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レイプ忖度事件

2017年05月31日 | 社会・経済

元TBS支局長の「レイプ事件」を闇に葬るメディアの大罪

    日刊ゲンダイ 2017.5.31

 「知り得ない力があった」――。29日、安倍首相と昵懇の元TBSワシントン支局長、山口敬之氏(51)に「レイプされた」と訴えたジャーナリストの詩織さん(28)。報道陣に素顔を明らかにして会見した勇気に心から敬服する思いだ。詩織さんが訴えたように、首相と「近しい関係」というだけで司法がゆがめられたのであれば、重大犯罪と言っていい。報道機関であれば、絶対取り上げるべき事件なのに、なぜか、30日の大手紙はダンマリだった。

  30日の朝刊各紙を見ると、比較的大きく取り上げたのは東京新聞だけ。毎日、産経、日経は数行のベタ記事扱い。朝日、読売に至っては一行も触れていなかった。

   朝日、読売両紙に未掲載の理由を問うと、「会見は取材した。その後も取材は継続しています」(朝日広報部)、「取材や編集の経緯は従来お答えしていない」(読売広報部)と回答したが、成人女性が司法記者クラブで素顔を見せて告発したのだ。裏付け取材が必要なのは理解できるが、当時の捜査状況は所轄に確認すればすぐに分かるはずだ。むしろ、これほどの重大案件の裏付け取材にモタついて翌朝の朝刊紙面に入れられないような記者であれば、無能と言われても仕方ない。

 山口氏は被害女性との間のメールで、酩酊中に性行為に及んだことを認めている。アテネ、北京両五輪の柔道金メダリスト、内柴正人のケースとほとんど同じと言っていい。内柴も泥酔状態の教え子に乱暴したとして準強姦罪で逮捕され、14年に最高裁で懲役5年の実刑判決が確定している。メディア各社は内柴の逮捕前から、疑惑を大々的に報道していたではないか。ジャーナリストの青木理氏はこう言う。

 「不起訴になった事件で、書きにくいというのはわかります。ただ、詩織さんの証言によれば、警視庁の刑事部長が口を挟んで、直前に逮捕を取りやめたという。また、山口氏が北村滋内閣情報官に相談したとみられるメールが誤って新潮社に送られたことも明らかになっている。不透明な警察権力が行使された蓋然性が高いと思います。勘のいいサツ回りの記者なら、うすうす真相は気付いていると思います。警察への遠慮があるのでしょうが、メディアはもっと取材をして、報じるべきでしょう」

 山口氏はフェイスブックで反論しているため、真意は分からないが、被害女性の会見後、こう書き込んでいる。

 〈不起訴処分はすでに昨年7月に全ての関係者に伝えられています。私はこの結論を得て、本格的な記者活動を開始しました〉

  しかし、山口氏は不起訴決定が出る前に安倍首相をモデルにした「総理」(初版16年6月9日)を出版している。つまり、不起訴処分が出る前に本格活動を始めているわけで、ツジツマが合わない。“第2の内柴事件”と言われ始めた問題が、闇に葬りさられることがあってはならない。

 

 

性告発に官邸激震 “忖度捜査”で「レイプ被害潰された

   日刊ゲンダイ 2017.5.30

  29日、元TBS記者でフリージャーナリストの山口敬之氏(51)に「レイプされた」と主張するジャーナリストの詩織さん(28)が、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。山口氏を不起訴処分とした東京地検の判断を不服として、検察審査会に審査を申し立てたことを明らかにした。

  山口氏は安倍政権の内幕をつづった「総理」(幻冬舎)などの著者。著書の中で、安倍首相と登山やゴルフに興じる昵懇の仲であることを明かしている。詩織さんは会見で時折涙ぐみながら、「山口氏が権力側で大きな声で発信し続けている姿を見たときは、胸が締め付けられた」と吐き出すように語り、日本の捜査のあり方に対して不信感をあらわにした。

  詩織さんが配布した資料などによると、“事件”のあらましはこうだ。

  15年4月、詩織さんは当時TBSワシントン支局長だった山口氏と都内で食事をした後に突然記憶をなくした。翌朝、目覚めると裸にされた詩織さんの上に山口氏がまたがっており、「自分の意思に反して性行為が行われた」という。その後、詩織さんは警視庁に被害届を提出。高輪署がこれを受理し、同年6月8日、逮捕状を手にした捜査員が成田空港で帰国する山口氏を、準強姦罪容疑で逮捕するため待ち構えていた。ところが、土壇場になって逮捕が見送られたという。その直後、「上からの指示があり逮捕できなかった」と捜査員から詩織さんに連絡があったという。

 山口氏は同年8月26日に書類送検されたが、昨年7月、東京地検は最終的に嫌疑不十分で不起訴とした――。

  詩織さんは会見で、「驚くべきことに、当時の警視庁刑事部長が逮捕の取りやめを指示したと聞いた」「私の知り得ない立場からの力を感じた」と訴えた。あくまで一方的な主張ではあるが、彼女は顔と名前をさらしている。相当な覚悟を持って会見に臨んだのは間違いなさそうだ。

 ■忖度で逮捕状を握りつぶしたなら重大問題

  それにしても、逮捕状を握り潰した“当時の警視庁刑事部長”とは誰か。この件を最初に報じた「週刊新潮」によると、第2次安倍政権発足時、菅官房長官の秘書官を務め、政権中枢に近いとされる中村格・警察庁組織犯罪対策部長のことらしい。だが、今の日本においてそんな“超法規的措置”みたいなことが可能なのか。元大阪高検公安部長の三井環氏がこう言う。

「準強姦事件の逮捕は警察署の署長の判断で行われます。そこに警視庁の刑事部長が口を挟んで待ったをかけたのなら異例中の異例だし、あってはならないことです。女性が会見で述べたことが事実だとしたら、公平公正であるべき日本の司法が歪められたことになる。もっとも、同様のことは、加計学園の獣医学部をめぐる問題に異を唱え、会見した前川喜平前文科次官に降りかかったスキャンダルを見ていても感じます。警察当局にしか集められないような醜聞情報が、政権に近いとされるメディアにリークされた。官邸が捜査機関を手駒のように恣意的に利用しているとしたら問題だし、捜査機関が官邸の意向を“忖度”して動いているとしたらさらに大問題です。この状況下で共謀罪成立なんて絶対に許されません」

  山口氏は自身のフェイスブックで、〈私は法に触れることは一切していません。一昨年の6月以降当局の調査に誠心誠意対応しました。当該女性が今回会見で主張した論点も含め、1年4カ月にわたる証拠に基づいた精密な調査が行われ、結果として不起訴という結論が出ました。よって私は容疑者でもありません〉と反論している。

 29日、日刊ゲンダイは改めて山口氏の言い分を聞こうと都内の事務所を訪れ、チャイムを2回鳴らしたが反応ナシ。携帯電話にも連絡したが、国際電話時の呼び出し音が聞こえたまま山口氏が電話に出ることはなかった。

  山口氏にジャーナリストとしての良心があるならば、ぜひ、“捜査の内幕”を暴いて欲しいものだ。

      


「安倍おろし」の大合唱を

2017年05月30日 | 社会・経済

暗黒政治に文化人学者が一斉蜂起 「安倍おろし」の大合唱

           日刊ゲンダイ 2017.5.29

   安倍首相の通算在職日数が、28日で1981日となり、小泉純一郎を抜いて、戦後3位に躍り出た。来年の総裁選で3選すれば、歴代最長も視野に入ってくる。1強独裁を謳歌する安倍政権だが、「千丈の堤も蟻の穴より崩れる」だ。森友学園、加計学園の問題で、おぞましい権力の私物化を目の当たりにし、世論の怒りが急速に広がりつつある。

  日本経済新聞電子版の「クイックVote」では、第322回「加計学園問題、説明に納得できますか」が投票中だが、内閣支持率がなんと27.3%(28日23時時点)に急落。前回調査から20ポイント以上の落ち込みだ。加計学園をめぐる政府の説明には、80.9%が「納得できない」と答えている。

シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏が言う。

 「ここまで下がるとは驚きました。森友学園問題がテーマとなった3月初めにも36.1%に下落しましたが、その後、北朝鮮がミサイルを発射するたびに、内閣支持率は回復し、4月末には71.1%に達しました。首相の親友に便宜が図られたとされる加計学園問題では、真面目にビジネスをしている人ほど怒っているはずです。

 これまで『儲かればいい』と安倍内閣を支持していた人たちも、呆れて見放しにかかっているのでは? 共謀罪法案の強引な進め方も支持率急落の一因でしょう。安倍首相にとっては大打撃で、外遊から意気揚々と戻ってきた途端、厳しい現実に直面しています」

  森友疑惑、加計疑惑を隠すために北朝鮮の脅威をことさら煽り、それを共謀罪法案や改憲にまで利用しようという詐欺的手法も、もはや国民に見透かされている。

 ■「歴史に対する犯罪」政権

  これだけ国民無視の好き放題を続けてきて、50%、60%という支持率を維持していたことの方が不思議だ。何をやっても支持率が落ちないから、傲慢そのものの政権運営を続けてきたが、さすがにやり過ぎた。都合の悪い文書は廃棄し、あるいは怪文書扱いするデタラメ。あるものを「ない」と言い張り、事実をねじ曲げて無理を通し、嘘で塗り固めるペテン政治。権力の私物化は目に余るものがあり、堪忍袋の緒が切れた有権者の反乱が、かつてない規模で広がり始めている。

27日の毎日新聞で、作家の柳田邦男氏はこう書いていた。

 〈戦後の歴代政権の中で、安倍政権ほど重要な政治案件をめぐって閣僚級の人物や官僚による欺瞞的な言葉の乱発や重要文書の内容否定、存在否定が常態化した時代はなかったのではなかろうか〉

 〈閣僚級の政治家も官僚も、説明責任を果たす言語能力に欠けるばかりか、核心をはぐらかし、低劣な問題発言を続発させる。さらに深刻なのは、政策や行政のプロセスに関する文書をどんどん廃棄していることだ。文書の廃棄は、後世において政権の意思決定過程を検証するのを不可能にする。歴史に対する犯罪だ〉

  批判を許さず、歴史の検証をも拒否する独善。安倍政権下の日本は暗黒政治の様相である。歴史作家の保阪正康氏も、かつて日刊ゲンダイのインタビューでこう指摘した。

 〈太平洋戦争が始まるとき、日本は軍事独裁だった〉〈軍事が行政を握り、立法と司法を自分の下に置いて支配した。そして戦争に突き進んだ〉〈安倍政権は行政が立法と司法を押しつぶそうとしている〉

  今の日本は〈戦前の独裁政治と同じになりつつある〉というのである。

「権力者の我儘にひれ伏す国は早晩滅びる」

  肥大化した権力が立法と司法を従え、メディアも支配下に置けば、何が起きるか。権力者の胸三寸で政策が歪められる、捜査も報道も歪められる。

  法政大教授の山口二郎氏は、東京新聞のコラム(28日)で〈権力者の我儘に政治家や役人がひれ伏すような国は早晩ほろびる〉と書いている。

  〈権力者に近しい者の犯罪はもみ消され、権力者に逆らう者は根拠のない攻撃を受ける〉

  〈最大部数の新聞が政府の謀略に加担し、公共放送は政府の言い分を最優先で伝える。傲慢な権力者は議会を軽蔑し、野党の質問には最初から答えない。もはや日本は、かつて中南米やアフリカに存在したような専制国家に成り下がった〉

 仲間内には便宜を図り、盾突く者は叩きのめす。戦前さながらの謀略が横行する恐怖政治は、もはや法治国家の姿ではない。こんな反動政権に「共謀罪」なんてやらせては、絶対にダメだ。

   ここへきて、日本ペンクラブ、日本出版者協議会など多くの知識人が一斉に共謀罪法案に反対の声を上げている。

 「人はいずれ死ぬが、法律は死なない。子や孫の代にこの法律がどう使われるか」(作家・浅田次郎氏)

  「日本はいま、巨大な渦の淵にいる。渦の中には戦争のようなどす黒いものがある。その渦に巻き込まれるかどうかの境目にある」(漫画家・ちばてつや氏)

 「何もしていないのに逮捕される現場を見てきた。共謀罪がなくてもこんな状況なのに、共謀罪ができたら一体どうなってしまうのか」(作家・雨宮処凛氏)

 「この法律は精神の危機につながる」(精神科医の香山リカ氏)

  日弁連も「監視社会化を招き、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強い本法案の制定に強く反対する」との声明を発表している。

■お笑いタレントもSNSで懸念を発信

  作家の柳広司氏は朝日新聞の「声」欄に反対意見を投稿、4月30日の紙面に掲載された。

  〈昨今の政治状況を見るかぎり、今の日本の政治家や官僚が戦前より優秀であるとは、残念ながらとても思えません。「共謀罪」は、治安維持法同様、必ずや現場に運用を丸投げされ、早晩国民に牙をむく「悪法」になるのは火を見るより明らかです。同時に、結果に対して誰も責任を取らないであろうことも――〉

  共謀罪が施行されれば、こうした言論も自由にできなくなるかもしれない。だから今、止めなければならない。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。

 「共謀罪の恐ろしいところは、心の中で思ったことまで取り締まることであり、犯罪者かどうかを決めるのは権力側です。自分は犯罪を犯す気がないから関係ない、安倍政権に近いから心配ないと思っている人も、いつ摘発される側になるか分かりません。治安維持法も、どんどん拡大解釈されて政権に都合の悪いものは片っ端から摘発対象になっていった。すべての言論機関が対象になり得るし、表現活動をしている人にとっては切実な問題です。およそ文化人、学者の類いが共謀罪に反対しているのは当然と言えます。国民の反対運動が広がり、支持率がガクンと下がれば、安倍政権もそう強引なことはできなくなる。暴走を止められるかどうかは、世論の蜂起にかかっています」

