ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

お天気と国民性

2011-06-22 14:18:36 | 異文化・風俗・習慣
今日のフランス・ドルドーニュ地方の天気はときどき



イギリスで年間を通して暮らさないようになって10年が経つが、それでもイギリスに行くと、忘れていた習性が頭をもたげる。お天気になると、外に出ないでいるのがもったいない。外に出ないといけないような気がする。

イギリスでは、太陽が出ると、取る物も取り敢えず外出する。いつまで晴天が続くかわからないからだ。明日はもちろん、2時間後もまだ太陽が出ているかどうかわからない。夏があるかどうかもわからない。だから、太陽が出ている間に、それを満喫しなくてはならないのだ。

先日、ヨーロッパ選手権の出場権を賭けたイングランド対スイスのサッカーの試合をテレビで見ていたら、試合開始後15分経っても、空席があちこちで目立つ。「今日はお天気がいいので、試合場に到着するのが遅れている人が多いのですね」などと悠長なことをイギリス人解説者が言っていたが、わたしだったら、50ポンドも払った試合には、1時間前に到着して、1分でも多く楽しむぞ。が、解説者の言うことには、大いにうなずけるのだった。

ロンドンで会社勤めをしていた頃に、仕事を抜け出して近くの歯医者に行った。わたしが受付で自分の番を待っていると、予約の時間に遅れてきた男性の患者が、「いやー、天気がよかったので、ついその辺をぶらぶらしてしまいました」なんて、とんでもない言い訳をしながら入ってきた。しかも、明らかに、歯の治療を受けるために仕事を抜け出してきた様子である。予約の時間に遅れた患者に、歯医者の貴重な(そして高価な)時間を無駄にしたとして、罰金を課する歯医者も最近は少なくないのに、能天気な奴である。でも、これがイギリス人なのだ。

ほぼ年中晴天が約束されているスペインで一年の大半を暮らしていても、不思議なもので、イギリスに戻ると、この感覚が甦る。スペインにいるときは、あまり外に出ない。海がすぐそばにあっても、海辺で日光浴をするのは、イギリスからお客さんが来る前か、イギリスに戻る直前である。見栄をはって、少し日焼けをするためだ。三つ子の魂百までと言うが、10年でも結構しみ込むものである。