時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

補足・沖縄知事選結果について

2014-11-19 19:16:44 | 軍拡
赤旗の総評から。

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仲井真氏が昨年末、3500億円近い「沖縄振興予算」を
安倍首相から示されて「いい正月を迎えられる」と発言し、
直後に新基地建設の埋め立て承認を行ったことは、
沖縄県民の誇りと尊厳を大きく傷つけました。


同年1月、県内の全市町村長・議会議長、県議会全会派代表、
主要な経済・社会団体代表が、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念、
垂直離着陸機オスプレイ配備撤回を求めた「建白書」を安倍首相に提出し、
新基地建設反対は「オール沖縄」の声であることが示されました。


ところが、沖縄選出の自民党国会議員をはじめ同党県連の一部は、
安倍政権の強圧に屈服し、「建白書」の立場から脱落しました。


それに続き、仲井真氏が、「振興策」と引き換えに埋め立てを承認したのです。


「沖縄の心を金で売る」に等しい
屈辱的な態度は県民の怒りをかきたてました。




「建白書」での大同団結、基地に依存しない沖縄の
自立的な経済発展を訴えた翁長氏の勝利は、「心を金で売り渡さない」という
県民の誇りと尊厳を内外に改めて示したことを意味します。



仲井真陣営や安倍政権による
「共産党主導の県政を許すな」などの
反共デマ宣伝は通用しませんでした。



「巨大な軍事基地を造るため、サンゴとジュゴンの美(ちゅ)ら海を
 埋め立てることは絶対に許せない」「子や孫の代にまで基地の被害を残せない」
という思いは、保守・革新の別なく、圧倒的多数の県民の願いであることの証明です。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-17/2014111701_05_1.html
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今回の知事選、保守対革新ではなく、沖縄対日本との戦いであったような気がする。

それに気付かず「県内移設の反対者は共産党の回し者」という
陳腐な言葉を流して敵意をあおった仲井真陣営と自民・次世代の党。


逆らう人間はアカという戦時のような古臭い考えが
何よりの敗因だったような気がしてならない。

北星学園と慰安婦問題

2014-11-19 19:04:16 | マスコミ批判
朝日新聞の元記者が非常勤講師として勤務している北星学園大学に、
右翼テロから爆破予告状が送られている。

これに対して学長は当初は雇用継続を主張していたのだが、
誹謗中傷が常軌を逸していたのか、急きょ、雇用見送りを表明。


これに対して日本ジャーナリスト会議が異議申し立てを行った。

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日本ジャーナリスト会議(JCJ)北海道支部は14日、
北星学園大学(札幌市)の田村信一学長が、元朝日新聞記者の
非常勤講師を来年度から雇用しない意向を示している問題で、
雇用の継続を求める要望書を同大学に提出しました。


要望書は、同大学が日本軍「慰安婦」報道にかかわって
「辞めさせないと爆弾を仕掛ける」などと講師の解雇を要求されている今回の事件が、
(1)暴力と結びついた脅迫であり、大学人への明らかな人権侵害、
(2)脅迫と攻撃が、事実に基づくものではない、
(3)大学の自治、学問と言論の自由を脅かすもの―と指摘。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-16/2014111614_02_1.html
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このまま学長がテロに屈したのなら、
日本の言論の自由は相当ヤバいところにまで到達していると言えよう。

自衛艦「おおすみ」衝突事件のその後

2014-11-19 19:03:05 | 軍拡
国民を守るための海上自衛隊が国民を殺したあの事件について、新情報が赤旗に載っていた。


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広島県大竹市沖で1月に起きた釣り船「とびうお」と衝突、
船長と釣り客ら3人を死傷させた海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」
の当直士官の西岡秀徳航海長(34)と田中久行艦長(52)=肩書はいずれも当時
=を業務上過失往来危険、業務上過失致死傷の疑いで市民団体が17日、
広島地検に告発状を提出しました。


告発したのは「おおすみ衝突事件の真相究明を求める会」の市民、弁護士など20人。


広島海上保安本部は6月、おおすみ、とびうおの双方の見張りが不十分だった
として田中艦長と航海長、とびうおの船長、高森昶氏(67)=死亡=を
二つの同容疑で広島地検に書類送検しました。


告発状によれば西岡被告発人は、艦橋で当直士官として操艦業務に、
田中被告発人は艦長として操艦指揮業務にあたっていましたが、
多くの船舶が輻輳(ふくそう)する広くはない海域で、
海上交通ルールである「見張り」「安全な速力」での航行が
求められていながら両被告発人はこれを怠り、「漫然と航行した」と指摘。

おおすみがとびうおに衝突、転覆させ船長と釣り客大竹宏治さんを死亡させ、
釣り客の伏田則人さんを負傷させたのは刑法129条(業務上過失往来危険)、
同211条(業務上過失致死傷)にあたる、としています。


告発理由について「事件の原因を究明し、
過失のあった被告発人らを罰することで事故再発防止に役立ち、
海上交通の安全に対する国民の期待に応える」としています。


検察審査会法は、検察の起訴、不起訴などの処分前に市民からの告発があれば、
検察が不起訴処分にした場合、検察審査会に審査の申し立てが可能としています。

告発した市民団体は「申し立てを視野にいれている」としています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-18/2014111815_04_0.html
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あたご事件の経緯や海上自衛隊の問題点については
本の泉社から出版された『あたご事件』に詳しく書かれている。