 共謀罪への懸念はSNSでも広がっている。

  放送タレントの松尾貴史は〈秘密保護法その他とセットで、国民を黙らせる仕組みは完了という状態になってしまう〉とツイート。お笑いタレントのカンニング竹山も衆院で共謀罪が強行採決されたことに対し、〈何故そんなに急いでやる必要性があるのか! なんかやっぱ怖いっす。〉とツイートしていた。ウーマンラッシュアワーの村本大輔は〈共謀罪、国民が悪いことしないかプライバシーを侵害して監視するなら、国会や政治家のプライバシーこそ侵害させてもらって覗かせてもらいたい〉とつづっていた。

  民主主義の根幹が壊され、人権が制限されることを望む国民がどこにいるだろうか。森友、加計問題で、戦慄の実態が次々と露呈し、国民もこの政権の危険性に気づき始めた。もはや「安倍を潰せ!」の大合唱は、止まりそうにない。


全ての「表現者」よ!
声をあげよう
あなたの表現方法で
表現できなくなる前に
「共謀罪」をなくせと。

    


水野和夫氏-「資本主義が壊れ民主主義も終焉を迎える」

2017年05月29日 | 本と雑誌

       日刊ゲンダイ 2017年5月29日

  近代システムは終わり「閉じた経済圏」の時代へ

  前作「資本主義の終焉と歴史の危機」がベストセラーとなったエコノミストの水野和夫氏が、新著を出版した。「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」(集英社新書)で描かれる世界経済、世界秩序は衝撃的だ。無限に貪欲な資本主義が行き詰まった先に、ゼロ金利とテロリズムの“常態化”があり、これは「新たなシステムを模索すべき」という警鐘でもあるという。経済の観点で捉える資本主義と民主主義の関係性。資本主義終焉の先にあるものとは――。

 ■無限の要求に応えるのはもう限界

  民主主義とは国民に1人1票の参政権のある政治形態ですが、経済的に言い換えれば「誰もが自分の欲求を追求してよい」という体制です。しかし、人々の欲求は「無限」。「無限」の欲求に応える生産力がなければ、民主主義のもとでの社会秩序は維持できません。

  だからこそ、生産力増強に適した資本主義が、民主主義とともに両輪となって近代システムは続いてきました。生産力を向上させ、所得や消費を増やし、経済を成長させ、民主主義体制のもとで保障された国民の「無限」の欲求に応え、秩序を維持する――。しかし、こうした近代システムそのものが限界に達しているのです。

 なぜなら、フロンティアが消滅し、「資本主義の終焉」を迎えた今、利潤の極大化が不可能となったからです。利潤率の近似値である長期金利が、「ゼロ」になっていることからも、それは明らかです。

  この時代の変化を無視した末路が、東芝であり、オリンパスであり、三菱自動車。経営者が「3日で利益をつくれ」などと命令して、資本を無限に増やそうとした結果、コケてしまった。

   そもそも資本主義は、資源国や途上国の犠牲のもとでしか成立しない「欠陥商品」です。富を「中心」に「蒐集」した結果、「周辺」が犠牲になることへの異議申し立てが、アメリカでの9.11同時多発テロや近年の欧州でのテロなのです。その悲鳴を無視して資本主義を延命させたせいで、テロリズムによって先進国の社会秩序は危機に瀕しています。秩序維持をうたう政府は民主国家を放棄し恐怖をあおって治安を維持する「安全国家」(セキュリティー国家)に変貌し始めました。これぞ、まさに近代システムの終焉です。

■国民国家を超えた単位を構想

 ――英国のEU離脱やトランプ大統領の誕生は、暴走する資本に対して「強い主権国家」を国民が求めた動きだともいえる。だが、水野氏はフロンティアが消滅したポスト近代には「閉じた帝国」がふさわしいと考える。

  トランプ大統領の誕生は国民が「閉じる」選択をしたともいえます。しかし、もはや一国単位では、リーマン・ショックに象徴されるようにグローバル資本の暴走にもテロリズムにも対抗できません。だとしたら、現状の国民国家を超えた単位のシステムを構想していかなければなりません。それが本書で示した「地域帝国」というビジョンです。近代が終わろうとする今、EUのような規模をもった地域帝国が「閉じた経済圏」を構築することが生存のためには必要なのです。

 ――では「閉じた帝国」しか生き残れないとすると、日本はどうしたらいいのか。

 日本は米国ではなくEUと手を結ぶべき

  フロンティアが消滅すれば、経済を「無限」に膨張させていくことは不可能です。それでも利潤を得ようとする資本は、「より速く」、すなわち高速回転で経済活動を行うようになりました。

  しかし、ビッグデータに必要なサーバーが大量の電気を消費するように、経済の高速回転には大量の化石燃料が必要です。

  見落とされているのは化石燃料の採掘にもエネルギーが必要だということ。シェールオイルのような採掘の効率の悪いエネルギーが注目されていること自体、枯渇の一歩手前にいることを示しています。エネルギー不足で「移動」が困難な時代がやってくれば、経済圏が「閉じてゆく」のは必然。エネルギーや食糧を自給しながら、大きく成長しなくても社会を維持できる「閉じた経済圏」を日本は構築しなければなりません。

 ――ところが、日本の近隣のアジア諸国、とりわけ中国は、いまだ貪欲に経済成長を目指している。まさに近代化の途上だ。やはり日本は米国と手を組んで「閉じた経済圏」をつくっていくべきなのか。

 米国は覇権国として、世界中に影響力を発揮してきましたが、その影響下から脱するべく、欧州はEUという「地域帝国」を構築しました。この先、EUは「閉じた経済圏」を完成させ、ロシアや中国のつくるユーラシアの経済圏、トルコが主導する中東の経済圏とゆるやかに連携するでしょう。となれば、英米の「海の国」は今までのような影響力を行使できず、「陸の帝国」の時代に移っていきます。

  だとすれば、日本が手を結ぶべきは「陸の国」EU。幸いEUの盟主・ドイツはゼロ金利国で、経済の成熟段階も、価値観も日本に近い。

■大陸に近い「九州」を将来の首都に

  でも、これは遠くのEUと貿易をせよ、という意味ではありません。「日本も陸の国と同じ方向を目指しています」というメッセージを発せよということです。中国も「陸の国」ですから今後、欧州との関係を強化していくはず。ユーラシア大陸がひとつにまとまってから日本が「陸の国になりたい」と言っても手遅れです。

 将来、日本は首都を九州に移してはどうか。明治維新のときは、「海の時代」だったから、首都は太平洋を向いている東京でよかった。今度は大陸に近い九州に首都を置く。「陸の国になるために遷都しました」と言うと、米国が怒るだろうから、本当のことは言わず「地震のない地域に遷都した」などと説明すればいい。

  日本の政治は、いまだに米国追随のままですが、米国のほうから「もう日本は必要ない」と手を引くシナリオもありえます。

――成長神話に毒された政府の「大学改革」にも疑問を投げかける。

  経済を成長させるためには「人文系の学問はいらない」「大学で手に職をつけさせろ」という議論があります。経営コンサルタントが「G型大学」「L型大学」という区分を文科省の有識者会議で提言したこともありました。しかし、500年ぶりに歴史が大きく動く今、そのような教育は、日本の未来を損なうと思っています。

 ――「G型大学」「L型大学」とは、それぞれグローバル型、ローカル型の大学という意味。トップ大学・学部に限定したG型では、グローバルに通用する高度なプロフェッショナル人材を養成する。その他の大多数の大学・学部のL型は地域経済の生産性向上に資するスキル保持者を育てると言いつつ、実質的に大学を「職業訓練校」にするものだ。

  若者に大学で手に職をつけさせたいという人は、未来がどうなるか確実にわかっていると慢心しているのでしょう。

 歴史の転換期を迎えた現在は、たとえて言えば、この先を進むレールが消えてしまったような時代です。育てなくてはならない人材は、壊れた既存のレールを修復する人たちではなく、どんな新しいレールを引き直すべきなのか、どちらの方向に進むべきなのかを根本から考えられる人たちです。そのためには、既存の仕事を習得させるだけの「手に職」型の大学教育には限界があります。

  今、求められているのは、幅広く、あらゆる学問を一通り学び、総合的に物事を考えるための教養です。アダム・スミスは、倫理学、道徳学、経済学、法学の4つを学んだからこそ、経済学の基礎を形づくることができました。

 ■発想の転換が必要

  「経済成長」至上主義から抜け出せない人たちは、私の主張を「後ろ向き」だと言いますが、歴史の歯車が逆回転した今、これまでの基準で「後ろ向き」の人が「前向き」になるのです。経済も成長を追求することで、後退する「逆説」の時代に突入しています。今まで見たことのない時代がやってくるわけですから、今あるものが「無限」に続くという発想から、転換しなくてはならないのです。

 

みずの・かずお 1953年生まれ。元三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミスト。博士(経済学)。現在は法政大学教授。「資本主義の終焉と歴史の危機」(集英社新書)など著書多数。


      

 それぞれの課題については共感できるところもあるのですが、肝心なところがぼけている。

 今日、ようやくカッコーがすぐ近くで鳴きました。さぁ、植えつけ時期の到来です。
1日からまたしばらく☂のようで、こりゃ忙しくなりそう。
キューリがよろしいようで…まぁだだよ!
これも古来品種「夏すずみ」「黒サンゴ」なんて問題になりません。


官僚の“一揆”が始まる…かぁ?

2017年05月28日 | 社会・経済

安倍官邸に不満爆発 前川氏の反旗で官僚の“一揆”が始まる

     日刊ゲンダイ 2017年5月28日

 「黒を白にしろと言われているようなもの」――。加計学園をめぐる疑惑で、安倍政権からの“圧力”を暴露した前川喜平前文科次官。「よくぞ言った」と国民は拍手喝采だが、霞が関からも「前川前次官に続け」の声が出ている。官僚たちは、恐怖政治で官僚組織を従わせようとする安倍官邸の強権的手法に呆れ、軽蔑し、愛想を尽かしている。一斉蜂起は時間の問題だ。

  26日、菅官房長官は前川氏が存在を証言した文科省の“総理のご意向ペーパー”について、改めて信憑性を否定した上で、出会い系バー通いの話題にすり替えた。「教育行政の最高責任者がそうした店に出入りし、(女性に)小遣いを渡すことは到底考えられない」とコキ下ろしたのだ。

   それにしても、犯罪行為でもない醜聞が急に飛び出し、それを国の権力者が一方的に断罪する光景は異常だ。26日の日経新聞1面のコラム「春秋」は、〈まさか、平清盛が都に放ったという「かむろ」のごとき密偵が、東京の盛り場をうろついているわけでもあるまい〉と皮肉交じりに指摘した。

「かむろ」とは、平清盛が平家の悪口を言う連中を捕らえるために雇った少年スパイ集団のこと。日経のコラムは冗談とは思えない。前川氏は出会い系バー通いについて、「昨秋、首相官邸の幹部に注意された」と明かしているが、その人物とは警察出身の杉田和博官房副長官。どうやって“ネタ”を拾ってきたのか。

「昨年から警視庁は東京五輪対策として『盛り場総合対策本部』を設置し、目を光らせています。前川氏はたまたま網に引っ掛かったのかもしれませんが、当局にマークされていた可能性も捨てきれません」(捜査関係者)

  前川氏が文科次官に就任したのは昨年6月。当初、ある官邸幹部は「あいつどんなヤツ?」と番記者などに探りを入れていたというが、しばらくすると「あそこ(文科省)は人の言うことを聞かない」などと文句を言うようになったらしい。それが文科省が加計学園の獣医学部開設を認可しないことだったかは分からないが、今年1月になると突然、政府主導の調査で文科省の天下り問題が発覚。前川前次官は瞬く間に引責辞任に追い込まれた。一連の流れを知った他省庁の官僚たちは震え上がったという。

■内閣人事局を潰し、人事権を取り戻せ

 イラク戦争反対を訴え、外務省を「解雇」された元レバノン大使の天木直人氏がこう言う。

  「すべての元凶は、3年前、審議官以上の役職に官邸が直接決定権を持つ内閣人事局を安倍政権が発足させたことです。人事権を掌握された官僚組織は官邸の意向に従うイエスマン集団に成り下がってしまった。しかし、出世のために黒を白と言うしかない現状に強く不満を持つ官僚は多い。そんな状況で、前川前次官は『行政が歪められるわけにはいかない』と反旗を翻したわけです。どんな省庁であれ、次官経験者の言葉は官僚にとって重みがあります。前川氏の醜聞が流れていることについて、官僚たちは官邸に不信感を募らせていると思う。いずれ、官僚たちの不安と不満が爆発し、霞が関で“一揆”が起きるでしょう」

      


 

 それにしても、「共謀罪」安倍に渡すべきではない。

降ったり晴れたりとせわしない天気。苗もどんどん大きく育ってきた。順次畑に定植しなければならないのだが、雨の関係でまだ耕していない。 


「減塩で健康に」は間違い?

