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プラスチックごみって何が問題なの? ストロー減らそうと署名活動を始めた小学生に触発され、専門家に聞いた

2022年11月15日 | 自然・農業・環境問題

「東京新聞」2022年11月13日 

 プラスチックごみを減らす第一歩として、身近な学校給食のプラスチック製ストローをなくしたい。小学3年生のえりかさんが呼びかけたオンライン署名には、2万人分を超える賛同が集まった。取材して「私も記者として何かできないか」と自問自答し、まずはプラスチックごみ問題のそもそも論について専門家にあらためて取材してみた。(デジタル編集部・小寺香菜子)

【関連記事】給食用牛乳のプラスチック製ストローなくしたい 練馬区の小3、えりかさんが署名活動 「みんなの未来のために考えて」

◆プラごみの7割以上は実は燃やされていた

 「プラスチックごみの問題点は一つではありません」。長い間ごみ問題の研究に打ち込んでいる国立環境研究所(茨城県つくば市)上級主席研究員の寺園淳さんは、豊富な資料を示しながらこう話しだした。

 寺園さんが示した問題点をまとめると

(1) 燃やすことで大量の二酸化炭素(CO2)が発生し、地球温暖化を促進する

(2) リサイクルが簡単ではない

(3) 海に流出すれば、海の生物に悪影響を与える

の3点になる。

 プラスチック循環利用協会によると、2020年の日本のプラ廃棄物排出量は822万トンに上る。処理方法別にみると、燃やして熱をエネルギーとして活用したり、固形燃料に再生したりする「サーマルリサイクル」が63%と最多だ。このほか「単なる焼却」も8%ある。

 つまり、寺園さんが(1)で指摘するように、日本の廃プラのうち7割以上は燃やされるか燃料にされるかしている。プラスチックのほとんどは化石燃料である石油から造られており、燃やされればCO2が排出される。

◆中国の輸入規制でリサイクルの受け皿なくなる

 次に「リサイクルが簡単ではない」というのはどういうことか。まず第一に、全体の6割を占める「サーマルリサイクル」は、結局燃やすためCO2が排出される。「世界ではリサイクルとはみなされないことが多い」(寺園さん)のが実情だという。

 一般にプラスチックのリサイクルというと、回収したペットボトルや食品トレイを原料にしてボトルや衣服などに再生するイメージが強い。こうした処理は「マテリアルリサイクル」と呼ばれるが、21%にとどまり、しかもそのほとんどが国内でなく海外でリサイクルされている。このほか化学原料として再生する「ケミカルリサイクル」もあるが、わずか3%にすぎない。

 「マテリアルリサイクル」が思うように進まない要因として寺園さんは第一に、中国の輸入規制を挙げる。中国はかつて、日本を含む世界中から大量のプラごみを輸入してリサイクルしていた。しかし2017年末から規制を強化し、受け皿がなくなった。現在は国内でリサイクルの枠組みを強化しているが、プラ製品の基となる樹脂の種類が多いことや、汚れやほかの物質が付着したプラごみが多いことなどから、進展はままならないという。

◆生態系全体に影響及ぼすマイクロプラスチック

 3点目の「海の生物への悪影響」は、えりかさんの行動のきっかけとなった問題だった。では具体的にどのように影響が出ているのだろうか。

 そもそも、プラごみが独り歩きして海にまで行くはずがない。最大の原因は「ポイ捨て」だと思われる。路上などに捨てられたごみの一部は、排水路や川などを経由して海にたどり着く。このほか災害によるごみ流出など経路はさまざまだが、いずれにしても人間の行為が原因であることは変わらないという。

 環境省のデータによると、死んだ海鳥や魚の胃から、プラスチックが見つかっている。海を漂うプラごみは細かい破片となり、さらに細かくなって「マイクロプラスチック」に分解される。小さな魚や海鳥などがこれらのマイクロプラスチックを摂取し、さらにそれを捕食する魚なども同じように体内に取り込む。結果的に、生態系全体に影響を及ぼすことになる。

 日本のプラごみ海洋流出量は、国別では30位でも、量にすると2万〜6万トン。寺園さんが見せてくれた都内の荒川の写真には、ペットボトルなど様々なごみが打ち上げられていた。河原に生えているヨシの間にはマイクロプラスチックも凝縮するように浮かんでいる。寺園さんは「全てのごみが適切に処理されている訳ではないし、災害などで、プラスチックが流されてしまうこともある」と沈痛な表情を浮かべる。このままでは、2050年には海洋中のプラスチック量が魚類量より多くなってしまうというデータもある。

◆「活動する人をひとりぼっちにしない」

 では、私たちにできることはないか。寺園さんは「プラスチックの使う量を減らし、最後にリサイクルをする。難しければ適正に処理する」ことが大切だ、という。プラスチック包装をした商品を買わない、リサイクルされた商品を選ぶ、一つ一つの行動が大事になる。もちろんポイ捨てはいけないし、ごみを見つけたら回収することも必要だ。

 ごみ問題や気候変動問題について声を上げる若い世代も多くいる。寺園さんは「社会は少しずつ変わってきている。活動する人を、一人ぼっちにせず、応援することが大切だ」と語った。まだ小学3年生のえりかさんも、自分の子どもにあたる世代への影響を心配していた。私たち大人も、えりかさんが描く未来のために、行動していきたいものだ。


膨大な軍事費、世界の軍隊が地球を攻撃しているようなものだ。
こんな時期、すべての紛争をやめて地球を護るためにお金を使えば・・・夢か。
例えば、プラスチックに代わるもの、あるいはプラスチックを分解する方法。
こういう研究にお金を使ってもらいたい。
まだまだ研究しなければならないものはたくさんある。
たくさんの優秀な「頭脳」が必要なのだ。
「教育」は地球を救うのだ。

きょうの「更新」遅くなってしまいました。
札幌の漢方薬局に行ってきました。
少し前から「更年期障害」の症状。
なんか説明のつかないような症状が多く出て、これは「更年期障害」でしか説明がつかないだろう。と思い行ってきました。
病院の皮膚科、脳神経内科、循環器科など受診しましたが「更年期障害」を指摘した医者はいませんでした。
色々と調べてもらって、わたしにあった「漢方」を処方していただきました。
諭吉サンお一人様でした。


COP27で注目の「再生型農業」 日本でも徐々に普及

2022年11月14日 | 自然・農業・環境問題

猪瀬聖 ジャーナリスト/翻訳家猪瀬聖

 
 
 
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リンゴ畑の中で講義をする木村秋則さん(筆者撮影)

 気候変動問題を解決する切り札の1つとして世界的に注目が高まっている「再生型農業」。現在エジプトで開催中のCOP27(第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議)でも、各国の名だたる企業経営者たちがその推進を強く訴えた。一般的な認知度は低いが、実は日本でも徐々に広がり始めている。現場を訪ねた。

「奇跡のリンゴ」の栽培技術を伝授

 「みなさん、これからご自身でリンゴを栽培する時は、木の根元の草は短く刈って下さいね。草を刈るとネズミが姿を隠すことができなくなるので、ネズミの害が減ります。それから、剪定をしっかりやってください。農薬を使わないので剪定はすごく大事です。剪定で枝を間引くと、害虫の被害を減らすことができます」

 紅葉が映える北海道仁木町のリンゴ畑の真ん中で、約20人の生徒を前にこう講義するのは、「奇跡のリンゴ」で有名な青森県弘前市のリンゴ農家、木村秋則さんだ。木村さんは12年前から、自身の名を冠した「Hokkaido木村秋則自然栽培農学校」で、全国から集まってくる就農希望者や、家庭菜園で安全なものを作りたいという人たちに、「自然栽培」の技術を伝授している。この日は今年度の最終授業。翌日には札幌市内で卒業式が行われ、出席した生徒全員に木村校長から卒業証書が手渡された。

 木村さんが長年実践してきた自然栽培は、殺虫剤や殺菌剤、除草剤といった農薬や、化石燃料を原料とする化学肥料はもちろん、有機栽培で使用が認められている有機肥料も使わない。代わりに、土の中に生息する無数の微生物の力を借りて畑の下草を肥料に変え、土壌を豊かにして作物の成長を促す。同時に、農薬を散布しないことや下草を生やすことで集まってくる益虫や益鳥、また、土壌を豊かにすることで高まる作物の自己免疫力を利用して、害虫の被害や病気を減らす農法だ。

 農薬や肥料を使わないので、環境汚染や生物多様性の喪失、残留農薬の心配もしなくて済む。こうした発想や栽培手法は、再生型農業(環境再生型農業とも言う)とほぼ一緒だ。

 木村さんの自然栽培は、「自然農法」の提唱者である福岡正信氏(2008年没)からヒントを得ている。米国で再生型農業の成功者として知られるゲイブ・ブラウン氏も、書著『土を育てる』(服部雄一郎訳、NHK出版)の中で、「福岡正信氏から多大なインスピレーションを受けた」と述べている。こうしたことからも、自然栽培と再生型農業は、互いに極めて近い関係にあると言える。

北海道余市町で自然栽培によるワイン用ブドウの栽培にも取り組み始めた。数年後には「奇跡のワイン」ができるかもしれない(筆者撮影)
北海道余市町で自然栽培によるワイン用ブドウの栽培にも取り組み始めた。数年後には「奇跡のワイン」ができるかもしれない(筆者撮影)

COP27の場で推進を提言

 再生型農業は、エジプトの都市シャルムエルシェイクで18日まで開かれているCOP27でも、地球温暖化問題に対する有効な解決策の1つになり得るとして関心を集めている農法だ。

 世界を代表する企業の経営者らで作る「Alliance of CEO Climate Leaders」はCOP27の開催に合わせて書簡を公開し、再生型農業の推進を呼び掛けた。書簡は「気候変動はとりわけ開発途上国の経済や住民の健康、福祉を脅かしている」と指摘し、「途上国において、再生型農業や他の形の持続可能な農業、食料生産の手段を用いて農作物の生産量を増やすと同時に、飲み水や健全な食料供給システム、強固なサプライチェーンの構築に投資することは、気候変動に対する適応性や抵抗力を高めるために非常に重要だ」と強調している。

 書簡に署名した約100人の企業経営者らの中にはソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長やサントリーホールディングスの新浪剛史社長もいる。

