酔いどれコンサル 中小企業診断士・中原央のブログ

舌癌と心筋梗塞を経験した日本酒大好きな経営コンサルタント 横浜の中小企業診断士 中原央が徒然につづります。

舌癌の治療3・どんな治療法か、入院からカテーテル設置術まで

2008-04-17 06:41:16 | 舌がん治療
横浜の中小企業診断士 中原央です。


昨日はさわやかに過ごせました。
今日は今のところ曇りのようですが、これから天候が崩れるとの予報です。
傘を持ってでたほうがいいかもしれません。

さて今日はがん治療についてお伝えします。
前回、切らないがん治療を受けることを選択しましたが、どのような治療法なのか、その一端をお伝えしようと思います。

この日、患部の痛みを緩和するためにオプソという薬を処方されました。アヘンアルカロイド系麻薬、つまり塩酸モルヒネです。
いちぜん屋、モルヒネにはあとで苦しめられました。副作用のところで説明しますので、ご覧ください。

入院は10月26日、カテーテルの設置術は11月1日。この間に週末が挟まれましたので、最初で最後の外泊をさせてもらいました。

入院したばっかりですぐ外泊かよ!? 治療が終わるまで外に出られないんですよ。苦しい治療が待っているんだからと、主治医も大目に見てくれます。

自宅へ帰るときに、モルヒネを持たされました。1日3回、何時に飲んだのか記録し、袋は捨てずに専用の袋に入れて持ち帰るという厳しい管理をさせられます。


さて、どんな治療法なのか触れておきたいと思います。

治療法は超選択的動注化学療法超選択的放射線療法の併用というものです。

耳の前、1センチほどのところに側浅頭(そくせんとう)動脈という細い動脈があります。触ってみると脈を打っているのですぐわかります。

この動脈は顎の下辺りでほっぺた、眼球、頭皮、舌などへの動脈に枝分かれしています。これを耳の前で切り開いて細いカテーテルを挿入。

枝分かれしているところまでさし進めていって、舌動脈にピンポイントで挿入します。ここから抗がん剤を流し込もうというものです。

また、抗がん剤を流している間に、放射線治療室に行って、やはりピンポイントで放射線を照射するリニアックを受けます。これが超選択的放射線療法です。

これを5~6週間、合計30回、繰り返し行います。使用する抗がん剤はタキソテールとプラトシン。タキソテールは放射線との相乗効果で、がんを叩く効果が上がるそうです。

このカテーテルを設置するときは、透視機能がある手術室で行われます。局所麻酔下で進めていきますが、頭部は肉が薄いので注射の痛いこと痛いこと。

動脈を切り開く局所麻酔は「ジャーっ」という注入音が聞こえました。このときはさほど痛くなかったのですが、カテーテルを頭皮に縫い付けるために麻酔をしますが、これがとても痛い! 思わずうなりました。

まあサービス精神が旺盛なのか、若いドクターたちは7箇所も縫い付けてくれました。



カテーテル設置後・中国新聞医療サイトからお借りしました


 これが終わるとポンプを使い、染色剤を注入します。うまく舌動脈にカテーテルが入っていると、べろの半分が真っ青になります。

この状態が確認できて、カテーテルの設置術は終わりです。しかし、病棟に戻り、トイレに行ったときのことです。

「青いおしっこが出ますからね。驚かないでくださいよ」といわれていたんですが、ホントに真っ青。毎日、尿の検量を行うため、専用のカップに蓄尿(計測は機械で自動)するんですが、黄色いおしっこなんてどこにもありません。

赤ちゃんの紙おむつのコマーシャルに出てくる青い液体、アレよりもはるかに色が濃いんです。
思わず女房を呼んで見せてしまいました。

染色は病棟でも週に一回、カテーテルが外れていないことを確認するために行われます。
ドクターたちは「おっ! きれいに色がついた」と言っていました。2度目の時には鏡を使って、私も見せてもらいましたが、きれいに色分けされています。

私も写真のようなカテーテルの設置をされました。このカテーテルの先に抗がん剤を注入するときに使うインジェクター(三活栓)、管や動脈が詰まらないようにするためのプレドニンとヘパ生の入った筒状のポンプをつけます。

当分の間、変なアクセサリーをぶら下げなければなりません。通常は安全ピンを使って服に止めてぶらさげておきます。

しかしシャワーを使うときもはずすことは出来ませんから、カテーテルの管自体を点滴棒に引っ掛けて、シャワーを使います。うっかり棒から外れようものなら、ポンプの落下の衝撃で思いっきり頭皮が引っ張られ、うなるほどの痛みを与えられてしまいます。