2017年05月27日 | 健康・病気

「毎日新聞医療プレミアム 2017年5月27日

   減塩をしても血圧は下がらない」と聞いたら、あなたはどう思いますか? 「塩分は控えめに」という標語が常識になっている現代人にとっては、信じがたい話ですよね。ところが、ボストン大学医学部のリン・ムーア准教授は、2017年4月22~26日にシカゴで開催された米国実験生物学連合学会で、「低ナトリウム食は血圧を下げないかもしれない」と題した研究結果を発表しました。

   この研究は、2632人の男女(30~64歳)の食生活を16年間追跡したものです。参加者は、世界でも有名な疫学研究「フラミングハム心臓研究」(1948年開始)の次世代について70年代に開始された「フラミングハム子孫研究」の対象者の一部です。研究開始時、参加者の血圧は正常でしたが、1日に2500mg(食塩6.35g)未満のナトリウムを摂取した参加者は、より多くのナトリウムを摂取した参加者よりも血圧が高かったのです。ムーア准教授は、「ナトリウムの少ない食事が、長期的に血圧に有益な影響を与えるという証拠は見当たりませんでした。現在のナトリウム摂取量の推奨が間違っている可能性があります」といいます。

  ここで出てきた「食塩」と「ナトリウム」の関係について説明しておきます。食塩は「塩化ナトリウム(NaCl)」とほぼ同じもので、このうちのナトリウムの体内濃度が高まると血圧が上がります。食塩のうちナトリウムが占める量は、重量で約40%です。つまり、ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)です。

日本では男性が8g、女性は7g未満が目標だが…

  1日の塩分摂取量をどれだけに抑えたらいいのか、すぐに思い浮かぶでしょうか。実は、ガイドラインによって推奨量が違っています。

  日本では厚生労働省が、18歳以上の男性は1日あたりの食塩摂取量8.0g未満、同女性は7.0g未満を目標量と定めています。さらに、日本高血圧学会減塩委員会は、高血圧予防のために、1日6g未満という制限を勧めています。一方、米国人の食生活ガイドライン(2015-2020)では、健常人のナトリウム摂取量を1日2300mg(食塩5.8g相当)に制限することを推奨しています。また、米国の心血管疾患の予防のためのガイドラインでは、塩分の最大摂取量が1日3.8~6.0gとなっています。さらに、世界保健機関(WHO)は、世界中の人の食塩摂取目標を1日5gとしています。日本の目標量は米国やWHOよりもやや緩めになっていますね。

  また、これらのガイドラインは摂取量の下限は設定していません。それでは「塩分控えめに」のために、食塩摂取はゼロに近づけるべきなのでしょうか? でも、ナトリウムは、私たちの体の生理機能において重要な役割を果たします。そんな疑問に一石を投じた研究があります。

 ナトリウム摂取と血圧の「J字カーブ」

  過去に発表された別の大規模な研究では、ナトリウム摂取量と心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの「心血管イベント」との間に、J字型の関係を認めています。つまり、最もリスクが低いのは、ほとんどの米国人が消費する範囲の中程度のナトリウム摂取量の人です。この範囲から外れる、米国人の食生活ガイドラインで推奨されているような低ナトリウム食と、平均的な米国人の通常の摂取量を超える高ナトリウム摂取の人は、どちらも心臓病のリスクが高くなりました。

  この研究は、2014年に「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に報告されたPURE(Prospective Urban and Rural Epidemiological Study=都市と農村における前向き疫学調査)です。17カ国で35~70歳の10万人以上の成人を対象に調査を実施しました。対象者から採取した空腹時の早朝尿の検体を用いて、ナトリウムとカリウムの排泄(はいせつ)量を測定し、ナトリウムとカリウム摂取量を推定しました。平均3.7年間の追跡調査を行い、死亡や心血管イベントを調査しています。

  調査の結果、ナトリウム排泄量が1日あたり7g以上の人は、死亡または主要な心血管イベントのリスクが15%増加しました。またこれらのリスクが最も高いのは、高血圧の人でした。驚いたことは、ナトリウム排泄量が1日3g未満の人でも死亡または主要な心血管イベントのリスクが27%増加しました。研究者らは、尿中のナトリウム排泄量に基づいて、ナトリウム摂取量を推定しました。すると、ナトリウム摂取量が1日推定3~6 g(食塩7.6~15.2g)の人は、摂取量がそれより多い人もしくはそれ未満の人よりも、死亡や心血管イベントのリスクがより低いことが示されました。

  PURE研究で低リスクとされたナトリウム摂取量は、米国で推奨される食塩摂取量を上回っています。そのため、減塩を推進する米心臓協会は、PURE研究の結果に対して、「このタイプの研究は、データの収集や解析法によって結果が大きく変わりうるので、結果の解釈が難しい」と反対の姿勢を示しています。

 大切なのはカリウム?

  再びムーア准教授らの発表に戻りましょう。ムーア准教授らは、カリウム、カルシウム、マグネシウムの摂取量が多い人は、長期間にわたり血圧が低いことを発見しました。研究対象の人では、ナトリウムの摂取が1日あたり平均3717mg(食塩9.4g)で、カリウムの摂取が1日平均3211mgの人が最も低い血圧を示しました。また、カルシウム、マグネシウムもカリウムと同様の傾向を示しました。

  米メディア「TIME」に対してムーア准教授は、「この研究が示していることは、ナトリウム摂取量に関係なく、カリウム、マグネシウムの摂取が血圧や心臓病に関して非常に重要であるということです。ほとんどの米国人は、どの栄養素も十分に摂取していません。例えば、平均的な米国人は1日に約2600mgのカリウムしか摂取していませんが、米医学研究所は4700mgを摂取するよう勧めています」といいます。

  ちなみにPURE研究の研究者らは、マックマスター大学のウェブサイトで「塩分の摂り過ぎも、控え過ぎもどちらも問題。また、ナトリウムばかり気にして、カリウム摂取の重要性が無視されている」とコメントしています。実際、カリウム排泄量が多い人は、死亡や心血管イベントのリスクがより低くなりました。

  減塩の是非について、最終的な結論を下すには、今後もさらなる研究が必要です。ただ、これまでの研究を考慮すると、やはり高血圧の人は減塩に気をつけるべきです。06年の厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、40~74歳の日本人のうち、男性の約6割、女性の約4割が高血圧といわれています。また、高齢化社会である日本では4人に1人は高齢者です。ですので、健康維持のためには塩分を控えめにするというガイドラインは適当だと思います。問題は、私たち個人が日常的にどのくらいの塩分を摂取しているか把握していないため、ガイドラインが活用されていないことです。特に加工食品や外食に依存している人は要注意です。摂取する食塩の量をきちんと把握するために、できるだけ自分または家庭で調理することが基本です。そうすることで、塩の小さじ1杯が約5gに相当するということや、塩1gを含む食品がどんな味がするのかということが理解できます。

  高血圧の予防に関しては、ムーア准教授らの研究から、極端な減塩はかえって健康の問題になる可能性があります。とはいえ、塩分のたくさん入った加工食品を食べてもいいということではありません。新鮮な野菜や果物はナトリウムの含有量が低く、カリウムが豊富に含まれているので、たくさん食べれば余分な塩分は自然に排出されますよ。新鮮でバランスのよい食品を選ぶことが血圧のコントロールには重要ということです。

 大西睦子 (おおにし・むつこ) 
内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。


 菜の花祭りもこの土日で終わりかな、と思い江部乙の方で苗物・山菜の販売をしようと思っていたのですが、あいにくの雨となってしまいました。明日も雨のようで、あきらめましょう。
 今日は小さいハウスの内張りを外しました。もうそんなに気温が下がるようなこともないでしょう。でもまだここでカッコーの鳴き声は聞いていません。かすかに、遠くで鳴いているような気もするのですが、まだはっきりと近くでは聞いていません。
 ZARDの坂井泉水さんが亡くなって今日で10年です。今夜は彼女の歌を聞きましょう。

       


「安倍1強支配」にほころびが・・・

2017年05月26日 | 野菜・花・植物

財務省も動くか “反アベノミクス勉強会”に自民議員60人

    日刊ゲンダイ 2017年5月26日

  ついに、正面切って安倍政権を告発した前川喜平前文科事務次官。文科行政を歪めただけでなく、存在する文書を「ない」と言い張る安倍官邸にガマンができなくなったようだ。

  どの省庁も、人事権をかさに着た安倍政権の強権支配に不満をためているだけに、この先、義憤に駆られた第2、第3の前川喜平氏が現れる可能性はゼロじゃない。いま、安倍官邸が密かに恐れているのが、財務省の造反だという。

  自民党の野田毅氏と村上誠一郎氏が16日に立ち上げた「アベノミクス批判」の勉強会は、財務官僚が裏から手をまわしてつくらせたものだとみられている。

  「野田毅さんを代表発起人として発足した勉強会は、まるで“反主流派”“反アベノミクス”の巣窟です。表向き、財政や金融政策、社会保障の立て直しを勉強することになっていますが、真の目的は、公約通り安倍首相に消費税増税を実施させることでしょう。驚いたのは、自民党議員が約60人も参加したことです。野田さんも村上さんも、一匹狼のような存在で、自分で人を集めるようなタイプではないし、あの2人が声をかけても簡単には人が集まらない。60人も集まったのは、財務省が裏で動いたからでしょう。実際、野田さんも村上さんも、財務省に近いですからね」(政界関係者)

 財務省に近い野田氏と村上氏が「反アベノミクス」の勉強会を立ち上げたことで、永田町には「財務省も安倍降ろしに動きだしたのか」と疑心暗鬼が広がっている。政治評論家の本澤二郎氏が言う。

 「財務省が安倍首相に不満を強めているのは間違いありません。2回も念願の消費税増税を先送りされていますからね。そのうえ、森友疑惑ではドロをかぶらされている。もし少しでも安倍政権に陰りが見えたら、一気に倒閣に走ると思う。霞が関の強みは森友疑惑や加計問題で安倍政権の弱みを握っていることです。官僚組織が本気で“反安倍”で動いたら、政権はあっという間に倒れる可能性が高いですよ」

  驕れる者久しからず。「安倍1強支配」にほころびが見えはじめている。


 さあ!ここで一気に倒してしまおう!
野党は結束して当たれ!


「総理のご意向文書は本物」,みんなアベさまといっしょやわぁ

2017年05月25日 | 社会・経済

「総理のご意向文書は本物」文春の前次官証言報道で新聞・テレビが一斉取材へ! 一方、官邸は「口封じ逮捕」で恫喝

     リテラ 2017.05.24

  本サイトが報じた通り、明日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が元文科省事務次官・前川喜平氏のインタビューを掲載していた。タイトルは、ずばり〈「『総理のご意向』文書は本物です」文科省前事務次官独占告白〉。

 本サイトでは、読売新聞が22日の朝刊で前川氏の「出会い系バー通い」報道が「官邸による加計学園問題の実名告発ツブシの謀略」であることを伝え、さらに官邸が「週刊文春」と「週刊新潮」の両誌にも出会い系バー通い疑惑をリークしたものの、「どちらかの週刊誌が前川氏の言い分を全面的に掲載し、官邸の謀略の動きを暴く」と報じたが、その通りとなったのだ。

「週刊文春」の記事は、文書では見えてこなかった省庁間の子細なやりとりや経緯が前川氏によってあきらかにされており、国家戦略特区による獣医学部新設がいかに加計学園ありきで進められたのかを裏付ける証言になっているという。

「『週刊文春』は、前川氏の告白を6ページにわたって紹介。そのなかで前川氏は、タイトル通り、一連の文科省作成の文書が『本物』であると断言しているのはもちろん、前川氏自身もいくつかの文書を保管していることや、それらを作成した担当セクション名やどういうシチュエーションで前川氏に渡されたのか、さらには『総理のご意向』と内閣府から突きつけられ、プレッシャーを感じたことなどを語っているそうです」(週刊誌関係者)

 また、前川氏は読売新聞の「出会い系バー通い」疑惑にも言及し、その事実を認めた上で“違法な行為はしていない”と話している、という。

 一方、「週刊新潮」のほうは、問題の「出会い系バー」で取材を行い、前川氏の買春疑惑を報道。しかし、決定的な証拠などは書かれておらず、逆に読売の情報元は官邸であり、下半身スキャンダルによって前川氏に報復するとともに、前川氏の実名告白を報じないようマスコミを牽制する目的であったことを報じているという。

「リテラが記事に書いていたように、『週刊新潮』も読売の露骨な記事を見て、官邸の情報にそのまま乗っかることを避けたようですね。あと、前川氏の出会い系バー通いは事実だったようですが、“未成年を買春した”などの違法な話は出てこなかったらしい。これでは記事になりませんからね」(同前)

そして、この「週刊文春」の前川氏の告白や、「週刊新潮」の路線転換を受けて、前川氏の実名証言をつぶしていた新聞やテレビの空気も変わりつつある。実はいま、前川氏のもとには新聞、テレビの取材が殺到しているのだという。

 前川氏の代理人や知人を通じたアプローチはもちろん、世田谷区の住宅街にある前川氏の自宅に行ってみると、多くの新聞、テレビの記者が入れ替わりやってきて、外出中の前川氏が戻ってこないかチェックしていた(写真)。ちなみに、新聞は読売をのぞく全社、テレビもテレビ朝日にTBS、フジテレビが取材に動いているという。

「もちろん、いま、マスコミの目的は読売がやった前川氏の“出会い系バー通い”でなく、文春と同様、『“総理のご意向”文書は本物』と証言してもらおうというものです。NHKやフジテレビなんて、前川氏のインタビューまで収録しながら、官邸の圧力で潰されてますからね。現場には相当不満がたまっている。『赤信号、みんなで渡れば怖くない』とばかりに、各社が一斉に前川証言を報道する可能性もある」(全国紙政治部記者)

 しかし、このメディアの動きを官邸が黙って見ているわけがない。「いままで見たことがないくらいの、それは凄まじい発狂ぶり」(官邸担当記者)で、マスコミ各社の上層部から官邸記者にいたるまで恫喝しまくっているという。

 しかも、その際、官邸幹部らはこんなセリフをちらつかせているのだという。

「前川がパクられたら、どうするつもりなんだ。犯罪者の証言を垂れ流したことになるぞ」

 どうやら官邸は前川氏を口封じにために逮捕するつもりらしいのだ。15年前、検察の裏金を実名告発しようとした三井環大阪高検公安部長(当時)が逮捕されたのと全く同じことが再現されようとしている。

