時事解説「ディストピア」

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人種差別者の矛盾

2014-08-19 23:40:25 | 浅学なる道(コラム)
左派系サイトのコメント欄を読むと、必ずと言ってよいほど、
「朝鮮人は基本的に屑」といった差別主義者のクズ発言が寄せられている。

彼らの多くは黒人差別などには反対する一方で、民族差別は容認している。
だが、これは矛盾した行為(差別をよく知らない人間の発言)だ。


人種は英語のRaceの訳であり、この言葉は「人種」と同時に「民族」という意味がある。

黒人差別とアイヌや琉球、コリアンへ対する差別は
いずれも英語ではRacism(レイシズム)と表記する。


つまり、人種差別と民族差別は同じである。


それをあたかも違うかのように演出し、前者はNGだが後者はOKと語るのは詭弁だ。


他にもレイシストの発言はおかしなものが多い。

その究極的な矛盾は、
自分の出自を決して語らないことにある。



他人のことをどうこう言う割には、
自分の血筋を決して明かそうとしない。


http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/7860.html

上のページを読めばわかるように、
明治維新後の日本人の9割は平民だった。

つまり、明治期の日本人で、
武家や公家をルーツに持つ者は5%もいないのである。

左利きの人間(10%)よりも少ないわけだ。



ちなみに私は祖父が武家、祖母が公家で、
幸運にも恵まれた血を受け継いでいるのだが、その恩恵は特にない。


むしろ、私はこれを日常では隠して生きている。
こういうのは自分の心の中だけで誇るべきであって、
竹田恒泰のように、それを強調して威張り腐るのは人として恥ずかしいからだ。

一言でいえば、品がない。
中身のない人間ほど、血筋だの身分にこだわり余裕がないと思う。


それに、血筋は高貴さを伴わない。
最高レベルの血であるだろう面々が、麻生太郎や平沼郁夫、
安倍晋三、竹田恒泰などのこぞって極右のバカばかりである。



いずれにせよ、ネットや出版物で「日本人は素晴らしい!」と語る連中は
日本人のほとんどが百姓だったという純然たる事実に触れない。

田んぼや畑で農作業をしている連中をもってして
「誇りある日本人(キリッ)」とはしたくないのだろうか……?


ネットで日本人を強調し、日本人の素晴らしさを騒ぐ連中の中で
「俺は武家の生まれだから、貴様ら在日とはレベルが違う」といった
 論調で差別をする人間は非常に少ない(私は見たことがない)。


逆に「日本人」という最大公約数で自分のルーツを定義し、
いかにも由緒ある一族の末裔であるかのように虚勢を張る人間は実に多い。


正直、そういう輩は、自分が水呑百姓(小作人)
の子孫であることを隠したがっているのでは?



アメリカの人種差別において、もっとも過激に差別したのが
プア・ホワイトと呼ばれる貧民層の白人であったように、
大した血をひいていない連中に限って暴力的に差別しているように見えてならない。


石原慎太郎も祖父は丁稚奉公の小坊主だった。
三国人とコリアンを差別するくせに、生まれは武家でも公家でもないのである。


橋下徹氏も父親がヤクザだったし、そういう人たちって
何かコンプレックスがあって、人種差別をしているんじゃ?


……というのは邪推だろうか?

いずれにせよ、人種差別をする割に自分の血を明かさないのは
この手の差別者の究極にして本質的な矛盾であろう。



「武士は食わねど高楊枝」というが、私は自分の高貴さは、
 金でも地位でもなく、己の振舞い方だと固く信じている。