里の家ファーム

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気候危機 想定外はあり得ない

2019年09月30日 | 自然・農業・環境問題

 東京新聞社説 2019年9月30日

 英紙ガーディアンは、激しさを増す異常気象への危機感を反映し、「地球温暖化」を「地球過熱化」と言い換えることにした。「気候変動」は「気候危機」とした。

 今月初め、カリブ海の島国バハマを襲ったハリケーン「ドリアン」の勢力は、五段階中三番目から最大の「カテゴリー5」へ、わずか二日で急成長を遂げている。米航空宇宙局(NASA)の観測によると、温暖化で米フロリダ沖の海水温が上昇し、「嵐の燃料」になっているという。

 温暖化による台風の異変は、ここ数年、日本でも明らかだ。

 日本近海の海水温も高くなり、上陸寸前に至ってなお、勢力を強める傾向がある。

 温暖化による台風の巨大化に関しては、かねて国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などが警鐘を鳴らしてきた。

 ところが「災害大国」と言われながらもこの日本では、気候変動に対する危機感が欧州ほどに強くなく、共有も進んでいないのではないか。その象徴が停電だ。台風15号による停電は千葉など七都県九十万戸におよび、懸命な復旧作業にもかかわらず、長引いた。

 今回の被害で、送配電網のもろさが露呈した。強大化する台風への備えが甘かったということだ。

 東電は「台風の大きさを考慮に入れず、想定が過小だった」と釈明した。原発事故を起こした東電に「想定外」はあり得ないはずではなかったか。温暖化の加速による「命にかかわる暑さ」の時代。エアコンは命の綱だ。「気候危機」に対応する送配電網の強靱(きょうじん)化、電源の分散配置は急務だ。

 二十三日、ニューヨークで開かれた「国連気候行動サミット」は、過去二回の「気候変動サミット」とは違い、「行動」の二文字が強調されている。

 サミットを前に、日本を含む世界約百六十カ国の若者が、具体的な気候対策を求めるデモを展開した。政治や企業、大人たちの不作為が、今現に多くの人の命を危うくし、若者たちの未来を脅かしているからだ。怒っているのはスウェーデンの少女だけではない。

 「気候対策をサボるのは、学校をサボるより悪い」。若い世代の訴えに大人として向き合う時だ。


今日からわたしは塗装屋さん。

 江部乙の家のトタンの塗装がはがれてひどい状態。これでは雪も滑りにくい。まずは、一番困難な急斜面から取り掛かる。足場は二連梯子のみ。ペンキを入れたバケツと刷毛を持てば,つかまる手はない。安全帯はしているが体全体でバランスを取らなければならない。天気もよかったが、汗がぽたぽたとトタン濡らす。止めて降りてきたら太ももがコチンコチン。ペンキ塗りに専念できるわけではないし、天気にもよるので、終わるまで何週間かかるかわからない。


「ニンジンの皮を」・・・・・

2019年09月29日 | 社会・経済

日経が消費増税対策で「ニンジンの皮を」…実質賃金大幅マイナス、企業の内部留保最大でも安倍忖度マスコミは国民に我慢を要求

  リテラ 2019.09.25

   消費税の税率10%への引き上げまでついに1週間を切ったが、そんななか、ネット上である記事が話題を呼んでいる。

「ニンジンの皮もおいしく! 増税に勝つ食べ切り術」

 これ、「オレンジページ」や「レタスクラブ」といった料理雑誌の記事ではない。なんと日本を代表する経済紙である日本経済新聞の記事(電子版21日付)なのだ。

 記事では〈食べられるにもかかわらず、捨ててしまう食品ロス。消費増税を前に、無駄なく、賢く食材を使い切る工夫を共有しよう〉とし、食品ロス対策に取り組む男女1000人に調査した結果として「ダイコンの葉 いためて」「ブロッコリーは茎や葉も使う」「ニンジンは皮ごと料理」といった提唱をおこなっているのだ。

 食品ロスを出さないようにすることは大事だ。でも、その理由が「増税に勝つ」って……。戦時中、「ぜいたくは敵だ!」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」といったスローガンで国民に国家への自己犠牲を強いた国民精神総動員のようではないか。

