グリさん、これが先日メールでお話したjellied eelsですが、これでしょうか?
ジェリード・イールズはロンドンっ子、特にイーストエンドに住む人たちの食べ物である。テムズ川をはじめとするイギリス南東部の川で獲れる淡水うなぎを素材とし、イーストエンドに住む貧しい人たちが好んで食べる安い食べ物であった。が、最近では、アイルランドやオランダで獲れる輸入物が主流となり、うなぎの値段も上がったため、決して安い食べ物ではない。また、イギリス人の食感覚ではゲテモノ食いの境界線すれすれくらいに位置するようで、生粋のイーストエンダーでも嫌いな人が少なくないほど、好き嫌いの分かれる食べ物でもある。灰色の地に白みのかかった皮のついたうなぎのぶつ切りは、ちょっとグロテスクに見えないこともない。また、たいてい洗面器に入って売られていて、とても上品といえるような食べ物ではないのも確かだ。
基本的には立ち食い食品で、魚屋でこれを購入したときも、ここで食べますか?と聞かれたほど。Yesと答えると、ビネガーをふってくれるのだが、写真を撮る都合があるので、持ち帰りにした。ジェリードイールズの場合、モルトビネガーに唐辛子を加えたホットチリビネガーがつき物だそうだ。持ち帰りにすると言うと、「パンと一緒に食べるとおいしいんだよね」と魚屋さんが付け加えた。「不思議の国のアリス」の中の牡蠣の話をグリさんが紹介してくださったように、魚介類とパンというのは、イギリス人にとっては切っても切れない関係のようである。
最近は少なくなったが、パブの駐車場に日曜日に出る屋台でも、cockle(トリ貝)やwhelk(バイ)、ムール貝などと一緒にジェリードイールズを食べることができる。ここでジェリードイールズを注文するとパン(パリパリの耳のついた白い食パン)がついてくることがよくある。
昔はうなぎの脂がのっていて、うなぎから出た煮汁だけでゼリーが作れたと年配のロンドンっ子が言っていたが、最近ではゼリー部分にゼラチンを加えることが多いようだ。が、それでも魚のだしがきいており、イギリス料理にしては微妙な味が複雑に混ざっていて、ゼリー部分はなかなかおいしいと思う。
洗面器の入れ物から、適当にうなぎとゼリーとを混ぜて、写真のプラスチックの入れ物(直径8センチ・深さ4センチほど)に入れてくれる。これで2ポンド(約400円)也。
ちなみに、一緒に写真に写っているのが、フィッシュ・アンド・チップスをはじめイギリスの魚介類とは縁の深いモルトビネガー。味は普通の酢ほど酸っぱくなくて、まろやかである。
ジェリード・イールズはロンドンっ子、特にイーストエンドに住む人たちの食べ物である。テムズ川をはじめとするイギリス南東部の川で獲れる淡水うなぎを素材とし、イーストエンドに住む貧しい人たちが好んで食べる安い食べ物であった。が、最近では、アイルランドやオランダで獲れる輸入物が主流となり、うなぎの値段も上がったため、決して安い食べ物ではない。また、イギリス人の食感覚ではゲテモノ食いの境界線すれすれくらいに位置するようで、生粋のイーストエンダーでも嫌いな人が少なくないほど、好き嫌いの分かれる食べ物でもある。灰色の地に白みのかかった皮のついたうなぎのぶつ切りは、ちょっとグロテスクに見えないこともない。また、たいてい洗面器に入って売られていて、とても上品といえるような食べ物ではないのも確かだ。
基本的には立ち食い食品で、魚屋でこれを購入したときも、ここで食べますか?と聞かれたほど。Yesと答えると、ビネガーをふってくれるのだが、写真を撮る都合があるので、持ち帰りにした。ジェリードイールズの場合、モルトビネガーに唐辛子を加えたホットチリビネガーがつき物だそうだ。持ち帰りにすると言うと、「パンと一緒に食べるとおいしいんだよね」と魚屋さんが付け加えた。「不思議の国のアリス」の中の牡蠣の話をグリさんが紹介してくださったように、魚介類とパンというのは、イギリス人にとっては切っても切れない関係のようである。
最近は少なくなったが、パブの駐車場に日曜日に出る屋台でも、cockle(トリ貝)やwhelk(バイ)、ムール貝などと一緒にジェリードイールズを食べることができる。ここでジェリードイールズを注文するとパン(パリパリの耳のついた白い食パン)がついてくることがよくある。
昔はうなぎの脂がのっていて、うなぎから出た煮汁だけでゼリーが作れたと年配のロンドンっ子が言っていたが、最近ではゼリー部分にゼラチンを加えることが多いようだ。が、それでも魚のだしがきいており、イギリス料理にしては微妙な味が複雑に混ざっていて、ゼリー部分はなかなかおいしいと思う。
