命の直後の話で、やっぱりそれじゃうまくいかないからつぶれちゃったんですよ。どうして『人権は誰にでもある』という話になったかというと、そうしないと社会はありとあらゆる人を排除していくだけだからです」
第五章12. 2023-03-05 20:19:00 | This is Japan p243「でも、日本人に人権の意識が根付いていないというのは、国民性の問題ではないと思います。現に、日本で生まれ育った人々でも、しばらく外国に住めば人権意識が根付くわけですから。僕は国民性の問題ではなく、仕組みの問題だと思います」