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イギリスでも植物や鉢の盗難はよくある。小さな木でも20ポンド(約4千円)はするし、植木鉢もいいお値段なので、盗んだものを売れば結構な儲けになるのだろう。対抗策として、大きな鉢をさらにどっしりと重い鎖で地面に固定されてしたりする家もあるらしい。
先日、地元の英字新聞に載っていた記事だが、ある町で公民館の開館式に住民を招待して、飲み物や軽食を振舞ったそうである。が、全員が室内で行われた式に参加した隙に、屋外のテントの中に並べられた食べ物は消え去り、飾りに置いてあった花までなくなっていたと言う。招待された住民にまぎれて入場した人たちが盗んだらしいが、せちがらい世の中になったものである。飢えるほど困っていたわけでもないだろうに。
昨日、近所のイギリス人レイとカーブーツセール(個人が不用品を販売をするのがもともとの趣旨であったが、新品が商品として売られていることもある)の話をしていたら、レイが近所のブーツセールで買ったという札入れをポケットから取り出して見せてくれた。1ユーロ(約142円)という値段よりわたしが驚いたのは、その札入れについていた鎖のほうである。札入れは鎖でショートパンツのベルト通しにくくり付けられている。アイアンメーデンの札入れなので、鎖はヘビメタというテーマにふさわしいが、これはどうみてもスタイルよりは盗難防止策だろう。すられた記憶も生々しいわたしはレイの知恵に感心した。これならスリだって手を出せないにちがいない。
いっそのこと、お財布だけでなく、全身パンクファッションやヘビメタの鋲鋲にした方が安全ではなかろうか。
わたしがスリだったら、ヘビメタのじゃらじゃらしたおばさんは敬遠して普通のおばさんを狙うから(笑)。