おおすみ事件もいずれ、書籍の形でどこかが出版するのかもしれない。

中国のアジア外交

2014-11-18 22:13:12 | 国際政治
中国が発展し日本が衰退している真の理由として、アジアを見る視点が全く違うことを指摘した。

中国がNATOに対抗できる政治・経済圏の確立を目指しているのに対して、
日本は真逆の態度を取っているため、根本的な部分で信用が得られていない。


中国と他のアジア諸国との間にある部分的な衝突にばかり注目し、
全体として中国がアジアにおいて善隣外交を行い、
名実ともにパートナーとしてその権威を拡大させていることに
目を向けないことで、日本は結果的に中国の台頭を許してきた。


中国が如何に嫌われているかを
中国ウォッチャーたちが一生懸命に宣伝している間に、
当の中国は着々と勢力を拡大してきたわけである。



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初冬の暖かな日差しの中、中国が今年本国で迎える
最後の外交舞台となるアジア太平洋経済協力(APEC)の
第22回非公式首脳会議と関連活動が北京で開催され、世界の注目を再び集めている。(


中国がAPEC首脳会議の開催国となるのは13年ぶりだが、
世界の経済情勢は当時から大きく変化し、中国経済のプレゼンスは著しく高まっている。


世界がアジア太平洋に注目し、アジア太平洋は中国に注目している。

「ポストクライシス」の世界経済の成長にいかに動力を注ぐか。

アジア太平洋地域に乱立する経済貿易体制をいかに統合し、
利益を収め、障害を避けるか。


アジア太平洋地域のパートナーシップをいかに深め、
地域の地政学的な緊張や摩擦をいかに減らし、なくしていくか。


多くの問題に焦点があたり、北京でいかなる回答が出されるかに注目が集まっている。


習近平氏はAPEC・CEOサミットで基調講演を行い、
「アジア太平洋の夢」を描き出し、中国の自信を伝えた。


習近平氏は、
「アジア太平洋の大家族の精神と運命共同体という意識を堅持し、
平和・発展・協力・ウィンウィンという時代の潮流に順応し、
アジア太平洋の繁栄と進歩のために共に力を尽くそう」と呼びかけた。



さらに、中国経済は「新常態」に入り、
困難に直面しながらも新型の工業化・都市化・情報化・農業近代化を進めており、
アジア太平洋と世界の経済にチャンスをもたらすことになるとして、
世界のCEOらに自信を与えた。


中国はAPEC会議中、コネクティビティパートナーの関係強化のため、
周辺のその他の国々や組織との特別対話会を開いた。

バングラデシュ・パキスタン・ミャンマー・カンボジア・
ラオス・タジキスタン・モンゴルはいずれも、国家元首または
政府首脳を派遣して参加し、国連アジア太平洋経済社会委員会と
上海協力機構も代表を派遣して参加した。

習近平氏は会議の議長を務めて重要講話を発表し、
我々はアジアの国々の連携発展を実現しなければならない
アジア各国は一つ一つが灯であり、これらをつなげてこそ、
アジアの夜空を明るく照らし出すことができる
」と語った。



http://japanese.beijingreview.com.cn/jj/txt/2014-11/12/content_652323.htm
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中国にあって日本にないものは、
「アジア諸国に向けて輝かしい未来を提示できるかどうか」である。



実際には前途多難ではあるものの、中国は
アジアが一丸となって輝かしい未来へ歩もうというメッセージを投げかけている。


これに対抗できるメッセージを日本は持っているだろうか?
日本にはアジアをどうしたいかというビジョンがない。


「日本をトリモロス!(by安倍)」をはじめとして、
 テレビ番組でも異常に日本を強調した番組が量産されているが、
 アジアに関するメッセージは一切ない。アジアという地域社会に
 日本がどういう立場から貢献していきたいのかといった青写真が全くない。


まぁ、日本会議のような日本版ネオナチの党員どもが
閣僚となって肩で風を切って歩いているわけだから……
「悪ではびこるアジアを日本が正してやる」という本音を隠さざるを得ないのだろう。


鳩山元首相は、確かに細かい部分を挙げていくと
それなりにおかしな人だったが、「東アジア共同体」というビジョンを持ってはいた。

今の日本は、アジアの一員として隣国と如何にパートナーシップを
築くかといった視点ではなく、如何にアメリカと協力してアジアを
牽制していくのかといった視点から、外交を展開している。

要するに孤立している。

よって、この孤立から脱却し、同地域で台頭していくには、
まずアジア諸国と同じ歴史観を共有し、欧米に現地の富を収奪されないよう
新自由主義的なあり方、要するにあらゆる帝国主義に反抗する態度をとることが必要だろう。

沖縄知事選、爺長氏が当選する

2014-11-16 22:15:12 | 軍拡
順当な結果と言えるだろう。

ところで、爺長氏は普天間基地県内移設に反対して受かったようなものだが、
同氏が反対姿勢を取ろうとも自民党政権は移設決定の意思を変えないらしい。


こういうのが本当の独裁なのだと私は思う。

選挙結果にお構いなく、反対しようがしなかろうが中央政府が全部決めてしまう。

よその国の独裁を嘆いているヒマがあったら、
なぜ現行の法体系や政治制度で、このような民衆の意思を無視する
強硬策が取られてしまい、そのことについてこれといった批判が
テレビや新聞でされないのかについて考えてみるべきだろう。

