MINの目

MINの目が見つけた事柄をつれづれなるままに綴ります

MINのぼやき「設計者のプライドは何処に」

2005年11月29日 | デザイン・建築好き
ここのところ連日騒がれている構造計算書偽造について日々悶々と考えています。
初めてこのニュースを聞いたときは、なんでそんなことになるの?誰が得するの?
誰も得しないじゃない・・と思いました。
地震国日本において一番あり得ない話です。構造という分野は建物の骨の部分です。そこを強化する事はあっても、コストダウンを考えるところではないのです。
これは、建築関係でなくても普通はそう思うところだと思います。
私の周りの構造設計業務に携わっている人の姿はとても研究熱心で、安全の上にも安全をという感じでした。構造設計という分野に誇りを持ち取り組んでいる姿を私は見てきています。設計の立場は、建築のありかたを守る立場にあります。建築主さんの希望が建築的に無理なことであれば、それを説明し理解を求めます。建築現場で何かあれば、それを正します。
建築は基本的には意匠、構造、設備とそれぞれの専門分野に分かれています。それらが協力し、信頼関係で設計図を造り上げます。建築主さんとの窓口は意匠設計が行います。また必要に応じて打ち合わせに、構造、設備も同席することはあります。
今回の事件を受けて、意匠設計の立場としてこの様なことが起きない為の予防策を講じていかなければならないと考えています。
お金のかかる話かとは思いますが、買い手の立場からは何が出来るかを考えると、第2のお医者さんではありませんが、アドバイスを専門家に求める、契約時に現場を見せてもらう約束をする。購入部分の配筋が終わった頃と仕上げる前、などが少なくとも良いかと思います。仕上げは問題点があれば、後からでも直せますが、配筋、仕上げ下地は見えなくなってしまうからです。
今回の事件を見ていて、それぞれが自分の利益を求めすぎた結果かと感じます。
私自身は、これからも正しく建築と向き合って行こうと身を引き締めています。

2月3日のブログに少し関係した内容を載せています。

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