口腔外科の病棟は、このポンプを右側につけている人か左側につけている人が大半です。中には両側につけている猛者?もいました。

病棟にいる間はみんな同じなので気にならないのですが、ほかの検査や治療、放射線へ出向いたり、また体力がある日には売店へ行ったりするときには毛糸の帽子をかぶっていました。

私は治療の経過の中でカテーテルに細菌がついてしまい、11月の末にカテーテルの入れ替えのため、再度設置のための手術を受けました(やはり痛かった)。


超選択的動注化学療法・放射線併用療法についてはがんサポート情報センター超選択的放射線療法(リニアック)については久留米大学医学部放射線医学教室のページで詳しく説明されています(動注化学療法もあります)。

おまかせDOC 中国新聞医療サイト
http://www.omakase-doc.net/shika/
ここの写真で自分の舌癌がわかった
http://www.omakase-doc.net/shika/modules/menu6/

がんサポート情報センター
http://www.gsic.jp/index.html
超選択的動注化学療法・放射線併用療法
http://www.gsic.jp/cancer/cc_17/rcr/index.html

久留米大学医学部放射線医学教室
http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/radio/index.html
動注化学療法
http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/radio/7ken8.html

放射線の治療
http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/radio/treatmen.htm


記事一覧

舌癌の治療0・きっかけ
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/c5e17fbe1ee786fc0fadcfbbf22d0d0e

舌癌の治療1・異変から告知まで
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/efd242b5df4ea30e53fc6066633a0601

舌癌の治療2・治療方針の検討から入院まで
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舌癌の治療3・どんな治療法か、入院からカテーテル設置まで
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舌癌の治療4・抗がん剤、放射線治療の開始
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/0291a1d0a2194c9c5811d5c0fb7cf6f5

舌癌の治療5・抗がん剤、放射線の副作用
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/5db8bf27138ee0c482b83bc1c048bd2e

舌癌の治療6・モルヒネとがん性疼痛
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舌癌の治療7・栄養の補給
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舌癌の治療8・治療を終えての感想
http://blog.goo.ne.jp/miketama581024/e/b1ac42ba895c04e301024820388a7719



舌癌の治療2・治療方針の検討から入院まで

2008-04-10 09:12:16 | 舌がん治療
横浜の中小企業診断士 中原央です。


昨日はお昼ごろに少しだけ、晴れ間が広がりましたが、ほぼ曇っていましたね。
今日は朝から冷たい雨が降り続き、気温も2月中旬ごろにまで下がるようです。


今日はがん治療の治療方針の検討と入院までの話をお伝えします。


前回お伝えしたように、告知については前もって覚悟が出来ていたというか、わかっていましたから、ショックはまったくありませんでした。

告知を受けたその日、午後は客先へ出向く約束をしていました。
時間に余裕を持っていたつもりでしたが、意外に主治医との面談に時間がかかり、食事も摂らないままの訪問となりました。

病院を出てからの電車の中、客先への改善提案の内容を再確認。提供する資料の読み込みをするなどしていたため、客先を出るまで癌のことなどすっかり忘れていました。

夕方になって女房からメールが入り、ようやく思いだしたという状態です。

別の検査専門のクリニックで3日後のPET-CT検査を予約。半日がかりの検査を受診して、3日ほどで病院にフィードバックされるとのことで、次の診察日にはその内容がわかります。

さて検査の結果は、リンパ節転移なし、遠隔転移の疑いなし。22ミリ×19ミリのステージⅡ。T2N0M0という判定でした。

主治医の診察では、この1週間の抗がん剤内服でも、患部の硬結が少しやわらかくなっている、抗がん剤への適応が認められるという診断でした。


処方された抗がん剤(右は制吐剤)



この結果を受けて、治療方針の話し合いに入りました。

まず一般的な治療法として患部の切除術を受けるというのがあります。いわゆる手術で癌をとるという方法です。

切除の範囲は安全策を取って患部の周囲を広く切除する。具体的には周囲をさらに1センチほど広く切り取るということでした。切り開いた結果でもう少し広くすることはありうる、したがって舌先までの切除になる可能性もある、状況によって再建術を行うというものです。
(えーっ! そんなことしたらしゃべれなくなるじゃんか!)

