血の叫び8 子どもの命を奪い続ける放射線内部被曝
2012-05-15-10
いつもお読み頂きありがとうございます。
ドキュメンタリー映画「チェルノブイリ・ハート」をネット上で観ましたが悲惨極まります。マリアン・デレオ監督がチェルノブイリ原発事故(1986年4月26日発生)から16年後の2002年に放射能汚染地域のベラルーシを取材したドキュメンタリー映画です。
チェルノブイリ原発事故の放射能の影響で、何の落ち度もありませんが、生まれながらにして心臓に重度の障害がある子どものことを現地では「チェルノブイリ・ハート」と呼んでいます。
病名は「心房中隔欠損症」とされ、主に心臓に穴が開くという厄介な病気であり、早急に手術をしなければ子供は短命で死亡してしまいます。
心臓手術の順番を待つ子どもたちは7千人近くもいますので、医療施設では全ての子供を受け入れることができません。そのため多くの子供達は、手術を受けることができずに亡くなっています。
悲惨としか言いようがありません。
無邪気な多くの子供たちを死に至らしめる放射能、放射能で汚染されてしまった地域においては、「事故前」と「事故後」の子供たちの生活環境は一変してしまいます。
放出、飛散する放射能は、まず無防備な子供達を襲います。
襲うと申しましても、子供たちに衝撃を与えるわけでもありません。静かに子供たちに気付かれることなく静かに忍び寄り、甲状腺を犯してしまうのです。甲状腺がん発症率は、「事故後」1千倍に増加します。
がれきの撤去作業。
子供達が、声を出しづらいと訴えるようになり、そこで初めて家族は「放射能」を疑います。
そして、わが子や多くの友人達も甲状腺がんを発症していることに気付くのです。関東圏にお住まいの方は、子供の甲状腺検査を定期的に受けなければいけません。
チェルノブイリでは、奇形児の出生率は「事故後」の現在では、25倍に増加しており、健常児が生まれる確率はわずか15~20%にすぎません。現在では、5人に1人弱しか健常児が生まれないという驚くべき状況下に陥っているのです。
目に見える身体障害や知的障害がなくても、遺伝子が損傷してしまった子どもや、免疫システムが極度に弱くなってしまった子供が多く生まれており、無事に生まれても免疫力が著しく低下しているために、いろいろな病気にかかりやすい子供が激増しています。
重度の障害を抱えて生まれて来る子供たちが「事故後」に多発し、多くの子供たちが遺棄されたことも忘れては成りません。
ウクライナ科学アカデミー・細胞生物学遺伝子工学研究所によれば、ウクライナにおいては,合計して300万人を超える人々がチェルノブイリ事故によって,病気になったと考えられる。そのうち約100万人は子供である。
また、事故後10年の乳児死亡率は12%~14%台と以上に高い。(日本は2%台)
子供の罹病率は事故後10年で、罹病率は2.1倍に,発病率は2.5倍に増加した。
罹病率の増加が最も激しいのは,腫瘍,先天的欠陥,血液,造血器系の病気であった。最も罹病率が高いのは,第3グループ(現在の東京都同じ放射能汚染レベル)の子供たちである。
と同じ世界最悪のレベル7となってしまった福島原発事故。
「チェルノブイリ」の現実は、十数年後には「フクシマ」の現実となってしまいます。
日本の歴史史上、最悪の事故と成りました福島原発事故を抱える日本国民が、チェルノブイリの原発事故を教訓にして、事故収束のために国民が一致団結して事に当たらなければなりません!
現場作業員
チェルノブイリでは、雇われたり、強制的につれられてきたりした清掃人は、清掃や後始末に従事しましたが、 (ソビエト連邦の全体主義政府は、若い兵士たちにチェルノブイリ事故の清掃を命じた。)明らかに不十分な防護服と、危険な放射能に対する説明もほとんどしないままに 、なんと65万人もの清掃人が、最初の1年でチェルノブイリの惨劇を清掃したのです。当然の結果として清掃人として働いた人の多くが体を壊し、ある統計では8000から1万人がチェルノブイリ動力プラントで受けた放射線のために死亡しました。この数には、明らかに破壊された4号炉を囲むコンクリートを造った人たちが含まれている。
何故か私は、福島第一原発の作業員の行く末とダブらせてしまいますが、それは私一人なのでしょうか?
今日も、お読み頂いてありがとうございました。