「読売の記事や『週刊新潮』の取材からも出会い系バーの問題では逮捕なんてできそうにないけれど、なりふり構わない安倍官邸のこと、でっち上げでもなんでも仕掛けてくるでしょう。それで、各社とも上層部がまだ首を縦にふらないらしい。前川氏も警戒して弁護士をつけ、一旦、姿を隠してしまった」(文部科学省関係者)

 前川氏は不当逮捕されないためにも、むしろ積極的にマスコミの取材に応じるべきだが、問題は新聞・テレビだ。このまま官邸の恫喝に屈するのか、それとも撥ね返すのか。──その結果は明日の新聞や夜のテレビ報道で判明することになるだろうが、このまま官邸の圧力に負けて言いなりになっていいわけがない。

 そもそも今回の内部文書の出所は複数あると見られており、今後もどんどん「証拠」が出てくることは必至だ。事実、きょうは民進党が、国家戦略特区諮問会議が獣医学部新設を認めた昨年11月9日の前日に文科省でやりとりされていたメールのコピーを公開。そこには「大臣及び局長より、加計学園からに対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨早急に厳しく伝えるべき、という指示があった」と記されており、獣医学部の設置条件に合うように文科省が加計学園に“特別な入れ知恵”を行っていたことが判明した。

 また、同じく本日、安倍首相に加計学園から金が渡っていたことも発覚。日刊ゲンダイによると、安倍氏は過去に加計学園グループである学校法人広島加計学園の監事を務めており、1999年度分の「所得等報告書」によると、その報酬として14万円ほどを受け取っていたと報じている。

 掘れば掘るほど疑惑が山積みとなり、問題が浮き彫りになっていく加計学園問題。そのなかでも、文科省事務次官という官僚のトップとして加計学園の獣医学部新設にかかわってきた前川氏の証言は極めて重要であり、こうした内部告発者に報復がくわえられるようなことは絶対にあってはならないだろう。下劣な官邸に対し、マスコミには徹底抗戦を期待したい。

(編集部)

みんなアベさまのお友達。

質問中に「あいつのマイクを取り上げて」 大飯原発再稼動認めた原子力規制委員会委員長が会見でジャーナリストの追及封じの暴挙

     リテラ 2017.05.25

  24日、原子力規制委員会が大飯原発3、4号機について、安全審査に合格したことを示す「審査書」を正式に決定した。大飯原発をめぐっては、現在でも運転差し止めの控訴審がおこなわれているが、しかし、規制委員会は大飯原発の再稼働にお墨付きを与えたわけだ。。

 一方で北朝鮮の危機を扇動しながら、原発を止めるどころか、この規制委員会を使って再稼動を推進する安倍政権は支離滅裂としか言いようがないが、そんな中、この原発政策の矛盾をつかれた原子力規制委員会の田中俊一委員長が信じられない暴挙に出た。

 17日の会見で、筆者の再質問中に「マイクを取り上げて」と指示、一方的に質問を打ち切ったのだ。若狭勝衆院議員(自民党)が原発テロ対策の不十分さを指摘していたことについて聞いている途中のことで、辞任した今村雅弘・前復興大臣と同じような対応である。

横田 今回の北朝鮮の緊迫化を受けて何か動かれたのですか。安倍総理と(原発停止などの)お話はなさったのですか。政府関係者と。

田中委員長 していません。

横田 やっていないのですか。日本国民の命と安全を守る責務を放棄しているのではないですか。

田中委員長 あなたはそう思うかもしれないけれども、(責務を放棄)していません。

横田 客観的にそうではないですか。(自民党の衆院議員の)若狭勝さんはミサイル攻撃の、それに対して(原子力規制委員会は)全然答えていないではないですか。

 しかし質問をしている真っ最中に、「(横田の)マイクを取り上げて」と田中委員長が横を向いて隣にいた職員に小声で指示。すぐにマイクを手渡す係の職員が駆け寄って来て、マイクを渡すように求めてきたのだ。こうして筆者の質問と、「航空機攻撃のリスクを認識しながら再稼働を認めているのはおかしい」という若狭勝氏の主張の説明は途中で打ち切られたのだ。

 原発再稼働の可否を決める権限を有するキーマンであり、原子力規制委員会の委員長という要職にある田中委員長が、一方的に筆者のマイクを取り上げ、その質問を封じたのだ。これは今村前復興相と同様、国民の知る権利を代行する記者に対しての言論封殺ともいえるあるまじき対応である。

しかし、そんな異常事態に松浦総務課長が助け舟を出して「いや、もう答えています」と取り繕った。国民を原発事故(放射能汚染)からどう守るのかの対応は不十分だが、田中委員長を第二の今村大臣にしないための組織防衛は完璧だったというわけか。

小池都知事の側近・若狭勝東京地検特捜部副本部長も原発再稼動に疑問

  そもそも元東京地検特捜部副本部長の若狭氏の名前を出したのは、「本当にそれでいいのですか。原子力規制委員会!」と銘打った2015年12月9日のブログで、次のような疑問を投げかけていたからだ。

「私は、かねがね、原子力規制委員会において、新たな規制基準として、『(米国の9.11のような)意図的な航空機衝突への対応』を加えながらも、その対策を講じるまでに5年間の猶予を事業者に与えた上で、原発の再稼働を認可していることが不思議でなりません。原子力規制委員会において、『意図的な航空機衝突』、すなわち、原発を狙ったテロ攻撃という事態を想定しているのですから、その危険性を十分に認識しているはずです。それにもかかわらず、なぜ、その対策を講じるまでに5年の猶予を与えるのか、その危機意識の欠如には、悲しささえ覚えます」

「5年後に東京五輪を迎えようとしている今、テロ対策に5年の猶予という笑い話のようなことには呆れるばかりです。原子力規制委員会、本当にそれでいいのですか」

この疑問に対する答えを聞こうとしたのだが、田中委員長は質問打切りで回答を拒否した形。「国民の命と安全を守る責務を放棄している」と疑いは確信になった。

 筆者の前の関連質問でも田中委員長の姿勢には唖然とした。福島原発事故がなかったかのように「安全神話」にすがって希望的観測に終始、政府に対して働きかけもせず、原発テロに関する基礎的知識不足さえも露呈していたのだ。筆者だけでなく『FACTA』(ファクタ出版)の記者もこんな質問をしていたる。

————日本海側(の原発)については何がしか警戒を固めるというようなお考えはないでしょうか。

田中委員長 多分、日本海側だからどうということはないと思うのですね。(ミサイルが)上から降ってくるものですからね。(中略)日本海側だからとか、地域を見てどうこうするというような、そこまで切迫しているとも思えないし、そういうことを求められたら、何か適切なのができるかというと、そう簡単にはできることではないと思いますので、「こういう緊張した事態は早く無くなるようにしていただきたい」というのが本音ですね。

 原発テロに関する基礎的な知識不足を物語る答弁だった。23年前の94年の北朝鮮緊迫化の際、日本海側の原発へのテロ攻撃が政府内で懸念されたことがあった。元自衛隊陸上幕僚長の冨澤暉氏は、警察庁幹部との面談をこう振り返る。

「94年6月、北朝鮮とアメリカが戦争寸前の状態になった際、当時の石原信雄・官房副長官が各省の役人に有事対応を考えるように指示しました。これを受けて警察庁の警備局長が私に意見交換を求めてきたので赤坂で面談。『大変な問題がある。北陸の原発がテロゲリラに襲われたとき、我々にはどうしようもありません』と切り出し、『機関銃やロケット弾を持ってくるテロゲリラに対応しようとしても、全国のスナイパーは50~100人ぐらい。しかも十数人の集団が襲ってくることは想定していない。そのとき自衛隊は出てくれますよね』と聞いてきたのです」。

 しかし富澤氏は首を縦に振らなかった。「その時は(他国との戦争状態に対応する)防衛出動が出ているのですか」と聞いたところ、警備局長は「防衛出動ではなく、治安行動でしょう」と回答したので、「治安行動はできません。何十年間、治安行動の訓練はしていない」と要請を断ったというのだ。富澤氏はこう続けた。

「人を殺さずに相手を逮捕するのが『治安行動』の基本。自衛隊はそんな訓練は’70年からしていません。テロゲリラにとって日本の原発は非常に狙いやすい脆弱な状態にあると言ってよいでしょう」

 日本海側の原発テロが想定されたことについて富澤氏は報道番組でも語っており、自衛隊陸上幕僚長時代の警察庁幹部との面談については、自衛隊の変貌について記されたノンフィクション『出動せず』(瀧野隆浩著 ポプラ社 )の中でも紹介されているものだ。

筆者の質問にまともに答えなかった田中委員長

 「こんなことも知らないのか」と呆れつつ筆者は田中委員長に先の質問の冒頭でもこう質している。

横田 北朝鮮が攻撃する場合は確かにミサイル攻撃は一つのパターンだと思うのですが、もう一つの懸念材料としては、「日本海側にテロゲリラが上陸して原発テロを起こす」と(いう事態が想定される)。先ほど防衛出動や武力衝突の話をおっしゃいましたが、それの前に北朝鮮側が暴発して破れかぶれでテロをすると。だから、防衛出動前の話なのですが、これについては1994年6月の北朝鮮有事のときに、自衛隊の元陸幕長の冨澤さんが警察庁の幹部から相談を受けて、「日本海側の原発が狙われていて、警察だけでは対応できない、自衛隊に出動してもらえますか」という問いに対して、「いや、防衛出動が出ない前の治安出動は訓練していないのでできません」という答えをしているが、その辺の問題意識はお持ちではないのでしょうか。当時から今の状況が確実に改善されて、自衛隊がすぐ出動できる状態にあるのかどうか、御見解をお伺いしたい。

田中委員長 セキュリティの問題だね、一種の。

横田 だから、原発テロのリスクがある中で、原発稼働を止めるどころか、(高浜原発)再稼働を認める姿勢はいかがものか。

佐藤原子力災害対策・核物質防護課長 そのような武力攻撃とか、そういった話になりますと。

横田(北朝鮮の)武力攻撃の前のテロゲリラで、治安出動の場合。

佐藤原子力災害対策・核物質防護課長 テロについても、武力脅威事態というのですか、そういった対応を国民保護法なりで定義されているところでして、私どもは、いつも委員長が国会答弁で申し上げていますとおり、原子力安全規制の中でそうした施設の安全確保というのはあると思います。ただ、御質問にあるようなテロとか、それ以前の、我々規制庁として予防的に判断ができないような情報に対して、何か組織として対応するかというと、そこは私どもの所掌、対応ではなくて、また別途防衛省なり、そうしたところが対応するような役割分担ではないかと認識しているところです。

横田 ですから、先ほど(『FACTA』の)ミヤジマさんがおっしゃったように、今、テロのリスクが高まっている、緊迫化している状況の中で、原子力規制委員会としては動かないのですかということなのです。勧告して、政府と一緒に、この事態を受けて原発を止めるのか、止めないのか、原発テロ対策をどう強化するかを話し合うべきだと思うのですが、そういうことをやっていないのですか。

田中委員長 しません。セキュリティの強化はしていますけれども、細かいことは申し上げませんけれども。

 この回答に納得がいかなかったので、若狭氏の主張をぶつけて第二の安全神話に取りつかれた田中委員長に再考を促そうとしたのだが、冒頭で紹介した通りの対応で批判を封じた。

 一方で北朝鮮の危機を煽りながら、平然と大飯原発を再稼働を推し進める安倍政権と、そしてそれにお墨付きを与える原子力規制委員会。そのちぐはぐな対応には呆れるばかりだが、都合の悪い質問にはマイクを取り上げるという暴挙を行う田中委員長も、結局は「国民の命と安全を守る」ことなど考えてもいないということなのだろう。(横田一)
     


本業の方に少し力を入れたいのだが情勢が緊迫しっぱなし。
今日は曇りの予報だったのでミニトマトの定植作業はしないつもりだったのだが、晴れてきた。葉っぱ1枚の苗が大きくなって、もう花をつけています。

こちらはチマサンチュ。

たくさん野菜をとらなければいけない人におすすめです。
生でも、鍋でも、炒めても食べられます。下葉から順次収穫できるのでとても重宝。
虫もつかないので栽培しやすいです。
亜麻の花です。


内田樹氏、「共謀罪」を語る

2017年05月24日 | 社会・経済

内田樹「『共謀罪』法案の衆院通過に、権力者の全能感が見える」

*  *  *
 この原稿が掲載される頃には、「共謀罪」の衆院審議は終わっているかもしれない。共謀罪は法としての瑕疵(かし)、審議の異常さにおいて政治史上でも例外的なものだ。安倍首相はこれをテロ対策のための立法であり、成立させなければ国際組織犯罪防止条約を批准できず、国際的な批判を浴びると説明し、これなしでは「東京五輪は開催できない」とまで言い切ったが、いずれも無根拠な発言だった。

 穴だらけの、不要不急の法案を、ずさんな審議を通じて成立させようとするのはなぜか。それは「穴だらけの、不要不急の法案を、ずさんな審議を通じて成立させる」ことで、「整合的な法案を、丁寧な審議を通じて、必要なときに成立させる」よりも大きな政治的効果を得られると官邸が考えているからである。彼らがめざしているのは「誰も安倍に逆らえない」という事実を日本国民に受け入れさせることである。

