ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

フランスの家(1)

2005-12-21 19:43:33 | 旅行
今日のイギリスは

インテリアも見たいという皆ちゃんのご要望に応えて、フランスの家の内部をご紹介します。

まずは台所。イギリスではシステムキッチンが普及しているのだが、フランスはこの点ではかなり後進国だと思う。この家の台所は一応戸棚のドアは同じ白の素材で統一されているし、ワークトップも壁と同じタイル張り(茶色の花柄というのが残念だが)になっているので、ましなほう。

ワークトップに足がついただけのテーブル状のものの縁に針金を渡し、そこに短いカーテンを吊る下げて台所の戸棚、というのがフランスではよく見られる。なぜフランスでシステムキッチンが普及しないのかと言うと、フランス人は引っ越すときに台所まるごと次の家に持っていくのだそうだ。だから、システムキッチンにすると、壁から取り外し、ばらして輸送するのがたいへんなので、あまり人気がないのだということである。

もっとも、以前イギリスで、わたしの家の隣に住んでいた夫婦は仮住まいだったが、次の家に持っていくと言って、前の家で使っていたシステムキッチンを車庫の中にしまっていた。イギリス人の中にはたまにそういう人もいるが、ほとんどの場合はみなそのまま残していく。趣味よく整えられ、良質の材料・器具を使ったシステムキッチンはセールスポイントになるが、遅かれ早かれ、新しくその家を買った人たちが自分たちの好みに合わせて新しくシステムキッチンを作り直すのが普通である。

この台所はたぶん入居後第一番の改装対象となるであろう。

冬のフランス

2005-12-20 18:43:20 | 旅行
今日のイギリスは

またまた遅くなってしまったが、フランスの感想を少し。

やっぱりスペインよりはずっと寒かった。イギリス南東部よりも寒いかもしれない。でも、木々にはまだ茶色や黄色の葉が残っていて、風景は冬と言うよりは秋という感じ。ナルボンヌで、海岸沿いの高速道路からボルドーに向けて内陸部に入る高速道路に進路を変えると、しばらくピレネー山脈に平行して走ることになるのだが、雪に覆われた山々が太陽を受けて輝いているのが美しかった。やっぱり日差しは冬だ。

フランス人の不動産屋ファブリスの紹介で、イギリス人のご夫婦が経営するベッド・アンド・ブレックファーストに3泊ほどした。小さな村なのだが、2軒もレストランがある。もっとも、客はわたしたちだけという夜もあった。こんな小さな村でどうやって、2軒のレストランが生計を立てていけるのか不思議だ。

フランスのレストランと言うと、4コースのセットメニューを2時間かけて食べるというパターンしかないようである。この日は昼間ファブリスに連れて行ってもらった店で、たっぷりランチを取ったので(昼間のセットメニューは10ユーロ(約1400円)から13ユーロと安くて絶対にお得だ)、夜は軽く済ませたかったのだが、軽い食事を取れる店というのがなかなか無い。結局、40キロほど車を走らせて、バッファロー・グリルというアメリカ料理のチェーン店でハンバーガーとスペアリブを食べる。とても感じのよいフランス人青年が英語で世話してくれた。

フランス人にとって食べるということはとても重要なことのようだ。フランス滞在2日目、、ファブリスが付き添ってくれて、目的の銀行口座開設と購入する家の再訪に出かけた。英語を話すフランス人の銀行員をファブリスが紹介してくれ、問題なく銀行口座を開設することができた(フランス人もスペイン人以上に書類が好きだ。その大量の書類の1ページずつに頭文字をサインしないといけない。大仕事である)。一つ目的を達成すると、時刻は正午。ファブリスがそわそわし始める。「そろそろお昼の時間かな?」夫は家を見たくてたまらないので、家を見てからということになる。家に行き、写真を取ったりするが、だんだんファブリスが不安そうになってくるのがわかる。昼食が心配なのだ。1時近くなり、もう一度午後に来るということにして家を出て、ファブリスの行きつけの店に行く。

