ブルーシャムロック

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せぷてんばー・すてっぷす_4

2009-09-22 07:42:43 | 信・どんど晴れ
「なるほど・・・。」
彰は、真剣に繪を見ていた。
しかし、基本的に藝術とは無縁な雰囲気の佳奈は
「私にはただ色を塗りたくっているしかわからん。」
と言った。
「そんなものなの?!私にはこの杉某の情熱を感じる。」
と反論した。
情熱か・・・。そんなことを分からずに、巡回路を佳奈は巡っていた。
「なんだ是は・・・。」
これまでみた激しい色調の絵から見た場合、この絵は穏やかに感じた。
「杉某の、最晩年の絵だよ。」
普段画集で杉某の絵を見慣れた彰も、珍しそうに其れを見ていた。
「最晩年か・・・。いったい何処なんだろうか。」
佳奈は興味を示した。
「福井県のどこかだと、書いてある。誰かに進呈するつもりだったとか・・・。」
彰は、佳奈に先生のように説明し始めた。
「誰に進呈するつもりだったのかな。土地の人だったのかな・・。」
佳奈は素朴な質問をした。
「地元の人だったら面白いね。奄美に滞在した田中一村も、絵を地元の人にあげたという
エピソードがあるよ。」
と彰は説明した。
「なるほど。あってもおかしくない。」
佳奈は納得していた。
「ただ、杉某はどういう心境の辺境があったのかな・・・。」
彰はミステリアスで興味があることがあると猫口になる。
「猫口になったということは知りたかったのか。」
佳奈は苦笑した。
つづく
コメント
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