いらして下さりありがとうございます。
先日埼玉県から始まった断水について、後日談が出たのでお知らせします。
「原発問題」というサイトがあり、そちらに流れていた情報です。
今回の問題の元になったのは利根川湖という湖だったとのこと。
一般に湖は温度の差により2層に分かれており、上下の水が入り混じることは殆どないそうです。
しかしながら、年に二回、季節の変わり目に於いて「ターンオーバー」と呼ばれる現象が起き、上下の水が入り混じるのだそうです。
そこで何が起こるかというと、枯れ葉などに含まれたセシウムが湖底に溜まっていたものが上に出てきてしまい、そして放流されてしまうというもの。このサイトでは、日付と放流量を明確にすることで、誰かが一生懸命にセシウムが水道水に混ざって表ざたになるのを防ごうとし、そして諦めて、代わりに他の企業のせいにして、断水中にセシウムを放流してしまった、と書かれています。
問題になったDOWAという企業は決して昔から取引があった会社ではなく、今回引っ張り出されたようです。
本日、DOWAには責任がない、という報道も大手新聞社より出されています。
勿論、最初からかばう予定でやり玉に挙げたのでしょう。
このようなことがまかり通って良いのでしょうか?
そして何よりも、水道水を頻繁に使用している方には気を付けて頂きたいものです。
飲料水としてはできるだけきれいなものを購入するか、フィルターを付けるかして対策を講じたいもの。
そこで浄水器についての知識をまとめたものをご紹介します。
逆浸透膜(RO膜)とは
逆浸透RO(Reverse Osmosis)の技術とは、ほぼ水だけを通す半透膜というものを使って浸透圧とは逆に大きな圧力をかけて「逆浸透」を起こさせて汚れた水を濾過(ろ過)して綺麗にするものです。
逆浸透膜(RO膜)とは、水は通しても、固形物やイオンや塩類等の水以外の不純物は通過させない性質を持つ膜のことです。その微細孔径は約0.0005[μm、ミクロン]と言われています。(0.0005[μm] = 0.5[nm、ナノメートル] = 0.5X10-9[m])
簡単に言うと、半透膜というのは生体の皮膚や植物の細胞膜のようなものです。例えば白菜の漬物を作る時、白菜に塩をふりかけると、白菜の中の水分だけが細胞膜を通り抜けて外に出てきます。この自然の力(圧力)を浸透圧といいます。浸透圧では塩分の薄い方から濃い方へ水が移動しますが、逆浸透は圧力をかけてこの逆に水を移動させるのです。
逆浸透膜浄水器で水道水のヨウ素131は除去できると思います
逆浸透膜ろ過方式の 浄水器楽天 は海水でも真水にできる性能がありますが、この浄水器で、放射性物質を取り除くことができるかどうかを考えてみました。
逆浸透膜浄水器のフィルターの微細孔径は約0.0005[μm、ミクロン](約0.5[nm])で、水の分子の大きさは約0.0003[μm、ミクロン](約0.3[nm])です。この為、逆浸透膜浄水器を使うと水の分子よりも大きい物はほぼ全部取り除くことができるのです。
放射性ヨウ素131やセシウム137の微細粒の直径は約0.01~10[μm、ミクロン]の大きさです。一般的には約0.1[μm]のサブミクロン単位の粒子です。煙の粒の大きさもほぼこれと同じです。
大気浮遊放射性物質の参考ページ大気浮遊塵
ヨウ素は水には溶けにくい性質があります。しかし、セシウムは水溶性であり水によく溶けます。この為、セシウムの除去はできないかも知れませんが、ヨウ素131は逆浸透膜浄水器を使って濾過(ろ過)して取り除くことは可能だと思います。
情報の判断は自分でしてください
逆浸透膜浄水器を使って水中の放射性物質を除去できるかどうかの実験をした訳ではありません。あくまでも私の推測の域を出ません。ご判断は自己責任でお願いします。
逆浸透膜の微細孔径の大きさは約0.0001[μm、ミクロン](約0.1[nm])だと称しているものがあります。これだと水の分子は通過できないはずです。物質の分子や原子は常に振動していて、この程度の大きさのものは、そのサイズを正確に測ることは無理です。逆浸透膜の孔の大きさというものは推定して決めたものです。
中空糸膜方式の浄水器を使った場合
中空糸膜はもともと人工腎臓等に使う血液を透析する為に開発されたものです。中空糸膜はマカロニに形が似ていて真ん中が中空になっている糸状の繊維です。その表面には約0.1[μm、ミクロン]の直径の微細な孔が数多く開いています。細菌の大きさは一般に約1~数[μm、ミクロン]なので細菌も除去できるのです。
しかし、ヨウ素やセシウムのような放射性物質は、その大きさから考えて完全に除去することはできませんがある程度以上の大きさのものは除去できると思います。
普通の活性炭式の浄水器を使った場合
普通の活性炭式の浄水器には粒状の活性炭が使われています。活性炭の表面には約0.5~5[μm、ミクロン]の細かい孔が無数に開いていて、その中に匂いや汚れの分子を取り込んで除去しています。
1gの活性炭の表面積は約1000平方mにもなり、とても表面積が大きいのです。放射性ヨウ素やセシウムはある程度は活性炭に吸着して除去できるでしょうが、あまり除去することはできないと思います。
水を汲み置きして使うだけでも効果があります
放射性ヨウ素131の半減期は約8日なので、水を汲み置きするだけでも放射能を減らす効果があります。例えば16日汲み置きすれば、放射能は約1/4になります。セシウム137は半減期が約30年ですので効果はありません。
もし、水道水を汲み置きする場合は、必要に応じて、ハイクロン等の次亜塩素酸を途中で添加して殺菌してください。水を使う前には煮沸して塩素を飛ばして使ってください。
水道水を煮沸しても放射能は減りません
水道水を煮沸したら放射能が減ると考える人があるようですが、そのようなことはありません。煮沸してもヨウ素やセシウムは蒸発することはありません。
逆に注意したいのは、煮詰めると放射性物質の濃度が増すことです。煮詰める料理では放射能の無い水を使いましょう。
体内に取り込まれた放射性物質の行き先とその影響
体内に取り込まれた放射能を出す物質、放射線ヨウ素131は主に甲状腺に集まり、セシウム137等は筋肉や骨に集結します。この放射性物質は時間の経過で崩壊して放射能は次第に少なくなっていきます。それらの半減期は、放射性ヨウ素131では約8日、セシウム137では約30年です。
以上のように、いろいろな種類がありますので、ご確認下さい。
今日もありがとうございました。