 だが、ネット民が騒然とするなかで、日経は「NIKKEI STYLE」というサイトでも23日付で「消費増税に節約で勝つ 日常生活品にこそ削る余地あり」なる記事を配信。「日常生活費を削減するため、まずは買わない生活を」「コンビニやスーパーで「買わない」に挑戦」などといった“マネーハック”を伝えている。

しかし、これは日経だけの問題ではない。テレビをつければ「駆け込みで買ったほうがいい商品は?」だの「キャッシュレス決済でここまでお得に!」だのといった情報に終始し、せいぜい「軽減税率が複雑すぎる」といったツッコミが入るくらい。新聞も似たようなもので、消費増税が大前提の話題しか取り上げず、報じるべき肝心の問題にはふれないのだ

 肝心の問題──それは言うまでもなく、この国のいまの経済はとても増税に耐えられる状態ではない、ということだ。

 実際、20日に厚労省が発表した7月の毎月勤労統計調査の確報値では、実質賃金が前年同月比マイナス1.7%を記録。マイナスとなったのは7カ月連続で、つまり今年に入ってずっとマイナスの状態なのだ。しかも、マイナス1.7%というのは3月のマイナス1.9%に次ぐ減少で、その上、7カ月中5カ月分でマイナス1.0%を超えている。

 さらに、景気動向指数の基調判断でも3・4月分で5段階ある判断のうちもっとも悪い「悪化」となった。5〜7月分では「下げ止まり」になったが、これも10月7日に発表される8月分では景気の現状を示す一致指数が前月比で0.1ポイントでも下落した場合、〈「悪化」に下方修正する条件がそろう〉という(共同通信9月6日付)。

 景気が「悪化」していると判断される可能性が高いなかで消費税を引き上げるなど、とてもまともな判断とは思えないが、その一方でまたしても「過去最大」を記録したのが、企業の内部留保だ。9月3日に財務省が発表した2018年度の法人企業統計によると、その額はなんと463兆1308億円で、過去最高を記録した前年度よりもさらに16兆6464億円も増加した。

テレビは消費増税の問題点に触れず、プレミアム商品券とポイント還元制度を宣伝

 安倍政権下で非正規雇用が増加し、実質賃金が減る一方で、企業は法人税の引き下げといった優遇を受け、内部留保は過去最高を更新しつづける──。消費増税というのは法人税を減税した分の穴埋めでしかないと指摘されているが、所得格差が改善せず高水準で横ばい状態のいま、よりにもよって低所得者ほど負担が大きくなる消費税を増税すれば、格差拡大はより深刻な問題になってゆくだろう。

 しかし、テレビはそもそも消費税の使途や、現在の経済状況で増税が実施されれば国民生活にどれほどの打撃を与えるかといった問題を掘り下げることもせず、前述したように「お得に買物ができるプレミアム付き商品券を活用しよう」だの「キャッシュレス・ポイント還元をおさらい」だのといった報道に終始している。本サイトは昨日の記事で、安倍政権がプレミアム商品券とポイント還元制度に74億円の「広報・宣伝費」をつぎ込んでいたことを指摘したが、この金がテレビに回っている結果ではないか、と疑いたくなるほどだ。新聞にしても同様だ。軽減税率の対象となったことで筆を完全に鈍らせ、消費増税をおこなうことの危険性を問い直すこともしない。

 こうした「消費増税は決定事項・不可避」という大前提に立った報道によって、国民も「仕方がないこと」だと擦り込まれ、景気が悪化していると示されても増税実施に大きな批判も起こらず、ついにここまできてしまった。まさしく安倍政権とメディアが一体となって正当化し、反対の声が大きくなることを封じ込めたのだ。

そして、大手新聞が「増税に勝つ食べ切り術」「消費増税に節約で勝つ」などと書き立て、生活の苦しさは自分の工夫で乗り切れと追い打ちをかける──。国民に痛みを押し付けようとしているという意味では、安倍政権もメディアも同罪なのである。

 *******

そんな中『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では・・・

 

