一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

住宅トラブル相談

2008年07月07日 11時46分47秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

メールや電話の建築トラブル相談が多いです。
メールで返信しても、エラーで帰って来る人もいます。
エラーでも電話はこちらからは掛けませんので、アドレス入力には、
注意してください。

急ぎで、皆さんの参考になるものをブログでひとつ回答しておきましょう。



「1階の部屋から天井を見上げると、横の柱が3本ほど、うっすら下がっている
 ような感じです。施工会社は、湿気による柱のふくらみとの回答でした。
 荷物の重さに耐えられていないのかと不安になってしまいます。」


皆さんは、どう対応すれば良いと思いますか?

ここで、「横の柱」というのは、梁のことだと思います。

無垢の木なら、湿気による膨らみは考えられます。
但し、集成材ならあまり湿気による膨らみは考えられません。
というか、集成材であまり収縮されては、接着剤部分と剥離して
バラバラになってしまってそれはそれで大いに問題です。

そのため、私は構造材に集成材は使いません。
ハウスメーカーや工務店が構造材に集成材を使うのは、
木の収縮によるクレームを無くすためです。

一見、良いように思いますが、湿気や水に弱いことを考えると
私は室内に露出した部分の梁以外には、集成材を使いません。


さて、この梁が荷重によるたわみによるもので問題なのか、
湿気によるふくらみで問題のないものかを判別するには、
どうすれば良いのでしょうか?

本来は、梁と天井との間に隙間があり、梁の収縮の影響はほとんどないはずです
が、天井高が取れないなどの事情がある場合はあります。



答えは、現場の状況と設計図書を確認し、

(1)梁に掛かっている荷重がいくらの重さになるか

(2)その梁の幅と高さ、材種、等級などはどうなっているか

を計算し、

その梁が正しく選択されているかを構造計算で求めれば、

梁が強度的に問題ないかどうかだけでなく、
その梁の荷重によるたわみは、計算上許容された範囲のものか

がわかります。



ですから、この方は心配であれば、この構造計算とその根拠とデーターを
工務店にお願することは、有効な選択肢です。
その計算やデーターが正しいかどうかは、第三者の建築士に相談すれば、
わかるでしょう。

または、その工務店が「構造計算まではしません」ということならば、
直接第三者の建築士にお願いすることになります。
必ず現場を確認してもらい、必要なデーターを工務店からもらうことが必要です。

もらえない場合は、材種や等級はどは推定でいくつかのパターンを計算する
ことになります。寸法の現場確認は必ず必要です。

この場合、寸法確認のために、天井を壊さないと測定できない場合があります。


……………………………………………………………………………
住宅トラブル相談は、私の貴重な時間と今までの知識や経験を費やし、
ボランティアで行っています。

少なくともただ一級建築士の肩書きがあるだけの人とは、
全く違うアドバイスになることが多いと思います。

回答するのが当然だと思われている方は、私の時間を費やしたくないので
どうか相談しないで下さい。

回答した場合、トラブルが最終的にどうなったかの報告は
エチケットとして、今後の他の方へのアドバイスのためにもお知らせ下さい
ますようお願いします。



住宅設計監理 ミタス 一級建築士事務所のホームページ  

ALL contentsCopyright ® 2007 mitasu


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする