これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

派遣社員を望む人もいました。

2018-06-02 09:04:21 | 社会問題
 これは、いずれも、社員100人強の二つの会社の話です。これらの会社に、人当たりが良くて仕事の出来る派遣社員がいました。一人は30才くらいの事務職の女性で、もう一人は45才くらいの男性機械組み立て仕上工でした。
 派遣社員は給料が安い等々、負のイメージで語られる事が多いですが、年功序列社会では全く逆のケースもあると言う話です。

【女性の派遣社員】
 ある会社に優秀な、臨月に近い女性社員がいました。中小企業ですから、それまで産休制度は有りませんでしたから、彼女は退職願いを提出していました。この女性に出産後も務めて欲しかったからと推察しますが、急遽、女子社員に産休を与える事になりました。
 人材派遣会社(数社)に多少高額になってもいいから、仕事の出来る女性の派遣を依頼しました。スタイルも顔も、なによりも性格の良い女性が派遣されてきました。パソコンは出来る、事務の仕事は早い、お茶くみも掃除もしてくれる。

【男性の派遣社員】
 ある機械メーカの話です。多量に受注して現場作業者は連日残業をしいている状態でした。会社としては、どうしても受注したい案件が有ったのですが、現場は「これ以上は無理だ」と言う。そこで、機械組み立て仕上工の派遣を依頼したのです。
 こう言う状態で、現場に人を投入してもなかなか旨くいかないのが普通です。然し、派遣されてきた男性は頭が良く、腕が良く、人当たりが良い職人で、若い正社員の協力を得ながらテキパキと仕事を進めました。

【なぜ派遣社員になったのか?】
 私は、二社からそれぞれ「正社員になるつもりはないか?」聞いてくれと依頼され、彼女と彼に会ってみました。二人ともほぼ同じ回答で、「長く同じ職場にいると色々あるし、正社員になっても今より給料が高くなると思えない。」
 「どこで仕事を学んだのですか?」と聞いてみると、「××社です」、「◎◎社です」とのことでした。私は、二社とも以前から付き合いがあったので、彼と彼女があえて派遣社員の道を選んだ理由が分かった様な気がしました。
 多分、「最初の会社では、他の誰よりも仕事が出来る様になったのに、年功序列で能力を評価をする制度が無く、嫌になったのでは?」と想像しました。出る杭は打たれます!
 彼女と彼が正社員になったら、結局また年功序列制度に組み込まれてしまいます。

【有能な人材は高額でも欲しい】
 これは、会社から依頼されていなかったのですが、人材派遣会社(二社)の担当者に会ってみました。いずれも個人企業の様な小さな会社でした。
 派遣する人の能力を判定・把握している事が分かりました。優秀な人材を複数抱えていて、高額な派遣費を出してくれる案件にのみ、それらの貴重な人材を派遣しているとのことでした。勿論、優秀な人にはそれなりの給料を支払いますが、会社の取り分も普通の派遣社員より多くなる分けです。
 求人が少ない時でも、高額の派遣費を払っても即戦力になる人材を必要としている企業が結構ある様でした。

【派遣会社の能力評価は簡単】
 これらの人材派遣会社が、どのようにして能力評価をしているのか?極めて簡単なことでした。
 人材派遣会社(二社)の担当者は月に一度、派遣先に挨拶に来て、評価を聞いていました。必ずヘルメットを持参し、帰りがけに現場に行って、派遣社員に仕事の邪魔にならない程度の時間で声を掛けていました。派遣先の社員達と旨くやっているか確認していたのだと思います。

【小規模の企業では既に能力評価が普通になりつつあります】
 中小企業では、社員の能力を評価するのは比較的簡単だと思われます。社員が50人以下の場合では、多少経営者が鈍感でも、仕事の出来る社員と出来ない社員の区別はつきます。 能力によって給料に差を付けている小企業は既に沢山あります。

【アメリカの企業】
 アメリカの企業では能力評価で給料が決まると聞きます。会社全体として等級を決めて置き、人事評価をする専門家が各社員と面談して毎年「貴方は◎級、従って年収は×××万円」と決める様です。 プロ野球 選手の 契約更改の様に!
 能力評価に割く時間と労力は我が国の企業の数倍だそうです。それでも、生産性は我が国より高い様です。何故でしょうか?

【中・大企業では人事評価の専門家を育成する必要が有ります】
 我が国で能力評価を謳っている企業でも、人事評価を素人の課長や部長に押し付けています。部や課の中での評価は出来ますが、会社全体から見た人事評価は課長や部長では出来ません。
 ある大企業では、月給は年功序列でほぼ決め、ボーナスは部長が課長達と相談/協議して、能力評価(?)で決めていました。実際は社員の能力よりも、課の成果(利益)の差の方がボーナスに反映されてしまっていました。新たに開発した機種の場合、最初はあまり利益が出ませんので、新機種の担当者のボーナスは必然的に少なくなります。

 人事評価の専門家を育成しないで、年功序列制度を廃止すると種々の問題・弊害が発生すると私は予想します。


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