 権力者というのは、単に権力を持っている人間のことではない。どれほど権力があろうと、その人が理性的にその権力を行使し、合理的な政策を適切な手続きを経て実現している限り、人々はその人を敬愛することはあっても、恐れることはない。交渉の相手とみなすことはあっても、おもねることはしない。権力者が全能感を覚えるのは、不合理で、不適切なことをしても誰もそれを咎(とが)めない時である。だから歴史上の独裁者たちはまったく無意味な苦役をその臣民に強いることで、おのれの全能を確認しようとしたのである。

 メディアが言う「安倍1強」体制とは彼が適切な政策を次々と実現したことがもたらした成果ではない。彼がどれほど日本の国益を害しても、どれほど日本国民の権利を侵害しても、誰も彼を制止することができないという現実の魔術的な効果なのである。共謀罪は立憲デモクラシーの空洞化をめざす法律である。だが、日本国民の相当数は基本的人権を制限すると公言しているこの政権を「逆らうことのできない全能者」と信じている。「他に適当な人がいない」という消極的な政権支持理由は「首相に逆らう人が見当たらない」という事実認知の単なる言い換えに過ぎないのだが。

AERA 2017年5月29日号


金子勝の「天下の逆襲」 ー生産人口を増やす策を

2017年05月23日 | 社会・経済

金子勝の「天下の逆襲」

アベノミクスは無関係
  
「団塊の世代」が招いた
    人手不足

           日刊ゲンダイ 2017年5月23日

   ヤマト運輸がサービスを縮小し、ファミリーレストランが24時間営業をやめるなど“人手不足”が社会問題になっている。

   安倍首相はアベノミクスのおかげで有効求人倍率が上がったと喧伝しているが、まったくの間違いだ。人手が不足し、有効求人倍率が上がっているのは、15~65歳の「生産人口年齢」が急速に減っているのが原因である。

 これまで人手不足が表面化しなかったのは、「団塊の世代」が定年を過ぎても嘱託などの形で職場に残っていたからだ。しかし、団塊の世代も65歳を越えて70歳に近づき、さすがにリタイアしていく。中小企業を中心に、その穴を埋めるのに苦労しているのが実情なのではないか。

  もうひとつ、中小企業が深刻な人手不足に襲われているのは、20代、30代の若い社員を補充してこなかったことも大きい。いま企業の年齢構成は、伸び盛り、働き盛りの若手が少なく、年齢構成が高くなっている。それにつれて自然に「賃上げ」になる。

  なかでも、人手不足の弊害に直撃されているのが地方だ。この20年間、工場がなくなり、農業が衰退し、働く場がなくなったため、どんどん若い人が都会に流出しているからだ。

  心配なのは、融資先を失った地方の金融機関の経営が急速に弱体化していることだ。ただでさえ、金融機関は超低金利のため利ざやを稼げない。伸びているのは、消費者ローン、住宅ローン、不動産融資くらいである。しかも、住宅ローンは、住宅ローン減税分が利払いを上回るので借りる人が増えているという背景がある。需要の先食いだ。「地方創生」どころの話ではない。しかも、融資先がない地方銀行は仕方なく外国債を買っているが、ノウハウが乏しいため将来、大きな損失が生じる恐れがある。

  今からでも、大急ぎで生産人口を増やす策を打たないといけない。女性の出生率が上がったフランスは、事実婚やシングルマザーにも子ども手当を給付している。社会で子育てを支えるという考え方に立つ。

  なのに、いまだに戦前のような復古的な家族を理想としている安倍自民党は、本気で出生率アップに乗りだそうとしない。この国は、足元から崩れ始めている。

金子勝慶応義塾大学経済学部教授
  
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。


午前中は小雨、1日を通して太陽が出ることもなかった。
「青年の木」は5本の新芽を出し、上の水苔にさしてある3本は1本だけ小さな芽が3つ確認できた。

 農地の問題も。
馬(どさんこ)を飼っている友人が農地を取得しようとしたところダメの判断。その農地は条件が悪く、誰も借りないし、息子も農業はしない。このまま息子に相続されると全くの荒れ地、耕作放棄地となってしまう。それよりも馬を放しておいた方がいいと思うのだが、そんな融通は利かない。


右識者会議

2017年05月22日 | 社会・経済

安倍政権に大激震 天皇「退位議論」「特例法」に強い不満

                日刊ゲンダイ 217.5.22

 天皇が安倍政権に「ノー」を突きつけた――。

   21日の毎日新聞1面を読んで驚いた人も多いだろう。「退位」をめぐる政府の有識者会議について、天皇が強い不満を表し、その考えは首相官邸にも伝えられていると報じたのだ。

  天皇が不満を強めている理由は、政府が退位を皇室典範改正で恒久制度化せず、特例法ですませようとしていることだという。天皇は〈一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない〉とし、〈自分の意志が曲げられるとは思っていなかった〉と話したという。

  ふだん自分の気持ちを表さない天皇がここまで不満を漏らすのはよほどのことだ。しかも、官邸にも伝えられたというから、深く考えた上での発言だろう。

   さらに、有識者から〈天皇は祈っているだけでよい〉との発言が出たことに天皇はショックを受けているという。毎日新聞によると、こうした発言を宮内庁幹部は〈(被災地などを訪れる)陛下の生き方を全否定する内容〉とし、天皇と個人的にも親しい関係者は〈陛下に対して失礼だ〉と話しているという。

   天皇が強い不満を漏らしたことに、さすがに安倍官邸にも激震が走っている。政府は先週19日に天皇退位の特例法案を閣議決定したばかり。その直後に天皇の不満が新聞の1面トップに掲載されたのだ。

  政界関係者が言う。

 「このまま法案を通していいものか、与野党から賛否両論が噴き出すのは必至です。世論調査でも天皇の意志を尊重すべきという意見が多い。政府提出の原案通り、成立するか分からなくなってきました」

  そもそも天皇は右傾化を強める安倍政権を危惧しているという指摘もある。安保法が審議されていた15年8月の全国戦没者追悼式では、「さきの大戦に対する深い反省」との文言を初めて使い、日本の平和と繁栄を「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」と表現している。

  政治評論家の森田実氏が言う

  「平和主義者の天皇は安倍首相の動向を不安視していると思われます。憲法9条を国是として守ろうという気持ちも強いように感じます」

 安倍政権は特例法をこのまま強行成立させるのか。
     


 

 今日は寒かった。朝最低気温を見ると14℃。だいぶ暖かくなったなぁ、と思たのはいいが、その気温がずーっと変わらない。昼近くまでそんな気温でした。昼を食べてウトウトして、気が付けば太陽が。慌ててハウスの温度計を見ると40℃を超えている。今朝は寒くて水もやっていなかったのでヤバ。でも大丈夫でした。部屋に入ってきて、またストーブに点火です。

 

 

 

 

 


室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第5回ゲスト 小池晃(後編)

2017年05月21日 | 社会・経済

室井佑月が共産党・小池晃に説教!?「共産党はネットの使い方が下手すぎ」「ネトサポに対抗する組織つくれ」

                     リテラ 2017.05.21

   日本共産党書記局長・小池晃参院議員を迎えてお送りしている室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」。前編では、森友問題はもちろん、安倍政権による北朝鮮危機の政治利用や共謀罪強行、2020年新憲法施行宣言の批判で意気投合、「安倍首相は後ろめたいときキレる」「自分に媚びない女性に厳しい」など、安倍首相を徹底ウォッチしてきた二人ならではの分析まで飛び出した。

 ところが、後編では一転して、室井佑月が共産党と小池議員に「野党連合は大丈夫なのか」と追及。「共産党は真面目すぎ」「ネットやマスコミの使い方が下手すぎ」と説教を始めたのだった。はたして、共産党書記局長でもある小池議員はどう答えるのか? そして、野党連合の行方は?(編集部)

小池晃が「NHKの国会ダイジェストを見ると、僕が言い負かされてるみたい」と

 室井 でも、これだけいろいろあっても、安倍政権の支持率って下がりませんよね。そうそう、小池さんにあったら、これをぜひ陳情したいと思っていたんですけど、世論調査って、信用できるんですか。マスコミの世論調査の実態について調べてほしい。だって怪しいんだもの。私のまわりには仕事じゃなきゃ、安倍さんマンセー! なんて人、いませんよ。地域や年齢層、時間帯、やりとりがどんなものなのか。本当に公正で正確な調査なのか。意図的な誘導があるんじゃないかと。

小池 内閣支持率はそんなことはないと思いますが、室井さんのおっしゃる通り、恣意的な世論調査もありますよね。「テロに対して備えるための、テロ等準備罪がありますが、どう思いますか?」と聞かれたら、「反対」とはなかなかなりません。たしかに、安倍政権の支持率が落ちないのは、野党の結束力の弱さ、与党・自民党に代わる力を示せていないことが原因のひとつにあると思います、でも、一方では、そうしたメディアの問題も大きいと思います。

室井 そうなんです! 国会中継のダイジェストなんてひどいですもんね。安倍さんが反論にならない論理をかざして逆ギレしている答弁を、上手に編集して、「なんか強そうな勇ましい人だ」「負け知らずでタフ」というイメージに仕上げてしまう。これこそ悪質な情報操作だと思うんです。

小池 そういえば、自分の国会質問を後からテレビで見ると、「これ、俺が負けているみたいだな」と思うことがありますね(笑)。

室井 実際は全然違うのに。

小池 さっき言った「妻を犯罪者扱いするのは不愉快だ」発言のときもそうでした。私は「昭恵夫人と籠池理事長がいつから知り合いか」と質問しただけなのに、安倍首相の「不愉快だ!」という逆上場面だけを流して、私の質問も反論もカットしてしまう。だから、犯罪者扱いした小池に対して、安倍首相が妻をかばったかのような印象をもたれてしまうんです。後でNHKの担当記者に「なぜあそこだけ切り取って流すのか」と聞いたら、「そうした方が、安倍さんの異常さがわかるんじゃないですか」と言っていました。でもそれはまったく逆だと思います。

室井 あの不愉快発言も、ネットでは「安倍ちゃん最強!」なんて絶賛されてましたもんね。

小池 テレビのニュース番組などでもほとんど政権批判がなくなりましたね。テレビの討論番組も少なくなった。以前は、『サンデープロジェクト』(テレビ朝日)などで政党討論をやっていましたが、最近は有識者討論ばかり。やるとしてもBSでしょう。

室井 安倍さんが首相になってから、安倍政権に批判的なコメンテーターはどんどん変えられているんですよ。

小池 テレビで批判的なことを言った司会者やコメンテーターに、政府から「ご説明を」なんて来るらしいですね。

室井 昔は、自民党議員の愛人やってる友達から、「あんた、それくらいにしとき!」とか注意されて、「先生が会いたがっているよ」と言われ、その議員さんと一緒にご飯を食べに行ったことがあるんです。そしたら「元気だな、跳ねっ返りが」とか笑われておしまいだった。ま、私は若くて可愛いバカ枠だったので、そんなものでしたね。それが今はネトウヨやネトサポ(自民党ネットサポーターズクラブ)と思しき連中から、いっぱい誹謗中傷がきます。ババアになったからという理由だけじゃないでしょ。テレビ局やスポンサーに、集団で「なんであんな女を使うんだ」と電話があったり、ツイッターなどネット系でも、私の発言を抜き取って、歪めて「こんなにバカなことを言ってる」と非難されたり。

小池 政権批判をしなくなったのは、ネトウヨの抗議をテレビ局が嫌がる、というのもあるんでしょう。

室井 ちょっとでも「安倍さんがこんな発言をしていてひどい」と政権批判をしようものなら、集団で「売国奴だ!」とか、「朝鮮に帰れ!」という書き込みがネットでもあるんです。芸能人はみんなそれを怖れて、発言をやめてしまう。あっ、そういえば、もうひとつ陳情したいことがあった。ぜひ、ネトサポの実態を共産党に調べてもらいたいんです。都市伝説的な噂では、「電通の子会社が、バイトを組織してやっている」なんて言われているじゃないですか。一体正体は何なのか、ちゃんと世に知らしめないと。大切なことですよ、思想じゃなくて、お金もらってそういう活動をしている人がいるかどうか分かるって。

小池 それは重大情報だ。ぜひ調べましょう。

室井「共産党にもネトサポみたいな組織をつくってほしい」と提案

 室井 あと、共産党にもネトサポみたいな組織をつくってほしい。そういうことできるのって、組織力がある共産党しかいないと思うんです。本当は、世の中がおかしいと思っている人もいっぱいいると思うし、TV局の中にも、「本当にこのままでいいのか」と思っている人もいっぱいいると思うんです。だから、多くの人たちが声をあげやすいようにしないとダメですよね。そのために、私もこの連載などで何度も言っていますが、ネトウヨやネトサポのやり方を真似ていくべきだと思うんです。彼らって、ひとつの番組や人を集中的に攻撃するじゃないですか。だから、まっとうな政権批判や良い発言をした番組やコメンテーターに対し、すぐに「立派だ!」と声をあげる組織、集団を作ってください。

小池 赤旗のテレビ欄には、いい番組がやっていたら褒める投書をするようにと、テレビ局の電話番号が書いてあるんですが。

室井 知ってますけど、それだけじゃ甘いなぁ。言いづらいですけど、共産党って出しちゃダメでしょ。一般の人でひく人いるから。今は安倍政権を倒すため、縁の下の力持ちになって、組織力を生かして、24時間体制でテレビやネット、そして雑誌を見て、政権批判している人たちを賞賛したり仲間に取り込んだりしていかないと。野党全体に言えることですが、ネットやマスコミの使い方がヘタすぎると思う。一方の自民党はネットのことをすごく研究しているし、芸能人や文化人、評論家も上手く使っていて、一緒にご飯なんか食べてるんですよ。それで「もっと重要な問題があるだろう、森友なんかやっている場合か!」なんて擁護発言させるわけです。

小池 でも、そんななかで、テレビで鋭く安倍首相の“本質”を突く室井さんのような存在は貴重だと思いますよ。

室井 私は普通のおばさんですから、ガス抜きに使われているだけ。そうそう、この前、右翼雑誌の「正論」(産経新聞社)から共謀罪の対談に出てほしいとの依頼があったんですけど、相手が文芸評論家の小川榮太郎だって言うんです。あの安倍応援団で、言論弾圧をする「放送遵守を求める視聴者の会」の人間ですよ! しかも私も小川さんも共謀罪の専門家じゃない。本当に共謀罪について真剣に考えているなら、反対している専門家を出せばいい。きっと、小川さんの主戦場の「正論」で共謀罪反対の私を叩き潰すつもりだったんでしょ。卑劣なやり口ですよね。

小池 でも、室井さんの発言に拍手喝采している人はたくさんいると思います。だからテレビ局も出演させるんです。

室井 いや、まだまだです。その輪を広げていくためには、ネトサヨみたいなものを組織してもらうしかないんです。サザンの桑田さんや、長渕剛さん、渡辺謙さんなど、スター的な人たちが発信できて、みんなで拡散していけるのが理想です。「今、ウケてる! 支持されている!」という波に乗ると、芸能人ってサービス精神が強いから、もっと強く発信してくれると思います。

小池 たしかに、共産党も組織を上げて、前向きな発言をした人をプッシュする必要はありますよね。

室井 それと、共産党も芸能人に声かけて選挙に出したほうがいいですよ。

小池 共産党から出てくれますかねえ?