 これとは別に、環境問題に関心の深い英国のチャールズ国王が皇太子時代に立ち上げたプロジェクト「The Sustainable Markets Initiative(SMI)」のタスクフォースチームも、COP27にあわせて「再生型農業の拡大に向けて」と題した行動計画を公表した。行動計画は再生型農業について、「土壌の健康と生物多様性を推進することで炭素の排出量を削減する効果がある」とし、「地球の気温上昇を産業革命以前に比べて1.5度に抑えるには、再生型農業を今の3倍のスピードで広げなければならない」と再生型農業の推進を訴えている。

 同タスクフォースチームには米ペプシコのラモン・ラグアルタ会長兼最高経営責任者(CEO)や独バイエルのヴェルナー・バウマン社長らが参加している。農薬メーカーでもあるバイエルが参加しているのは興味深い。

高い農業分野の排出量

 再生型農業が注目を集めているのは、温室効果ガス総排出量に占める農業分野の割合が約4分の1と非常に高いからだ。化学か有機かにかかわらず、田畑に窒素肥料をまくと、温室効果の高い一酸化二窒素が排出される。牛のげっぷに含まれるメタンも温室効果が非常に高い。

 肥料を極力使わないことを目指す再生型農業は、一酸化二窒素の排出量削減に大きな効果があるとされる。農薬を使わないことも、土壌の肥沃化、ひいては肥料の使用量の削減につながる。また、再生型農業の理念を取り入れた畜産や酪農は、家畜を放牧し主に牧草で育てることから、やはり温室効果ガスの排出削減に効果があると考えられている。

 持続可能な農業というと有機農業が一般にはよく知られている。しかし、有機農業は有機肥料や穀物飼料への依存度も高いことから、持続可能という点では再生型農業に分があるとの認識が欧米では広がりつつあり、関心もより高まっている。例えば、米バイデン政権は今年、被覆作物(カバークロップ)の植え付け面積を大幅に増やす政策を打ち出した。畑の土の部分を覆う被覆作物は、生物多様性の促進や土壌の肥沃化、土壌の浸食防止などに役立つため、再生型農業には欠かせない。

全国から集まる自然栽培の志望者

 日本で再生型農業を実践する人たちは、どんな思いで取り組んでいるのか。木村秋則自然栽培農学校の設立者で副校長を務める弁護士の村松弘康さんは、「食の安全や食糧安全保障、地球環境の現状に強い危機感を抱いている。そうした現状を変えるには、木村さんの自然栽培の技術を後世に伝えることが一番だと思い、学校を開いた」と説明する。

 カリキュラムは1年単位で、授業は春から秋にかけて毎月開かれ、リンゴだけでなく様々な野菜の栽培について学ぶ。生徒数は年によって違うが、今年度は32人。全国から集まり、昨年度は九州から飛行機で通学していた人もいたという。「卒業生の中から就農する人も増えており、手ごたえを感じている」と村松さんは話す。

 生徒にも話を聞いた。旭川市在住の福田寿美礼さん(46)は介護の仕事をしながら4人の子どもを育てている。「木村さんの本を読んで、自分でも無農薬のリンゴを育ててみたいと思い入学した。無農薬栽培のハードルは高いと思っていたが、やってみたらそんなに難しくはなかった。将来は畑を持ち、無農薬で野菜やリンゴをつくってみたい」と語る。

東京都目黒区にある「自然栽培の仲間たち」は全国から仕入れた自然栽培の農産物を販売する(筆者撮影)
東京都目黒区にある「自然栽培の仲間たち」は全国から仕入れた自然栽培の農産物を販売する(筆者撮影)

 福祉の仕事に長年携わってきた西岡祐輝さん(37)もやはり、木村さんの本を読んで感銘を受け、自然栽培による農業に関心を持った。実習を通じて「自然栽培に対する木村さんの熱い思いを直に感じることができたのがとてもよかった」と振り返る。農業と福祉、両方にかかわることができる仕事がしたいとの思いから、農業を通じた障がい者の社会参加を支援している株式会社リベラ(札幌市)に今月、就職した。リベラはこの農学校を受託運営している団体でもある。

 再生型農業や自然栽培の方法で作られた農産物は、徐々にではあるが、流通もし始めている。東京都目黒区の東急電鉄・自由が丘駅近くにある自然栽培農産物専門店「自然栽培の仲間たち」では、木村さんのリンゴを含め、全国から仕入れた自然栽培のコメや野菜、加工食品が売られている。ここに店を開いたのは5年前。事業統括責任者の川代隆志さんは「自然栽培への認知度は少しずつ上がってきている」と話す。

ジャーナリスト/翻訳家

米コロンビア大学大学院(ジャーナリズムスクール)修士課程修了。日本経済新聞生活情報部記者、同ロサンゼルス支局長などを経て、独立。食の安全、環境問題、マイノリティー、米国の社会問題、働き方を中心に幅広く取材。著書に『アメリカ人はなぜ肥るのか』(日経プレミアシリーズ、韓国語版も出版)、『仕事ができる人はなぜワインにはまるのか』(幻冬舎新書)など。


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内田樹の研究室 アメリカとマルクス

2022年11月13日 | 社会・経済

2022-11-13 dimanche

『週刊金曜日』に隔週で1500字の連載エッセイを書いている。けっこうな量がたまったので、ブログにまとめてアップすることにした。時系列になっていないけれど、ご海容願いたい。

 アメリカ論を書いている。一章を割いて「マルクスとアメリカ」を論じた。ご存じない方も多いと思うが、マルクスとアメリカの間には浅からぬ因縁がある。

 19世紀のアメリカには「ホームステッド法」というものがあった。一定期間公有地で耕作に従事すると土地を無償で与えるという法律である。自営農になることを夢見て多くの人がアメリカに渡り、西部開拓の推進力になった。マルクスはこれを「コミュニズムの先駆的実践」と高く評価していた。マルクス自身も(果たせなかったが)テキサスに移民するという計画を立てていた。

 アメリカにはマルクス知人友人が多くいた。1848年の市民革命失敗の後に、官憲の追跡を逃れて多くの社会主義者・自由主義者たちがアメリカに渡ったからである。彼らは「48年世代(フォーティ・エイターズ)」と呼ばれた。

 その中にヨーゼフ・ヴァイデマイヤーというプロシャの元軍人がいた。『新ライン新聞』以来のマルクス、エンゲルスの友人で、ニューヨークで雑誌を創刊した。その少し前にフランスではナポレオン三世のクーデタが起きた。それについて「いったいどういう歴史的条件下で起きた事件なのか解説して欲しい」と旧友マルクスに寄稿を求めた。マルクスが書き送ったのが『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』である。

「ロンドンに切れ味のよい政治記事を書く男がいる」ということが評判になり、当時ニューヨーク最大の発行部数を誇った『ニューヨーク・トリビューン』の編集長ホレス・グリーリーがロンドンのマルクスに特派員のポストをオファーした。経済的に窮迫していたマルクスはこの申し出を受け入れ、1852年から61年までの10年間に400本を超える記事を書き送った。いくつかは社説として掲載された。扱ったテーマは英国のインド支配、アヘン戦争、アメリカの奴隷制度などなど。ニューヨークの知識人たちは南北戦争直前の10年間、ほぼ10日に1本ペースでマルクスの状況分析を読んでいたのである。あまり言う人はいないが、実はマルクスは南北戦争前の北部の世論形成に深く関与していたのである。

 戦争が始まると、奴隷解放を社会的公正の実現と評価する「48年世代」は当然北軍に身を投じた。64年のリンカーン再選の時、第一インターナショナルは祝電を送り、リンカーンはこれに「アメリカ合衆国はヨーロッパの労働者たちの支援の言葉から闘い続けるための新たな勇気を得ました」という謝辞を返している。これだけの縁がありながら、今アメリカ政治を論じる人たちのうちでマルクスの関与に言及する人はほとんどいない。二度にわたる「赤狩り」(一度目はミチェル・パーマーによる、二度目はジョセフ・マッカーシによる)によって、アメリカ史からマルクスの痕跡はあとかたもなく拭い去られてしまったからである。

 先日西部劇映画の政治性を検証するというテーマで授業をした。その時ジョン・フォード監督の『リバティ・バランスを射った男』を観た。東部のロースクールを出たばかりの青年弁護士ランス(ジェームズ・スチュアート)が西部でタフな野生の男(ジョン・ウェイン)と出会って、成長を遂げるという物語である。映画の中に「どうしてあんたみたいなインテリが西部に来たんだ」と問われて、ランスが「ホレス・グリーリーの『青年よ、西部をめざせ』というスローガンに感化されて」と答える場面があった。マルクスをアメリカに呼び込んだグリーリーは「リバティ・バランスを射った男」を西部に送り出してもいたのである。「アメリカは深い」と思わず嘆息を洩らした。

(2022-11-13 10:41)

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内田樹の研究室

比較共産党論のすすめ

2022-11-13 dimanche

 以前、日本共産党から「党名を変更すべきだという声がありますが、どうお考えですか」というアンケートに回答を求められたことがある。私は「改名すべきではない」と答えた。私の友人たちの中にも実利的な理由から「共産党なんていう古めかしい党名はもう捨てた方がいい」という意見の人もいる。でも、改名しても党はマルクス主義政党であることを止めないだろうし、メディアはその後も「〇〇党(旧共産党)」という表記を続けるだろう。果たしてどれほどの「実利」があるだろうか。

 党名を維持した方がいいと私が思うのは、党名を保つことで「比較共産党史」という興味深い研究領域が成立すると思うからである。1917年のロシア革命の後、世界中に共産党ができた。ドイツ共産党、フランス共産党、イタリア共産党、アメリカ共産党...アジアでも中国共産党、インドネシア共産党、日本共産党、朝鮮共産党、ベトナム共産党などが次々と創建された。それからおよそ100年を経て、それぞれの党の消長を見ると、その国の固有の政治風土が際立つように私には思われるのである。

 19世紀のアメリカが世界の社会主義運動の一大拠点であったことはあまり知られていない。1852年から61年までカール・マルクスは当時ニューヨークで最大部数を誇った『ニューヨーク・トリビューン』のロンドン特派員として400本を超える記事を寄稿していたリンカーンの再選の時に第一インターナショナルは祝電を送り、リンカーンも返礼をしている。アメリカに「草の根のコミュニズム」が育つ可能性はその時点では存在したのだが、20世紀に創建されたアメリカ共産党はコミンテルンに頤使される硬直した組織となり、大戦間期に知識人にいくばくかの支持を得た以外にアメリカ政治史に足跡らしいものは残していない。