洗面器の入れ物から、適当にうなぎとゼリーとを混ぜて、写真のプラスチックの入れ物(直径8センチ・深さ4センチほど)に入れてくれる。これで2ポンド(約400円)也。
ちなみに、一緒に写真に写っているのが、フィッシュ・アンド・チップスをはじめイギリスの魚介類とは縁の深いモルトビネガー。味は普通の酢ほど酸っぱくなくて、まろやかである。
また、ご感想を聞かせてください。楽しみにしています。
そうか・・・(しゅん)。
明日、小エビ買ってきて、自分で作ってみようと思います。いちばん、無難な食べ物のような気がするんですけどね、貝やうなぎやらと比べると。これからもイギリスの色々な食べ物、楽しみにしてます。
ドイツにも同じ食べ物があったとは!でも、ドイツでもやっぱりゲテモノ系に入るのですね。あの見た目がねえ。日本の蒲焼のようにアレンジすれば、見た目の抵抗が少ないのでしょうけど。
potted shrimpsはわたしは食してみたことはないのですが、スーパーで見たことがあります。小さなプラスチックの容器に入っていました。次回イギリス滞在時にぜひ試してみたいと思います。
うちのだんなに聞いてみたところ、「ああ、それはパンに塗るペーストのようなものだよ」と全然敬意の感じられないというか、むしろ軽んじるような調子で言われました。うーん、ここでもまた魚介類・パン・バターのパターンだ。グリさん、これもまたスナック系のようです。
「テムズ河に浮かぶ船」というのは、Tattershall Castleというパブのことでしょうかねえ?とすると、やっぱりこれも屋台系立ち食い食品に近いのかもしれません。
凄いものをアップしてくださって有難うございます!!
この『ジェリード・イールズ』も、小耳にはさんだ『えげれす不可思議食べ物』の一つでしたが、Michieさんのお話に出てくるまで忘れておりました。しかし、実物を見るといやはや(コワイみたい)・・・、これを立ち食いするとなると、ええと、プラスチックのフォークで刺して豪快にかぶりつくのでしょうか?モルトビネガーも瓶ごと撮影してくださって有難うございます。いっちょ、紀伊国屋で探してみよう!マイルドな味わい、というところに惹かれました。チリビネガーにしてうなぎに合わせる、というのは面白いですね。蒲焼に山椒、というのとなんとなく通じているような・・・。
うなぎの煮凝り料理は、北ドイツにもありまして、『アール・ズルチェ』と言いました。私が食べたのは魚料理専門のレストランで、注文したときはテーブルがどよめきました。みんな名まえは知っていても噂しか聞いたことがなくて、初めて目にするものだったからです。ガラスのボールの底に、なにやらゴロンと、差し渡し10センチほどの灰色の物体が濁ったゼリーに固められて横たわっていて、仮にもレストランで出すものの見栄として(?!)、ゼリーの表面にトマトの皮とイタリアンパセリで作った『バラの花』の飾り切りが施されていました。煮凝りに旨みが染み出していて美味しい、というジェリード・イールズとは違って、うなぎ本体のみ食するという感じでしたが、もともとゼリー液にお酢が加えられて調味されていて、うなぎの油気はあまり感じずに、あっさりさっぱり食べられるシロモノでしたが、・・・なにしろ見場が悪すぎて、その一件から私は『げてもの食い』のレッテルを貼られてしまったんですけど・・・。
日本でうなぎとお酢をあわせるというと、あまりありませんね。うなぎ寿司にするときと、あと、きゅうりの酢の物とあわせる『うざく』というものくらいでしょうか。それにしても想像してみたって日本のうなぎの処理の美しさ・蒲焼の色のおいしそうなこと、あわせる食材の配色といい、・・・英独はあまりにもワイルドですよね~、とほほ。
バターとパンがお約束、というのも、ああそうなのか、と納得しました。そういえば、『レベッカ』という小説の中で、海辺をうろうろしてる哀れな男が、女主人公に貝を少し分けてあげて『パンとバターで食うと旨いよ。まず、煮ないといかんけどな』と言う場面があったな、と思い出しました。いつか、初夏のイギリスの海辺でイギリス風ペスカトーレ三昧と行きたいものです!
ところで、私が食べたかった煮凝り状のもの、名まえが分かりました。『ポーテッドシュリンプ』という、えびをバターで揚げて冷やしたもの、らしいのです。ご存知ですか?テムズ河に浮かぶ船の上で食べさせてくれる・・・なんて記述がありましたけど。これなら、あまり貧しい食べ物という感じはしないかな?それにしても・・・、私って、多分、『もんじゃ焼きやたこ焼き、串カツや屋台のおでんなどに目を輝かせるヘンな外人』みたいな奴なんだわ、きっと・・・。