あなたのお母さんが殺されたら?
それも不倫の果てに。
またかい?
そうです。
乃南アサさんです。
こうなったなら、とことん読んでやろうじゃないの。
両親、姉との4人家族の真裕子17歳。父は仕事だゴルフだと留守がち。姉は浪人中で、母と何かとぶつかり暴言吐きまくり、物を投げたりの家庭事情。それでも平凡な日々だった。
あの日、真裕子の進路指導で学校に顔を出した母が帰らなくなるまでは。
その日から真裕子の生活は一変した。
「お母さんが死んだ、殺された、、、」
「愛する人は死ぬ。私はもう誰も愛さない」
「お母さんに会いたい」
「お母さんに会いたい」
「お母さんに会いたい」
真裕子の悲痛な叫び。
人が殺されるということは、被害者家族、加害者家族の生活を一変させる。
これもグイグイと引っ張られました。
真裕子の目を通して描かれる父親、姉、叔母たち、そして真裕子自身。更に加害者の妻。
どうしてこんなに緻密に心を描けるの?
一応、上下巻で完結したが、私としては、加害者に疑問が残る。
殺すに至るまでをもっと知りたい。
裁判で明かされてはいるが、それは表面的で、もっと深く知りたいのだ。
そうしたら「晩鐘上中下」「風紋」のその後と言うのが目に入った。
加害者の心理が描かれるかは分からないけど読みたい度マックス。
Amazon高い。メルカリで見つけました。
乃南アサさんは続くのであった。
Amazonより
ある殺人事件をめぐる家族の物語――。事件後、報道によって明らかになる被害者の姿。それは、近しい人間を殺され、ただでさえ苦しい残された家族をさらに追い詰める。またそれは、加害者側にもいえることだった。真に迫る緻密な心理描写で他の追随を許さない著書の、後世に語り継がれるべき傑作が装いを新たに登場。読みだしたら最後、読み手の心を放さない。