

先週の火曜日、28日の午後5時頃の手術で、なんと術後2日目・30日の朝には退院させられてしまいました。入院期間は3~5日間とは聞いていたものの、手術後40時間で本当に退院させられるとはびっくり。通常は術後2日目の夕方に執刀医にして主治医である医者に見てもらい、一部の抜糸(溶解性の糸を使っているので、実際の抜糸はなくて、これはただの儀式らしい)をした後、翌朝11時に退院というのが通常のパターンらしいのだが、この医者が木曜日は来ないことに決めたため、それだったら、木曜日の夕方まで入院している意味がないというので、急遽木曜日の朝退院となった。この陰には、一緒に入院したサンドラの早く家に帰りたいという熱望が働いていることも否めない。若い医者が木曜日の朝やってきて、吐いたことがあるか、痛みはあるか、排尿はうまくいっているか、という簡単な質問に答えた後、「家に帰っても大丈夫か?」というので、イエスと答えると即座に退院となった。
病室には14のベッドが置かれているのだが、わたしと、同じ日に入院したサンドラともう1人の女性だけが3日間入院したのみで、ほかの11人はすべて日帰り患者であった。朝8時になると、付き添いを連れた患者が一斉にそれぞれのベッドに陣取り、プライバシーを保つため、ベッドの周りのカーテンが引かれる(でも、もちろん、声は漏れてくるのだが)。それぞれの主治医がやってきて、そのカーテンの中で手術の説明をし、その後カーテンが開かれると、理学療法士がやってきて、全員に向けて術後の体操について簡単な解説をする。朝9時になると、最初の患者がベッドごと運び去られ、手術室に向かう。術後、回復室から戻ってくると、1時間ほど休んだあと、看護婦がトーストと紅茶を運んできて、それを食べた後、患者たちは着替えて去っていく。こうして日帰り患者が1人、2人と順に去り、夜8時になると、わたしたち3人だけを残して、大きな病室はひっそりと静まりかえる。日本では、よく同じ病室の人と友だちとなったり、退院後にも会ったりといった話をよく聞くが、こんな状況なので、術前検査でたまたま一緒になったサンドラとちょっと話をしたくらいで、友だちになるような時間もなかった。そのサンドラとですら、手術翌日にカテーテルが取り外されて歩けるようになってから、やっと話ができたわけで、その後すぐに退院となったため、たいした話をする時間もなかった。
テレビもラジオもないし、夜は人間ウォッチングをする対象もなく、病院は恐ろしく退屈だったので、早々に退院できたのはありがたかった。主治医がわざわざ術後の経過を見に来なかったということは、手術自体もまったく問題がなかったのだろう。
イギリスの病院はおおらかというか、おおざっぱである。長くなるので、次回に続く。