室井 そんな弱気こと言って、実際に声かけたことないでしょ! 動いてみないとわからないですよ。それと、自分たちでも番組をつくったほうがいい。

小池 ネットでは一応、『とことん共産党』という番組を持っているんですよ。

室井 あー、ダメですね。まず、番組名がダメだもん(笑)。だから党の色を出さないで、『ニュース女子』(TOKYO MX)のような感じで、こちらからサイドからのみ情報を出すんです。だいたい共産党って、真面目すぎるんですよ。小池さん、キャバクラとか行かないでしょう?

小池 行かないですよ(笑)。

室井 もうちょっと、そういうところに行って、若い女の子の気持ちとかちゃんとリサーチしたほうがいいですよ。そうだ、党名を出さずにテレビ局をつくればいいんじゃないですか。メディア対策に力を入れてもらいたい。『チャンネル桜』の逆張りのネットテレビとか。『ニュース女子』もDHCの一社提供だし、共産党の支持者に番組を買ってもらうのはどうですか?

小池 そんなにお金を持っている支持者がいるかなあ(笑)。実は、室井さんの言うようなことを考えたこともあります。でもスポンサーをどうしようかで話が止まってしまうんです。

「野党連合は大丈夫なのか」と追及する室井に小池が反論

 室井 政権とくっついている人たちは、仕事が増えて儲けに繋がるけど、こっちは資金力もないですからね。でも、私、地方のラジオで20分ラジオをやらせてもらっていて、そこで安倍さんの批判をたくさんしています。そんな番組だから今まで絶対に提供がつかない枠だったのに、地元の企業がついてくれたんですよ。だから、共産党もあきらめないで、党の色を出さない、視聴者が食いつくようなフックを効かせた、政権批判のメディアをつくってくださいよ。

小池 そういうメディア発信を強めなきゃいけない、というのはありますが、同時に草の根的な政治運動を広げていかないと。安保法制のとき、国会前のデモで室井さんとお会いしましたが、ああいう闘いを起こさないといけません。あのときは野党共闘できていたじゃないですか。参議院選挙であれだけ協力できた。

室井 でも、野党がいまのような状況じゃ、そういう政治運動の広がりは難しいんじゃないですか。

小池 いや、やられっぱなしというわけでもないですよ。頑張っているところもある。たとえば沖縄。沖縄は野党が選挙に勝ち続けているじゃないですか。総選挙も知事選も、この前の参議院選挙も。「辺野古の基地を許すな」など、争点がはっきりしているからだと思います。その間、政府は機動隊を本土から連れてきて、辺野古でも高江でも、とにかく工事を進めて既成事実をどんどん作ってしまっている。「既成事実にしたら諦めるだろう」ということしかやっていないんです。福島も、参議院選挙で現職大臣を落として勝ったじゃないですか。「原発はダメ。第二原発も廃炉にしなきゃいけない」ということが県民の圧倒的な世論になっていて、争点がはっきりと見えているんです。

室井 たしかに沖縄は頑張っていると思いますが、うーん……。わたしは今、週の半分を地方で暮らしているんですが、地方になればなるほど自民党がやっぱり強いんですよね。なぜかと言うと、何か大きい建物を建てるとき、土建屋はここ! 弁当屋はここ! ポスターはここ! と、付け入る隙がなく決まっていて。政治に関して、政策を読んでいる人がほとんどいない印象です。前回の選挙を支えた野党連合もかなりやばいんじゃないですか。

小池 そんなことはないですよ。一歩ずつ前進しています。ただ、もうちょっと頑張らないといけないというのも事実です。共謀罪についても一緒にデモをしたり集会に出たり、断固廃案にするべく一緒に行動する必要がある。

室井 国会中継を見ていて思うんですけど、野党の連携があれば、少ない時間を有効活用して、重複した質問をせずに済むんですよね。「それ前の人がさっき聞いたのに、同じこと聞いてる!」というのがよくあるんです。共産党はそういうことがないですよね。

小池 うちはチームでやっていますから。民進党の人は、みんな個人でやっているから。でもそこはそれぞれの良さがありますからね。しかし民進党も変わってきている。安保法制のとき、当時の民主党議員が、「国民の世論と運動の力で、ストップさせたい」と言っていて驚きました。民進党は世論で動く政党だから、SEALDSのような若者が出てきて集会に人が集まり注目を浴びたり、安保法制反対の世論が高まると、いい意味で変わるんだなと思いましたね。

「いつまでに安倍を倒すか、期限を切れ」と迫る室井に、小池は…

 室井 でも、民進党に主導権を握らせない方がいいですよ。昨年の東京都知事選を見ていてそう思いました。新潟知事選のときも、後から蓮舫代表がシャシャリ出てきて、中途半端な対応をして。そういえば民進党だった長島昭久さんが離党しましたが、共産党との共闘に不満だったんですよね?

小池 あれは口実ですよ。「今頃その理由で?」という感じじゃないですか。東京都議選が目前に迫ってきているので、このまま民進党にいたらダメだと、抜ける口実を探していたんじゃないかな。実際は、共産党と選挙協力した方がいいと思っている民進党の議員は結構いるんですよ。

室井 でも、民進党には本気で共産党嫌いな人もいますよね(笑)。以前、選挙カーで演説をしているとき、「共産党と一緒に上がりたくない」という民進党議員がいました。

小池 そういうこともあります。でも、そんなのいちいち気にしていたらやってられません。

室井 私、民進党のそういう姿勢を見るに見かねて、『週刊朝日』の連載で、「イデオロギー以前に人としてどうよ」と書いたことがあります。協力してもらってるんだから「ありがとう」という態度にならなきゃおかしいでしょ、と。

小池 あれ、志位(和夫委員長)さんが読んで、喜んでいましたよ。

室井 民進党は、誰が一番話せるんですか?

小池 今の執行部は話ができます。室井さんは疑いの目で見ていますが(笑)。

室井 でも野田さんって、リベラルの人にもすごく嫌われているでしょう。私も、あの人、嫌い。

小池 政権時代の印象があるから、ネガティブなイメージなんでしょう。でも、付き合ってみると、世間の評判ほど話がわからない人じゃない。ただ、存在感が重厚すぎて、電話してすぐに会えるといった身軽さはない。しかし会って話せば勘所はおさえてくれる人です。私は結構、信頼しているんです。

室井 小池さんの言葉を信じて(笑)、野党連合にはぜひ期待しています。それ以外でも “アベを倒す”方法はありますか? 小池さん、そして共産党はどう闘うのか教えて下さい。

小池 森友学園問題の追及は徹底的にやりたいです。森友学園問題を追及することで、安倍政治の危険な本質が見えてくると思っています。実際、国民の財産や許認可の私物化、身内への優遇、さらには安倍首相が日本中の学校を森友学園のようにしたい、と考えていることも明らかになった。「安倍首相、頑張れ!安保法制国会通過、良かったです」と全国民に言わせるような社会にしたいわけでしょう。そこをきちんと暴いていけば、安倍政権を倒す突破口になると思っています。

室井 ずばり、期限はいつまでですか?

小池 き、期限ですか?

室井 いつまでに倒すのか。期限を切って、覚悟してほしいです。小池さんはつねに、一歩先に行くひとだから、ハードルを高くしたいんです。ズバリ、期限はいつまでですか?

小池 来年9月に自民党総裁選があり、安倍総理の再選が焦点となるでしょう。続投させないためにも、それまでに倒さなきゃダメですね。そのためには、国会の前が毎日人で溢れるような闘いをする必要があると思っています。国会では、野党が情報交換して、あらゆる側面から攻めて立てます。当面は共謀罪です。そしてテレビによくでる芸能人の方なども発言しやすい局面を作ります。一部の人の主張ではなく、これが世論なんだと、知らしめていく。

室井 それを実現するためにも、ネットやメディアをうまく使うようになってほしい。小池さんはわかっていると思いますけど、自民党や、その周辺の親衛隊ってすごく卑怯なんですから。だから、もう一度陳情します。ネトウヨやネトサポに対抗できる組織、集団を作ってください。これも共産党にしか出来ないと思うんです。機動力があるんですから。小池さん、本当にお願いしますね。

小池 わかりました(笑)。こちらも、もっとずる賢くやれということですよね。

室井 それで、安倍政権を倒してくださいね。絶対、絶対ですよ、期待しています!

(構成 編集部)
        


アッハッハッハ・・・・。
よくぞ言ってくれた。
て感じですね。
安倍親衛隊は良く組織されてるようです。
声をあげるのが怖くなる。

今日も江部乙に行っていました。人の出は昨日より多いようです。
懐かしい知り合いが訪ねてくれました。


室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第5回ゲスト 小池晃(前編)

2017年05月20日 | 社会・経済

安倍首相はどういうときにキレるのか? 室井佑月と共産党・小池晃が安倍のデタラメ国会答弁を徹底分析

        リテラ 2017.05.20

 

   安倍首相を倒すために、最近はこの対談連載を使って野党への“陳情”まで始めた室井佑月。でも、「民進党は逆に悪口大会になりそうだから行きたくない」らしい(笑)。じゃあ、誰を? と聞いてみたら、「いま一番たよりになるのはやっぱ共産党でしょ」「とくに安倍さんをしょっちゅうキレさせてる小池さんに陳情したい」。というわけで、第5回は、日本共産党書記局長の小池晃参院議員をゲストに招くことにした。

 小池議員といえば、室井の言うように、その鋭い質問でたびたび、安倍首相を追いつめ、逆ギレさせてきた国会質問の名手。前編では森友学園問題、北朝鮮危機の政治利用、共謀罪、2020年新憲法施行宣言など、安倍政治の徹底批判はもちろん、首相の天敵ともいえる小池議員に、安倍首相の国会答弁や政権運営がなぜあんなに横暴でひどいのか、を分析してもらった。

 小池議員の口から、普段は聞けない本音も飛び出す一方、室井が小池議員に“政治家の愛人事情”を指南する場面も。  

 室井佑月と共産党書記局長という、ちょっと意外な取り合わせの2人がタッグを組んで、どんな安倍批判を展開するのか?  乞うご期待!

共謀罪、新憲法施行宣言…安倍首相は民主主義の破壊者だ

 室井 いきなりですけど、あたし、安倍政権を倒したい! って本気で思ってるんですよ。この連載もそのために始めたんですけど、やっぱり国会で安倍首相と闘っている野党の方に直接、陳情するのが手っ取り早いと思って。それで、前回の自由党・山本太郎さんに続いて、今回は小池先生をお呼びしたんです。共産党には前々から言いたいことがいっぱいあったし。

小池 先生なんて呼ばないで下さいよ(苦笑)。

室井 もともとお医者さんだし、先生かなと思ったんです。じゃあ、小池さんで(笑)。

小池 最初からこわいなあ(笑)。でも、室井さんのおっしゃるように、本当に安倍政権は倒さないとダメです。憲法も平和も人権も民主主義も死んでしまう。

いままさに、共謀罪が強行採決されようとしていますが、政府答弁や自民党の法務部会長の発言でも明らかなように、共謀罪の目的はテロなんかじゃなくて、政府批判を取り締まることなんです。

室井 これが成立したら、日本は本当に恐怖国家になってしまいますよね。

小池 それと、安倍首相は2020年に新憲法施行するという宣言をしたでしょう。改憲は国会が発議するもので、行政の長である総理大臣が具体的な改憲日程を口にするのは完全に憲法違反。そんなことまでわからなくなってるのか、と思いました。

室井 しかも「俺の考えが知りたかったら読売新聞のインタビューを読め」とか答弁したんでしょう。小池さんも先日の国会で追及されてましたけど。

小池 国会よりも自分の応援団メディアを読め、って。国会軽視、ひいては国民軽視ですよ。それと、安倍首相は自民党総裁の立場で発言したと言っていますが、読売新聞では安倍首相インタビューになっている。二枚舌もいいところです。

室井 やりたい放題ですね。こういう状況を見ていると、どんどん危機感が強くなるんですけど、でも、本気になればなるほど、現実に安倍さんを倒すのが難しいことも痛感するんですよね。実は、森友学園問題が起きた時はこれでやっと安倍政権を追い詰められると思ったんです。ところが、北朝鮮のミサイル危機問題が勃発して、すっかり森友が隅に追いやられてしまったでしょう。このまま忘れられてしまうんじゃないか、とすごく危惧してるんですよ。