「中原さん。うちの病院では抗がん剤と放射線の照射で、切らずに治す治療法を採用しています。今の大きさなら、この治療法で完全に消失させられると思います」

「この治療法のメリットは切らないことと切除によるデメリットがないこと、デメリットは治療が非常につらいこと、退院までに時間がかかることなどです。切除の手術とどちらを選択しますか?」

切除術に加え再建術儲け、その後のリハビリを懸命に行って、教職の現場に復帰している人もいるという説明もありました。
最近(時期は失念しましたが)、朝日新聞のがん医療の欄でも、漫談家のケーシー高峰さんの治療やリハビリの経過も紹介されていました。

私は「コンサルとして人に伝えることがメインの仕事をしています。大学での講師、講演会、セミナーや中小企業大学校でのインストラクターなど、とにかく話をすることが必要な仕事をしています。時間がかかっても切らずに済む治療を選択したい」
その思いを強く持っていました。

「この治療法は治癒率92%程度です。データ上では完全ではありません。もっとも、この治療法を導入した初期の、成績が悪かった時代の結果も含めてのことなので、90%台でも後半の治癒率とお伝えしておきます」

「それとがん治療はいったん始まったら、どんなにつらくても最後まで続けていきます。ほかに重篤な症状が出る、命を脅かすようなことなどよほどのことがない限り、治っていないのに途中でやめることはしません。またほかの治療法に切り替えるということもしません。始まったら変更は出来ません」

切らずに治せるならそれに越したことはない。しかしそれならば覚悟を決めろと言うことです。

私がセカンドも取らずに横浜市大でのがん治療を決めたのは3つの理由からです。

ひとつには検査から結果を導き出すまでが早かったこと、二つ目は皮膚科で継続した治療を受けていたことがあげられます。

しかしそんなことでしたら詳しい紹介状を作ってもらえば済んでしまうことだと思います。

決定的な理由は、耳学問でがん治療自体、つらい思いをするだろうなということを理解していました。まずそのことを伝えました。

その上で「スタッフにいろいろ言うかもしれませんよ? もしかしたら当たることもあるかもしれない。自分でも予想されることですが、いいですか?」と尋ねました。

彼いわく「それを受け止めるのも医療スタッフとしての役割です」、こう胸を張って答えてくれたのです。この言葉が決め手でした。

「つらくっても頑張る!」そのように気持ちを固めたことで、治療方針は決まりました。内服の抗がん剤も入院日までは継続することになりました。


さて初診は2006年10月6日、生検の結果を受けて宣告されたのが翌週の13日、この日に入院を決定しました。
主治医には「なるべく早く、準備が出来るのなら明日にでも。しかし都合もあるでしょうから23日ということでいかがですか?」といわれたのですが、どうしても仕事の後始末で23日までははずせない。

「じゃあ○日ということでいいですか?」と聞かれたのですが、
「その翌日は女房の誕生日。せめて○日にしてもらえませんか」
「それはとても大事な、はずせないイベントですね。まずいですね。少し日にちをずらしましょう。じゃあ26日としましょう」
こんなやり取りで入院日が決定しました。

治療の上で1週間程度のタイムラグは問題がないようです。主治医によれば4週間から6週間も空けられると、今の時点で転移していないとしても、その間に転移することもありうるから、今の状態が保持できるという保証はできないといわれました。

おかげで女房の誕生日を家族で祝い、仕事もあらかた片付け、予定が変更できないケースでは先輩コンサルに事情を説明して、仕事を引き受けてもらいました。

PET-CTの結果を受けて、改めて具体的な治療内容、入院時の注意点などの説明が19日。この日は女房も同席していました。

結局、入院まではそれまでどおり、仕事も含め普通に生活を送っていました。もちろんビールも飲んでいましたよ。

さて私の母親は、10月9日に入院、翌10日に整復手術。本人の強い意志(強烈なわがまま)によって、なんと手術から二日後の12日に退院してしまうという、離れ業をやってくれました。

戻ってきたはいいものの、生活がままなりません。年寄りなんだからもう少し病院にいたらという、身内全員の進め、医師や看護スタッフの説明も聞き入れませんでした。

まあ自分で決めたのだから、弱音をはかないという条件で、しばらくは近くにいるおばが日常生活や通院の付き添いをしてくれることとなり、やっと一安心。

「今後しばらくは忙しくて時間が取れないから」とうまく言いくるめて、入院の準備を始めました。

入院当日、同じ病棟に私を含めて複数の人が入院となりました。集団でエレベータを使い、病棟に上がろうとしたのですが、入院患者の中で男女一人ずつ、整髪料が非常に臭い人、香水が非常に臭い人がいて、一緒に乗ることができませんでした。

