ブルーシャムロック

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木更津の猫は高雄の犬の夢を見るか_6

2009-09-09 05:22:05 | 逆襲の藤隆
「借りちまったなあ。あそこの小学生ふたり。」
店長は従業員にそう言った。
「そうですね・・・。あれで失敗しなければいいですけれども。」
なんともクールな店長の答えであった。
「台湾ドラマの入魂の一作だと聞いていますが、本当にそうでしょうか。」
剣呑そうに従業員は答えた。
「まあな、俺は台湾ドラマルネッサンスだとおもっているがね。」
店長はかなり燃えている。
「台湾ドラマなんて窮余の一策だと思うんですがね。」
まるで他人事のような店員の回答。
「少女漫画ドラマから進化した・・・。か・・・。」
皮肉ばかり言っていた店員に少しばかり明るい兆しが出てきた。
「どうだった、ビデオ・・。」
はるかが逹彌に聞いた。
数日後のことである。
「最後の、ヒロインの女刑事が警察内部の裏切り者を撃ち殺す處なんて・・・。」
逹彌は口元が滞ったようである。
「コーヒョン・ドッグウッドは、なんともやるせない氣持ちにさせられるドラマよね。」
はるかは、達也の気持ちを思いを察しながら、彼の表情をみた。
「小学生には難しいと思ったけれども、第貳部が楽しみだなと。」
さすが小学生、小学生がころころ変わる。
「ねぇ。はるかちゃん、あんたがみたドラマどうだったかな。」
逹彌ははるかに質問をした。
「まあね。」
何ともいえない複雑な表情だ。と同時に、ポスターを見やった。
「遠泳大会。」
はるかはぽつりとつぶやいた。
この夏の暑いさなかこの瀬戸内の町では遠泳大会をする。
「あんたの弟の友輝もでるだろうなぁ・・・。もっとも俺も出るけれども。」
逹彌は面倒くさそうに笑った。なんとも皮肉があるような感じで。
「あいつのことよ。急度一番を取ると張り切るね。」
はるかも笑った。
「あ、そうだ・・・。今度の夜・・・。」
逹彌はもどかしそうにはるかに話題を切り出した。
「そうね・・。」
何があったのかは著者は多くを語りたくはない。
(fine.)


コメント
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