 イギリス共産党はかつてはジョージ・オーウェルに『1984』を書かせるほどに強力なスターリン主義政党だったが、今は見る影もない。フランス共産党はレジスタンスの中核をなし、一時期はドゴール将軍にとって国内最大のライバルだったが、「モスクワの長女」と称されたソ連追随が嫌われて、これも今や存亡の瀬戸際にある。インドネシア共産党はかつては一大勢力だったが、1965年スハルトによる大弾圧で壊滅した。朝鮮共産党は離合集散を繰り返しながら、激しい弾圧を生き抜いたが、最後は北朝鮮の朝鮮労働党に収斂した。今マルクスが生き返って習近平の中国共産党を見てなんと評するか私には想像もつかない。

 その中にあって日本共産党は例外的に「穏健なマルクス主義政党」として生き延びている。  

 以前、新華社からのインタビューで「どうして日本ではマルクス主義が市民社会に許容されているのか」と訊かれたことがある。私は日本では、マルクスの非政治的な読みが許されていたからだと思うと答えた。マルクスを読むことは、本邦では久しく知的成熟の一階梯だと信じられてきた。マルクスを読んだあと天皇主義者になった者も仏教徒になったものもビジネスマンになった者もいる。それでも、青春の一時期にマルクスを読んだことは彼らに何らかの屈折を残した。

 日本人は世界の共産党の興亡とはかかわりなくマルクスを「教養書」として読んできた。その固有の歴史的条件が日本共産党の今のかたちに影響を与えていると私は思う。

 同じ名前を持つ政党のそれぞれ相貌を異にする歴史を照合することで私たちは諸国民の政治的傾向を知れるような気がするのである。

(2022-11-13 10:43)


 なるほど~、ですね。100年この名前で来たのですものね。名に恥じるところはない。旧統一教会とは違うのです。

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映画『夜明けまでバス停で』

2022年11月12日 | 映画

「助けて」と言えない人もいる。渋谷ホームレス殴死の背景を追う。コロナ禍の「社会的孤立」と自己責任の弊害

誰しもが“彼女”と同じ状況に置かれてもおかしくはないー。現在公開中の映画『夜明けまでバス停で』はこの事件をモチーフに、コロナ禍における「社会的孤立」を描いた作品だ。 

 メガホンを取ったのは高橋伴明監督。袴田事件を題材にした『BOX 袴田事件 命とは』や在宅医療の現場を描いた『痛くない死に方』など社会派作品を多く手掛けてきた。コロナ禍のいま、「渋谷ホームレス殺人事件」をテーマに掲げた理由や、作品に込めた「怒り」について聞いた。

◇◇◇

高橋伴明監督

©︎2022「夜明けまでバス停で」製作委員会

男が石入りのポリ袋で…バス停で寝泊まり中のホームレス女性を襲った悲劇

映画のモチーフとなった事件は今からおよそ2年前。2020年11月16日明け方に起きた。

 渋谷区・幡ヶ谷のバス停のベンチで大林さんが寝泊まりしていたところ、近くに住む男に石などが入ったポリ袋で殴られ、外傷性くも膜下出血により亡くなった。事件から5日後に逮捕された男は「邪魔だった。痛い思いをさせればいなくなると思った」などと供述。男は逮捕後、傷害致死の罪で起訴されたが、保釈中に死亡しているのが見つかった。自殺とみられている。

 事件について見つめ直したのはその翌年、主演を務める俳優・板谷由夏さんと旧知のプロデューサーから映画化の打診を受けたことだった。同時期に、大林さんの半生を追ったNHKのドキュメンタリー番組『事件の涙 たどりついたバス停で〜ある女性ホームレスの死〜』が放送されたこともあり、事件に対する見方が変わっていった。
「夜明けまでバス停で」

©︎2022「夜明けまでバス停で」製作委員会

 「NHKの番組をきっかけに『彼女は私だ』という女性たちの共感が広がっていることを知り、誰もが彼女・被害者になり得る事件だったんだという視点で作り上げていこうと考えました。コロナ禍により突然仕事を失い、部屋を追い出され、再就職もままならず、非常に短い時間のなかでホームレス生活を余儀なくされる。被害者の女性がたどった時間軸のなかに“いま国に対して自分が怒っていること”の一部を表現することで、もうひとつの物語を作ろうと思ったんです」

 高橋監督自身、コロナ禍で“失業”に近い状況に陥った。エンタメは「不要不急」とされ、「新作映画の企画は通らず、撮影を終えた作品も公開が1年近く延期された」という。

監督自身もまた、事件の「当事者」になり得たかもしれない。この事件を単なる悲劇で終わらせずに、事件に至ったコロナ禍の社会背景を克明に描き、ひとりひとりが映画の「主役」となり得る現状を映し出した。
「夜明けまでバス停で」

©︎2022「夜明けまでバス停で」製作委員会

 『夜明けまでバス停で』のシナリオは、実際の事件が起きた背景やコロナ禍の状況を下敷きにしている。

 事件の被害者である大林さんは広島県で生まれ、結婚を機に上京するも、夫の暴力が原因で離婚。路上生活を始める前はスーパーで食品販売員を務めていた。非正規雇用という不安定な立場にコロナ禍が追い打ちをかけ、店頭での仕事が激減。2020年春頃からバス停で寝泊まりする姿が見かけられていたという。
「夜明けまでバス停で」

 

©︎2022「夜明けまでバス停で」製作委員会

同じ関東で暮らす兄弟に連絡を取ることもなく、誰にも頼ることなく、寒いバス停でその生涯を閉じることを余儀なくされた。

 板谷さんが演じる主人公・三知子は45歳の女性でひとり暮らし。年齢こそ違うものの、大林さんに似たバックグラウンドを持つ。アクセサリー作家として細々と作品を販売するかたわら、居酒屋で住み込みのパートとして長年働いてきた。ところが、コロナ禍で突然居酒屋の仕事を解雇され、仕事と住まいを同時に失い、ホームレスになってしまうーー。
「夜明けまでバス停で」

©︎2022「夜明けまでバス停で」製作委員会

 映画では三知子の暮らしを通して、コロナ禍の時間軸をたどることができる。毎晩繁盛していた居酒屋は、2020年3月に発令された「緊急事態宣言」を機に休業。パート社員である三知子や外国人労働者たちは、何の説明もなく、メール一本で解雇されてしまう。非正規雇用の不安定さや生理の貧困、年齢や性別による差別…コロナ禍で浮き彫りになった様々な問題が、1時間半の作品に凝縮されている。

 僕は順番が逆だと思うんです。まずは『公助』が真っ先に来るべきだろうと。でも、三知子のようにその言葉を真っ直ぐに受け止めてしまう人がたくさんいるのではないでしょうか。それは、私たちが国からきちんと公助を受けてきた歴史がないからだと思うんです。戦時中といい『お国のために』と国に尽くすことが当たり前とされてきたわけですから。

ただ、初めに『自己責任』を押し付けられ、頑張ってもどうにもならなくて、周りに頼ることもできずに『もうどうにもならない』と亡くなった人に共助も公助もありませんよね。あのシーンには、そんなちぐはぐな社会像への怒りを投影しました」

©︎2022「夜明けまでバス停で」製作委員会

「人と人との繋がりに可能性を感じたい」事件と異なる結末に込められた思い

 周囲との連絡を絶ち、路上生活者となった三知子。運行を終えた深夜のバス停で寝泊まりする彼女のもとに、素性の見えない男の不穏な影が忍び寄るーー。このまま三知子も、実際の事件と同じ結末をたどるのだろうか。しかし、高橋監督は懸命に生きようとしていた大林さんの人生に敬意を払いつつ、劇中では異なる展開を描いた。

 コロナ禍によって社会的孤立を深めていく、暗く不穏な空気が漂う前半とは対照的に、後半では路上生活者の老人・バクダン(柄本明)との出会いにより物語は思わぬ方向へと動き出す。突飛な展開に映るかもしれないが、これには高橋監督のある思いが込められている。

 「夜明けまでバス停で」「社会的孤立に追い込まれた『かわいそうな女性』で終わらせるのではなく、孤立とどう向き合い、アクションを起こしていくのかという過程を描きたかったんです。三知子は『助けて』と言えないキャラクターとして描いていますが、自分からSOSを出せなくても、誰かが手を差し伸べてくれるかもしれない。そんな人との繋がりに可能性を感じたい、物語の中だけでも彼女が救われてほしいという思いを込めました」

 声を上げてもらわないと周りは助けようもない。そんな意見もあるだろう。ただ、仕事や住まいを失い、尊厳を傷つけられた当事者ほど声は小さく、様々な事情で「助けて」と言えない人たちもいる。そんな当事者たちの悲しい末路を「自己責任」の一言で片付けるのではなく、その手前で手を差し伸べることができたらーー。作品の結末からは、そんな監督自身の「連帯への希望」が垣間見えるのではないだろうか。

(執筆・取材:荘司結有、編集:濵田理

高橋伴明監督


園のようす。


増毛日帰り慰安旅行

2022年11月11日 | 生活

ボランティアできてもらっているおじさんと寿司を食べに増毛まで行ってきました。
今は廃線となった増毛駅に車を止めてブラブラと。

向かいには映画「駅」でおなじみの「風待食堂」。

そして腹ごしらえ。


たこザンギ。まだ余裕があったのか?肝心の寿司が写っていな~い。
それから国稀酒造見学。何種類もの酒がただで飲めるのですがお断りしました。

ここを出て車に戻り、大きな木造の旧小学校へ。
一部ではなく、ほぼ全てが保存されているようです。

これはコンクリートで作った「教壇」?国旗掲揚台?両方みたい。
最後、暑寒別川河口で鮭ウオッチング。
時期が遅かった。

次は、別の川だけど泳いでいるのが見えた。ウミネコ?かもめ、カラスが狙っている。

もったいない!
暑寒連峰を展望して。


日本、化石燃料投資に世界最多の「1.5兆円」。ガスインフラには「9800億円」【NGO調査】

2022年11月10日 | 自然・農業・環境問題

日本の化石燃料への公的資金の投資額が世界最多であることが、国際環境NGOの「オイル・チェンジ・インターナショナル」が発表した最新レポートで明らかになった。 

 11月6日から、第27回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)がエジプトで開催されており、化石燃料からの脱却が叫ばれている。パリ協定の1.5℃目標を達成するには、化石燃料への投資を止める必要があるという国際的な認識があるにも関わらず、日本は化石燃料事業に支援を続けている。