日本がアジアで台頭できない理由

2014-11-16 21:56:34 | 国際政治
前の記事の補足。シンガポール国立大学の教授の投稿文。


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ジアの平和的発展という主流を大切に



世界反ファシズム戦争の勝利から今年で69年になる。

アジアにとってこの偉大な勝利の歴史的意義は、
戦後のアジアおよびアジア太平洋の国際秩序の基礎を打ち固めたことにある。

(文:黄靖・シンガポール国立大学リー・クァンユー公共政策大学院教授、
   アジアとグローバル化研究所所長)


反ファシズム戦争の勝利はアジアにおける植民地主義と帝国主義の終焉を告げた。

第2次大戦前のアジアは帝国主義列強にさんざん虐げられ、
多くの国々が植民地や半植民地に成り果て、ほぼ壊滅的な災禍に直面していた。

第2次大戦中、日本帝国主義はさらに植民地支配を残酷の極みにまで強化した。


中国はアジアの反ファシズム戦争の主戦場だった。
中国人民は日本帝国主義に屈服せず、死をも恐れず抗戦し、
反ファシズム戦争の最終的勝利に重大な貢献を果たした。

反ファシズム戦争の勝利に励まされ、
アジアでは半植民地主義独立運動が怒濤のごとく巻き起こった。

新中国は成立後、アジア各国の民族解放と国家独立の運動をなおさらに全力で支持した。
この時代的転換によって、今日のアジアの国際秩序の構築と発展の重要な基礎が打ち固められた。


アジア諸国の独立は自らの苦しい闘争によって獲得したものだ


したがってアジア各国は一様に国家の主権と独立の維持を外交の基準点とし、
鮮明なアジアの特色を持つ外交政策構造を形成した。

インドやインドネシアは非同盟運動を積極的に主張。

新中国は他国に先駆けて平和共存五原則を打ち出し、遂行し続けてきた。

ASEAN諸国は武力の相互不使用、内政への相互不干渉という「ASEAN路線」を打ち出した。

アジアの特色あるこうした外交政策・方針は、力の強弱によって席次を決め、
同盟と対抗によって均衡を図る欧米諸国の外交的伝統と鮮明なコントラストを成し
アジア諸国間の交流の主流となっただけでなく、欧米大国主導の国際関係という
伝統的構造を変える後押しともなり、発展途上国は国際問題で不可欠の影響力を勝ち取った。


反ファシズム戦争勝利以降の歴史を振り返ると、朝鮮戦争とベトナム戦争という、
第2次大戦後にアジアで起きた2つの大規模な戦争は、いずれも冷戦という大きな環境の下、
当事国の独立と主権の完全性が域外の覇権国家の干渉と侵入によって深刻に害され、
さらには地域の安全が危機にさらされたために引き起こされたものであることがはっきりと分かる。


また、この2つの戦争を最終的に終結させたのも、アジアの人々の流血の奮闘と犠牲だ。

歴史的経験が物語るように、反ファシズム戦争の勝利がアジアに残した最も貴重な遺産は、
アジア各国は国家の独立維持を基礎に、主権の完全性を断固として守り、
平和共存五原則を堅持し、内政への相互不干渉を堅持することで、
政治、経済、文化など各方面でアジア各国の多元的発展を促進・保障し、
平和と発展をアジアの主流にしなければならない
ということだ。

今日、アジアおよび世界の経済統合という大勢を前に、
アジア各国はなおさらに独立自主、平等、非対抗という基本原則を大切にし、
自国だけの利益のためにアジア各国間で派閥を組み、
対立さらには対抗を煽り立てる一部の国の良からぬ行動を断固阻止すべきだ。

相互協力に基づく発展、平等な協議を通じた問題解決を堅持してのみ、
アジアは平和的発展を確保し、共通の安全保障を高めることができる。

http://japanese.beijingreview.com.cn/yzds/txt/2014-08/13/content_634815.htm

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なお、上の文章で触れているように、
中国は善隣外交をモットーに外交を行っており、
今年の3月にあった全国人民代表大会では、次のような報告がされた。


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第12期全国人民代表大会第2回会議が5日午前9時に
人民大会堂で開幕し、李克強総理が新指導部初の政府活動報告を行った。

中国網特約論説員の暁岸氏は、李総理の政府活動報告は
外交政策に360字余りしか割いていないが、揺るぎない明確なメッセージを発しており、
広範で深い含意を備えると指摘した。中国網が伝えた。


外交に関する部分は、継承と堅持の重要性を強調。


「平和共存五原則を打ち出してから今年で60年」との書き出しから始まり、
引き続き平和・発展・協力・ウィンウィンの旗を高く掲げ、
終始変らず平和的発展の道を歩み、終始変らず
互恵・ウィンウィンの開放戦略を遂行する方針を重ねて表明した。

報告は中国外交の6大重点として以下を挙げた。

(1)国家の主権、安全、発展上の権益を断固として守り、
   中国国民と中国法人の海外での合法権益をしっかりと守る。

(2)周辺外交を全面的に推進し、善隣友好を揺るぎないものにし、互恵協力を深化する。

(3)長期的、安定的、健全に発展する大国間関係の構築を推進する。

(4)アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を成功させる。

(5)発展途上国との団結・協力を強化し、発展途上国共通の利益を守る。

(6)国際・多国間の事柄に積極的に参画し、
   グローバルな問題や焦点となっている問題の解決に積極的役割を発揮する。



李克強総理の初の政府活動報告は強い憂患意識と鮮明な国際的視野を備えている。
外交関連の部分で主に強調したのは実は、中国の発展には
平和で安定した国際環境が不可欠であり、中国の改革は
ハイレベルの対外開放の新局面を切り開かねばならないということだ。