仕事の合間に食事を取る人たちでごった返しているのだが、そこはさすがにフランス。きちんとセットされたテーブルについて、4コースのセットメニューである。作業着姿の人たちのテーブルには、赤ワインのボトルまでのっている。2時になると、レストランは途端に静かになる。「みんな2時までに食事を済ませたいから、昼食時は地獄のような忙しさよ」とウェートレスが文句を言っていたが、そんなに急ぐのなら4コースの料理なんか食べなければいいのに。ファブリスが言うには、スーパーマーケットの中にあるレストランは、ちゃんとした料理を出すが、45分くらいで食事を済ませられるということで、迅速サービスのレストランもあるらしい。が、それでも45分である。日本の立ち食いそば屋など見たら、フランス人は腰を抜かすかもしれない。

「今日はちょっと食事を作る気がしないから、軽く外食で済ませちゃお」という気分のとき、フランスの主婦はいったいどうするのであろう。料理が嫌いなわたしは、これからの生活に不安を覚えるのだった。そのたびに4コース料理を食べるのは疲れる。しかも、残すと不機嫌になるのだ。夫の助けを借りてなんとかチーズまでは残さずに済んだが、最後のデザートはさすがに食べきれず皿に残したら、ウェートレスに「マダーム!!」と言っておこられた。

フランス人はフランス料理が一番だと思っているから、フランス料理以外のレストランがあまりない。それがフランスの問題点だとファブリスが言う。これはわたしも10月にフランスを旅行したときに気がついた。スペインのペドロランド近辺では、石を投げれば安い中華料理店に当たるのだが、このとき、フランスではたった1軒しか見かけなかった。経済面でも、フランスではあまり外食はできない。フランス料理の店のセットメニューは、24ユーロ(約3300円)からと夜になると途端に高くなる。あるレストランでは、ワイン1瓶20ユーロも取られた。

ファブリスによると、20キロほど離れた町に中華兼ベトナム料理の店が1軒あるそうだ。そこに昨夜行って、最近その店で始めた日本料理を食べてみたとのこと。わさびって本当にうまく名づけたものだ、「わぁっーーーさっびー」というくらい辛かったとたいへん感心してた。辛味ってフランス料理にはない味覚だものね。

フランス紀行(8)

2005-11-15 22:04:04 | 旅行
フランス紀行の最後に、購入した家をご紹介します。

結局最後に見た地域の3つの物件のうちの1つに決めた。わたし自身は最初フランスに住むことにはからあまり情熱を持っていなかったので、夫の決断である。

ボルドー市内から内陸へ100キロほど入ったところで、大西洋岸へは車で1時間半ほどである。この地方は、昔からイギリス人に愛されてきたドルドーニュの南部にあたる。この家は袋小路の奥に位置した3軒のうちの1軒で、もう1軒にはイギリス人夫婦が住んでいるようである。たまたま彼らを訪れていた友人もこの家に興味を持ち、わたしたちのすぐ後に内見をしたようだが、不動産屋のファブリスが、わたしたちのほうが先につばをつけたのだからということで、わたしたちを優先させた。われわれがここに引っ越してきたら、この新しい隣人はあまりいい印象をわたしたちに持たないのではないかと、ちょっと心配だ。

フランスというのは意外に遅れている国だと思ったことが2つ。まず、都市ではどうなのか知らないが、下水道が完備していなくて、見た家全部が汲み取り式であった。実家のある東京西部でも下水道本管に繋がったのは、ほんの6~7年くらい前だったようだから、わたしはあまりショックを受けなかったが、イギリスで下水道が完備していないというのは、田舎でもめったにないと思う。が、わたしが驚いたのは、汚水処理をするのは2年に一度とか4年に一度と不動産屋たちが言っていたことである。実家では、確か3ヶ月にいっぺんとかもっと頻繁に汲み取り屋さんが来ていたような気がする。フランスでは、よっぽどタンクが大きいのか。あるいはちゃんとしたタンクではなくて、ただ地中に埋められているだけなのか?いずれにせよ、道理で庭が大きいわけである。