日本は化石燃料事業に年間平均106億ドルを提供

 レポートによると、日本は化石燃料事業に対し、2019年から2021年にかけて年間平均106億ドル(約1兆5490億円)を提供。化石燃料に国際的な公的資金を提供しているG20諸国のなかで最多額で、カナダと韓国が続いた。

 内訳として「この額の大半である81%はガス採掘と精製に投じられており、残りの17%は発電に、2%は石油化学事業に費やされている」とつづっている。

 レポートは「日本はG7の一員として、限られた状況を除き、2022年末までに排出削減対策の講じられていない化石燃料事業に対する国際的な公的支援を終了することにコミットした」ことにも触れ、実態との矛盾点を指摘している。

 日本が出資する化石燃料事業に対して「実施国の地元住民や市民社会からの抵抗が強まっている」と、モザンビークやフィリピンなどの反対の声や動きを紹介している。


「環境問題」 ?
全く意に介せず、苦しんでいる国や削減に向けて努力している国や団体にも独自の姿勢を貫き見事今回も「名誉」ある「化石償」受賞。
おめでとう岸田総理!
日本製品ボイコット・不買運動が始まるかも?
こんな円安の中でどうするの?

園のようす。
菊は頑張っているが、バラは蕾のまま終わりそう。
 

仁藤夢乃 バカなフリして生きるのやめた 辺野古の米軍基地問題を矮小化させてはいけない、これだけの理由

2022年11月09日 | 社会・経済

仁藤夢乃(社会活動家)

Imidas連載コラム2022/11/09

怒りに震えつつ3年ぶりの辺野古へ!

 2022年10月、「2ちゃんねる」開設者のひろゆき(西村博之)氏が、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート(以下、辺野古ゲート)前を訪れ、抗議日数を示した看板の隣でピースサインをした写真をTwitterに投稿。訪問時に座り込みで新基地建設に抗議する人が誰もいなかったことから、〈座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?〉〈『座り込み』その場に座り込んで動かないこと。目的をとげるために座って動かない。知らない間に辞書の意味変わりました?〉などとツイートした。

 辺野古の抗議行動は14年7月から始まり、工事車両が往来する時間に合わせて1日3回(平日)展開されているが、ひろゆき氏は抗議行動を続ける沖縄県民に「座り込みの意味を理解していない」などとも発言したという(「琉球新報」22年10月5日)。

 今回のひろゆき氏の辺野古訪問には、インターネット報道番組「ABEMA Prime」(ABEMA)の撮影班が同行しており、その数日後に辺野古での座り込み抗議をテーマに番組が放送された。その番組内でも終始ひろゆき氏は座り込みの運動を侮蔑し、抗議日数を示した看板について「汚い文字」と評した。さらに同日、自身のYouTube配信では「沖縄の人って文法通りしゃべれない」「きれいな日本語にならない人の方が多い」などと言い放ち、「もともと普天間の基地があった。周りに住宅を造っちゃった」「もともと何にもなかった」と事実誤認の発言も行った(「沖縄タイムス+プラス」2022年10月12日)。

 こうした発言に対して私は怒りをおぼえ、「抗議活動を続ける人々と共にありたい」「共に行動したい」と思い、1週間後の10月11日に辺野古を訪れた。そうしてコロナ禍で3年ぶりとなってしまったが、6回目の座り込み抗議に参加した。しかし辺野古ゲート前での座り込みは、米軍基地内から出てきた機動隊によって強制排除された。

 国は私たちの税金を使って何を守っているのか? なぜ機動隊が米軍側から出てきて私たちを排除するのか? なぜ辺野古に基地を作ろうとしているのか? なぜ米軍基地のほとんどが沖縄にあるのか? 基地のせいで沖縄の人々の暮らしや命、尊厳、人権がどれだけ奪われてきたか? どれだけの女性や子どもがレイプされ殺害されているか? 沖縄の民意がどれだけ踏みにじられてきたか? それが続いているのはなぜか? そこに私たち一人ひとりの責任はないのか――?

 基地があることによって起き続けている人権侵害やさまざまな暴力、その背景にある米軍による支配について、私たちは考えなければならない。そうした現実の問題から目を背けるために行われる「座り込みの定義は?」などという「議論」に乗る必要はないし、そんなものは議論ではないのだ。

 沖縄県民は4度の知事選でも、県民投票でも、「辺野古に新基地はいらない」と表明している。それにもかかわらず、政府は沖縄県民の民意を無視した強行を続けており、住民は地道な抗議行動を続けている。

 抗議の声を上げる人たちは「過激」だとレッテルを貼られることがよくあるが、機動隊による暴力で抗議行動中にけがや骨折をした人は少なくない。私が参加した日は、新型コロナの影響もあって抗議行動も強制排除も互いに接触を避けて行われていたが、暴力で市民の声を封じようとし続けてきたのは日本政府なのだ。

地道な抗議を続ける沖縄の市民たち

 辺野古ではゲート前だけでなく、埋立用土砂の搬出現場となっている安和(あわ)桟橋や塩川港にも、工事車両1台1台を牛歩戦術で止めて抵抗を続ける人々がいる。さまざまなところで基地建設阻止のための行動をしなければならず、力を分散させなくてはならない状況となっている。新型コロナの影響もある中、こちらは少人数で行動を続けていて、私が訪ねた時も2~3人ずつで活動していた。私も短い時間ながら、牛歩での抗議行動に参加した。機動隊からは「一般の方の迷惑になっています~。早く歩いてください」と何度も警告され、抗議者は一般市民でないかのように扱われていた。

 何もしなければ1日に800台のトラックが土砂を積んで新基地の建設現場に行ってしまうところ、牛歩の抗議行動によって500台に抑え込めていると伺った。こちらの現場では、土砂を積んだトラックの数をカウントする役割の人もいるという。そうした地道な活動によって、現状を把握し、粘り強く抗議されていることに頭が下がる思いだ。一人ひとりの力は決して小さくないことを実感し、もっとたくさんの人が関心を寄せて共に行動すれば、さらなる力になると確信した。

 辺野古の大浦湾は、日本で唯一「ホープスポット」(世界的海洋学者らで作るNGOが認定した保護海域)にも選ばれている。辺野古新基地建設問題と聞くと、政府の強硬な姿勢に「もう手遅れなのではないか」と思う人もいるかもしれないが、大浦湾の工事はまだ始まっておらず、工事全体の進捗を見ても11%程度。それが沖縄の人々の地道な抗議行動の成果であることは明らかだ。

 抗議行動をする市民にも、それぞれの生活があり仕事がある。やりたくてやっている人なんていないだろう。それでも命や暮らしに関わる問題だから、声を上げないわけにはいかない。そのために時間を作って、抗議し続けているのだ。沖縄の基地問題は、沖縄の人々が引き起こした問題ではない。本土に暮らす私たちが、政治が、沖縄に押し付けてきた問題だ。

基地問題は女性の人権問題にも関わる

 私が沖縄の基地問題に反対の声を上げるのは、当地で少女や成人女性を狙った性暴力が絶えないことにも関係しているから、という理由もある。私はColabo(コラボ)の活動を通じて全国の女の子たちと関わっているが、特に沖縄は少女の性暴力被害が多い地域だ。女性の貧困が深刻なこともあって、性が売り買いされることが常態化しており、少女たちの間でも性売買に関わり、金銭がらみで性暴力に巻き込まれることが身近になっているのだ。

 沖縄の女性たちは戦前も貧しさから遊郭に売られるなどしてきたが、さらに戦争によって日本軍の慰安婦となったり、占領軍に売られたりもした。そうして米軍基地が作られ、駐留する兵士が沖縄の女性をレイプして罪を問われても、逃げられるような状況の中で今日まで来てしまった。

 辺野古に行く前日、勝連(かつれん)城跡でやっていた「世界のウチナンチュー」という企画展を観た。貧困にあえぐ沖縄の人々が、本土をはじめ世界各地へと移民し、出稼ぎに行った史実が展示されていて、とても学びのある内容だった。貧しい農家の少女たちが、那覇の遊郭へ売られていったことにも触れられていた。しかし、その説明は「農村の少女たちが首里・那覇あたりに下女奉公や遊郭に流れていった」という一文だけだった。一方で、移民となって苦労した男たちの話は、一人ひとりの経験がパネルで展示されていた。移民者の苦労談も大切だが、貧困や女性差別という社会構造の中で、自らの性を売らざるを得なかった女性たちの話が「流れていった」の一言で片付けられていたのが印象的だった。

 政府は沖縄の人々を踏みつけるようなことを続けているが、基地のある社会では女性や子どもの人権は軽んじられる傾向にある。性売買の被害に遭う少女や女性たちについて、「自ら好きでやっているのだろう」「無知な子どもたちが気軽に足を踏み入れているのだろう」と語りながら、女性を買うことを正当化する人は多い。力のある者が権力や金で女性を支配し、性暴力をふるい、自分の物のように扱うことは戦後77年経った今でも続いているのだ。

 辺野古に行った日、私はその足で沖縄県庁前で開催されたフラワーデモ(性暴力の根絶を掲げるデモ)にも参加した。沖縄で共に怒り、痛みを分かち合い、時に涙の時間を共有しながらも声を上げ続けるみなさんと時間を過ごさせてもらった。私たちが集い、語り合い、声を上げることを嘲笑う人はこれからもいるだろう。それでもこうして時間を共にして、つながり、怒りや痛みを分かち合うことは現状を変える力になる。この輪を広げていけば、「痛いものは痛い! 踏みつけるな! と言っていいんだ」と思う人や、「あれって暴力だったんだ」と気付ける人も増えていくだろう。

