【はじめに】
「ロシアがウクライナに侵攻した」と言う報告を受けた習近平氏は、宝くじの一等が当たった時の様な顔になったと想像します。
ロシアの専門家・筑波大学名誉教授の中村逸郎(いつろう)氏は、ロシアに関する面白おかしい予想話を、テレビで公表しています。中村氏の予想は、殆ど当たった事が有りません! 私も中村氏に負けずに、大胆に考えて見ました。
私は習近平氏の立場になって、ウクライナ戦争を考えて見ました。NATOとロシアが核戦争を始めない限り、中国がウクライナ戦争で得る実利は『巨大』だと私は思います。戦争が長引けば実利は大きくなりそうです。 戦争を長引けせるために、実現不可能な停戦案をロシアとウクライナに呈示して、世界に発信しています。
【ウクライナ戦争の予想される事態】
ウクライナ戦争がどうなるか?現状では予測不可能です。ドンナ状況が予想されるのか?思いつくままに(以下に)列記してみました。
ドンナ事が起こったら❶~❽の事態になるか?考えると頭の体操になると思います。❶について私が考えたシナリオを書いてみました。
ロシア軍が予想以上に弱体化していて→→ウクライナ軍の反転攻勢に耐えられそうに無い→→プーチン氏が苦し紛れに核弾頭を搭載したミサイルを、一発ウクライナに打ち込む→→NATOが最新の戦闘機や爆撃機でウクライナに展開するロシア軍を攻撃して、壊滅的な損害を与える→→プーチン氏がパニックになって核のボタンを押してしまう→→核核戦争に突入する。
❶ NATOとロシアが核戦争に突入する。
❷ ロシア軍が2022年2月の侵攻前の状態で、一方的に停戦を宣言する。
❸ ロシア軍がウクライナから全て撤退して→→停戦する。
❹ クリミヤ半島以外からロシア軍が撤退して→→停戦する。
❺ 2023年5月末の状態で停戦する。
❻ ザポリージャ原子力発電所をロシア軍が破壊する。
❼ ロシアがウクライナ領内で核爆弾または多量殺戮兵器を使用する。
❽ NATOがウクライナに直接軍事介入する。
【習近平にとって避けたい事態】
ウクライナ戦争は、習近平氏にとって『棚から牡丹餅』です。但し、世界経済が大幅に悪化して、中国製品が売れなくなる事態は避けなければなりません。←←NATOとロシアが核戦争を始め無い限り、世界的大不況にはならないと私は予想しています。
もう一つ避けなければならない事態は、ロシアが国連の常任理事国の権利を剥奪される事です。→→中国、アメリカ、イギリス、フランスの4カ国になってしまいます。→→中国にとって好ましくない問題が、理事会で討議されると、今まではロシアも拒否権を行使してくれていました。→→中国だけが拒否権を連発する様になると、中国包囲網は益々強固な物になると思われます。
【中国がウクライナ戦争で得られるもの】
ウクライナ戦争が始まった時に習近平氏が考えていた以上の利益を、中国は既に得ています。戦争が長期化すると更に莫大な利益が転がり込んでくる事を、習近平氏は確信しているでしょう!
(余談 :中国の台湾侵攻) 習近平氏は虎視眈々と台湾の併合を狙っています。出来れば軍事力を使わないで併合したいと考えていると思われますが、軍事侵攻についても検討しているでしょう! ウクライナ戦争から、「偵察機や衛星からの情報/民間人のスマホ情報を集め→→AI(人工知能)を駆使して分析し→→効果的な攻撃を行う事が重要である」等々を学習していると想像します。
アメリカがウクライナに兵器や弾薬を多量に支援して→→備蓄量が大幅に減少したら→→習近平氏は、「台湾に軍事侵攻するチャンス到来」と考える恐れが有ります。
・・・ 既に得られている実利 ・・・
❶ 原油と天然ガスを安い値段で、多量に輸入出来る。
❷ ロシア向けに、工業製品の輸出が拡大している。
❸ 人民元決済が拡大している。
❹ ロシアが悪役を引き受けてくれる。
・・・ 今後期待できる実利 ・・・
① ロシアの弱体化→→軍事/政治/経済面で中国の影響力拡大→→ロシアは中国の『子分の様な国』になってしまうと予想します。
② 中央アジア5ヶ国(カザフスタン,ウズベキスタン,キルギス,タジキスタン,トルクメニスタン)をロシアから切り離し→→中国の『衛星国』にする。
③ コーカサス3ヶ国(ジョージア 、アルメニア、 アゼルバイジャン)をロシアから切り離し→→中国の『衛星国』にする。
④ モンゴール国への影響力拡大 ・・・現在は中露・2国とのバランス外交
⑤ ロシアの種々の産業から欧米諸国が撤退した→→中国が投資してロシア経済を支配するチャンスが到来している。
⑥ ロシアの地下資源の独占が期待できる。 ・・・ロシアには石炭、ニッケル、コバルト、金などなど、沢山地下資源が埋蔵しています。
⑦ コンゴ共和国のコバルト(Co)を独占出来る。 ・・・コンゴ共和国は紛争が絶えない、危険な国ですが、燃料電池等に必要なコバルトの埋蔵量が世界ダントツの一位です。ロシアの軍事組織『ワグネル』が駐屯して活躍しています。中国も進出して、既にコバルトを独占しています。
ロシアが弱体化したら→→ワグネルを中国の傭兵にするか、中国軍を駐留させて→→コンゴ共和国の地下資源を今後も独占すると予想します。
⑧ 兵器の輸出拡大 :近年、ロシアの兵器輸出は減少ぎみですが、それでも輸出大国(2020年は世界第2位=32億US$)です。中国製兵器は安価な様ですから、ロシアのシェアの大半が中国に転がり込む可能性が有ります。
⑨ ウクライナの復興 :ウクライナの復興が始まったら、中国が過剰生産している鉄鋼やセメントの需要が有るかも? そして、労働者を派遣して儲けられるかも?
⑩ 万が一、ロシア国内が大混乱になって→→数カ国に分割されたら→→中国は、それぞれの国に投資して→→中国の『衛星国』にする。 更に、極東ロシア(バイカル湖より東の地域)には、中国は進軍して、併合すると予想します。
(余談) 中国軍が極東ロシアに侵攻したら、日本は自衛隊を出して→→南樺太、千島列島、北方四島を奪還すべきだと思います。
【ウクライナ戦争の短期決着は避けたい!】
習近平氏は、「ウクライナ戦争がズルズルと長引いて欲しい」と考えていると思われます。 ウクライナ戦争が今年中に、または来年春までに、短期決着する可能性は少ないと思われます。 然し、次の様なケースは考えられます。
ケース1 : ロシア軍が既に弱体化していて→→ウクライナ軍の反撃に抵抗出来ず→→クリミヤ半島から撤退したせざるを得なくなったら→→プーチン大統領は一方的に停戦を宣言すると予想します。
ケース2 : ロシアがウクライナで核兵器や化学兵器を使用して民間人を多量に殺戮(さくりく)したり、ザポリージャ原子力発電所を破壊して放射性物質を多量に発生させたら、NATOは最新の戦闘機や爆撃機でウクライナに展開するロシア軍に壊滅的なダメージを与えると私は予想しています。→→ロシア軍は撤退せざるを得なくなります。
『ケース1』の場合は、中国に打つ手は有りませんが、『ケース2』にならない様に→→定期的に特使をロシアに派遣して→→『脅し賺(すか)し』続けると思います。
(余談) 最近、中国は「ウクライナに武器を支援すべきでない」と言っています。 中国の諜報機関は、「ロシア軍が弱体化しているので、ウクライナ戦争を長引かせる事が出来ない」と判断している可能性が有ります。 逆に、「ロシア軍に十分な力が残っている」と判断するのだったら、ウクライナに対する武器支援には言及しないと、私は考えます。
(余談 :ウクライナ戦争で得をしている国)
ヨーロッパ諸国はロシアからの原油と天然ガスの輸入が止まって、経済が停滞する状況になっていますが、以下の国はウクライナ戦争で恩恵を受けています。
❶ 中国
❷ インド :ロシア産原油を安値で多量に輸入しています。(インドはロシア製兵器を多量に購入していましたが、今後は欧米製に変更すると思われます。兵器の国産化に投資する様です。インド/中国間には国境紛争問題が有るので、中国製兵器は今後も買わないと予想します。)
❸ イラン :ロシアがイラン製ドローンや弾薬を買っているかも知れません。ロシアから核兵器に関する技術支援を受けているかも?