狭いエレベーターの利用や共同の空間である病室での生活が始まるわけですが、あまりにも非常識だという印象を持ちました。

しかし、何はともあれ、入院による舌癌治療がこれでスタートしました。


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舌癌の治療0・きっかけ
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舌癌の治療1・異変から告知まで

2008-04-03 09:19:14 | 舌がん治療
横浜の中小企業診断士 中原央です。


今日の横浜は、朝から雲ひとつなく晴れわたり、非常にさわやかなお天気です。
朝、アラームを止めた瞬間に意識が飛び、一瞬で30分が経ってしまいました。春眠暁を覚えずというところですね。


さて今日は、舌癌の治療1 異変から告知までの経過をお伝えします。


私の舌癌の発症は2006(平成18)年の夏ごろ。その前から虫歯治療を受けたことのある歯科医院から、前回の虫歯治療から半年ほどたったので再診に来るようにとの連絡を受けたところから始まります。

実はこの歯科医院、女房の母親はじめ、私が住んでいる地域に古くから住んでいる人たちには「ヤブ」で評判の歯科医院だったのです。前の通院中も「あの歯医者はヤブだから絶対にやめろ」と何人からも言われていました。

しかしもう1軒、行ったことのある歯科医院は、歯科医の年齢は私より若いのですが非常に態度が悪く、どうしようもないヤツと評価していました。

歯科医師会にも文句を言ったくらいひどかったんですね。それで「ヤブ」へ通い続けたわけです。


さてヤブ歯科で治療を受けていたものの、どうも舌の様子が変。通い始める少し前から口内炎と思い、ケナログ軟膏を買ってつけていました。

潰瘍化してきていましたので、歯科医院からも通院中は時折処方してもらって使っていましたが、一向によくなりません。市大病院の皮膚科でもついでに処方してもらうほど頻繁に使い、それでも回復しませんでした。

その間に潰瘍面が少しずつ大きくなっているような気がして、また痛みも増してくるなどしていましたが、何とか我慢していました。痛みが強いときには麻酔科で処方してもらっていたリドカイン7%(クリーム)を直接患部に塗るという、医師なら到底思いつかない方法で痛みを凌いでいました。

しかし通っている先の歯科医院でなぜ治療をしないのかなと思いつつ、うまい時間帯に開いている口腔外科を探しましたが、町医者の中ではうまいところが見つからずにいました。

結局、市大病院の皮膚科へ治療に出向いたとき、たまたまその日は時間に空きがあったので、口腔外科外来で診察の申し込みをしました。

紹介状がないので、自費で1600円を追加で負担しなければなりませんが、背に腹は変えられない。 手が空いていたのかすぐに診察となりました。

私から見れば若いおにいちゃん風の医師が「どうしました」との問いかけ。「いやあ、べろの口内炎が治らなくて。よく診察してもらえるとありがたいのですが」といってべろを出し、ウニュっと曲げて患部を見せました。

そうしたらこのおにいちゃんドクターは見た瞬間、「うっ、これは」と絶句。すぐにほかのドクターを呼びに行き、ベテランドクターが代わりに見てくれました。(あとで知ったのですが、この人が教授だった)

「ああ、これは。中原さん。すぐに検査に回す必要がありますから、組織をとらせてください。生検(組織検査)しましょう。麻酔をするから痛くはありませんよ」といって若手に検査の指示。

「切って縫うときは痛くないけど、局麻が痛いでしょう」などと反論するまもなく、即検査でした。

でもこういうときも大学病院なんですね。教授は局所麻酔をしてくれましたが、採取と縫合は若いお兄ちゃんに、「もう2ミリ右! もう少し深く!」などと指示をしながらやらせていました。まあ経験をつませるというところでしょうか。

この日は夕方、甲府市の客先へ出向く約束をしていましたので、舌に糸がついたままでかけましたが、そんなに強い痛みは残りませんでした。しかしやはり食事のときはつらく、リドカイン7%をつけながらという状態に変わりはありませんでした。

局所麻酔用のゲージは30番前後の細い針を使ってくれますが、舌は非常にデリケートな部分。舌の局麻はそれなりに痛いですよ!(正直なところ検査が痛かったらやって欲しくないよな。ぶつぶつ…)