抗議者を「過激」扱いする攻撃の手口

 米兵に母親を殺され、基地建設に反対する住民が書いた看板を、「汚い文字」とリポートしたひろゆき氏。この地では米兵によって家族や友人を殺されたり、レイプされたりという経験が多くの人にある。だからこそ「沖縄にこれ以上基地を作らせない!」「二度と戦争をさせない!」「これ以上誰も殺させないし、これ以上レイプさせない!」といった想いで闘い続けているのに、そんなみなさんのことを「カジュアルだ」などと鼻で笑う人たちに、私は腹の底から怒りが湧いてくる。人が殺されているのに、性暴力をふるわれ続けているのに、どうしてそんなことが言えるのかと……。

 沖縄の人々はこんな痛みを、これ以上の痛みを、これまでもずっとずっと受け続け、それでも立ち上がり、声を上げ続け、行動し続けてきた。そのことを思うと、こうした運動を冷笑し、沖縄に基地を押し付け、沖縄の人々の生活や尊厳を奪おうとする人たちを黙らせるには、この問題に無関心を装おうとする本土の人たちの目を開かせるには、ただこの運動を続けること――行動し続けるしかないと、私も辺野古で座り込んだ。

 私もColaboの活動の中で、日々さまざまな攻撃を受けている。デマや誹謗中傷、殺害予告やレイプ予告も日常茶飯事だ。そんな時、今日も行動を続ける沖縄のみなさんの闘いを思い出し、辺野古の新基地建設反対運動の中でも歌われ続けてきた「座り込めここへ」や「沖縄今こそ立ち上がろう」をよく口ずさんでいる。沖縄のみなさんの存在や闘いは、私たちにも力を与えている。

 私はSNSなどで、ネトウヨから、人権擁護を謳った支援活動をしている人から、政治家からも「政治的な活動をしている」「過激だ」などと言われることがある。しかし、それらは全て私たちの抗議の声を矮小化するためのものだ。暮らしの中で政治に関わらないことはないし、おかしいのは政治のほうであり、そのことは指摘し続けなければならない。

問題を矮小化しようとする人たち

 先日、あるメディアからの取材で「ひろゆき氏の発言の何が問題か?」と聞かれた。内容が事実に反していたり、侮辱的な発言だったりとすべてが問題だったが、それ以前に「辺野古で座り込みする人々を冷笑するためにやってきたこと自体が問題だと思う」と私は返答した。

 ひろゆき氏は、自身の発言の影響力を知りつつ「座り込みの定義は?」などと問題の本質から外れたことをあえて言ったり、現地で抗議行動を続ける住民を挑発してマイクまで奪おうとしたりした。そうして怒らせた抗議者の姿を拡散し、さも過激な人たちであるかのように印象付けることや、座り込み抗議の背景から視聴者の興味をそらし、抗議の声や沖縄の民意を小さく見せて問題を矮小化すること、それこそが彼の目的だったのではないか? ひろゆき氏は沖縄への差別意識も隠すことなく発言しているが、基地を沖縄に押し付けてきた政府や本土の責任をないものとしたいのではないか?

 踏みつけられている人たちの声を小さなものにしようとする、こうした攻撃は自身の加害者性に向き合わず、構造的な暴力から目を背けたい人の常とう手口だ。昔から権力者たちによって繰り返されてきており、私たちColaboに対しても同様の攻撃は絶えない。今回のことも、そういう効果を見据えた行動なのではないかと私は考えている。そして、そのような人を「論客」として起用してきたメディアの責任も大きいと思う。

相手を尊重しない人との「対話」は困難

 しかし、こういう出来事が起きると、弱い立場に置かれている側に「対話」を促す人が少なからずいる。自分たちは中立のつもりなのだろうが、そうした行為は加害している強者側に立つものであることも理解してほしい。対話は互いを尊重する姿勢があって、初めて成り立つ。端から相手を下に見ていたり、自らの正当性を主張するために呼び出して挑発したり、粗探しをしたり、わざと的外れな発言をしたり、事実を歪曲して攻撃したりといったことを繰り返している人との間では対話は成り立たない。

 今回、ひろゆき氏の辺野古訪問を企画したインターネットテレビ局のABEMAは、よくそうした番組を制作し、例えばフェミニストを叩くため「対話」を促して呼び出すようなこともやっているので、私は何度依頼があっても出演を断ってきた。

 こうした攻撃者による「議論という名のもとの暴力」に惑わされ、冷やかしで辺野古を訪れる人たちも増えている。抗議を続ける人々は、そんな人たちにも誠意ある姿勢を崩さず、「なぜ活動するのか」「何が起きているのか」を丁寧に説明して理解を求めている。しかし、抗議理由などすでに語られ続けてきたことだ。知ろうとしてこなかった、不勉強で無責任な私たちが悪いのに、いつまで声を上げてきた人たちに問題を押し付けるのか、身を削らせるのかと思わざるを得ない。

 私たちは、自身の加害者性や当事者性から目を背けたい人の詭弁に惑わされず、構造的な暴力や差別を認識し、それを変えるためにどうしたらよいのかを議論し、みなが問題の当事者として責任のある行動をすべきだ。そうした姿勢もなく、座り込みで抗議する人たちの「やり方」を批判し、「リベラルは排他的だ」「運動のアップデートが必要だ」などと上から目線で主張を繰り広げたNPO理事長も批判の的となっている。自身の加害者性に向き合えないために、「もっとうまくやれ」「そんなんじゃ共感されない」「本気じゃないだろう」「カジュアルだ」などとそれらしく語り、抗議行動をする側に問題があるかのように印象付けることは、沖縄に基地を押し付け、沖縄の人々の暮らしや民意を無視する政府や構造を温存することに加担しかねない。

 私たちはそうした構造と、踏みつける側のやり口を知り、考えていかなければならない。


3年前の記事である。

仁藤夢乃“ここがおかしい”第33回辺野古ゲート前でこぼう抜きされる

2019年09月27日 | 社会・経済
 今日はいろいろ用事があって畑にはいかない予定だったがビニールを降ろした中に「オカワカメ」がそのままだったことに氣付き掘り出しに行った。上部のツルは枯れていたが株はまだ生きていた。よかった!これを失えばこれで終わる可能性があった。来年につないだ。(写真がない)

温暖化を受け入れる時代(1) 米国 1200年ぶりの干ばつと山火事がもたらす国内移住

2022年11月08日 | 自然・農業・環境問題
海南友子ドキュメンタリー映画監督
米国のメガドラウト(干ばつ) (NASA Earth Observatory)

 11月6日から地球温暖化に関する国際会議COP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)がエジプトで開催されている。2022年1月から米国の大学で気候変動の専門研究員を行った筆者が、世界最大のCO2排出国であるアメリカの現場と、専門家のインタビューを交えて複数回にわたって「温暖化を受け入れる時代」の到来について考える。

■1200年ぶりの「メガ・ドラウト(巨大干ばつ)」と蜃気楼に消えるラスベガス

 この夏、アメリカ西部で果てしなく広がる人工湖が干上がった光景を目にした。

「こんなに干上がったのは1200年ぶりといわれています。気候変動を身近に感じますけれど、何ができるのかと正直わかりません。」

日本人ガイドのHさんが案内してくれたのはラスベガス東部に位置するアメリカ最大の人工湖ミード湖だ。

 ロッキー山脈やグランドキャニオン流域など一体からコロラド川の水が流れこみ、フーバーダムによってせき止められてできた湖だ。全体で180kmの長さがあり、琵琶湖の2倍の広さがある。想像を絶する巨大な湖だが、20年前と水位を比べるとその変化は一目瞭然だ。

一番左の2000年と右の2022年では、湖の面積も深さも激減していることがわかる(提供:NASA Earth Observatory)
一番左の2000年と右の2022年では、湖の面積も深さも激減していることがわかる(提供:NASA Earth Observatory)

 2000年の写真と、2021年、2022年を比べると、湖の面積が激減してるのがわかる。降雪量などの変化もあり、ミード湖の貯水量は満水時の35%以下だ。流域の他のダム湖も30パーセント前後の貯水量に低下している。

 ミード湖は、カリフォルニア州など7つの州で4000万の家庭に水と電気を供給している。広大な農地にも供給されており問題は深刻だ。1200年ぶりと言われるこの干ばつは「メガ・ドラウト(巨大な干ばつ)」とよばれている。影響は2030年ごろまで続くと予想されており、水道当局では、水位は 2024年にさらに20メートル下がると予測している。

 ミード湖から50キロにあるラスベガス(ネバダ州)。砂漠に突如現れる華やかな街のカジノやゴージャスなホテルを支えているのは、ダムからの大量の電力や水だ。現在は、ミード湖以外からの供給も行っているが、流域全体にメガドラウトの影響が続いたなら、この街はいつか蜃気楼のように消えてしまうかもしれない。

■連続する山火事 大阪市と同じ面積が消失

 「メガ・ドラウト」は今年だけの問題ではなく、2020年ごろから続く長期的な気候のトレンドの一環だ。2020年には、アメリカの三分の一の州が干ばつ状況にあり5000万人以上が生活に影響を受けた。ネバダ州、ニューメキシコ州の93%以上が干ばつ、ユタ州、コロラド州の61%が深刻な干ばつ状態となった。オレゴン州、アリゾナ州、ワイオミング州も75%が干ばつに見舞われた。深刻な干ばつは、作物の不良、井戸水減少、そして山火事の深刻な増加をもたらした。

 「メガ・ドラウト(巨大な干ばつ)」を目にした2022年夏、アメリカ西部では深刻な山火事が次々と発生した。高温と異常な乾燥で火の勢いが収まらず、消火は進まなかった。7月、カリフォルニア州のニューサム知事は非常事態を宣言し、住民約1万人が避難。最も大きかったマッキニー火災の燃焼は約224平方km。大阪市と同じ面積が消失したことになる。国立気象局は火災と熱波の警報を出し、環境保護庁も6段階中最も悪い「屋外の活動危険レベル」を発表した。住宅消失や煙による健康被害が続いている。

■アメリカ西部は乾燥地帯に、東部は多雨に

 「今後、アメリカ西部は、より乾燥します。西部の山火事を考える場合、問題は国家の半分が西部であることです。米国民の生活に与える影響が大きいのです。」

 名門コロンビア大学気候スクール学部のリサ・デール教授(サステナブルデヴェロップメント専門)は静かに語りはじめた。

 「私は中西部のコロラド州出身ですが、何年も前から頻繁に何千もの山火事が発生して深刻になっています。兄の一家は山火事の増加による恐怖と、煙害による健康問題で、最近、移住を決めました。」

