PCR検査は基礎を学んだ人が訓練を受ければすぐに出来る。成程。では数学と英語の高等教育を修了している大学生にパソコンとCの教本を与えれば、会計システムはすぐに出来るとでも考えているのだろうか。COBOLじゃないとダメ、とか宗教論争をしている場合ではない。知り合いにどちらも居ないのでよく分からないのだが、医師は検査技師の仕事を舐めている様な気がする。試験管にピペットで試薬を適量注ぐのは、理系の大学で実験に携わった人であれば馴染みのある行為だろう。しかし検体の状態によってその量を微調整したり、増殖器にかける時間と温度の設定を加減したりする勘所は、経験でしか得られない。生物相手だとこの傾向は更に強まると思う。試料汚染を起こさない様に細心の注意を払いながら、それを大急ぎでやらなくてはならないのである。エンジニアの特殊技能を軽視すべきではないのだが、IT業界の人間が言うと説得力が半ば無くなるのが悩ましいのである。