 安倍政権の元内閣参与が玉川徹と意気投合し「老後2000万円報告書」隠ぺいと「消費税増税」を猛批判!「独裁者と変わらない」

  リテラ 2019.09.28  より抜粋

 今回の『モーニングショー』のテーマは消費税ではなかったが、藤井教授は「老後2000万円報告書」を了承せずにお蔵入りした件についても、麻生太郎財務相が「誤解を与えた」という理由で報告書を受け取らなかった問題を「誤解された方が仮にいたとしたら、きちんと説明すればいいだけの話です。だから誤解だから受け取らないというのは論理としてはありえないです」と批判。さらにこうつづけた。

「(麻生財務相が受け取らなかった理由のもうひとつは)『スタンスが違うから受け取らない』。それって『科学的には正しいけれども、政府のスタンスでは都合が悪いから』というように聞こえてしまいます。スタンスがいかなるものであろうと、科学的な事実は事実として受け取って、それでどういう政策判断をとるのかが政府がやるべきことです。しかしながら『スタンスが違うから受け取らない』というのは、これは言語道断です。ありえない!」

 あまりに真っ当な怒りだろう。たとえばこれを年金ではなく災害にかんする被害試算に置き換えて考えてみればいい。そこでは「科学的に正しくても政府のスタンスとは違うから受け取らない」なんてことが通るわけがないからだ。

「科学的事実というのは政府のスタンスの上に立ちます。真実なんだから。それを無視して政治をやるんだったら、独裁者と何も変わらない」(藤井教授)

 さらに、ここで番組レギュラーコメンテーターの玉川徹氏もこう呼応した。

「これは政府のせいですから、いままでの。『自分たちのせいでみなさんが不安になるということは認められない』ということなんですよ」

 安倍政権に対する不満を引き出す“不都合な事実”は認めない──。藤井教授も、老後に2000万円足りなくなるという数字の根拠になっている“毎月の赤字額が約5万5000円”というものは「有名な数字で、ずいぶん前から使っている」「この数字自体は当然ながら以前の報告書のなかでも答申で受け取っている」「『5万5000円は足りません、そこは頑張ってください』っていうのが政府のスタンスだった」と指摘していたが、本サイトも当時いち早く報じたように「5万5000円の赤字」は金融庁独自の試算などではなくそもそも厚労省の提出したデータによるものだ。それを突如「受け取らない」とし、安倍首相も「不正確であり、誤解を与えるものだった」などと否定にかかったのは、参院選を控えていたからにほかならない。つまり、「政府のせい」と言われないように、自分たちが認めてきた事実さえなかったことにしてしまったのである。

 一体、この政権は同じことを繰り返すのか。森友問題では公文書を改ざんし、働き方改革ではデータを捏造した。そうした事実を踏まえ、コメンテーターの吉永みち子氏もこう言及した。

「やはりそうやって(都合が悪いから認めないと)やってゆくと、国民が著しく不安になる、不安を持つからそれを批判する、その道筋がなくなりますよね。そうすると、その不安を与えるようなことは一切隠蔽されると。そういうことになると、かつてのね、大本営発表と同じことになってしまうわけで、大変に由々しき事態。

 こればっかりじゃなくて。これ(2000万円報告書)はまだとりあえずHPで見られるわけですよ。だけども、いままでずっと見てると、『つくらない』とか『隠す』とか『あるべきものがない』とか、もっと言えば改ざんとか捏造とかも含めて、ここ数年すごく多いことが、国民としてはすごく気になっています」

 安倍政権にとって不都合なことがすべて隠蔽されていく──。吉永氏のこの指摘に対し、玉川氏もさらにこう言葉を重ねた。

「国民をね、舐めてるんだと思いますよ。政府は。はっきり言えば。『だって、いままでもいろんな問題があったけれども、支持率高いじゃねえか』と。『だから今回だって、なかったことにしても別に国民は怒んねえよ』と、麻生さんは思っていると私は思いますよ」

 そして、内閣参与として安倍首相のブレーンだった藤井教授に、玉川氏はこんな質問をぶつけたのだ。

 玉川「藤井先生にちょっと訊きたいんですけど、藤井先生は安倍内閣の官房参与をやっていたんですよね。安倍総理とも、何回も何回も経済の問題を話されてるわけでしょ? で、今回のこの問題っていうのは、2000万円問題じゃなくて、不都合な真実はないことにするということなわけですよ。今回のこの話は」