中国はすでに世界的大国であり、
その内外政策の世界に対する直接的影響力が高まり続けている。

外国メディアが毎年開催される両会を強く注目していることから、
その一端がうかがえる。今年の両会に対する外国の関心の最たるものは、
次の3つを置いて他にない。

第1に、中国経済が持続可能な成長の動力を示し、
引き続き世界のエンジンとしての役割を発揮できるか否か。

第2に、中国の汚職取締りが順調に推進し、清廉な国家を確立できるか否か。

第3に、中国の対外政策が自信過剰の強硬路線に転じるか否か、
米国への挑戦、世界への脅威になるか否かだ。


第3の問題に関して、中国の国防費の増加、
領土問題による隣国との関係の緊張に故意に焦点を合わせて、
「中国の脅威」は間近と囃し立てる者が少なからずいる。

李総理は政府活動報告でこうした疑問に明確に回答した。
つまり中国は平和と発展の追求という志を変えないということだ。

http://japanese.beijingreview.com.cn/zt/txt/2014-03/11/content_605185_3.htm
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日本がアジアで台頭できない最大の原因は、
他のアジア国と共通の歴史と外交スタイルを所有していないことが言えよう。

中国が台頭し、日本が衰退する本当の理由

2014-11-16 20:03:51 | 国際政治
ゴードン・チャンという中国評論家が2001年に
『やがて中国の崩壊が始まる』という本を世に送り出した。


詳細は、右翼サイトの書評にお任せするとして
(http://www.mars.dti.ne.jp/~saitota/book1207.htm)、
私がこの本を読んで素晴らしいと思ったのは、

中国は後5年以内に崩壊する
2001年に発言していたことである。



さて、2014年11月現在、13年の月日が流れたわけだが、
今の中国ははたして崩壊したのだろうか……



うん、してないな!

歴史的に見れば、逆に2001年以降、中国経済は目に見えて発展し、
ついに2010年にはGDP第2位の経済大国へと変貌したのだった。


もちろん、この間、幾人……というより中国評論家のほぼ全員が
中国経済の破綻を一生懸命に説明してきたが、こりゃまたどうだ、一向にその気配がない。
これで金を取るのだから中国ウォッチャーとは気楽な稼業である。


最近では通貨にまで中国のパワーは影響を及ぼすようになってきた。
次の記事は、元大蔵省副大臣で、ミスター円と評された榊原英資が
上海の銀行関係者によって開かれた国際会議において発言した人民元への
悲観的な見解が出席者にスルーされたことについて書かれている。


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日本の元大蔵副大臣の榊原英資氏は10月に上海で開かれた
銀行関係者による会議に出席した際に、中国国内の関係者に対して、

アジアは人民元を国際通貨にするかもしれないが、
 日本と韓国がそうすることは永遠にない。
 私の一生涯、皆さんの一生涯にもそれは起こりえない
」と述べた。


15年前であれば、人呼んで「ミスター円」の榊原氏によるこの発言は
銀行を混乱に陥れ、ドル円指数を数百ポイント変動させたかもしれない。
しかし残念ながら、日本と榊原氏にとって、時代はすでに変化している。


中国の世界経済および金融の舞台における台頭は、
日本のアジアナンバーワンの大国としての地位を揺るがした。


これは日本が長期的な措置を講じ、
地域の覇者としての地位を維持しようとしなかったことが、
一部の原因となっている。




対照的に中国は、3つの戦略により地位を固めている。

まず、中国は人民元国際化の推進に力を注いでいる。
中国は初めにシンガポール、マレーシア、香港、台湾、イギリスに
人民元オフショアセンターを設立し、ドイツ、ロシア、韓国に人民元決済センターを設立した。

これらの経済体は、中国の重要な貿易相手国だ。

世界の人民元流動資金プールの拡大に伴い、中国とパートナーの取引は、
遅かれ早かれオフショア人民元決済の使用に転じる。

日本は自国通貨の世界的な普及に興味を持っておらず、
米ドル決済に依存する現状に満足している。



中国がアジアにおける指導的地位を固めるための二つ目の措置は、
上海の地域金融センターとしての地位の構築だ。

日本はこの点で、再びミスを犯した。

東京は1990年代、紛れもなくアジアで主要な金融センターだった。
しかし2000年代中盤になると、シンガポールと香港が
アジア金融センターの玉座を巡り競争を開始した。


それから、中国は意識的に
隣国を抱き込もうとしているが、
日本は西側にばかり注目している。



日本の外交・投資政策は、米国との密接な関係の維持を目標としている。
日本は中国の急速な台頭、その地域に対する潜在的な影響について考えたこともない。

対照的に、中国は西側の影響力への対抗を目指し、
各地の提議の中でリーダーシップを発揮している。


上述した会議のティータイムの時に、
筆者は中国系銀行の高官に対して、榊原氏の挑発的な発言をどう思うかと聞いた。

この高官は、
「申し訳ないが、当行のシンガポール事務所とテレビ会議をしていた」と答えた。
これは地域のリーダーである中国とアジアの交流がすでに始まっており、
日本がこれを喜ぶか否かについてはそれほど気にしないことを意味している。

http://japanese.beijingreview.com.cn/zxnew/txt/2014-11/15/content_653156.htm

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この記事を通して私が言いたいことは、
日本のアジア蔑視が自国の政治的経済的立場を危うくさせたということである。


故・村井吉敬氏らのODA研究から明らかになっているが、
日本はアジア諸国を単純に原料を調達するための場所か、
あるいは新規開拓の可能性がある市場としてしか見てこなかった。


これに対して中国は自国の通貨を普及させることを念頭に、
地道にアジア諸国との政治・経済的パートナーシップの結び付きに専念してきた。

要するに中国がアジア外交に力を入れ、
同じアジアの一員として共に歩むよう友好関係を構築してきたのに対して、
日本は、せいぜい木材やバナナを売ってる国としか認識せず、
日米の関係さえ良好であればどうにでもなるという時代錯誤な考えから脱却できず、
歴史問題をみればお分かりのように、どこまで言っても下の存在として舐めてきた。

榊原氏の発言からお分かりのように、
アメリカ政治・経済圏の維持・発展しか考えてこなかった。

アジアの視点からヨーロッパやアメリカ(要するにNATO)に
対抗する政治・経済・軍事地域を築こうとする意気込みが皆無だったのだ。

(むしろその逆だった)


(もちろん、この期間、日本の識者は
 中国と他国との間に生じた個別的問題を取り上げ、
 中国は孤立しているのだという丸っきり間違ったイメージを得意げに広めていた)



日本と中国。衰退途上国と発展途上国。
その差は、両国の間でアジアを見る視点が、
根本的な部分で異なっていたからだとしか言いようがない。


中国やロシアは自国をアジアの国として認識し、
欧米諸国からの政治的経済的パワーに対抗するよう努力してきた。

日本は逆に自国を欧米圏の中に位置づけ、
先進諸国への対抗どころか逆に推進・支持を行ってきたのではないだろうか?


こういう記事もある。

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大半のアメリカ国民は、
経済マスコミでない限り、量的緩和(紙幣印刷の遠回しな言い方)が、
アメリカ経済を復活させることに失敗したことに気がついている。

すると、日本は一体なぜこの政策を採用したのだろう?

2013年に、大量の紙幣印刷が始まって以来、
日本円は、アメリカ・ドルに対して、35%下落したが、
エネルギー輸入に依存している国にとっては、大変な負担だ。

しかも、日本経済は、輸入品価格の上昇を正当化できるような、
量的緩和という刺激策に対する成長を示していないのだ。



経済が刺激策に反応していないのに、先月、日本銀行は、
年間、50兆円から80兆円へと、量的緩和を60%増やすと発表した。

ソシエテ・ジュネラルの専門家、アルバート・エドワーズは、
日本の紙幣印刷機が、円を、一ドル、115円から、145円に押し下げるだろうと予測している。


これは予測だが、一体なぜ危険なことをするのだろう?
通貨価値下落から、日本は一体何が得られるのだろう?
この政策の背後にある考え方は一体何だろう?


簡単な説明は、日本は、印刷しすぎたアメリカ・ドルを守るために、
自国通貨を破壊するよう命じられているということだ。

属国として、日本は、アメリカの政治的、金融的な覇権の下で苦しんでおり、
ワシントンの圧力に抵抗することが出来ないのだ。


公式説明では、連邦準備金制度理事会と同様、日本銀行は、
経済成長と、インフレを関連付けるフィリップス曲線を信じているのだと公言している。

レーガン政権によって実施されたサプライ・サイド・エコノミック政策は、
フィリップス曲線信仰を反証し、経済成長は、下落、あるいは安定した率の
インフレとの一貫性がないことを示した。ところが体制派経済学者連中は
それに気づくのを拒み、自分達にとって快い定説を奉じ続けている。


アメリカでは、量的緩和は、生み出された大半の流動性が、
消費者のポケットではなく、金融市場に流れ込んだ為に、
株価と債券価格インフレを引き起こした。

公式インフレ報告より、消費者価格インフレは高い。
インフレ率は、生計費調整用の資金を削減すべく、
インフレを過少報告するよう加工されているが、
量的緩和の主要効果は、非現実的な株価と債券価格だ。


日本銀行が願っているのは、円交換価値が下落するにつれ、
原材料とエネルギー輸入価格が上昇し、こうしたより高いコストが
消費者価格に転嫁され、インフレを押し上げ、経済成長を刺激することだ。

日本は、自国経済を、信ぴょう性のない理論に賭けている。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-5e76.html
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アベノミクスが信奉するトリプルダウンという理論は、
全くもって破たんしていることをノーベル経済学者にして
グローバリズム批判者のスティグリッツはアメリカ経済を例に主張している。


彼の著書『世界の99%を貧困にする経済』によると、
金持ちが富めば、その分、下々の人間にも利益が下りてくるという理論が
神話であること、実際には格差が拡大した時期に経済成長率が鈍化しているそうだ。


じゃー、なんでそれを安倍はやるの?
マスコミは絶賛しているの?


