ブログを見てくれていると言う二男に言われました。
「花の名前読めないよ」と。
そうかも知れませんねぇ。特にそれほど花に興味の無い人にとっては。
それで( )にルビを入れました。
薮柑子は好きな花の一つです。
晩秋の頃から赤さの増す実は美しく、日本庭園に、また盆栽にと
欠く事の出来ない材料でしょう。存在を誇示しないさりげなさがいいですね。
山道でうっすらと雪をまとった薮柑子を幾度か見ましたが、
とてもとても素敵で、なぜかなつかしさを覚えたものでした。
古くはやまたちばなと呼ばれ、万葉集にも数首詠まれているそうですが
この雪の消(け)残る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む
大伴家持のこの一首が好きです。
青年武将であった頃の作と言われていますが、若い家持はどのような
情況下でこの赤い実にこころ惹かれたのでしょうか。
詳しく知らなくても万葉人が身近に感じられるような、そんな一首です。