 藤井「国民にそう言われても仕方がない」

 玉川「そうでしょ? で、安倍総理って、そういう人なんですか? いわゆる、これ安倍内閣として受け取らないわけでしょ? さっきから麻生大臣、麻生大臣って言ってたけれども、結局、内閣のトップは安倍総理なわけだから。そういう人なんですか? 安倍総理って」

 安倍首相は不都合な事実はないことにする人なのか──。この直球の質問に対し、藤井教授は「そうじゃないと僕は信じたいですけれど」と回答したが、これにも玉川氏は「信じたいじゃなくて」と食い下がった。藤井教授は「そういうふうに見えてしまいますよね」と言うにとどまったが、一方でこうも指摘した。

「容易に想像できると思いますけど、これだけ(金融庁のワーキンググループの委員が)議論して報告書をまとめてHPに載せているのに受け取ってもらえなかったら、委員はやっぱり忖度、絶対します。これから。受け取ってもらえなかったら意味ないですから」

政権にとって都合が悪いと判断されれば、いくらいままで認めていた数字でも受け取り拒否にする。その結果、引き起こされるのは忖度だ。つまり、安倍首相はやはり「不都合な事実はないことにする」張本人ということではないか。

藤井聡が「消費増税で12%賃金が下がる 戦後、こんな総理大臣はいない」

 “安倍首相が主犯”という問題については直接言明しなかった藤井教授だったが、この「老後2000万円報告書」をお蔵入りにし、国民に不安が広がってしまったことがいかに経済に打撃を与えるかについては、鋭くその責任を追及した。

これが、ものすごくいまの日本の経済を疲弊させるんですよ。なぜかというと、これからね、国民は不安になります。どうするかというと、たとえば給料30万円もらいました。いつも20万円使ってました。でも心配やから15万円にします。そうしたらその方の貯金は増えるかもしれないけれど、その方が使っている5万円が市場に回らなくなるんですよ。これ、1億人が5万円使わなくなったら、すさまじく経済、疲弊するんですよ」

だからこれは“2000万円デフレ”を引き起こすんですよ。しかもこれで消費税、増税するんでしょ? 日本ぐちゃぐちゃになりますよ」

「みんなが貧乏になったら所得が減るから所得税も減って、政府の収入も減るんですよ。政府の収入が減ったらどうなるかと言うと、19万円の年金すら18万、17万円になるんですよ。これ、とんでもない悪影響をもたらします」

「(報告書をお蔵入りにしたことで)政府に対する信頼がなくなっただけじゃなくて、将来に対する信頼もなくなった。97年の消費増税以前ってインフレ、ようするに経済が成長していたんですよ。経済が成長しているときというのは、20歳の子とかは『30歳になったらこれくらいの給料やな』と。30歳の人は『40歳やったらこれくらいの給料になる』と。だから30代とかで家を買ってローンを組んで借金を返すとかできたわけですよ。だけど、いま景気がすごく悪い、で、将来2000万円足りないかもしれん、そうしたらいまどうしたらいいねんってことで、将来に対して不安だらけで、お金使わなくて、なけなしのお金を貯金して、自分は百均に行くと。極貧生活になって、みんな百均に行くからお金が回らないからもっと貧乏になる。で、政府に10%の消費税をぶっこ抜かれていくわけですよ。これはね、日本経済の地獄ですよ、これから」

 今後、日本経済は地獄になる──。さらに藤井教授はこうつづけた。

「資産を形成しないと、我々未来がないわけですよ。で、資産を形成するにはどうすればいいかというと、我々の月々の給料が上がることが必要なわけですよ。にもかかわらず、我々の給料は消費増税によって低減させられているんですよ。安倍内閣下でね、消費増税を3%にしたときに、サラリーマン給与って3%下がったんです。で、それからさらに3%下がって、今度の2%の増税によってさらに2%下がるんです。で、それを長期的にみると、1割から1割2分くらいの賃金が下がります」