 同じくコロンビア大学の気候スクール学部のバーベル・ホーニッシュ教授(地球物理学専門)は、

 「西部の乾燥と逆に、東部は今後、多雨になります。洪水やハリケーンの影響が甚大になるでしょう。山火事や干ばつに限界を感じた人々が、国内東部へ移住というケースも増加するでしょう。太古の昔から気候変動は繰り返されてきました。例えば5600万年前にも大規模な地球温暖化が起き、多くの絶滅がおきました。しかし、それは数千年かけて生じたもので、現在では人間活動によって非常に短期間で大規模な変化がおきつつあります。」

■「温暖化を受け入れる時代」へ 

 米国の名門コロンビア大学は、気候変動を最重要課題に位置づけ、2020年に気候スクール学部を立ち上げた。長年、高レベルの研究をしてきた自然科学系学部と、政治や行政などの社会科学学部が連携する、学際的な専門家集団だ。背景にあるのは、気候変動が限界を超えつつある現実だ。

 前述のリサ・デール教授は、現在エジプトで開催中のCOP27にも代表団の一員として参加している。

 「COPの会議では、メディアは政府間の交渉そのものに注目しますが、交渉のほとんどは各国に排出量の削減を促す“Mitigation(ミティゲーション = 緩和対策)”が中心です。すでに世界のあらゆる地域は、気候変動に直面しています。今後は、“Mitigation(ミティゲーション = 緩和対策)”ではなく、“Adaptation(アダプテーション = 受け入れる対策)”が重要になります。あらゆる活動に気候変動への対策を組み込むこと、つまり「温暖化を受け入れる」が全ての基本となるのです。」

    筆者は「温暖化を受け入れる」をキーワードに、気候変動に揺れる米国を、気候変動の専門家の知見を交えながら複数回リポートする。

ドキュメンタリー映画監督

71年東京生まれ。19歳で是枝裕和のドキュメンタリーに出演し映像の世界へ。NHKを経て独立。07年『川べりのふたり』がサンダンス映画祭で受賞。世界を3周しながら気候変動に揺れる島々を描いた『ビューティフルアイランズ』(EP:是枝裕和)が釜山国際映画祭アジア映画基金賞受賞、日米公開。12年『いわさきちひろ〜27歳の旅立ち』(EP:山田洋次)。3.11後の出産をめぐるセルフドキュメンタリー『抱く{HUG}』(15) 。2022年フルブライト財団のジャーナリスト助成で米国コロンビア大学に専門研究員留学。10代でアジアを放浪。ライフワークは環境問題。趣味はダイビングと歌舞伎。一児の母。京都在住。


 もし、日本が巨大山火事にあったら?恐ろしいことだ。そうならないとはだれも断言できない。極暑を冷房でしのいでもさらなるCO2の発生を見ることになる。北海道への移動が始まるかもしれない。しかし北海道とて熱波に襲われる可能性は十分にある。少しづつというレベルではない。早急に対処せねばなるまい。

園のようす。

やっとビニールを降ろしました。
あとは庭木とアロニア、ブルーベリーの冬囲い。


「ないと生きていけない」…物価高で延びる生活困窮者の列 都庁前の食品配布に初の600人超え

2022年11月07日 | 生活

「東京新聞」2022年11月7日

 東京・西新宿の都庁前で毎週土曜日に開かれている生活困窮者のための無料食品配布会の利用者数が、再び増え始めた。コロナ禍で年明けから500人前後で推移していたが先月末、初めての600人台に突入した。収まる気配のない物価高が深刻な影響を及ぼしているようだ。6日、告示された新宿区長選(13日投開票)でも貧困対策は争点の一つになっている。(山下葉月、写真も)

◆想像以上に速いペース

 「600人に到達するのは年末だと思っていた。想像以上に速いペースだ」。配布会を開く認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の大西連理事長は驚きを隠せない。

 企業などから提供を受けた売れ残りのパンや野菜など8種を配っている。10月29日の利用者は631人。これまでで1日の利用が最も多かった588人から40人以上も増えた。空腹を抱えて訪れた人たちに食品を渡せない日が来るのではないか、と危機感が広がっている。

 物価高と歩調を合わせるように利用者が増えている。今年の夏前ごろは500人前後で高止まりしていたが7月に食用油が10〜20%、食パンが10%弱程度値上がりした以降、右肩上がりに転じた。調味料やレトルト食品、ティッシュペーパーなどの価格が数%〜20%上昇した10月は500人台後半が続いた。

◆年末にかけてかなり厳しい…

 取材に訪れた5日は、生活保護費が支払われる月初めで、普段なら利用者が比較的少ない日だ。それでも569人の利用があった。若者や、ベビーカーを押す女性の姿もあった。

 都内のアパートに住む無職の男性(48)は「ガス代も電気代も払うのがつらい。今年は物価高でとくにそう感じる」。統合失調症と診断され、約10年前から生活保護を受けている。光熱費や携帯代、家賃を差し引くと4万4000円しか残らない。衣類を買う余裕もなく、着ていたジャンパーはこの日の朝、別の支援会場でもらったばかりだ。昨年末から食事の回数も1日2回に減らした。「ここでの配布がないと生きていけない」

 大西さんは「給付金などの政策は、実施までにタイムラグがある。物価高の影響はかなり深刻だ。このペースでは、配布会の6回分の備蓄を5回で使い切ってしまう。年末に向けてかなり厳しい状況になるのでは」と話した。

 現職と新人の2人が名乗りを上げた新宿区長選でも困窮者対策について論戦が交わされた。現職は低所得者に給付金を配布することをアピールし、新人は区の貯金を給食費無償化や奨学金支援などのために取り崩すことを主張した。


#自民党に投票するからこうなる
 #自民党に殺される

#殺される前に倒そう岸田内閣


徹底検証 大軍拡 平和と暮らし破壊

2022年11月06日 | 生活

米言いなり 軍事費増 爆買い・思いやり・辺野古…

「しんぶん赤旗」2022年11月6日

 なぜ、日本政府はこれほどまでに軍事費を増やそうとしているのか。中国、北朝鮮の軍事的挑発やロシアのウクライナ侵略など「安全保障環境の悪化」を口実にしていますが、その真相は、米国製高額兵器の“爆買い”や沖縄県名護市辺野古の新基地建設など、米国の要求に応じるためです。

 第2次安倍政権以降、米政府の武器輸出制度である有償軍事援助(FMS)に基づく武器輸入額は、民主党政権時の1365億円から、一時は7013億円と5倍以上に拡大しました。

米国内より割高

 FMSは米国が価格や納期、契約解除まで一方的に決定できる枠組みで、価格は米国内より割高になるのが常です。FMSが急増した背景は、2001年以降の「対テロ」戦争で米国の財政が悪化し、米軍需産業が輸出戦略を進めたことがあげられます。さらに、トランプ前政権は、自国製武器を同盟国に売りつける「バイ・アメリカン」政策を推進。日本はこれに唯々諾々と応じてきたのです。

 FMSに基づき、日本政府はF35A、Bステルス戦闘機、V22オスプレイ、無人偵察機グローバルホーク、KC46空中給油機、E2D早期警戒機、弾道ミサイル迎撃弾(スタンダードミサイル・ブロック2A)など超高額兵器を次々購入。加えて、水陸両用車AAV7など、商社による一般輸入も増えています。防衛省資料によれば、20年度には自衛隊の主要装備品のうち航空機の46・2%、弾薬の35%が輸入で、大半は米国製です(表)。

 18~20年度には、「米国政府」が国内軍需企業を抑え、防衛省の中央調達先トップを占めてきました。

 米国からの輸入品は単価が高く、単年度の予算では賄えないため、防衛省は「後年度負担」と呼ばれる“軍事ローン”を拡大してきました。

 防衛省予算は、(1)一般物件費(自衛隊の活動費)(2)歳出化経費(3)人件糧食費―と三つに分類されていますが、このうち「歳出化経費」とは、後年度負担による借金を返済するための支出です。12~22年度の推移をみると、(1)(3)がおおむね960億円増にとどまっているのに対して、(2)の歳出化経費は3336億円増と突出。高額兵器の購入で発生した軍事ローンの返済が、軍事費が増えている最大の要因です。

 FMSによる米国からの輸入急増は財務省も問題視し、20年度以降は減少しましたが、22年度から再び上昇に転じています。岸田政権は既に、大軍拡の重要な柱に「反撃能力」(敵基地攻撃能力)を掲げていますが、国産ミサイルの開発に時間がかかるため、米国製の巡航ミサイル・トマホーク購入の検討に入っています。

再編経費が拡大

 日本政府は日米地位協定上も支払い義務のない米軍「思いやり予算」を年間2千億円以上も支出するなど、米国の同盟国の中でも突出した対米奉仕を重ねています。世界最大規模の米軍基地網を維持するための「在日米軍関係経費」は右肩上がりで上昇。過去最大を更新し続けています。

 際立っているのが、辺野古新基地建設を柱とする「米軍再編経費」の拡大です。辺野古新基地の建設費は当初、3500億円程度とされていましたが、政府は埋め立て予定区域北側の大浦湾に広がる軟弱地盤の改良のため、9300億円に修正。沖縄県は最低でも2兆5500億円かかるとしていますが、実際はどこまで膨らむか予測不可能です。

 政府は「抑止力のため」として米軍への異常な支出を正当化しています。しかし、欧州ではロシアのウクライナ侵略という事態を受けても米軍基地・兵力の削減が続いています。軍事力強化を協議する政府の有識者会議や与党協議でも、米国関係の支出は“聖域”化されています。「米軍ありき」の思考停止は恥ずべきものです。

米軍のガラクタに日本の税金 防衛ジャーナリスト 半田滋さん

 今回の「防衛費倍増」の原点はロシアによるウクライナ侵攻ではなく、安倍晋三政権による米国製兵器の“爆買い”です。

 FMS(有償軍事援助)による“爆買い”で新たなツケ払いである「新規後年度負担」が急増。軍事ローンが膨らみ、自衛隊の活動経費である「一般物件費」を圧迫しました。

 こうした安倍氏の失政を取り繕うために動いたのが、安倍氏の秘書官を6年半務めた島田和久前防衛事務次官です。島田氏は、自民党の国防族に防衛費のGDP(国内総生産)比2%への増額を説得して回りました。そこを伏せたまま「5年以内の防衛力の抜本的強化」などという議論の仕方は間違っています。

 FMSで買わされた兵器はどんなものか。それは米軍にとって役に立たないガラクタです。例えば無人偵察機グローバルホークは使い勝手が悪く、調達数を減らしています。輸送機オスプレイも米国と日本以外に購入している国はありません。

 また2018年に「空母」に載せるF35B戦闘機42機の“爆買い”が決まりましたが、この前まで自衛隊の計画に「空母化」はありませんでした。安倍氏や国防族の政治家が勝手に決め、不要な攻撃兵器を買い、防衛費の圧迫を招いたのです。

 米軍で使えない兵器を日本政府に買わせることで米軍需企業がもうかり、米国全体が潤います。そのために、日本の税金が湯水のように使われているのです。


アメリカの「氣」をひきたいだけ。貢いで、貢いで・・・・・

ミサイルに殺される?「#自民党に殺される!