仕事の関係でブロードバンドは必須なのだが、フランスではごく最近ブロードバンドが普及し始めてきたということだ。ペドロランドでは、電話が入るのに18ヶ月かかったが、電話線開通のあかつき(2002年)にはすでにブロードバンドは可能だった。フランスはスペインよりもブロードバンドでは遅れているというのは意外であった。

先日売買同意書にサインをしたばかりで、すべての購入手続きが終わるのは来年の1月末の予定である。この売買同意書だが、まるで履歴書のよう。「売り手のXXXは、何年何月何日にどこどこで生まれ、何年何月何日にどこどこで誰それと結婚した」というように、売り手と買い手の略歴で始まる。家を売り買いするだけで、見合いではないっていうのに。この売買同意書にサインをしてから、7日間がクーリングオフ期間で、この期間にキャンセルがなければ正式な手続きが始まり、それ以降のキャンセルの場合には、買い手の払った手付金は払い戻しができないことになる。イギリス(イングランド)の場合は、契約交換の直前まで、いつでも売り手が気を変えることができるので、買い手はなかなか気の休む暇がない。

イギリスとフランスでも不動産売買の手続きはいろいろと異なる。住宅ローンの条件として、生命保険に入らなくてはならないのはフランスでもイギリスでも同じなのだが、この生命保険申し込みに際しての質問がなかなか変わっている。

イギリスでは必ず喫煙者かどうか聞かれ、喫煙者の場合には保険金がかなり高くなるのだが、その質問がフランスではない。その代わりに、視力矯正用のレンズ(眼鏡あるいはコンタクト)を使用しているかどうかを聞かれる。面倒くさかったのでNOにしてしまったが、これがYESということになると、左右の裸眼の視力と矯正後の視力を記入しないといけない。視力がどう生命保険と関係しているのかよくわからないのだが。

当面はスペインの家はそのままにして、3拠点体制で暮らしていく予定。が、もしそれがあまりにも不便だったり(なんか落ち着かなさそう)、経費がかかりすぎるようだったら、フランスかスペインの家を売るか、賃貸に出すかもしれない。来年はとりあえず、お試し期間ということになりそう。


フランス紀行(7)

2005-11-11 20:15:31 | 旅行
10月16日(日)のフランス南部の天気は、スペイン北東部の天気は、ペドロランドの天気は

朝食後、昨日の夕方から降り始めた雨の中を出発する。途中、深い霧に包まれるが、不思議なことに、国境を越えてスペインに入るなり、太陽が現われ気温も上がる。

イギリスの主食は何かとよく聞かれるが、日本の米にあたるのがジャガイモではないかと思う。イギリスの典型的な食事のパターンというと、肉に温野菜2種類プラス何らかの形のジャガイモ(フライ、マッシュ、ジャケット、ソテー、ただゆでただけのものなど)ということになる。お隣のオランダ人に聞くと、オランダ料理も同じようなものだと言う。ベルギーも同じパターンのようだ。

西洋の主食はパンという観念が日本にはあるようだが、日本のご飯のような形でパンが食卓に上ることは、イギリスではあまりない。映画やテレビを見ていると、戦時中や戦争直後の配給制度下で、夕食時に少しの肉や野菜を補うような形で、テーブルでパンを切りながら、食事と一緒に食べているシーンが見られことがよくある(現代でも、イギリス北部を舞台にしたドラマなどではこういう食卓のシーンが見られることもある)。

今回フランスで感じたのは、ジャガイモの扱い方がイギリスやオランダ・ベルギーとは違うことだ。非常に比重が軽い。ほかの野菜と同様に扱われている。もっとも、フランス式にゆっくりと前菜・メインコース・チーズ・デザートと4コース食べたら、ジャガイモで腹を膨らます必要はまったくないのだが。異なるのは、イギリスのレストランだと、「とりあえずこれで飢えをしのいでおいてね」という感じで最初に出てきたパンは前菜が終わった時点で下げられてしまうことが多い。しかし、フランスではメインコースが終わるまで残っている。イギリスでは、チーズ・アンド・ビスケットというくらいで、チーズには必ずそれをのせるクラッカーとバターがついてくる。が、フランスではチーズだけで食べるようで(それにレタスの葉っぱとクルミのドレッシングが添えられる)、チーズが出てくる時点でパンを下げようとするウェイターに、イギリス人たちは残しておくように頼んでいた。

