一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

注文住宅の室内壁仕上げは、何が良い?(2)

2007年01月12日 11時07分09秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、清水です。

昨日2007年1月11日の土佐和紙について、もう少し詳しく教えて欲しいとの質問を受けましたのでお答えします。

土佐和紙と言ってもいろいろあるでしょうから、壁紙として使いやすいものは、香川県の高松市にある「ハウスシステム」というところが販売している「土佐和紙壁紙」というものを使っています。

襖紙にも使えますが、壁紙用として製造されているので、壁に貼りやすい和紙なのです。といっても、ビニルクロスしか貼ったことのない職人さんではちょっと問題があるかもしれません。

和紙は、障子紙や襖紙と同じように、糊が乾燥すると縮みます。
壁紙に使用すると、ビニルクロスの要領で貼ってしまうとつなぎ目が、必ず空いてしまいます。

それを防ぐために、通常の和紙でもそうですが、重ねて貼っておくのです。

こういったことをご存知でないと「だから和紙は、嫌と言ったのに…」とあとで職人さんから文句がでてきます。

とはいっても、通常の和紙とことなり大変貼りやすいのと、材料も1Mで1,050円程度の価格ですから、クロスとあまり差は無く充分選択可能な価格です。



ミタス一級建築士事務所 清水煬二




神奈川県横浜市 注文住宅 住宅設計の ミタス 一級建築士事務所のホームページ 
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注文住宅の室内壁仕上げは、何が良い?(1)

2007年01月11日 14時59分14秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは。清水です。

床の仕上げに関しては、無垢のフローリングや大理石などについて以前にお話しましたが、今度は室内壁の仕上げ材について、時々コメントしていきましょう。

黙っていると合板フローリングと同じようにスグに使われていまうビニルクロスは、できるだけ避けたいところです。

塩ビは、環境ホルモンの関係でほとんど使われなくなってきていますが、壁や天井のビニルクロス、床のクッションフロアーは依然、日本の住宅では仕上げ材の主流のままです。

環境ホルモンは、DNAに食い込んで遺伝子に悪さをするらしいので、これを聞いてからはできるだけ避けてきました。大げさに言えば将来の子供達や子孫に取り返しの付かないことをしてしまっては、いけませんからね。


では、何を使うのか…?

まず、価格も安くて、工事業者も嫌がりにくい比較的現実的なものから紹介しましょう。

最初の紹介は、紙クロスです。各メーカーが出していますが、ミタス一級建築士事務所では、東リのケナフクロス(紙は通常木から造りますが、ケナフはすぐに生えてくる草から造るのでエコクロスでもあります)をよく使います。

もちろん、印刷インクも使っていますが、ビニルクロスのように塩ビも発泡剤も使っていません。工事業者もビニルクロスと同じ感覚で貼れるので、材料と工事費の価格もあまり差がありませんし、業者の抵抗が少ないです。色柄もかなり選択肢があります。

さらに、健康面にこだわると同じ紙クロスでも西ドイツから生まれて日本でも昔からよく使われているルナファーザーという商品名もあります。これは、貼ってから塗装するのですが、無塗装もままでも白いクロスと同じように見えますし、汚れた場合は、何度でも色を塗ることができます。

予算を抑える意味でも、子供室の壁と天井には、無塗装のままでの仕上げとしてコストダウンしたこともあります。職人さんに塗装してもらうと価格は高いのですが、無塗装のままですと、実は普通のクロスより安いのです。

もうひとつ、壁用に造られた土佐和紙もあります。これは、塗装もいりませんし和紙といっても貼りやすのと価格もそれほど高くなく気軽に使えます。但し、色は限られてやや和風の感じにはなります。



次回は、その他の壁仕上げ材も紹介いたしましょう。

ミタス一級建築士事務所 清水煬二




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今年の住宅勉強会について

2007年01月10日 14時05分20秒 | 住宅セミナー・住宅勉強会
こんにちは、清水です。

昨日の300年住宅の件で質問メールを何人かから頂きましたが、
詳しくお知りになりたい方は、ミタス一級建築士事務所のホームページもご覧下さい。
田辺先生のホームページもそこに紹介しています。


昨年から行っている、勉強会ですが1月はお休みです。

今年は2月17日(土)からスタートします。
テーマは、「木造2階建ての筋交い計算方法」です。

現在、建築確認申請では、木造の構造計算に該当する筋交い計算書の提出を義務付けていません。そのため本当に大丈夫なのかどうか、大丈夫な場合どの程度オーバーしているのか、ご自分で計算できるようにお教えしたいと思います。