❹ トルコ :トルコはNATOの一員ですが、ロシアに対する経済制裁に参加していません。トルコはロシアから原油を多量に輸入して、機械類などを輸出しています。2022年は、輸出/輸入ともに大幅に拡大しました。
❺ 北朝鮮 :金額は少ないと思われますが、砲弾などを輸出して、食糧を輸入していると想像しています。
❻ 韓国 :2020年の兵器輸出額は『890億円』→→22年の兵器受注額は『20,000億円(=2兆円)』
「ロシアがウクライナに侵攻した」と言う報告を受けた習近平氏は、宝くじの一等が当たった時の様な顔になったと想像します。
ロシアの専門家・筑波大学名誉教授の中村逸郎(いつろう)氏は、ロシアに関する面白おかしい予想話を、テレビで公表しています。中村氏の予想は、殆ど当たった事が有りません! 私も中村氏に負けずに、大胆に考えて見ました。
私は習近平氏の立場になって、ウクライナ戦争を考えて見ました。NATOとロシアが核戦争を始めない限り、中国がウクライナ戦争で得る実利は『巨大』だと私は思います。戦争が長引けば実利は大きくなりそうです。 戦争を長引けせるために、実現不可能な停戦案をロシアとウクライナに呈示して、世界に発信しています。
【ウクライナ戦争の予想される事態】
ウクライナ戦争がどうなるか?現状では予測不可能です。ドンナ状況が予想されるのか?思いつくままに(以下に)列記してみました。
ドンナ事が起こったら❶~❽の事態になるか?考えると頭の体操になると思います。❶について私が考えたシナリオを書いてみました。
ロシア軍が予想以上に弱体化していて→→ウクライナ軍の反転攻勢に耐えられそうに無い→→プーチン氏が苦し紛れに核弾頭を搭載したミサイルを、一発ウクライナに打ち込む→→NATOが最新の戦闘機や爆撃機でウクライナに展開するロシア軍を攻撃して、壊滅的な損害を与える→→プーチン氏がパニックになって核のボタンを押してしまう→→核核戦争に突入する。
❶ NATOとロシアが核戦争に突入する。
❷ ロシア軍が2022年2月の侵攻前の状態で、一方的に停戦を宣言する。
❸ ロシア軍がウクライナから全て撤退して→→停戦する。
❹ クリミヤ半島以外からロシア軍が撤退して→→停戦する。
❺ 2023年5月末の状態で停戦する。
❻ ザポリージャ原子力発電所をロシア軍が破壊する。
❼ ロシアがウクライナ領内で核爆弾または多量殺戮兵器を使用する。
❽ NATOがウクライナに直接軍事介入する。
【習近平にとって避けたい事態】
ウクライナ戦争は、習近平氏にとって『棚から牡丹餅』です。但し、世界経済が大幅に悪化して、中国製品が売れなくなる事態は避けなければなりません。←←NATOとロシアが核戦争を始め無い限り、世界的大不況にはならないと私は予想しています。
もう一つ避けなければならない事態は、ロシアが国連の常任理事国の権利を剥奪される事です。→→中国、アメリカ、イギリス、フランスの4カ国になってしまいます。→→中国にとって好ましくない問題が、理事会で討議されると、今まではロシアも拒否権を行使してくれていました。→→中国だけが拒否権を連発する様になると、中国包囲網は益々強固な物になると思われます。
【中国がウクライナ戦争で得られるもの】
ウクライナ戦争が始まった時に習近平氏が考えていた以上の利益を、中国は既に得ています。戦争が長期化すると更に莫大な利益が転がり込んでくる事を、習近平氏は確信しているでしょう!
(余談 :中国の台湾侵攻) 習近平氏は虎視眈々と台湾の併合を狙っています。出来れば軍事力を使わないで併合したいと考えていると思われますが、軍事侵攻についても検討しているでしょう! ウクライナ戦争から、「偵察機や衛星からの情報/民間人のスマホ情報を集め→→AI(人工知能)を駆使して分析し→→効果的な攻撃を行う事が重要である」等々を学習していると想像します。
アメリカがウクライナに兵器や弾薬を多量に支援して→→備蓄量が大幅に減少したら→→習近平氏は、「台湾に軍事侵攻するチャンス到来」と考える恐れが有ります。
・・・ 既に得られている実利 ・・・
❶ 原油と天然ガスを安い値段で、多量に輸入出来る。
❷ ロシア向けに、工業製品の輸出が拡大している。
❸ 人民元決済が拡大している。
❹ ロシアが悪役を引き受けてくれる。
・・・ 今後期待できる実利 ・・・
① ロシアの弱体化→→軍事/政治/経済面で中国の影響力拡大→→ロシアは中国の『子分の様な国』になってしまうと予想します。