翌日自宅へ戻り、もしやと思いネットで舌癌について検索をかけたところ、ある画像を発見(画像はお借りしました)。中国新聞のおまかせDOCというページに出ています。



この写真で自分の舌癌がわかった



「あっ! これだ! 何だよ、出ている場所はまったく同じじゃんか。これ舌癌だよ!」 まさに自分にとっては「大発見」という印象でした。


自分の舌癌の患部・この画像は2010年3月20日に追加アップしました


しかしその瞬間は、女房には言いませんでした。

翌週、再度口腔外科へ出向き、病棟の担当医をしているドクターと面談。

「検査の結果、細胞に活性が認められます。舌を原発とする扁平上皮がんです。今日からがん治療を始めましょう。まず抗がん剤を服用してもらいます。生検だけでは転移しているかがわかりません。専門機関で検査を受けてください。すぐ予約を入れます。明日かあさって行ってきてください。その結果を元に治療方針を決めましょう」

あっけないぐらいの話で、ここにドラマ性はありませんでした。

この日は院内で抗がん剤を処方してもらい、そのまま客先へ。

前もって覚悟が出来ていたというか、わかっていましたから、ショックはまったくありませんでした。

おまかせDOC 中国新聞医療サイト
http://www.omakase-doc.net/shika/

実はこの間、直前の9月末に、離れて住んでいる私の母親が信号無視の車にはねられ、左腕の骨2本を骨折するという交通事故に見舞われていました。

当日には救急病院へ駆けつけ、女房と交代で2泊。自宅で経過を見るとの方針と本人の強い希望で帰宅。ギプスで様子を見ていましたが、結局10月10日に手術を受けることになりました。

私の口腔外科での初診、生検は10月6日。
母親には自分のがんの事は隠し、ひたすら怪我を気遣う孝行息子のふりをしていました。

次回は治療方針の検討についてお伝えします。


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舌癌の治療0

2008-03-27 08:32:26 | 舌がん治療
横浜の中小企業診断士 中原央です。


昨日はとってもあったかでした。少し早いですが、夏の始まりを予想させる陽気でした。おまけにそよ風が爽やかで…、泣いていました。

今日の横浜は曇りです。

ところでこのブログは明るく書いていきたいという考えがあり、極力病気治療のことには触れずに書いていこうと思っていました。

ところが先週、友人の同僚が舌癌の発症を宣告されたという連絡があり、私の体験を話してやってくれと頼まれました。

彼が受診した病院での話によると、私と同じステージⅡで今のところ転移はなく、切除術による治療を行うと説明を受けていたようです。

癌を宣告されたことと手術を受けなければならないということで、かなりナーバスになっていました。

手術のメリットは治療期間が比較的短くて済むことですが、リハビリが必要で、人によっては時間がかかることもあるようです。

私が主治医から受けたときの説明書、検査承諾書、検査結果説明書、診断書、療養中のメモ(テキストデータ)などを見せてあげました。

それをもとにどのような説明を受け、どういった治療を選択し、どのような経過をたどって来たか、ゆっくりと、途中から酒を飲みながら(私の希望で)話をしました。

その結果、少し気分が落ち着いたようで、すぐに検査結果を含めて紹介状を書いてもらい、別の病院へセカンドオピニオンを受けにいくことになりました。

ここへ来て私も改めて舌癌治療をネットで検索したのですが、探し方が悪いのか、手術による治療の体験談しかヒットしませんでした。

先日(日付けは忘れました)朝日新聞に、漫談家のケーシー高峰さんの闘病経験が紹介されていました。ケーシーさんも切除術を受けられ、リハビリに苦労されていたようです。

切らない舌癌治療はあまり治療例がないのかもしれません。

主治医は治療成績のエビデンスを教えてくれましたから、少ないということはないと思うのですが、かなりつらい治療のため、ブログやホームページでの公開をしている人がいないということなのでしょうか。

いま舌癌に罹患し、これから治療を始めようとしている方、すでに治療が始まって、つらい状態の真っ只中にいる方のお役に立てることを願い、何回かに分けて治療の経過を公開します。

メモと記憶を手繰りながらの説明になります。うまい文章に仕立て上げる自信はありませんが、ご興味のある方は参考までにご覧ください。

このパートは「字だらけ」という状況になりがちだと思いますが、飽きずにご覧ください。


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