ケン太とのprecious days

3度の不登校を経て、なんとか高校を卒業し、社会人になったケン太。社会での成長&安定を見守る母のブログです。

最後のバトル・・・イライラの代償は・・・

2021-06-20 22:59:37 | 家庭生活
我が家にある、ミニコンポを処分することにしました。





かなりの年代物であります。

CD、カセットテープ、MDを再生・録音ができるもの。
ラジオも聴けます。

しかし、CD再生中に、勝手にトラックが飛ぶし、カセットはA面を聴きたいのに、B面が再生されるし、
早送りしたいのに、後送りしてしまうという、笑っちゃうくらいの、ジャンク品です。

ただ、我が家のカセットテープとMDを再生できるものが、これしかないので、捨てられず
でも、思い切って処分することにしました。

スピーカーがやけに汚れていることにお気づきと思いますが
今回は、それを記事にしようと思います。


ケン太が中3の時のことです。

ケン太は不登校。家にいました。

1月に、もうないかと思っていた、ケン太と私のバトルが起きてしまいました。
スピーカーのシミはその時に付きました。


きっかけは些細なことです。
私がとっても疲れていたこともあります。

ケン太から、夜食と散髪の要求があったのですが、まだ用事もあり「これが終わったらいいよ」と返事をしました。
しかし、時間が押してしまい、疲れも増してきて、そこでケン太から、再度、催促されたことにイライラしてしまった私。

予定になかった、台所の洗い物や、部屋の片づけも始め、ずっとリビングに放置されていたケン太のカバンにイラつき、階段の下に放り投げた。
2階に持っていけ!とばかりに・・・

これがいけなかった。。。。

散髪をしようと首にタオルを巻こうすると、ケン太は、そのタオルを手で払いのけた。
「じゃあ、やらなくていいんだね」と私はお風呂に。
お風呂から出てきたら部屋中に千切れたティッシュが散乱していました。

ケン太が、私のPCを使っているので「返して」と言いましたが、返してくれません。
ケン太がトイレにいっている間にPCを持って寝る部屋に引き揚げましたが・・・

その後、ケン太はテレビをみていましたが、しばらくして部屋にやってきて「PCは?」
私は返事をしませんでした。

すると持っていたジンジャーエールを布団にかけました。
私はそのジンジャーエールを奪い取り、ケン太にパシャっとかけた。(×まったくダメ、ダメ)
ケン太はクールにニヤッと笑いました。(このクールさが超こわい)

今度は牛乳を取り出し、牛乳をたっぷり含ませたビショビショのティシュを、次々と私に向かって投げつけてきました。
私は投げつけられたテッシュを、ケン太に投げ返しました。
リビングに逃げるケン太を追いかけて、さらに投げつける。(×まったくダメ、ダメ)

その時、背後にあったのが、このミニコンポです。
牛乳のシミですね。
後で拭いたけど、シミになってしまいました。

しかし、応戦するなんて、多分、それまでなかったと思うけど、
その時はどうしたんでしょうね。

家にずっとケン太がいるというだけで、煮詰まっていたのは確か。
あまり精神状態がよくないところに、
なんで疲れている私が、休んで家にいる子に夜食を作らなければならないんだ・・・とか、
悶々とした思いが、爆発してしまったのだろう思います。
(今は夜食は、ケン太が作っています)

でも、投げつけてちょっとスッキリしたのか?少し冷静になった私。


「こんなことをやっていたって解決しない。話合おう」

そして、ケン太と話をしました。

ケン太の話です。

俺は、怒ってはいない。
親がそういう態度をとれば、子どもはこうなると示しただけ。
あなたは、人の動かし方を知らない。
俺が動かなかったら、不機嫌になって溜息をつくだけ。
そこで諦めてしまって、もう終わりにする。その先を考えない。
言い方を変えてみるとか、なんとか俺を動かそうとしてみればいいじゃない。
諦めてしまうのは放置だよ。

俺が変わりたいと思えるような人間になることだよ。
あなたのことは好きだけど、尊敬はできない。
好きと尊敬できるは違うだろ?
どうして尊敬できない人間の言うことなんか聞ける?
まずは俺に尊敬される人間になることだよ。
俺を変えたかったら、まずはあなたが変わることだ。

なぜ、尊敬できないのかと言うと、あなたは不幸に見えるから。
溜息ついたりしてとても幸せそうにはみえない。
不幸な人間を尊敬できる?
こうなりたいって思える人間じゃないと尊敬なんかできないよ。
子どもは親の鏡って言うだろ?
子どもは親の背中を見て生きていくんだから、まずはあなたが、
幸せな生き方をして俺に見本を見せてほしいよ。
お父さんは自分の好きなことをしていて幸せそうに見える。
それなりに尊敬している。


そして・・・

ケン太は、私の「溜息」や「無視」が一番、嫌だと言いました。
なぜなら、自分が学校へ行っていないことが溜息の原因ではないかと思ってしまうから。
学校へ行っていない自分を否定をされているように感じてしまう。

私は溜息や無視はいけないことだとわかっているし、これから気をつけると言いました。
ただ親は子どもの幸せを願うもの。今、ケン太が学校に行っていない負い目みたいなものを感じているようにみえる。
やはり、本来の姿ではないのだろう。その状態ではやはり幸せを感じることは難しいとも。

すると、ケン太は・・・

あなたに対して負い目を感じているけれど、学校に行っていないことでは感じていない。
不登校になってから、ある時、考え方を変えた。
今は、俺は不登校になっていなければ出来なかったことが出来ている。
今、俺は幸せだと思う。自分のことも好きだ。

ケン太は何度も涙を流しながら話ししました。
私も最後には涙が・・・

ジンジャーエールと牛乳でベトベトになった部屋を掃除し始めると、ケン太も雑巾を持ってきて床を拭き始めました。
午前3時でした。


しかし、「親が変わって子どもが変わる」をケン太から言われてしまうとは・・・情けない限りです。

私の対応はまだまだで、私の立場も随分と低いものだなと、思い知らされました。

でも、ケン太がこんなに理屈っぽくて上から目線なのも、不登校という状況だったからだと思います。
「俺は幸せだと思う」は果たして、本音だったのでしょうか?

自分は不幸なはずがない。
精一杯、強がっていたのかもしれません。
自分のこと否定はしたくない。
なにせ、プライドが高いので・・・

「溜息」と「無視」に敏感に反応すること。
これこそ、自分の状況に負い目を感じている証拠だと思います。
だから、気になって仕方がないのです。

それまでも何度、「溜息」と「無視」がきっかけでケン太の暴力を起こしてしまったことか・・・

それだけ、ケン太は、学校に行けないことに苦しんでいたのだろうと思います。





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