これがわかれば、将来この壁を取ったら本当に大丈夫なのかとか、新築や中古住宅の購入時では筋交いの入っている場所に筋交いがない…とするとこの家は大丈夫なのか…というようなこともご自身で、基本的な計算ができます。

計算は簡単で、電卓があれば誰でもできますし、電卓がなくても掛け算と足し算とができれば誰でもできます。

参加ご希望の方はホームページからメールを頂ければOKです。



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毎日の仕事である住宅設計や監理、相談を通して皆さんの参考になりそうな考え方や実例を独断と偏見で、気ままに情報発信しています。他の建築家や業者では聞けない内容も多いでしょう。この情報で、いつの間にか皆さんが、正しい住宅について考えるきっかけになり、日本の住宅を本物に変えていくお手伝いが少しでもできれば幸いです。




ミタス一級建築士事務所 清水煬二


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今年から注目される住宅の新しい課題

2007年01月09日 10時28分29秒 | お勧め(建築編)
皆さん、新年あけましておめでとうございます。

本日より、ミタス一級建築士事務所は2007年、平成19年の仕事が始まります。

今年は、皆さんの住宅の耐災害性に対する考え方が変わってくると思います。


阪神大震災以来、地震に対する意識が高まりました。私も強く意識していますが、以前から、これに加えて水害や風害も意識しながら設計や監理をしています。

一昨年、フレンツェに行ったときに、「こういう石造りで、耐震性も温熱環境も良いものがあれば、地震にも水害にも風害にも強く、耐久性も何百年という住宅ができるのに…。何とかできなものか…。」と考えるようになりました。すると、その数ヵ月後に、岡山県の田辺先生からお誘いがあり、田辺先生が生涯を掛けて追求し研究し続けている300年住宅に出会いました。



▲何百年も経った住宅が当たり前のように建っているのがうらやましい…




▲レオナルドダヴィンチの生家。500年以上経っています。


そのお誘いに喜び勇んで長野県の飯田市に見学に行きましたが、まさしくフィレンツェで考えた私が何とかできないかと考えていた住宅が現実のものになって、目の前に現れていたのです。既に70軒も建てながら改善を行われて、これなら大丈夫というものが出来たとのことで、そこに至るまでの苦労話もいろいろお伺いできました。阪神大震災でも、廻りがすべて倒壊や火災で跡形もなくなった状況の中でも、ポツンと1軒だけ完全な形で残って建っていて、神戸市からも表彰されたとのことでした。その写真も拝見しました。


この300年住宅の工法を採用して頂き、児童科学館を私財で建てて子供達のためにボランティアで運営を考えている方がいらっしゃいます。私も子供達のために、ボランティアで設計し監理をしようと思って、現在ミタス一級建築士事務所が設計を行っています。

この300年住宅は、ひとことではお話できない、もの凄いメリットと可能性を持っています。私が実際に建ててみて、その内容を完全に把握したいと思っています。


温暖化による影響と思われる強い台風や局地的な豪雨による水害、北海道では台風の被害もでています。今年は、規模も回数もさらに増えてしまうでしょう。地球温暖化は予想以上に加速的に進んでいるようです。

残念ながら、この地球規模のこの問題や重要性は正しく意識されていないように思います。今年は地震だけでなく、こういった耐災害性も考えた住宅にしていかなければならないと皆さんも認識されることでしょう。



さて、私の今年の課題は

①300年住宅の設計、監理、工事を通して完全に把握し来年には自身をもってお薦めできるようにする。

②木造住宅で、こういった耐災害性も考慮したベターな仕様を決め、価格を含めて公表していく。

③ドイツのエコ住宅を見学に行き、研究して無冷暖房住宅へ近づくヒントを探し具現化していく。

④コストパフォーマンスを上げるため、資材の指定や支給を行い、工事品質に責任を持つために職人の指定などもっと工事に絡んで監理していく。

⑤より良い住宅を求めていくうえで、研究への投資や時間を増やす。

⑥住宅の正しい考え方を、拡げていくために行動する時間を増やす。

ということですが、皆さんの課題や目標は何でしょうか?


では、今年が皆さんにとって幸せで充実した一年となりますように!


ミタス一級建築士事務所 清水煬二





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