昨日、ドラマ『PRICELESS…』をみた。
このドラマで、私の中の「一発逆転、ホームラン!」は藤木直人さんだった。
最終回の藤木さんの姿に、一番心が動いた。
彼は大会社の社長で、先代の父の最後の言葉にずっと苦しんでいた。
一番認めて欲しかった父の最後の言葉が、
自分を否定する言葉だったから。
その父が認めた義理の弟がキムタクで、それで彼をずっと憎んでいた。
憎いと思う心でしか見ていなかったから、
大事なモノをたくさん見失っていた。
そんな非情な彼に誰も付いていけなくて、最後に全社員が彼を見捨てた。
社員が一人もいなくなって、彼は全てを失う。
実際には一人だけ、側にいたけどね。。。
全てを失って、初めて見えてくるものがある。
気付かなかった父の愛情とか、自分の今までの醜い姿とか。。。
そこで彼は生まれ変わろうと努力した。
これまで社員の名前や顔さえ覚えようとしなかった彼が
野宿している公園で、1700人の社員全員の名簿を見ながら、
一生懸命覚えようと努力している姿があった。
父が大事に育てた会社を、
今度はみんなと一緒に働いて無くしたくないという想いがあった。
そして社員全員が自分を憎んでいると解った上で、姿を現す。
新社長が今までの彼だと知って、社員全員のブーイングの嵐が起こる。
皆に今までの自分の非情を謝り、深々と頭を下げた。
私だったら、この場所には来れないなと思った。
自分の姿を振り返ったら、当然責められる自分が想像できる。
そんな場所からは遠ざかりたいと思うだろうなと。
だけど彼は逃げなかったんだよ。
今度こそ一からやり直して、皆と一緒に作りたいという想いがあったから。
それでも自分を許せないと、会場を去ろうとする人が居て
その人の名前を呼んで、全員が揃わないと自分はここに居る資格がないから、
今までの自分を詫びて、それでも社員全員で作りたいから
また皆さんと一緒に作らせて貰いませんかとお願いをした。
不様な姿を晒して、ヤジを飛ばされるのを覚悟して
それでも逃げないで謝り、生まれ変わりたいと心を開いた。
これが私の心を揺さぶった一番の「ホームラン!」だった。
私には出来ないだろうな。
凄いなと、素直に思った。
奇跡なんかじゃなくて、自分と向き合い努力している人が
心から反省して反転した瞬間だよね。
役者であっても、伝えたい思いは伝わる。
これまでどんなに悪い事を繰り返してきたとしても、
そんな自分を顧みて、今まで見ていなかった自分の姿に気付けたら、
そこから感じた思いを大切に育てようと努力したら
大きく変われるんだと見せてくれた瞬間だった。
変わろうと思った時が、変われる瞬間。
どんなに時間がかかって遅くなっても関係ない。
そこから、変われる。
それを続けていく事で、自分が思う所に到達できる。
それが一番、大事だと思ってる。
だから自分が何者なのかも関係ないんだよね。
どんなに悪人でも、変わろうと思えば今いる場所から変われるんだよ。
自分の心と向き合っているかが、大事な中心部分だと思うから。。。
そう言った意味で、いつも「良い人」はどうなんだろう。
自分の見ていない姿をいつ見るんだろう。
そういう機会がいつ起こるんだろう。
失敗したり、辛い経験をした時に、気付く事多いよね。
だからラストシーンの三人組は違和感があった。
「みんなが好きだから、みんなと働きたいと思ったから」と言ってたのに
なんでカッコつけて去るのだろう?
言ってた言葉はウソなの?
まるで救世主やヒーローじゃんと思ったら納得できた。
だから違和感があったんだなと。
そう言えば「サンタはいない」と言ってたよね。
クリスマスイブの日に。(笑)
そうか、
救世主やヒーローが今の世界から去って行くと言うことかな。
だから「あるわけねぇだろ、んなもん!? 」なのか。(笑)
自分の未来は、自分が作って行くものだから。
周りはそのことに気付く為に、あるとも言える。
人と接して、大事な事に気付けるから。
その事を強く感じたドラマだった。