という問題がここに浮上する。

答えは簡単で、中間以下の市民を犠牲にしてでも株価を上昇させ、
輸出企業を中心とした多国籍企業の利益をアップさせたいからだ。

TPP推進の根本的な動機としては、自動車などの輸出製品をもっと売りたい意図がある。


自国そのものの国際社会における政治・経済的台頭を目標にする中国と、
国内の一部企業の利益のみを考え、場当たり的な策しか練れない日本。


国益というものを考えても、日本と中国には大きなビジョンの違いがある。




2014年11月10日、北京APECサミット時の世界指導者集合写真。
習近平(中国)とプーチン(ロシア)が上座に立っている。

日本?
・・・どこかにいるのでしょう。たぶん。


いい加減、日本の中国ウォッチャー様は
日本がアジアで孤立していることに気づくべきだろう。


中国もロシアもアジアに目を向けている一方で、
日本は逆にアジアに背を向け軍拡とアジア人差別に熱中している。


日米同盟で何とかなると未だに信じ込んでいる。
そういうアジア軽視が続く限り、いつまで経っても、
日本はアジアというエリアにおいて政治的にも経済的にも
ロシア・中国に勝てないのではないだろうか……

公安による熊野寮(京大の学生寮)捜索について

2014-11-13 21:43:03 | 軍拡
戦前の憲兵かよ。

今回の事件は日本政府が誰の味方なのかをよく教えてくれたのではないだろうか。



この捜索の発端となったのが、11月2日に行った中核派のデモで、
京大生が規制していた警官に「暴行」して逮捕された事件……らしい。


ここで筆者が気になったのは、
どこのニュースサイトを読んでも、
デモの内容を説明していなかったことだ。


何のデモをしていたのか、どこも説明していない。


仕方ないので、全学連のホームページを読んでみたところ、
原発や集団的自衛権の容認、労働時間や解雇規制の緩和への反対デモだったらしい。


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「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」と訴え、
私たちが初めて日比谷野外音楽堂に集まったのは1998年のことでした。

それから16年。11月労働者集会は、職場で奮闘する全国の仲間たちに支えられ、
毎年開催されてきました。そこに結集したのは、労働運動の再生をめざす熱い決意でした。


そして、今年、私たちは歴史の岐路に立ちました。

安倍政権は集団的自衛権行使の閣議決定を強行し、
クーデターに等しいやり方で憲法を踏みにじり、再び戦争に突き進もうとしています。

「戦争をする国」への転換は、これまでの社会のあり方を全部破壊して
暴れまわる力を生み出します。労働者の権利も、集会・結社・表現・通信の自由も、
教育や学校も、何もかもが攻撃にさらされようとしています。

資本主義の危機が、パレスチナで、イラクで、
ウクライナで、世界中で戦争をひき起こしています。

安倍政権の手で、総非正規職化、解雇自由化、労働時間規制解体など、
労働者の権利を打ち砕く最後の扉が開かれようとしています。

非正規職に突き落とされた2千万の労働者たちが「生きさせろ」と叫んでいます。

日本創世会議は、896の自治体が破綻・消滅の危機に直面しているとの提言を出し、
社会まるごと民営化を断行しろと煽っています。

社会保障制度や医療、教育など、人が生きていくためのすべての条件が攻撃されています。

福島では、これまで人類が経験したことのない大規模な放射能汚染が拡大しているというのに、
原発政策を維持するために、真実を隠して県民が見殺しにされています。


すべてが限界をこえ、怒りの声は社会の隅々まで積みあがっています。
今こそ闘う労働組合を全国の職場に! 労働者の団結した力で安倍政権を倒そう!

http://www.geocities.jp/nov_rally/2014/yobikake2014.htm

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当日のデモの様子。

太鼓を鳴らすあたり、中核派の時代おくれ感がプンプンするが、
横断幕にあるように原発と戦争に反対するデモであり、
主張自体はおかしくない。

https://www.youtube.com/watch?v=68vLWiLbi04

デモの前に開かれた集会は、↑で見ることができる。

古臭いというか、ノリが学生運動時から進歩していないので、人によっては
(少なくとも私には)異様に見える光景ではあるが、ここからテロの気配は一切しない。

そもそも、こんな爺さんやおばちゃんばっかりの集団が
香港のように議事堂なりどこなりを占拠すると本気で公安は思っているのだろうか。


というか、テロリストは暴力に頼るからテロリストであって、
デモ行進をする時点で、彼らは只の市民団体だろう。



原発や戦争に反対し、長時間労働や不当解雇を許す法改正を
批判するデモに参加すれば、かような目に会う一方で、
同時期に行われたヘイトスピーチはスムーズに済んでしまう不思議。



http://matome.naver.jp/odai/2141507869112511101

11月8日のデモだが、とうとうアイヌ民族までターゲットにされたらしい。
放置しておけば、いずれ絶滅するのが必至の民族に対してこの態度。

こういう連中が公安によって野放しにされる一方で、
もはや武力行使が出来なくなった連中を「過激派」と
昔のイメージをそのまま現代のイメージとしてレッテルを貼り、規制する。


どう見たって、これは弾圧である。


中核派は90年代(つまり20年も前)には武装闘争をやめると発言している。
メディアは単に「つかまりましたー」というだけでなく、この点も言うべきでは?