ペドロランド付近のレストランは北ヨーロッパ人の客が多いせいか、スペイン人経営のレストランでも、肉(あるいは魚)にサラダとポテトフライというパターンが多い。でも、本当のスペインの家庭料理では、フランスのようにパンが主食になっているケースが多いのではないと思う。主食というのは、腹を膨らませるものという意味だ。

11時間のドライブのあと、ペドロランドには8時半頃に到着した。頼まれた荷物をご近所の人たちに配って歩き、再会を喜び合った後、スペインならではの安い中華料理店に行って、いつものセットメニューをいただく。不通になっている電話線のことはしばし忘れて、無事スペイン到着を祝うのだった。

フランス紀行(6)

2005-11-10 19:26:19 | 旅行
ホテルをチェックアウトした後、大西洋岸のリゾート地、ラ・ロシェルに向かうアランとスーと別れ、不動産屋に行く。2軒物件を見てまわる。この地域は売り物件自体があまり出ないみたいで、不動産屋もあまり見せるものがないと言った雰囲気であった。インターネットで見ていいと思っていた物件はすでに売れてしまったとのこと。この地域は他と比べて不動産の値段も高いようだ。1軒は小さすぎ(庭がほとんどない)、もう1軒は改造半ばで2階への階段すらなかった。家の中に井戸があったり、ポタージェと呼ばれる石のストーブのようなもの(昔、農作業をする人たちのためにスープを温めるのに使われたそうだ)が2階にある、とても個性的な家であったが、いったいこの先どのくらい金がかかるのか、はっきりとわからないところがリスク要素だ。

この後、さらに南下し、緯度的にはボルドーと同じくらいのところ(ボルドーから内陸部に約100キロくらい入る)で、午後にまた別の不動産屋に会う。英語を話す(若気の過ちでイギリス人のガールフレンドについていって、イギリスのシェフィールドで暮らしたことがあるそうだ)フランス人の青年が、3軒ほど物件を見せてまわってくれる。

1軒目の居間には、いのししの頭の剥製が壁にかかっていた。家主は留守で、鍵がかかっていなかったので、勝手に中に入らせていただいたわけだが、猟銃が居間の隅に無造作に立てかけられていたのは、あまりにも無用心ではないか?寝室のダブルベッドのヘッドボードとサイドテーブルは豹柄のフェイクファー(だよね?)で飾られていて、家主の趣味がうかがわれた。

フランスでは狩猟が人気と見えて、田舎道で車を走らせていると、蛍光色のジャケットをつけた男性たちが猟銃をかかえて歩いていたりする。いのしし狩りのシーズンだそうだ。3軒目の家の家主の息子は、わたしたちがいる間に、銃をかかえて猟に出かけていった。この家ではかつて銃を売っていたそうである。そのせいで、家の一部は厚い窓ガラスが使われいたり、警備が厳重になっている。ちなみにこの家には、屋外プールがついていて、庭も広いし、3寝室、広いダイニング・リビングルームにさらにもう1つの居間と2つの小さな部屋と車庫部分がついている。でも、実のところ予算オーバー。

この後、スペインに向けて南下を始めるが、移動を始めたのがすでに午後5時近かったので、1時間半ほど車を走らせた後、マルマンドというところで一泊することにする。



フランス紀行(5)

2005-11-10 19:20:01 | 旅行
10月15日(土)のフランスの天気はときどき

同行の夫妻、アランとスーがこのホテルを気に入ったというので、3連泊を希望するが、この日から来年の3月いっぱいまでホテルは閉鎖されると言う。いくらシーズンオフとはいえ、6ヶ月近くも閉めてしまうなんて大胆だ。いったい従業員は6ヶ月間職無しでどうするのだろうと思っていたら、ゲイのウェイター(ルパート・エベレット風であった)は、この間パリでエキストラの仕事をするのだと言っていた。

