「なるほど・・・。」
彰は、真剣に繪を見ていた。
しかし、基本的に藝術とは無縁な雰囲気の佳奈は
「私にはただ色を塗りたくっているしかわからん。」
と言った。
「そんなものなの?!私にはこの杉某の情熱を感じる。」
と反論した。
情熱か・・・。そんなことを分からずに、巡回路を佳奈は巡っていた。
「なんだ是は・・・。」
これまでみた激しい色調の絵から見た場合、この絵は穏やかに感じた。
「杉某の、最晩年の絵だよ。」
普段画集で杉某の絵を見慣れた彰も、珍しそうに其れを見ていた。
「最晩年か・・・。いったい何処なんだろうか。」
佳奈は興味を示した。
「福井県のどこかだと、書いてある。誰かに進呈するつもりだったとか・・・。」
彰は、佳奈に先生のように説明し始めた。
「誰に進呈するつもりだったのかな。土地の人だったのかな・・。」
佳奈は素朴な質問をした。
「地元の人だったら面白いね。奄美に滞在した田中一村も、絵を地元の人にあげたという
エピソードがあるよ。」
と彰は説明した。
「なるほど。あってもおかしくない。」
佳奈は納得していた。
「ただ、杉某はどういう心境の辺境があったのかな・・・。」
彰はミステリアスで興味があることがあると猫口になる。
「猫口になったということは知りたかったのか。」
佳奈は苦笑した。
つづく
彰は、真剣に繪を見ていた。
しかし、基本的に藝術とは無縁な雰囲気の佳奈は
「私にはただ色を塗りたくっているしかわからん。」
と言った。
「そんなものなの?!私にはこの杉某の情熱を感じる。」
と反論した。
情熱か・・・。そんなことを分からずに、巡回路を佳奈は巡っていた。
「なんだ是は・・・。」
これまでみた激しい色調の絵から見た場合、この絵は穏やかに感じた。
「杉某の、最晩年の絵だよ。」
普段画集で杉某の絵を見慣れた彰も、珍しそうに其れを見ていた。
「最晩年か・・・。いったい何処なんだろうか。」
佳奈は興味を示した。
「福井県のどこかだと、書いてある。誰かに進呈するつもりだったとか・・・。」
彰は、佳奈に先生のように説明し始めた。
「誰に進呈するつもりだったのかな。土地の人だったのかな・・。」
佳奈は素朴な質問をした。
「地元の人だったら面白いね。奄美に滞在した田中一村も、絵を地元の人にあげたという
エピソードがあるよ。」
と彰は説明した。
「なるほど。あってもおかしくない。」
佳奈は納得していた。
「ただ、杉某はどういう心境の辺境があったのかな・・・。」
彰はミステリアスで興味があることがあると猫口になる。
「猫口になったということは知りたかったのか。」
佳奈は苦笑した。
つづく