② 中央アジア5ヶ国(カザフスタン,ウズベキスタン,キルギス,タジキスタン,トルクメニスタン)をロシアから切り離し→→中国の『衛星国』にする。
③ コーカサス3ヶ国(ジョージア 、アルメニア、 アゼルバイジャン)をロシアから切り離し→→中国の『衛星国』にする。
④ モンゴール国への影響力拡大 ・・・現在は中露・2国とのバランス外交
⑤ ロシアの種々の産業から欧米諸国が撤退した→→中国が投資してロシア経済を支配するチャンスが到来している。
⑥ ロシアの地下資源の独占が期待できる。 ・・・ロシアには石炭、ニッケル、コバルト、金などなど、沢山地下資源が埋蔵しています。
⑦ コンゴ共和国のコバルト(Co)を独占出来る。 ・・・コンゴ共和国は紛争が絶えない、危険な国ですが、燃料電池等に必要なコバルトの埋蔵量が世界ダントツの一位です。ロシアの軍事組織『ワグネル』が駐屯して活躍しています。中国も進出して、既にコバルトを独占しています。
ロシアが弱体化したら→→ワグネルを中国の傭兵にするか、中国軍を駐留させて→→コンゴ共和国の地下資源を今後も独占すると予想します。
⑧ 兵器の輸出拡大 :近年、ロシアの兵器輸出は減少ぎみですが、それでも輸出大国(2020年は世界第2位=32億US$)です。中国製兵器は安価な様ですから、ロシアのシェアの大半が中国に転がり込む可能性が有ります。
⑨ ウクライナの復興 :ウクライナの復興が始まったら、中国が過剰生産している鉄鋼やセメントの需要が有るかも? そして、労働者を派遣して儲けられるかも?
⑩ 万が一、ロシア国内が大混乱になって→→数カ国に分割されたら→→中国は、それぞれの国に投資して→→中国の『衛星国』にする。 更に、極東ロシア(バイカル湖より東の地域)には、中国は進軍して、併合すると予想します。
(余談) 中国軍が極東ロシアに侵攻したら、日本は自衛隊を出して→→南樺太、千島列島、北方四島を奪還すべきだと思います。
【ウクライナ戦争の短期決着は避けたい!】
習近平氏は、「ウクライナ戦争がズルズルと長引いて欲しい」と考えていると思われます。 ウクライナ戦争が今年中に、または来年春までに、短期決着する可能性は少ないと思われます。 然し、次の様なケースは考えられます。
ケース1 : ロシア軍が既に弱体化していて→→ウクライナ軍の反撃に抵抗出来ず→→クリミヤ半島から撤退したせざるを得なくなったら→→プーチン大統領は一方的に停戦を宣言すると予想します。
ケース2 : ロシアがウクライナで核兵器や化学兵器を使用して民間人を多量に殺戮(さくりく)したり、ザポリージャ原子力発電所を破壊して放射性物質を多量に発生させたら、NATOは最新の戦闘機や爆撃機でウクライナに展開するロシア軍に壊滅的なダメージを与えると私は予想しています。→→ロシア軍は撤退せざるを得なくなります。
『ケース1』の場合は、中国に打つ手は有りませんが、『ケース2』にならない様に→→定期的に特使をロシアに派遣して→→『脅し賺(すか)し』続けると思います。
(余談) 最近、中国は「ウクライナに武器を支援すべきでない」と言っています。 中国の諜報機関は、「ロシア軍が弱体化しているので、ウクライナ戦争を長引かせる事が出来ない」と判断している可能性が有ります。 逆に、「ロシア軍に十分な力が残っている」と判断するのだったら、ウクライナに対する武器支援には言及しないと、私は考えます。
(余談 :ウクライナ戦争で得をしている国)
ヨーロッパ諸国はロシアからの原油と天然ガスの輸入が止まって、経済が停滞する状況になっていますが、以下の国はウクライナ戦争で恩恵を受けています。
❶ 中国
❷ インド :ロシア産原油を安値で多量に輸入しています。(インドはロシア製兵器を多量に購入していましたが、今後は欧米製に変更すると思われます。兵器の国産化に投資する様です。インド/中国間には国境紛争問題が有るので、中国製兵器は今後も買わないと予想します。)
❸ イラン :ロシアがイラン製ドローンや弾薬を買っているかも知れません。ロシアから核兵器に関する技術支援を受けているかも?
❹ トルコ :トルコはNATOの一員ですが、ロシアに対する経済制裁に参加していません。トルコはロシアから原油を多量に輸入して、機械類などを輸出しています。2022年は、輸出/輸入ともに大幅に拡大しました。
❺ 北朝鮮 :金額は少ないと思われますが、砲弾などを輸出して、食糧を輸入していると想像しています。
❻ 韓国 :2020年の兵器輸出額は『890億円』→→22年の兵器受注額は『20,000億円(=2兆円)』