小池 いや、森友学園問題はこれからもまだまだ追及していきますよ。ただ、安倍政権はさまざまな問題を森友隠しに利用している感じはありますよね。

安倍に「犯罪者扱いは不愉快だ」と逆ギレされたとき小池は

 室井 マスコミもそれに乗っかって北朝鮮危機を煽りまくりましたからね。毎週のように「○日がXデーだ」なんて繰り返し言って、ワイドショーはまるですぐに北朝鮮からミサイルが飛んでくるようなことを言ってた。私は最初から、そんなのありえないと言ってたんですけど、全然相手にされなかった。ちょうどいちばん北朝鮮危機が盛り上がってた頃、その問題を特集している番組に出たんですけど、みんなが「北朝鮮からミサイルが落ちてきたらどうなるのか」なんて一生懸命叫んでいるから、「落ちてこないって。安倍さんたち、みんな外遊に行くでしょ? 花見もしてたでしょ?」と言ったんです。そうしたら、ネットで「このお花畑脳が!」「あのKY女を外せ! 番組に電凸しろ!」とか大バッシングされました(笑)。

小池 実は、日本のマスコミが一番騒いでいたんですけどね。でも、それも、安倍首相と政府が煽ったせいです。「メトロ止めるより、原発止めろ」ですよ。実は、本気で事を構えるなんてトランプも考えていなかった。アメリカも、北朝鮮との対話に前向きな姿勢ですし、韓国、中国、ロシアは6カ国協議の再開で一致しています。ところが、安倍首相は6カ国協議は「現時点でただちに再開できない」などと言いながら、背を向けています。

室井 安倍さんは国会で、「サリンを弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」とか答弁してたでしょ。何を言ってるんだろうと思いました。そんなの前々から言われてることだし、別に北朝鮮だけじゃなくどこの国だってできるだろうって。いいんですか、一国の首相があんな「夕刊フジ」の見出しみたいなこと言って。

小池 安倍首相は根拠を持たずに言い切りがちなんです。例の「そもそも」発言についてつっこまれたときの反応なんて典型でしょう。安倍首相が共謀罪について「“そもそも”犯罪を犯すことを目的としている集団でなければならない」と答弁したことについて、民進党の山尾志桜里氏が衆院法務委員会で、「だったらオウム真理教は“そもそも”宗教法人だから対象外か」とつっこんだんですが、安倍さんは「山尾さんは“初めから”という意味しかご存じないかもしれないが、辞書で念のために調べたら、“基本的に”という意味もある」と言い切った。でも、30冊くらい辞書を調べても、“基本的に”と書いている辞書はひとつもないらしいですね。毎日新聞が書いていましたが。

室井 安倍さんらしい(笑)。そういえば、小池さんは、国会で安倍さんに何度もキレられていますね。森友学園の問題でも……。

小池 3月1日の参院予算委員会ですよね。私は安倍首相に「昭恵夫人と籠池泰典理事長がいつからの知り合いなのか」と事実関係を質問しただけなんですが、突然逆上して、「妻は私人だ。いちいち、妻をまるで犯罪者扱いするのは不愉快だ」「本当に不愉快ですよ」「不愉快ですよ!」と、3回くらい「不愉快」とリピートし発言していました。私の方が不愉快でしたけどね(笑)。

室井 森友問題では、鴻池祥肇議員の口利き疑惑を追及したときも、安倍さん、キレてましたよね。

小池 あのときは鴻池議員の名前を出さずに「ある国会議員の事務所の面談記録」として読み上げたんですが、そしたら安倍さんが「あたかも私の事務所であるかのごとく印象操作して」と怒り出して……。なんでそういうこと言うのかなあと不思議に思っていたんですよ。実際は鴻池さんの事務所の面談記録だから、こっちは全然そんなつもりないのに。そしたら、翌日発売の「週刊文春」で安倍事務所に出入りしていた人が「私が口利きしました」という記事を載せていることがわかって、ああその件と勘違いしていたのかと。逆に、官邸の情報力って意外にたいしたことないなと思いましたけどね。

室井 でも、安倍さんがキレる時って、だいたい追い詰められているときですよね。そういう意味じゃ、小池さんはキレさせるのがうまい(笑)。

小池 すごくわかりやすい人だなと思います。先程言った不愉快発言もそうですが、もうひとつ、2015年にジャーナリストの後藤健二さんがイスラム国に殺害されたとき。あの直前、エジプト訪問中の安倍さんが、「ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるため、2億ドルを出す」と演説した。もちろんテロリストは絶対に許せませんが、私が同年2月3日の予算委員会で、「演説で(すでに後藤健二さんと湯川遥菜さんが拘束されていることを知りながら)危険が及ぶ認識がなかったのか」と聞くと、安倍さんは逆上したんです。これって、自分でも明らかに後ろめたさがあるからでしょう。

室井 それと、安倍さんって特に女性に対してひどい態度を取るような気がする。

小池 いや、たんに“女性”じゃなくて、“自分に媚びない女性”に対して、です。 “媚びを売る”ような女性に対しては、安倍首相は決して威張り散らしていません(笑)。自分より強い女性に対しては、敵対するというか、本能的に防御し、高圧的になるのかもしれませんね。

室井 たしかに、稲田朋美さんとかにはすっごく優しいですよね(笑)。

森友問題は「官僚の忖度」ではなく「昭恵夫人の関与」だ

 室井 でも、あの答弁とか、私物化、報道に圧力をかけるやり口などをみていると、安倍さんって勘違いしていません? 自分を、皇室まではいかなくとも、それに準ずる血だと思い込んでいる気がしてなりません。

小池 国会で、「我々の法律の説明は全く正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」なんて言うんですから。まるで「朕は国家なり」ですよね。

室井 だから、やっぱり絶対に、この政権を倒さなきゃダメなんです。そこで、さっきも話に出た森友問題なんですけど、今後も追及してもらえるんですね? 

小池 もちろん、やりますよ!  財務省は国民の財産を8億円も値引きしたプロセスをまだ一切明らかにしてないんですよ。こんなことが許されるはずがない。あの用心深い財務省が「資料は捨てました」なんてありえない。絶対に持っているはずです。それと、問題の本質はどう考えても昭恵夫人なんです。その行為は“忖度”などではなく、まさに“関与”です。ところが、昭恵夫人は、国会で説明するどころか記者会見さえもやっていないじゃないですか。Facebookに書いただけです。しかも本人が書いたものじゃないんじゃないかとさえいわれている。週刊誌などで「昭恵さんがこう言っていた」など報道されていますが、それは伝聞でしかない。国民の前で何も喋っていないんです。このまま終わらせるわけにはいきません。

室井 でも、民進党の中にも、ネトウヨのように「世界情勢が緊迫しているのに森友みたいなことをやっている場合じゃない」「森友なんかのつまらないこと」と、言い出している人もいると聞いています。

小池 つまらない問題なんかじゃありませんよ。さっきもいったように、国民の財産にかかわることだし、それに一番最初に、「私の妻も関与していません。関与していたら、総理大臣も国会議員も辞めます」と言い切ったのは安倍首相です。ここまで大問題にしたのは安倍さんの方なんです。その言葉の責任をとってもらわないと。もし、この問題をこのままうやむやにしたら、「野党はだらしなさすぎる」といわれてしまう。だから今、さらなる追及のために、新しい材料を探しています。加計学園の獣医学部開設も、安倍さんの関与の疑いが強まっています。徹底的に追及します。

室井 やったー! ぜひ期待しています。だって、このままだと、籠池さんがなんのために証人喚問に立ったのかもわからないし、総理の知り合いなら許認可が簡単に降りるとか国有地を安く買えるというのが当たり前になってしまう。

小池 政治家や官僚が嘘をついたり、文書をなくしてもいいんだということにもなります。無法状態ですよね。だから、とにかく終わらせるわけにはいかない。少なくとも、昭恵夫人に国民の前できちんと喋ってもらわないと。喋ったら、またびっくりするような話がでてきて、次の展開があるんじゃないかとも思っているんです。

室井 昭恵夫人は自分のためにも出てくるべきですよ。私がもし昭恵夫人の友達だったら、って考えたことがあるんです。昭恵夫人が救われる方法があるとしたら、これしかない! という方法です。国会に出て、「すべてわたしが悪いんです! 私がバカなために! もう離婚します!」と言ったら、昭恵夫人の株が急上昇すると思いません?  これから先の人生、離婚してもテレビに呼ばれたりして、目立ちたがり屋なあのひともそれがいいんじゃないかと思って。友達じゃないから教えませんけど。

小池 ……(笑)。

これまでの自民党政権になかった横暴、始まりは安保法制

 室井 森友問題だけでなく、大臣の暴言も大きな問題になっています。今村雅弘復興相が福島県などからの避難者を「自己責任だ」と言ったり、震災地が「東北でよかった」と言って辞任しました。

小池 山本幸三地方創生担当相の「学芸員はガン」発言、古屋圭司選挙対策委員長による「沖縄特有のいつもの戦術」発言、ほかには重婚、不倫が週刊誌で報道され辞任した経済産業政務官だった中川俊直さん。そろそろ、自民党が自爆する日が近いのではと思います。

室井 でも、中川さんってケチだったのかな。だって、他の議員の人だって、色んなところに愛人がいて子どもを産ませたりして、それをみんな知っているけど知らないふりをしているじゃないですか。そんな中で愛人に暴露されるのって、だいたいケチが原因ですよね。

小池 そうなんですか?

室井 私はホステスをやっていましたから。派閥によって、愛人を赤坂に住ませるか、六本木に住ませるか、神楽坂かなんてこともあるんでしょ(笑)。

小池 そういう情報、うちは弱いんで、今度レクチャーしてください(笑)。

室井 ただ、愛人や不倫は家族や個人的問題だから、呆れるだけでおしまいだけど、やっぱり許せないのは暴言ですよ。でも、辞めたのって、今村復興相だけでしょ。

小池 おっしゃる通り、一切責任をとっていないなんておかしいことです。今村復興相だけでなく、他にも、3人、5人の大臣が辞めていなきゃいけない。その代表が稲田朋美防衛相です。森友学園問題での答弁で、ほころびが次々と出てきたことに対して、「自分の記憶に基づき答弁した。虚偽の答弁をしたことはない」と言っていましたが、これが許されるなら、嘘をつき放題じゃないですか。めちゃくちゃですよ。ただ、予算委員会をやっているときは、どの大臣も呼べるし、時々テレビ中継もあって、野党がガンガン攻めの姿勢でいけますが、予算委員会が終わってしまうと、そういう場面を作るのが難しいんです。

室井 こういう安倍政権の暴言って、これからもっとどんどんひどくなるような気がするんですよ。わたしはコメンテーター歴20年近くて、小泉政権や第一次安倍政権のときからやっているんですが、昔は間違えて「自衛隊の派兵」と言ったら、すごく怒られていたのに……。

小池 「軍隊」と言ったらアウトでしたもんね。

室井 ですよね?  でも、安倍さんは「我が軍」と平気で言っていいます。それに、ちょっと前だったら、こうした状況下で武力行使を全面支持なんてしたら、「日本にもミサイルが飛んできて損害を被るかもしれないのに、なんてことを言うんだ。どういう外交をしているんだ」とボコボコにされるようなことだと思うんです。安倍さんのそうした発言をはじめ、安倍政権の人たちって問題発言がすごく多いでしょ。いつからこうなってしまったのか。じわじわともっと酷くなるんじゃやないかと。それが一番怖いんです。

小池 これまで、自民党が国会で絶対的多数を占めたことは何度もあったんですが、あそこまで、傍若無人なふるまいをしたことはなかったですよ。

室井 4月12日にも厚生労働委員会で、民進党の柚木道義さんが森友問題について質問したら、与党が一方的に審議を打ち切って介護保険制度関連法案を強行採決してしまいましたよね。

小池 本来、どんな質問をするかは自由なんです。介護保険の委員会だから森友のことを聞いたらいけない、けしからんから、強行採決なんてあり得ない話です。安倍政権になってからこうした異常事態が頻発しています。そのきっかけは、やはり一昨年の安保法制だと思うんです。戦後、自衛隊がこれだけ強大になりましたが、しかし憲法9条があるから海外で戦争はできないし、「集団的自衛権はさすがに無理」だとあの小泉純一郎元首相だって言っていた。でも、安倍首相がそれをひっくり返したことで、歯止めがなくなり、とにかく自分たちのやりたい放題にやっていいとなってしまったんだと思います。そのきわめつきが、冒頭で話した2020年の新憲法施行宣言ですね。

(後編に続く)

 小池晃 日本共産党書記局長、参議院議員。1960年生まれ。東北大学医学部医学科卒業後、医師勤務を経て、1988年の参院選で初当選。現在は3期目で、日本共産党で常任幹部会委員、政策委員長、副委員長などを歴任し、現職。

 室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビューし、その後テレビコメンテーターとしても活躍。現在『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『あさイチ』(NHK)などに出演中


今日の菜の花。人出も結構。


「共謀罪」 衆院法務委ー強行採決

2017年05月19日 | 社会・経済

衆院法務委で可決 与党側が採決強行

 組織犯罪を計画段階で処罰可能とする「共謀罪」の成立要件を改めたテロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案は19日午後、衆院法務委員会で自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決された。与党側が審議時間の目安とする計30時間(参考人質疑を除く)に達したとして、質疑終局の動議を提出し、採決に踏み切った。民進党や共産党などは「質疑が不十分だ」などと猛反発し、怒号が飛び交う中での採決となった。
 政府・与党側は23日以降に衆院を通過させ、6月18日までの今国会中の成立を目指している。