コロナでも有効な対策を取らず多くの方がなくなっています。生活もままならなくなっています。自殺も増えています。
殺される前に倒しましょう!

今日は久しぶりに晴れ。タイヤ交換をしました。

ほとんどの花が終わってしまったと思っていたらカンパニュラが咲いていました。


COP27開幕 東西もなく南北もなく

2022年11月05日 | 自然・農業・環境問題

「東京新聞」社説 2022年11月5日

 国連気候変動枠組み条約第二十七回締約国会議(COP27)が六日、エジプトの保養地シャルムエルシェイクで開幕する。ロシアによるウクライナ侵攻が地球温暖化対策に影を落とす中、地球全体の危機を見据えて国際社会の再結束を図りたい。

 温暖化対策の国際ルール・パリ協定は「産業革命前から今世紀末までの気温上昇を二度より十分低く保ち、一・五度に抑える努力を追求する」との目標を掲げている。しかし、昨年英グラスゴーで開かれたCOP26ではより明確に「一・五度」を共通目標と定めることに合意するなど「脱炭素」に挑む機運が高まった。

 ところが、ロシアによるウクライナ侵攻が水を差す。ロシア産天然ガスの供給不安に伴うエネルギー価格の高騰を背景に、二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力回帰の動きが欧州にも広がった。

 八月にインドネシアのバリ島で開かれた二十カ国・地域(G20)の環境・気候相会合では、ウクライナ侵攻をめぐってロシアと欧米各国、いわば東西両陣営が対立し、共同声明をまとめることができなかった。

 加えて南北の対立も続いている。温暖化によって既に起きてしまった「損失と被害」に対する経済支援や技術供与の在り方などをめぐり、先進国に対する途上国の不満と不安も募っている。

 脱炭素が停滞する一方で、熱波による死者は急増し、洪水などの気象災害、食料不足や感染症リスクは深刻化しており、もはや「気候崩壊」の域との声もある。

 条約事務局の分析によると、各国が現在掲げる温室効果ガスの削減目標がすべて達成されたとしても、二〇三〇年の世界の排出量は、一〇年比で10・6%の増となり、今世紀末の気温上昇は二・五度に上る恐れがある。削減目標を速やかに引き上げなければ、手遅れになるという局面だ。

 言うまでもなく、温室効果ガスの削減と温暖化への適応は、東西も南北もなく、地球全体が文字どおり一丸となって取り組まなければならない共通の大問題だ。戦争をしている暇(いとま)はない。

 一つしかないこの地球の上で、私たち人間が多様な生き物たちと豊かに暮らし続けていくために、今回のCOPが、うがたれた“溝”を埋める契機になるよう強く求めたい。


「国」を守るのではなく、「地球」を守ってほしいのだ。
「#自民党に殺される」がトレンド入りしたそうだ。
防衛費を倍増して「地球」をこわさないでくれ!

園のようす。
今日も寒くて、雨が降ったりやんだり。仕事ははかどらない。

銀杏がまだたくさんぶら下がっていた。

ミニトマトジュースの注文受付を本日正午で締め切らせていただきます。
もう少し増やしたいのですが、わたしの体力が・・・
後継者募集です。
自然がいっぱい、楽しいところです。


やってる感バレバレ。岸田首相「4万5千円軽減策」という印象操作

2022年11月04日 | 生活

まぐまぐニュース!2022.11.04 

       by 『きっこのメルマガ』

    岸田首相が10月28日の記者会見で導入をぶち上げた、1世帯あたり4万5,000円の電気、ガス、ガソリン代負担軽減策。しかしほとんどの世帯は、「満額軽減」の恩恵を受けることが不可能なようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、「4万5,000円軽減策」が画餅でしかない理由を具体的な数字を挙げつつ解説。さらに国民が大きな負担軽減を実感できる「現金給付」や「消費税減税」を、自民党政権が頑なに拒む理由を明かしています。

 

4万5,000円軽減策は絵に描いた餅

岸田文雄首相は10月28日、「総合経済対策」を閣議決定し、夕方の記者会見で次のように述べました。

「今回の対策は、物価高克服、経済再生実現のための総合経済対策です。物価対策と景気対策を一体として行ない、国民の暮らし、雇用、事業を守るとともに、未来に向けて経済を強くしていきます」

    岸田首相の説明によると、事業規模72兆円、財政支出39兆円の大型対策によって、GDPを4.6%押し上げ、消費者物価を1.2%以上引き下げるそうです。そして、物価対策の柱としては、電気、ガス、ガソリン代などの高騰に対し、標準的な家庭で来年1月から9月までに1世帯あたり4万5,000円の負担軽減策を導入すると述べました。そして、ツイッターでも次のツイートをしました。

39兆円の #総合経済対策 を閣議決定しました。

電気・ガス・ガソリンの負担軽減策で1家庭当たり総額4万5000円の支援。子育て世帯を応援するため10万円相当の子育て支援パッケージ創設。4万4000円の旅行支援などコロナ禍で縮んだ消費を取り戻す。

物価高克服、経済再生実現のための総合経済対策です。 

午前0:17 2022年10月29日

    ここまで聞くと、全国すべての世帯が、電気、ガス、ガソリンの負担軽減策によって、1世帯あたり4万5,000円の支援が受けられると思っちゃいますよね?でも、これは大嘘なのです。岸田首相は会見では「標準的な家庭で」という枕詞(まくらことば)を使いましたし、このツイートに貼られた一覧表にも「家計支援 電気・ガス・ガソリン合計4万5,000円負担軽減」のところに、小さな文字で「標準世帯」と明記されているのです。

で、この「標準世帯」って何?…というわけですが、これは政府が税や社会保障の給付や負担などを計算する上でのモデルケースとする世帯形態で、「夫婦2人と子ども2人の4人家族」のことなのですが、これには「働いているのは夫だけで、妻は専業主婦」という縛りがあるのです。

    総務省が「家計調査」で「標準世帯」の調査を始めた1970年代には、このパターンの世帯が最も多かったので、これを「標準世帯」と定めたのです。しかし、夫の賃金が上がらずに物価ばかりが上がり続ける長年の自民党政権の悪政によって、「夫婦共働き」という、この「標準世帯」から外れる世帯が増え続けました。そして、その後は、少子化が進んで子ども2人の世帯が減少し、ひとりっ子世帯や夫婦のみの世帯、そして、結婚しない単身世帯が増加したのです。

    2017年の時点で、最多は全世帯の約35%を占める「単身世帯」です。国立社会保障人口問題研究所の試算によると、このまま進むと2040年までに単身世帯が全世帯の4割を超えるそうです。一方、政府が「標準世帯」と定める世帯は、今では上から9番目で全世帯の4.6%しかありません。「夫婦共働きで子ども2人」の世帯も6.8%なので、「夫婦と子ども2人の4人家族」という世帯は、合計しても全世帯の11%ほどしかありません。

そして、このケースの世帯であれば、来年1月から9月まで毎月5,000円程度、計4万5,000円程度の負担軽減策が受けられると、岸田首相は述べたのです。つまり、日本で最多の単身世帯、夫婦だけで子どものいない世帯、ひとり親世帯、高齢者だけの世帯など、多くの世帯は、岸田首相が示したモデルケースよりも遥かに低い金額しか軽減されないのです。

    今回の負担軽減策を具体的に説明すると、電気料金は、一般家庭は1キロワット時あたり7円、企業は1キロワット時あたり3.5円を国が補助するというもの。岸田首相がサンプルとした月300キロワット時の世帯では、現状で電気料金は基本料金などを加えた総額で約1万円になります。1キロワット時あたり7円の補助が受けられれば、7円×300=2,100円が減額されるので、約2割の負担軽減になります。これは、岸田首相の説明の通りです。

    また、ガス料金については、都市ガスを1立方メートルあたり30円補助すると言うので、岸田首相がサンプルとした月30立方メートル使用する世帯なら、900円ほど減額されます。これで、電気とガスで計3,000円安くなりましたが、「月5,000円安くなるんじゃなかったの?」と思ったそこの奥さん、あとの2,000円は「ガソリン代の補助」なのです。国がガソリン元売り各社にバラ撒いている補助金はすでに3兆円を超えましたが、岸田首相は補助の期限を来年以降へと引き延ばしたのです。これが「標準世帯」の1世帯あたり約2,000円だと言うのです。

    あまりにもツッコミどころが満載で、どの料理からお箸をつけようか迷ってしまいますが、上から順番に行くと、まずは電気料金。岸田首相は「月300キロワット時」というサンプルを方策の指針としましたが、日本で最多の単身世帯を始め、夫婦だけの世帯やひとり親世帯などで、こんなに電気を使う世帯などメッタにありませんよね。ちなみに、単身世帯の電気の使用量の平均は月150キロワット時なので、岸田首相が示したモデルケースの半分、約1,000円しか補助されません。

    そして、ガス料金にしても、岸田首相が「月900円ほど減額」の根拠とした「月30立方メートル」という使用量は、電気と同じく「標準世帯」の平均値なのです。単身世帯の平均は月5平方メートル、2人世帯の平均は月10平方メートルなので、単身世帯は月150円、2人世帯は月300円しか補助されません。

    さらには、これが驚きなのですが、岸田首相は「ガス料金についても電気料金と同等の措置を行なう」と言っておきながら、補助するのは都市ガスだけなのです。全国にはプロパンガスを利用している世帯も多いのに、都市ガス利用世帯だけを補助して、プロパンガス利用世帯のことは見て見ぬふりって、これ、憲法第14条が定める「法の下の平等」に違反していると思いませんか?

