ブルーシャムロック

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俺の器の中身にならぬか_01

2020-05-06 15:53:12 | 逆襲の藤隆
「出来杉君、俺の器の中身にならぬか。」
山田守と名乗る發明家はそう答えた。
「はぁ。」
出来杉英才はキョトンとした顔で見た。
「なぜ、僕が君の器の中身にならなければいけないのだ。」
出来杉はそう答えた。
「そうだねぇ。僕も自転車操業でいろいろな發明品を生み出してきたけれども、
そろそろ、自分の才能の限界を感じてきたんだ。あのときだって万能の
腕を持っていた期のようにはならないのだ。現在実際の腕はあるけれども、
もう一つの腕は、もげて何處かに行ってしまった。」
山田は苦笑した。
「ただ、それだけで。君の才能があればなんでもできるのではないのか。僕だって
科学者として、やりたいことがあるんだ。」
出来杉は激昂調になっていた。彼を知る多くの人は表情を変えず、にこやかに
彼の持つ自分の力を見せるようなひとだったからだ。
「君にしては感情的だ。これを多くの人に見せるのは怖いな。
最近は君が力を見せれば見せるほど、人は君の持つ隠れた刃を見出して恐れる。」
山田はそう答えた。
「僕だって、精一杯やってきたのに、なぜだか今になってここまで人に攻撃されるのが
こわい・・。」
出来杉は言う。
「意外と君は自分の力がありすぎるから、その力を普通と思いすぎて、
君の巨大な力を必要以上に恐れるんだよ。そこに鈍感な部分があると思ったんだ。」
山田はそう答えた。
出来杉は何も言えなかった。
「僕が頑張って発明して、君がブレーンになって、君の研究の成果を反映させるってのは
どうだい。」
山田は言う。
「それは君の力でなんとかするものだろうが。」
出来杉は反論した。
「正面切ってやれるものもあるが、ブレーンがアイディアを出して、面白いものを作る。
それも戦い方だ。黙って僕のブレーンになってほしい。」
山田は頭を下げた。
「そこまでいうならば・・。」
出来杉は渋々了承した。
コメント
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