ホテルの今季最後の朝食をいただく。フランスのホテルの朝食は、かなりかなり簡素であるが、それでもクロワッサンとフランスパンにジャム、オレンジジュース(かグレープフルーツジュース)に普通ヨーグルトとフルーツがつく。最初の2泊をしたホテルではこれで6ユーロ(831円)であった。ここはそれより高かったが、ヨーグルトもフルーツもつかなかった。今日で店じまいなので品切れのまま補充しなかったのか、単に高いだけなのか。いわゆるコンチネンタル・ブレックファーストだと、ドイツ式にハムとチーズがつく。イングリッシュ・ブレックファーストほどではないが、結構満足が行くものだ。

写真はブーデイユの城の塔の上から見た水車小屋。ボートの形を模して作られた。もう水車小屋としては使われていないようだが、人は住んでいるようである。

フランス紀行(4)

2005-11-09 22:40:50 | 旅行
10月14日(金)のフランスの天気はときどき

この日は午後にイギリス人とアメリカ人のご夫婦の家を見に行くことになっていた。持ち主自らがインターネットに広告を載せいていて、この物件には不動産屋の介入は無し。

午前中、ブーデイユの城を見学する。入場料大人5ユーロ80セント也。ガイドはない。入り口で英語のパンフレット(と言ったって、プリンタで印刷した程度のもの)をくれるのだが、驚いたのは帰りに返してくれと言われたこと。でも、塔のてっぺんからの風景は5ユーロ80セントと筋肉痛の価値はあったと思う(以降の記事でそこからの写真を載せます。ちなみにこの写真はホテルの駐車場からの風景)。

カフェの通りに面したテーブルでビール(生ビールなのだが、変な味がした)を飲みながら、のんびりした後、午後、シャトー・ルベックという小さな村に家を見に行く。ご主人は画家ということで、物置はアトリエに改造されていた。庭はあまり広くないが、周りを森に囲まれている。借景ということになるかな。隣はフランス人家族ということであるが、垣根でほぼ全体を囲まれているので、ほとんど隣は見えない。

このご夫婦は、奥さんがカリフォルニア生活が長かったということもあり(生まれはボストンだそうだが)、冬の寒さが嫌になったので、ここを売ってもう少し南のスペイン国境に近いパーピニヨン辺りに引越したいということだ。

この辺りは山あり谷ありの田園風景が広がり、とても美しい。前日見た家も魅力的なのだが、ポワトゥー・シャラント地方は気候的にそれほどイギリスと変わらないし、耕された農地がまっ平らの大地に続く風景はここほど興味深くないということで、夫の気持ちはすでに前日見た家から離れ、この地方に傾きつつあるようである。


フランス紀行(3)

2005-11-09 22:16:45 | 旅行
10月13日(木)の天気はときどき

この日は10時に不動産屋とのアポがあり、3軒ほどの物件を見る。2軒目の家は、古い石の家をフランス人の持ち主が自ら住むために改造し、電気配線工事を含め、ほぼ土台が完成したところで、転勤になったので売らなくてはならなくなったとのこと。庭はそれほど大きくないのだが、居間がとても広い。とても気に入ったのだが、とりあえず他の地域の他の物件を見てから決めるということになった。

この後、3つの地域で6つの物件を見ることになるのだが、フランスの家というのは、イギリスの家ともまた異なっている。

イギリスでは、ほとんどの家が玄関を開けるとそこには玄関ホールがあり(ここで挨拶をしたり、コートを脱いだりする)、そこから2階に上がる階段があったり、1階の奥に続く廊下がある。ところがフランスで見た9つの家はすべてこの玄関の間がなかった。ドアを開けると台所だったり、居間だったり、食堂だったりするわけだ。

