落選は残念である。地質時代区分に人新世を設ける案が検討され、その標本となる地層に別府湾が候補に挙がっていたのだが、カナダのクロフォート湖が採用されたそうである。20世紀半ば辺りから人類が公害を引き起こしたり核兵器を爆発させたりした影響が無視出来ない程に影響を及ぼしている、と云うのが理由らしいが、直前の完新世メガラヤン期の始まりは約4200年前と桁違いに大昔である。地質時代区分とするにはいかがなものかと云う意見も根強いそうで、実現するかはまだ分からない。ベップワニアンが歴史に名を刻むかは不透明であるが、環境問題に思いを致す契機にはなりそうである。科学技術の爆発的進歩が地質を激変させたと云う事実に変わりは無いし、反省すべき点も色々あろう。メガラヤン期の始まりとされる氷河期を終焉させた自然現象に匹敵する力を人類が手に入れた事を素直に喜んで良いのかは分からないが、後戻りは出来ないのが悩ましい所なのである。