高橋まゆみ・創作人形「まゆみの気まぐれ日記」

農道をかっぽして歩く笑顔のおじいちゃん。姿が見えなくなるまで手を振るおばあちゃん。やさしさはいつもそばにいた。

沖縄哀歌

2007-02-02 17:15:48 | まゆみのつぶやき室
展示会場の入口に挨拶文・・・というものがある。

その中に「戦争があったって、金が無くたって、食ってくものさえあれば生きていける」という年寄り達の笑いじわに生きるすべを見る。と書いている。
我が家の年寄りが言った言葉だったが、その言葉に噛み付いて来た人がいた。

この『戦争があったって』・・・というのは違うでしょう。どういうこと・・・みたいに。

戦争という物を深く見つめようとしない、過去形にしている自分がいた。

千葉で、しびれる手でサインをした未来君の『沖縄哀歌』を読み終え、そんな自分が恥ずかしく思えた。
終戦から未来君よりもずっと近い年の自分が、20歳になったばかりの息子のような未来君のこの本を読んで、深くため息が出た。

今回初めて出した、からっぽの碑という作品も、写真だけしか見ていないので、広島かと思っていたが、その写真のおばあさんの後ろには石碑郡が連なっているので、これは平和の礎だったんだと、光景が重なる。

過去の何万人もの無念の死をしっかり受け止め、時には涙し、時には震えながら、平和を願い、二度と戦争・・という痛ましい世の中にならないように、祈りを込めて書き上げた、この沖縄哀歌は未来君や家族にとって、戦争で無念の死を遂げた人への
恩返しであると共に、豊かな世の中ボケになっている人へのメッセージだと思います。

本当にがんばりましたね!

ハンディのある未来君の傍らで、いつも支えていたお父さん、お母さん、弟達。
これだけの本にまとめるにはどれだけ沖縄に飛んだのでしょう。歩いたのでしょう。きっと、一途そうな貴方だから、妥協せず・・・と見ましたよ。

これからも、一緒に人形展と旅しましょう。一等賞の旗。沖縄哀歌。

私の名前も入れてくれてありがとうね!