そもそも、玄関というのものがはっきりしない。たぶん表と裏という感覚がないのだろう。イギリスでも日本でも通りに面した部分が表ということになり、そこに玄関があるのが普通ではないかと思う。が、9軒のうちのある家では、表には家の一部である車庫の大きなドアしか入り口がなかった。ここで車を降りて、小さな洗濯部屋を通り、台所に至るのであるが、当然こんなルートでお客様をお迎えすることはできない。裏までまわって、裏庭に面したドアからお客様を受け入れることになると思うのだが、ドアを開けると、そこは台所に通じるダイニングルームである。

イギリスの家には雨戸というのがなく、日よけになるのはせいぜい厚手のカーテンくらいなのだが、フランスの家にはみんな板のよろい戸がついている。やっぱり日差しの強さと日照時間の長さの違いか?もっとも、フランス北部の気候はあまりイギリスと変わるところがない。スペインでは、窓は一部屋に1つ、小さめのものだ。ここまで来ると、太陽は迷惑になってくる。スペインの新しい家では、よろい戸はアルミニウムかなにかの軽金属でできていて、上下に上げ下げする方式が多い(電動式も可能)が、フランスでは板の左右開閉式のものがほとんどだった。

この日は少し南下し、アングレームの南まで行く。リエベックという大きめの町で泊まろうと思ったのだが、どこも宿は満室。結局、ブーデイユという小さな村まで足を伸ばし、城の近くのホテルに泊まる。



フランス紀行(2)

2005-11-08 02:53:25 | 旅行
10月12日(水)のフランスの天気は

この日は不動産屋とのアポがとれなかったので、近くの町を見てまわる。フランスの田舎の町というのは、どこもあまり人気(ひとけ)がない。まるでゴースト・タウンのよう。若い人が少ないのだろう。

写真の町シブレーは、中学校があるみたいで、女学生がグループで歩いていた。

この日の夕方、早朝イギリスを出発した夫の友人夫妻とホテルでおちあい、一緒に夕食をとる。

フランス紀行(1)

2005-11-04 19:14:16 | 旅行
10月11日のイギリスとフランスの天気はときどきってな感じだったような…

やっとフランス紀行に手をつけ始めました。なにしろ、3週間以上前のことなので、天気もろくに覚えていないのでした。が、ぼちぼちフランス旅行の感想をまとめていきたいと思っています。

10月11日(火)にイギリスを出発し、フランス経由で6日かけてスペインに帰る。フランス旅行の目的は不動産視察である。

今回は、ユーロトンネルを利用した。理由は速いから。イギリスのフォークストンからフランスのカレーの南西まで、わずか30分で到着は魅力(フェリーだと1時間15分かかる)。しかも、フォークストンのほうがドーバーより車で20分くらい近いし。ただし、ちょっとお金がかかる。片道80ポンド(約1万6千円)であった。

高速道路を降りるとすぐに料金所のようなチェックインカウンターがある。今日はフランス人職員がストライキをしているので、遅れが出ているということだ(本当にフランス人ってよくストライキをするんだから)。チェックインを済ませ、免税店の並ぶ空港のようなターミナルで呼び出しを待つ。天井から下がったテレビ画面に自分の番号が現われると、搭乗場所に向かわないといけないというのも、まるで飛行場のよう。

車で電車の車両に乗り込む。一応トイレも車両内にあって、車の外に出てもいいらしいのだが、電光掲示板には車の中にとどまるようにという注意が流れているので、30分の移動中はずっと車の中に座っていた。車両のところどころにある小さな窓からは真っ暗な闇しか見えない(海底トンネルなんだから当然か)。どのくらいの速さで進んでいるのか全然わからなくて、不思議な感じ。明るくなったかと思うとしばらくして、電車が止まる。これが終点、前の車に続いて電車を降り、高速道路に乗る。

とても速くて便利だったが、旅の楽しさが全然ない。次回はやっぱりフェリーかな。時間に余裕がありさえすれば。

フランス側に着くとすでに11時(フランスとは1時間の時差があるので、着いた途端に1時間を失うことになる)。途中、サンドイッチの昼食を取り、午後6時にポワティエの南のヴィヴォンヌという小さな町のホテルにチェックインする(予め、インターネットで、どこに泊まるか見当をつけておいた)。