ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

3カ国住み比べ

2006-12-15 15:39:17 | 異文化・風俗・習慣
今週初めからいよいよ寒くなってきた。日中の最高気温は17度ほど。最近は昼間からガスストーブをつけている。

スペイン・イギリス・フランスと住んでみて、どこが一番住みやすいかと言うと、便利さの点ではやはりイギリスだろう。とにかく物が豊富である。トレーラーハウスのある村も結構田舎であるが、それでも歩ける範囲内(片道15分だが)にいわゆるコンビニらしきものがあり、たいていのものは手に入る。近くの町まで車で出れば、デパートはあるし、スーパーも品揃えが豊富で、物欲を満足させるにはやっぱりイギリスだ。

が、難点は物価が高いこと。でも、イギリスの所得水準は高いほうなので、現地に住んで、そこそこの給料をもらっていたら、それほど物価の高さは感じないのかもしれない。

その点、スペインは物価が安い。その代わりに売っているものの質はあまりよくなくて、品揃えも少ない。もっとも、都会はまた話が別だろうが、その都会は遠いのだ。フランスもこの点では同じ印象がある。が、異なるのは物価の高さ。イギリスよりは物価が安いが、決して安くはない。地元の人たち(つまりフランスの田舎に住む人たち)は、こんなに稼いでいないだろうにと思っていたら、先日とても興味深い統計を目にした。

OECD(経済協力開発機構)がまとめた統計で、加盟国内で所得と物価との関係を調べたものである。これによると、2005年のOECD加盟国の平均を100とした場合、イギリスの物価水準は111、所得水準は111となっている。つまり、物価水準と所得水準のつりあいは取れているわけだ。スペインの物価は93、所得は94。やっぱり物価はイギリスよりずっと安い。これに対して、フランスの物価水準は109で所得のほうは104。わたしの生活しての実感は実際に統計によって裏付けられたわけである。物価はスペイン・フランス・イギリスの順に高くて、フランスの所得は物価の高さに追いついていない。フランスの人たちは暮らすのがたいへんそうだ。フランスのスーパーで、50代くらいの主婦が「カリフラワー1個が3ユーロ(464円)もするなんて!」と悲鳴を上げていたが、きっとこれがフランス人の本音なのだろう(でも、そこまでして8月にカリフラワーを食べなくてもいいと思うけど)。

ちなみに、同じ調査で日本の物価水準は114で、所得水準は105となっている。暮らしにくいのは、フランスも日本も同じかもしれない。もっとも1999年の調査では日本の物価水準は143(所得は110)であるから、物価はずいぶんと下がってきているようだ。