一応言っておくと、法政大学の中核派を見ればわかるように、
何がしたいんだか迷走しているのがミエミエな連中もいることは知っている。

筆者は新左翼の連中を基本的には信用していない。
本人たちの自業自得な部分も否めないとは思う。

だが、そういう部分もひっくるめて今回の逮捕や捜索は不当なものだと思う。

ウクライナ軍の虐殺を追った映像作品が作られる

2014-11-11 23:28:26 | リビア・ウクライナ・南米・中東
東ウクライナでのキエフ政府軍の虐殺を訴えたドキュメンタリー映画が製作された。
以下のページで視聴することが可能だ。

http://youtu.be/Z4xqPhlNFUc

アフィリエイトが目的のまとめサイトでは、
毎日のように右翼的な記事が大量生産されているが、
貴重な情報が無償で提供されている外国語サイトもそれなりにあり、
一概にネットを否定できないような環境になりつつあるなと感じる。

特にYouTubeとRussiaToday、Libya360°の3つはかなり強力。
日本語訳の記事が読める朝鮮新報や人民網、北京週報、ロシアNowも面白い。
(まぁ、ロシアNowやロシアの声は割と注意して読まないといけないが…)


池上彰は本人が言うには年間300冊の本を読むそうだ。
その割には、右傾化の後押ししかしていないが……
くだらない本を300冊読むよりも、意味のある本を1冊繰り返して読んだほうがいい。

佐藤優や勝間和代もそうだが、読書数を自慢する奴に限って、
ろくな意見を言わない。オリンピックじゃあるまいし、量より質を重視してほしい。

若干、話題がそれたが、このドキュメントは現地の言葉がわからなくても、
ウクライナ問題に関心を抱く者には一度は目を通してほしい代物だ。

こういう映像が簡単に入手できるようになったあたり、
まだまだネットには利用価値がありそうだ。

香港の占拠事件(雨傘革命)について

2014-11-10 23:24:31 | 反共左翼
加藤哲郎氏は政治学者としての職業的責務は十分果たしている方だと思う。
実際、彼のホームページを読むと遊ぶ暇なく研究に勤しんでいること、
世界中を飛び回って他の学者と交流し、知見を深めていることは明瞭だ。


だが、政治学者としての社会的責務を考えると、
これはむしろ害悪の部類であって、彼のような人間が逆に
好意的に受け入れられているあたりに、日本の社会運動の致命的な欠陥が伺える。




世界史的観点から見れば、ユーラシアは常にヨーロッパにとって異境であり、
アフリカと同様に侵略と収奪の対象となってきた。中国も例外ではない。


重要なのは、この帝国・植民地主義が現在も維持されているということ、
ロシアと中国のような大国に対しての列強からの圧力は未だにあることだ。



その典型例として、ウクライナ問題と香港の「民主化」運動が挙げられる。


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香港の不法な「セントラル(中環)占拠」を米国メディアは注視し、
米国の一部勢力は「セントラル占拠」を必死に煽り立ててもいる。


外国メディアの報道によると、早くも数か月前には
全米民主主義基金(NED)幹部が「セントラル占拠」の重要人物と会い、
「セントラル占拠」について話し合った。

この幹部とは、アジアおよび西アジア・北アフリカ地域問題担当のルイザ・グリーブ副会長だ。
彼女と「チベット独立」「東トルキスタン」「民主化運動」勢力との結びつきに関する報道は、
長年よく見られ、近年も「アラブの春」や他の地域の「色の革命」関連のシンポジウムなどを
主催したり、これに参加したりしている。

もちろん米国は、他の反中勢力を操っていることを認めないのと同様、
「セントラル占拠」を操っていることも認めない。

彼らは「民主主義、自由、人権」といった価値観を用いて、自らの行動の正当性を主張する。


http://j.people.com.cn/n/2014/1010/c94474-8792813.html

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要するに、香港の占拠は何カ月も前に、
アメリカの人権団体の幹部が現地の市民団体と共同して計画したものだった。


もちろん、その内容が確かなものであれば、別に非難されるものでもない。
欧米、日本と同様、中国もまた完全な民主社会には到達していないのだから。


だが、この運動は実際には中国を欧米化させようとする試みであり、
その改革者たちの言葉を聞く限り、かなり問題があるものだと思われる。


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"香港の民主主義がなぜ重要なのか"と題する対話は一時間にわたり、
NEDの地域副理事長ルイサ・グレーブと共に、指導部の二人は、
"オキュパイ・セントラル"運動の性格、狙い、要求と論点を皆説明した。

特にイギリス支配の下で元特別行政区政務司司長だったアンソン・チャンは、
完璧なイギリス・アクセントで、問題は、中国が1990年代末、香港引き渡しの際、
イギリスと結んだ"協定"を明らかに撤回しつつあることだと繰り返し主張した。


リーは、聴衆メンバーと共に、
香港の役割は中国本土、香港の欧米スタイルの機構、
法律と権益で染まらせることだ
と繰り返し述べた。


リーはまた特にワシントンに、香港におけるアメリカ権益の擁護に、
必ず全力で取り組み続ける
よう繰り返し訴えている。

~中略~

自治と自決を求め、北京の介入を非難する民主化運動が
外国権益から資金供給され、計画自体、外国資本によって
作られているというのは全く度し難い意図的なごまかしだ。




民主主義というものは、実際、自治と自決を想定している。


もしアメリカ国務省が、"オキュパイ・セントラル"の背後にいる政治家や
抗議行動指導者と共謀し、資金援助し、支配しているのであれば、
香港の人々は、何も統治せず、決定していない。


ワシントンとウオール街がそうしているのだ。
マーティン・リーと協力者のアンソン・チャンは、
北京が香港で政策を押しつけていると文句を言いながら、
香港統治を指示する外国権益代表だらけの部屋に、二人して座っているのだ。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-87d2.html
(「自決~ごまかしだ」の部分は、読みやすいように意味が変わらない程度に修正した)
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アメリカとイギリスの権益を第一とする運動。