 この日の審議では、自民党の土屋正忠氏が「東京五輪を狙ったテロの動きなどを当然予想しなければならない」などと必要性を強調。民進党の逢坂誠二氏は「論点は山積している。生煮えの状態で採決するのは断じて認められない」と採決に反対し、「一般人も捜査対象になるのではないか」と懸念を示した。

 委員会開催に当たっては、民進党と共産党が18日の法務委の理事懇談会で、19日に採決しないことを確約するよう求めたのに対し、与党は「確約はできない」と応じなかった。そのため、鈴木淳司委員長(自民党)が職権で委員会の開催を決定した。

 与党側は当初、17日の法務委で採決する構えを見せたが、民進、共産、自由、社民の野党4党が金田勝年法相の不信任決議案を衆院に提出。同日の法務委は開かれなかった。不信任決議案は18日の衆院本会議で自民、公明、日本維新の会の反対多数で否決された。

 改正案の審議は法案提出前の今年1月から衆参予算委員会などで重ねられ、衆院法務委では先月19日に実質審議入り。捜査機関の乱用を懸念する声などに配慮し、自民、公明両党と日本維新の会は取り調べの録音・録画(可視化)の義務付けの検討などを付則に盛り込んだ修正を加えた。

 テロ等準備罪は、適用対象を「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と規定。集団の活動として、2人以上で犯罪を計画し、うち1人以上が計画に基づく「実行準備行為」を行った場合に、計画した全員を処罰可能としている。対象犯罪は当初の676から277に削減された。【鈴木一生、平塚雄太】

    


 北海道の夏は早い。春が短いというべきか?まだ2か月前は雪があったのだ。農作業も急ピッチだ。日中は暑いのだが夜には涼しくなり、最低気温は10℃を切る。ハウスも2重にしなければならない。それでも今夜は内側のビニールをあげたままにした。今季初めてである。でも、週間天気予報を見るとまだ2℃3℃という日があるので外すわけにはいかない。
 周りの田んぼも代掻き真っ最中。田んぼに水が入りカエルの大合唱が始まった。

 江部乙では「菜の花祭り」でにぎわっている。花のピークにはまだ早い。来週の土日あたりがピークと思われる。明日明後日は江部乙で作業をしながら人の流れを見ようと思う。お立ち寄りいただければ嬉しいのだが。


もう、おやめなさい!

2017年05月18日 | 社会・経済

 

森友「地下3m以深ゴミなし」で財務省窮地

        日刊ゲンダイ 2017年5月17日

   メガトン級の「籠池砲」だ。大阪市の学校法人「森友学園」の国有地激安払い下げ問題で、民進党プロジェクトチーム(PT)が16日開いた会合に出席した籠池泰典前理事長。小学校建設をめぐり、当時、森友の顧問弁護士だった酒井康生氏と京都市のキアラ建築研究機関、藤原工業などの間でやりとりされたメールを公開したのだが、その中身は仰天だ。ナント! 巨額値引きの根拠となった地下のゴミが「ナシ」と記されていたからだ。

  メールの中身をざっくり言うと、近畿財務局(近財)から、小学校建設地のボーリング調査データ「柱状図」の提出を求められ、その対応についてキアラと酒井弁護士が複数回にわたって対応を協議しているもの。「柱状図」は財務、国交両省が国有地払い下げの際に価格を算出した根拠資料だ。

 両省はこのボーリングデータなどを基に、地中9.9メートルまでゴミが埋まっていたとして、8億円の値引きを決めた――としているが、メールにはこんなくだりが出てくるのだ。

〈ボーリングした位置においては、約3m以深には廃棄物がないことを証明しております〉

  驚天動地とはまさにこのこと。ボーリング調査した業者自身が、3メートル以深にはゴミがないと認めていたのだ。つまり、近財に柱状図を提出したら、ゴミがないことがバレるため、どうしようかと協議していたワケで、結局、キアラは酒井弁護士に〈工事に関わるボーリング調査に関する資料は抹消いたしました〉と報告。しかし、これが事実であれば、ボーリングデータが抹消されたにもかかわらず、財務、国交両省はどうやって「地下9.9メートルのゴミ」を確認し、「8億円値引き」を決めたのか。これまでの国会審議が全て吹っ飛ぶ重大証言だろう。

  その謎を解くヒントは別のメールだ。キアラが、国交省航空局の「安地」氏に対し、〈(ゴミの)処分費単価を送らせていただきます〉〈ご用命いただいておりました小学校建設地のボーリング及び液状化の第三者資料を送らせていただきます〉という内容だ。

これを文面通り解釈すれば、業者がゴミの処分費用の積算資料を作り、国交省に伝えていたことになる。つまり、財務省は国交省が適正に値引き費用を算出した――と説明していたが、大ウソだったワケだ。

  さらにトドメは、近財管財部統括国有財産管理官の池田靖氏が、キアラや酒井弁護士宛てに送ったメールだ。

 〈当局としては5月末を目処に土地の評価額算定を実施し、森友学園との土地の売買契約を締結するべく、作業を進めたいと考えております〉

  〈瑞穂の國記念小學院開校に向けご協力いただきありがとうございます

 ■籠池氏とのガチンコ勝負から逃げる財務省

  財務省はこれまで、一貫して森友側と国有地売買について事前協議したことはないと説明してきた。それが〈5月を目処に締結〉なんて具体的時期を提示し、〈ご協力いただきありがとうございます〉だ。森友が国にお礼を言うなら分かるが、なぜ、国が森友にお礼を言うのか。アベコベだ。これぞ、財務省が「国立安倍晋三小学校」建設のために“忖度”して動き回ったという証左だ。

 これだけハッキリとした動かぬ証拠を突き付けられたにもかかわらず、相変わらず財務省はノラリクラリ。民進党PTに籠池前理事長と会合に同席するよう求められたのに、国会審議中を理由に“ガチンコ勝負”から逃げた。最終的に籠池前理事長と入れ替わる格好でPT議員の質疑応答に応じたが、例によって中尾睦理財局次長がチンタラと説明を続け、メールの中身についても「初めて見た」と言うばかり。ただ、新たな「籠池砲」に動揺を隠し切れなかったのも明らか。財務省が完オチするのも時間の問題になってきた。

さらに、 毎日新聞2017年5月17日

 加計学園計画

新学部は「総理の意向」 

 学校法人加計(かけ)学園(岡山市)が国家戦略特区制度を活用して、愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画について、民進党の玉木雄一郎氏は17日の衆院文部科学委員会で、文部科学省が特区を担当する内閣府から、「総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」などと言われたとする記録が存在することを明らかにした。松野博一文科相は「文書の存在を含め確認していないが、確認したい」と述べ、事実関係を調査する意向を示した。【伊澤拓也、杉本修作】

 内閣府、早期開学促す

  加計学園の理事長は安倍晋三首相の友人で、野党は「首相の友人が利益を受けたのではないか」と国会で追及し、安倍首相は国会で「加計学園から私に相談や圧力が働いたということは一切ない」と答弁している。

  衆院文部科学委員会で、加計学園に関する記事コピーを手に松野博一文科相に質問する共産党の大平喜信衆院議員。

 毎日新聞が文科省関係者から入手したA4判の文書によると、「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」と題された文書には「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」「これは官邸の最高レベルが言っていること」と早期の開学を促す記述があった。

  「(文科)大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」と題する文書には「設置の時期については(中略)『最短距離で規制改革』を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理のご意向だと聞いている」と書かれていた。

  また、この文書には「国家戦略特区諮問会議決定という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか。平成30年4月開学に向け、11月上中旬には本件を諮問会議にかける必要あり」との記載もあった。

  文科省関係者によると、一連の文書が作成されたのは昨年9~10月で、一部の文科省幹部で共有されたという。

  獣医師系の大学は全国で16あり、国は「質の確保」を理由に大学設置や定員増を制限しており、獣医学部は北里大が青森県に開学した1966年を最後に新設されていない。

  政府は昨年11月、規制緩和の一環で52年ぶりに獣医学部の新設を認める方針を決定。内閣府と文科省は今年1月、特例で1校の新設を認めるとの告示を共同で出した。事業者の公募に対して加計学園だけが申請し、文科省の大学設置・学校法人審議会で審査が進められている。

 加計学園の獣医学部新設構想

  岡山市の学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大が2018年4月、政府の国家戦略特区に指定された愛媛県今治市で獣医学部の開設を目指している構想。大学用地16.7ヘクタール(約37億円相当)は市が無償譲渡し、総事業費192億円のうち最大96億円を市と県が負担する。学園理事長が安倍晋三首相の友人で、特区に応募したのが同大だけだった点などから、野党側が国会で政策決定の経緯が不自然だと追及していた。


もう年貢の納め時。凶暴罪につき、お約束通り、もうおやめになったらいかがです。
あなたに「憲法」を語る資格無し!
アベの凶器「共謀罪」。
       


罵倒と裸芸―若者を守れ!

2017年05月17日 | 社会・経済

表向きホワイト企業にも罵倒と裸芸と長時間残業の闇

           毎日新聞 2017年5月12日 藤田結子 / 明治大商学部教授

 大型連休が明けました。新入社員は働き始めて1カ月が過ぎたころでしょう。職場になじめない「五月病」を感じる人がいるかもしれません。しかしその「なじめない」感じは、必ずしも本人だけの問題とはいえません。中には、職場や上司の側に問題があるケースも見られるからです。

 厚生労働省は10日、違法な長時間労働や賃金未払い、最低賃金法違反など、労働基準関係法令に違反した疑いで書類送検された全国の企業334社を、一覧表にしてホームページで公開しました。同省は、違法労働を根絶するための措置と説明しています。

 20代男性たちに入社1年目の経験を聞き取っていると、こうしたブラック企業でなくとも、過酷な働き方をさせられている実態がしばしば聞こえてきます。いくつかのケースを見てみましょう。

無意味な付き合い残業 毎日深夜1時まで

 康平さん(20代男性、仮名)は東京に本社がある大企業に正社員として就職し、1年目は支店に配属されました。彼は上司の命令で、毎朝7時ごろには出勤し、オフィスの掃除をしています。毎日の帰宅時間も遅く、サービス残業で深夜1時ごろまで職場にいます。月の残業時間は軽く100時間を超えます。

 といっても、新人の康平さんに特別な仕事があるわけではありません。上司が帰らせてくれないので、机に向かってパソコンで暇をつぶしながら、付き合い残業をしているだけです。

 職場での付き合い残業のほかに、取引先との接待もあります。康平さんは飲み会の間、酒瓶を持ち、ずっと立っていなければなりません。その間、何も口に入れることはできませんが、数千円の代金は毎回自腹です。

 康平さんは、「いつか結婚して子供がほしい」と思っています。が、長時間労働なので余暇時間が少なく、女性と出会う暇すらありません。異動がなく、同じ部署に長くいる可能性もあるため、この生活がいつまで続くかわかりません。将来の見通しを立てられないでいます。

パワハラは「指導」、セクハラは「文化」

 智也さん(20代男性)は、有名な大企業に正社員として就職しました。智也さんは入社当初の研修で失敗し、人事部に目をつけられてしまいました。その結果、「パワハラ四天王」と呼ばれる男性上司がいる営業所に配属されました。

 「パワハラ上司」は毎日、数十人いる社員たちの前で、新入社員の智也さんを大声で怒鳴りつけます。上司は、智也さんに仕事のやり方を教えもしないのに、「○○もできないのか!」「○○しろっていってんだろうが!」と大声で怒鳴ります。

 そのうえ、仕事の内容以外にも、智也さんのことをほかの社員と比較して、「お前はダメなやつだ」「ヘラヘラしやがって」と、人格を否定するような言葉で繰り返し叱責するのです。

 智也さんはストレスがたまり、うつ状態に陥りました。1年目の夏にはもう転職を考えましたが、将来安定して暮らしていけそうな転職先は見つからず、毎日耐え続けるしかありませんでした。

 大樹さん(20代男性)も人気の大企業に正社員として就職しました。大樹さんが配属された部署は、ほぼ毎日夜遅くまで取引先との飲み会がある部署です。どんなに疲れていても帰れず、飲み会後にまた会社に戻って仕事をすることすらあります。

 大樹さんはある時、仕事の飲み会の席で、下半身裸になって「芸」をするよう強要されました。学生のとき、周囲がどんなに羽目をはずしても、そこまでした経験はありません。とても恥ずかしいと感じましたが、職場の先輩たちに「嫌だ」とはいえない状況。泣く泣く言うとおりにしました。大樹さんは入社して半年後には、仕事をつらいと感じ、自信も失い始めたそうです。

 智也さん、大樹さんの上司たちは、人前で人格を批判することを「指導」、裸にすることを「文化」だと信じているようです。しかし、それは紛れもなくパワハラ、セクハラです。

若い男性にもワーク・ライフ・バランスを

 これらのケースの企業は、「ブラック企業」のレッテルが貼られていない、イメージの良い大企業です。3社とも「子育てサポート企業」として厚労相の認定を受けた「くるみんマーク」を取得しています。しかし若手男性社員には、長時間労働や過酷な働き方をさせています。

 各種の調査では、多くの20代男性が、将来的に子育てに積極的に関わりたいと答えています。しかし、このような企業の働かせ方や文化が変わらなければ、彼らの願いはかなえられないでしょう。

 子育ては女性だけの問題ではありません。国や企業は若い男性たちの人生を考えて、彼らの過酷な働き方を改善すべきです。本気で長時間労働を解消し、ワーク・ライフ・バランスを促進するときです。


 

 安心して結婚や子育てができる環境を意識的に追求しなければ「人口減」に歯止めはかけられない。若者を育て、守らなければ、この国はどこかへ行ってしまうだろう。パワハラ・セクハラ分子を見ると、ネトウヨを想うのは私だけだろうか?