    ちなみに、資源エネルギー庁の公式データによると、全国の都市ガスの需要は約2,900万世帯で全体の53%、プロパンガスの需要は約2,500万世帯で全体の44%です。都市ガスのほうが若干多いとは言え、44%を占めるプロパンガス世帯を丸ごと無視しておきながら、岸田首相は一体どの口で「国民の暮らしを守る」などと抜かしたのでしょうか?

    さらには、岸田首相が「総合経済対策」を発表したその直後に、大手都市ガス4社が12月からガス料金を値上げすると発表したのです。東京ガスは289円、大阪ガスは337円、東邦ガスは295円、西部ガスは379円の値上げです。これだけ値上げされた翌月から、単身世帯は平均150円、2人世帯は平均300円を減額されても、ほとんど「焼け石に水」と言うか、補助額より値上げ額のほうが大きい世帯も出て来ます。

    それから、月2,000円と試算されている「ガソリン代の補助」です。ガソリンは1リッターあたり30円の補助なので、月に67リッター以上、毎月1万1,000円以上のガソリン代を使っている人しか「月2,000円の補助」は受けられていません。あたしは原チャリしか持っていなくて、月に2回ほど給油して計8リッターほどなので、月240円しか補助されていません。そして、車やバイクを持っていない人は、当然、1円も補助されていません。

ここまで読めば分かったと思いますが、日本で最多の単身世帯の場合、プロパンガスを使っていて、車もバイクも持っていない人は、軽減されるのは電気料金のみで、それも月1,000円、合計で9,000円しか補助されないのです。他にも、夫婦だけの世帯とか、ひとり親世帯とか、あたしのような母さんとの2人暮らしとかは、とても月5,000円、9カ月で4万5,000円の補助など受けられないのです。

    それなのに、あたかも全世帯が「4万5,000円」の負担軽減策を受けられるかのように発表した岸田首相。これなら、全国民に一律10万円の「特別定額給付金」を配布した安倍晋三元首相のほうが遥かにマシです。当初は「おこめ券」だの「お肉券」だの「半分を現金で半分をクーポン券で」などと言っていた安倍元首相は、野党の声に押されて仕方なく全国民に一律10万円を配布しましたが、この時の予算総額は約12兆7,300億円でした。

    一方、今回の岸田首相の「負担軽減策」は、財政支出39兆円のうち、約6兆円が投じられます。それなのに、大半の世帯は実質的に数千円の補助しか受けられないのです。全国民に一律10万円の「特別定額給付金」の時の約半分の予算を投じるのですから、同じように現金給付にすれば、全国民に4万5,000円ずつ配布できるのです。政府の言う「標準世帯」であれば、4人家族なので18万円になります。また、消費税の税収は年間約20兆円ですから、この6兆円の予算を時限的な「消費税軽減策」に投入すれば、現在10%の消費税を来年1年間、7%に引き下げることができます。

    本当に「物価高騰に苦しむ国民のための負担軽減策」だと言うのなら、都市ガスを使っている人しか補助されない、車やバイクでたくさんガソリンを使っている人しか補助されない、こんな不公平な政策に6兆円もバラ撒いて「やってます感」をアピールするのではなく、あたしたち国民が軽減を実感できるように、全国民に平等な「現金給付」か「消費税減税」、このどちらかに変更すべきだと思いませんか?

    たとえば、岸田首相の説明通りに、9カ月間で4万5,000円の軽減策を受けることができる「標準世帯」であっても、「現金給付」であれば4倍の18万円の給付が受けられるのです。また「消費税減税」であれば、電気、ガス、ガソリンも減税対象になりますし、4人家族の1年分の消費税が3%減額されるのですから、負担軽減の総額は数十万円になります。

    このほうが遥かに「国民のため」なのに、どうして自民党政権が「現金給付」や「消費税減税」を嫌うのかと言えば、それは自分たちにとって「うま味」がないからです。同じ給付でも現金でなくクーポン券やポイントにすればシステムが複雑化するため、大手広告代理店を始めとした自民党のスポンサー企業に事業を請け負わせ、そこに相互利益の利権システムを構築することができるのです。一方、間にスポンサー企業が入る余地のない「現金給付」や「消費税減税」などのダイレクトな政策は、予算の大半が国民へ行ってしまい、自分たちはほとんどピンハネできないのです。

    結局のところ、何でも安倍派の言いなりの岸田首相にできることは、あたかも全世帯が「4万5,000円」の負担軽減を受けられるかのように印象操作した「絵に描いた餅」を掲げることぐらいで、あたしたち国民の厳しい生活は、まだまだ続いて行くのです。その上、こんなバカバカしい「やってる感」だけの政策の原資も、今の子どもたち、若者たちに借金を背負わせる「国債の発行」なのですから、懐かしい死語で使わせてもらえば、それこそ「なんだかな~」と言った感じです。

(『きっこのメルマガ』2022年11月2日号より一部抜粋・文中敬称略)

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もはや、岸田内閣には見切りをつけたほうがよっそうです。

「岸田内閣打倒!」

初雪降る。
とうとう白いのが降ってきました。
朝までにどうなるでしょう?
タイヤ交換まだ。ハウスのビニール降ろしもまだ。


次期NHK会長に「前川喜平元文科事務次官」を推す動きが広がる 市民団体が呼びかけ

2022年11月03日 | 社会・経済

日刊ゲンダイ2022/11/03

「次期NHK会長はこの人しかいない」──。2023年1月に任期満了を迎えるNHKの前田晃伸会長(77)の後任として、元文部科学事務次官の前川喜平氏(67)を推す動きが広がっている。

 みずほフィナンシャルグループ会長などを歴任し、20年1月にNHK会長に就任した前田会長はこれまでの定例会見で、2期目について「まったくありません」と続投を否定。放送法で、NHK会長は最高意思決定機関の「NHK経営委員会」が選ぶことになっているため、現在は同委員会の「指名部会」が後任人事について協議を進めているとみられる。

 そんな中、前川氏の次期NHK会長就任を呼びかけているのは、市民団体「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」。

 同会によると、今のNHKは「公共放送の理念を理解しているとは思えない財界出身の会長が続き、時の政権に忖度したニュースや世論調査、社会の関心事に応えようとしない日曜討論やNHKスペシャルが日常化している」とし、「次期会長がこれまでの悪弊を引き継ぎ、市民の宝である公共放送をこれ以上毀損することは許されない」などと主張。

その上で、森友・加計問題などで会見した前川氏について、「政権からの不当な圧力に屈せず公僕としての職責を果たす。これは放送法にうたわれた公平公正や、真実を追求し健全な民主主義のために資するジャーナリストの精神と深く重なる」として推薦することを決めたという。

 同会は11月4日、前川氏同席のもとに衆院第2議員会館で会見を開き、活動の趣旨について説明する。1日から署名サイト「Change.org」前川喜平さんを次期NHK会長に!のスポンサーになってください (change.org)で賛同署名を募る活動も始めており、12月1日にNHK経営委員会に前川氏を会長に推す申し入れ書と賛同署名を提出する予定だ。

 同会の小滝一志事務局長は「市民の受信料で支えられる公共放送NHKを、公共の精神が希薄な人物にかじ取りを任せるのではなく、公共の大切さを心の底から理解する人に託したい」としている。


これは是が非でも実現したい。

園のようす。

雪囲いをしたいのですがまだ蕾がいっぱいです。


アベノミクスの亡霊にこの国の資産は食い潰される 「安倍・黒田勘定」で清算を

2022年11月02日 | 生活

金子勝の「天下の逆襲」

日刊ゲンダイDIGITAR 2022/11/02

 岸田政権、そして日銀は歴史的敗北に向かっている。ゼロ金利を続ける金融政策は旧日本軍の「インパール作戦」そのものだ。岸田首相、黒田日銀総裁、財務省の神田財務官。3者の頭にあるのは目先の円安阻止だけだ。

 足元で繰り返される円買い・ドル売りの為替介入は、ゼロ金利維持に固執する黒田の体面を保つため。単独介入でも相場をコントロールできるとアピールしたいのだろうが、あす(米国時間2日)まで開かれるFOMC(米連邦公開市場委員会)では、4会合連続で0.75%の利上げを決定する見通し。0.5%にとどまるにせよ、年内に日米金利差は4%台に拡大し、日本の貿易赤字はさらに積み上がる。政府・日銀はまるでドンキホーテ。国の借金はすでに1200兆円を突破している。年間20兆円超の貿易赤字を垂れ流す中、無謀な介入を続ければ、外貨準備はみるみる減っていく。アベノミクスの亡霊がこの国の資産を食い潰すことになるだろう。

そうでなくても、岸田の経済政策は間違いだらけだ。後期高齢者の保険料負担を増大させる一方で、資源高でボロ儲けしている石油元売りへの補助金を延長し、原発再稼働をもくろむ電力会社をも補助金で支えようとしている。

 国家の倒産を防ぐ経済政策、あるいは倒産した国を立て直す経済政策を考える時が来ている。当面の課題は金融政策の柔軟性を回復することだ。「安倍・黒田勘定」とでも呼ぶべき特別勘定をつくり、借り換えができなくなった国債を封じ込めるしかない。大企業などに対する課税を強化し、新たな財政赤字を出さない国家運営へのシフトが必須だ。トリプル安に見舞われた英国のスナク新首相が、財政支出削減や金融引き締めへとカジを切ったのと同じ理屈である。

 日本の産業は衰退著しいだけでなく、寡占化も深刻だ。電力もガスも鉄道もロシアのオリガルヒ(新興財閥)のような一部資本に独占され、プーチン型経済にはまり込んでいる。産業の立て直しには、電力オリガルヒの解体が最重要課題だ。再生可能エネルギーへの転換、蓄電池などの活用。貿易赤字を減らすためにエネルギーと食料の自給率を高め、地域分散型の経済を展開しなければならない。再分配を強め、教育研究への投資を軸にイノベーションを活発にし、雇用創出を実現している北欧に多くのヒントがある。アベノミクスの亜種でしかない岸田の「新しい資本主義」ではこの国が生き残れないのは確かだ。


今朝の新聞。

まだ「浪費」してるとこあり?

園のようす。
クレソンとセリが

銀杏