これが香港で行われた民主主義だった。




もともと、香港は1997年にようやくイギリスから返還された都市であり、
イギリスのスコットランドのように武力によって併合させられた土地ではない。

(ちなみに、イギリスはアイルランド・スコットランドの独立には猛反対している)

欧米式のスタイルと言えば聞こえが良いが、要するに
植民地時代の外国勢の政治的経済的利権を取り戻すために、
中国政府からパワーを奪うのが今回の運動の目的だったと言えよう。


そういう意味では、再占領化とか再植民地という言葉がしっくりくる。


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米側がどう否定しようとも、「セントラル占拠」問題に対する
米国の政府、NGO、メディアの処理手法および介入の程度は、
独立国家共同体、中東、北アフリカなどで近年起きた様々な
「色の革命」の背後にある米国の影を容易に連想させる。


米国は一部の国の「色の革命」を後押しすることに、疲れ知らずで熱中していると言える。
米国が「色の革命」を支持するのは、表面的には「民主主義、自由、人権」という
「普遍的価値」の実行であり、確かに少なからぬ米国人やNGOは
「生きとし生けるものを救う」「天賦の使命」が自らにあると厚く信じている。


だが「色の革命」の結末をよく見さえすれば、
本質的に米国は自らの戦略的利益に着眼し、これを利用して
好きでない、言うことを聞かない政権を転覆させてきたことに気づく。



米側の論理を用いて言うなら、「民主主義」的な国や政権は米国の利益に合致するのだ。


米国の中東全体の「民主化」計画は成功しておらず、
「アラブの春」にいたっては「アラブの冬」へと変わり、
ウクライナの「街頭政治」は国家の分裂と流血の衝突へと転じた。


こうした国々が経験したのは真の民主主義ではなく、動揺だ。

だが米国はこうした教訓を前に、見て見ぬふりをしている。

http://j.people.com.cn/n/2014/1010/c94474-8792813-2.html
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アメリカに限らず、侵略国が他の地方を支配するには、
まず現地の有力者を懐柔するところから始まる。



その後、民主化運動と称して、彼らを支援・誘導し、権力を収めさせた後、
自分たちに利益を流すよう取り計らってもらう。ある意味ウィンウィンの関係だ。


こういう面のほかに、 復旦大学の張維教授は

「『セントラル占拠』は香港に対する悪影響が次第に顕在化しており、
  香港の法治を損なっているし、香港の発展の助けにもならない」と指摘している。


実際、香港は現状でも強力な自治権を与えられていて、
その政治も法に則って行われている。法治主義が民主主義と考えれば、
今回のような無理矢理に自分たちの意見を通らせようとする運動は
全く民主的ではないし、ベクトルこそ違えど本質的にはテロと同じだ。


(実際、アメリカはアフガンやニカラグアなどで、
 現地のゲリラを支援・訓練してきた経緯がある)


さて、ここまで詳細にこの事件について考察を練ってきたが、
ここで加藤名誉教授のホームページを読んでみると、今回の占拠を
民主主義のほころびとしてみるのではなく、逆に肯定的に捉えているのがわかる。



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そんな世界の中での、一抹の希望。スコットランド独立をめぐって、
過半数までは届かなかったが自決・自治の力を世界に示した、
イギリスでの住民投票の経験、そして、いま眼前で進む、
普通・平等・自由選挙への、香港市民の願いと運動。

前者は、スペインでのカタルーニャやバスクの住民投票へと飛び火し、
後者は、かつて四半世紀前の天安門前広場を想起させる、
「アンブレラ・レボルーション(雨傘革命)」へと展開しています。

福島や沖縄の人々は、身につまらせる思いで、注目していることでしょう。

自分たちの問題を自分たちで決めること、自分たちの代表は自分たちで選ぶこと。
これが、民主主義の原点です。

(2014年10月1日 http://members.jcom.home.ne.jp/katote/Living.html)

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もちろん、同氏は非常に多忙な方なので、
ろくに調べもしないで印象論でこう語ったのも仕方ないとは思う。


だが、「政治学」という最もこの種の政治的な運動に対して
批判の目を向け、その隠された問題点を暴露しなければならない
であろう学問のエキスパートが、自らが権威ある存在であることを
自覚せず(あるいは自覚して)、いい加減な言葉を述べるべきではない。


私がこうまで加藤教授を厳しく批判するのも、
実際に彼が政治学者として、数々の運動に参加し、その中で
共産党は原発推進派だとか、随分と意図的な虚偽を語っているからだ。
学者としては優秀だが、運動家としては、もはや詐欺師同然だろう。



戦後左翼の大きな問題として、反共主義が呪縛になっていることが挙げられる。
(裏返せば、西欧の価値観(特に民主主義)への異常な信頼とも言える)

北朝鮮や中国を欧米の視点からブッ叩く。
その結果、実は欧米の冷戦時以前からのお得意芸、
現地の人間を懐柔して、自らの利益を達成させる駒を作り、間接的に支配する
という決して見逃してはいけない行為に気付かないでしまう。


結果的に見れば、欧米の侵略を支持している。

忘れてもらっては困るのだが、日本が右傾化しているのは
右翼だけでなく、この手の無自覚な左翼の加担のせいでもある。



日本が右傾化から脱するには、反ヘイトスピーチだけでなく、
現在の左翼の劣化した理性に対してももの申していかなければならないだろう。