 そして、藤井教授は強い口調で、このように断言したのだ。

「戦後の総理大臣で、12%も賃金を下げた総理はいない! これは由々しき事態だと国民のみなさんに知っていただきたい。消費増税が原因です、これは」

 予定どおりに消費増税を実施すると安倍首相が公表してから、ワイドショーでここまではっきりとした消費増税批判、さらには安倍首相の責任が言及されたことがあっただろうか。しかも、今回の番組の特集テーマは「老後2000万円報告書」問題だったが、これは結局のところ安倍政権の経済政策につながる問題なのだと藤井教授は指摘したのである。

 不都合な事実はなかったことにして、国民の不安や不満、さらには批判を封じ込め、玉川氏が言ったように国民を舐めきって「いろんな問題があったけれども、支持率高いじゃねえか」「なかったことにしても別に国民は怒んねえよ」と高を括ってきた安倍政権。その結果、来週にはついに消費増税が実施される。「不都合な真実はないことにする」安倍首相の一貫した姿勢が、ついに「地獄」に向けて動き出す──。この現実の切迫感を、一体どれほどの国民が認識しているだろうか。

 


ゴーヤ

雲南百薬(オカワカメ)

亜麻

草花



「環境汚染大国」

2019年09月28日 | 社会・経済

日本は「環境汚染大国」という世界の評価と進次郎大臣「ステーキ」発言の波紋

  BUSINESS INSIDER jp

   津山恵子 2019/09/27

   小泉進次郎環境相の言動が厳しい視線に、さらされている。だが、それは小泉氏一人の問題だろうか。大臣の言動は、図らずも日本全体の気候変動問題に対する関心の薄さや無知を晒してしまったのではないだろうか。

   日本メディアを引き連れ、ニューヨークのステーキ屋に行った小泉進次郎・新環境相のビデオを見て、目を疑った。

環境大臣という環境問題で日本を代表する公人が「気候行動サミット」に参加するために来たニューヨークで、ドヤ顔でステーキ屋に行くのを喧伝するセンスのなさ。それをテレビでニュースであるかのように放送するメディア。

   放送したTBSによると、小泉氏は「毎日でもステーキを食べたい」と話していた。TPOを完全に間違えている。

   牛肉、豚肉、鶏肉などの畜産業界は、農場で多大な土地と水を汚染し、加工や輸送にも多くの二酸化炭素を出すため、「地球汚染ビジネス」の代表格とみられている。少なくとも欧米では環境問題を語る上では“常識”とされ、肉を食べないベジタリアンになる若者も増えているというのに、信じられない発言だ。

   その後、その問題をメディアから指摘されると、小泉氏は、

「(ステーキ屋に行ったことが)ニュースになるのなら、環境問題を考えるいいきっかけになる」

と発言、半ば開き直ったような感さえある。

   サミットのわずか3日前の9月20日には、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)の呼びかけで、163カ国で約400万人もの子どもや若者が平日に教室から出て「グローバル環境マーチ(欧米では#ClimateStrike)」を行ったばかりだ。

   ニューヨークのグローバル環境マーチでは、畜産工場の禁止を訴えて、牛のマスクをかぶって歩いている若者らがいた。子どもらが手製で持ち寄ったプラカードにも「ノー・ミート」と書いてあるものもあった。

NYの公立校では週1肉なしの日

   ニューヨーク市は学校給食による地球温暖化ガスを削減するため、2019年9月の新学期から、月曜日は肉なしのメニューに切り替えている。肉を消費しないことで、生徒の健康と、地球の健全さも維持しようという「ミートレス・マンデー運動」の一環で、全米に広がっている。米農務省は、メニューのガイドラインも作成している。

   環境相が、公然とステーキ屋に行くのが批判される理由は、以下のデータでも明らかだ。

   肉を食べる人は、地球温暖化ガスの排出量が完全菜食主義者であるビーガンの2倍以上とされる(米農務省による)

   肉、乳製品、皮革製品、ウール製品など家畜に関連するビジネスは、人間に起因する地球温暖化ガスの14.5%を占める。その中で、牛肉が占める割合が一番高い(国連の食糧農業機関による)

牛肉113グラムで車で10キロ超走るのと同じ温暖化ガスが排出される(非営利団体「エンバイロンメンタル・ワーキング・グループによる)

脱火力発電に向けての沈黙

   同時に、小泉氏が環境相にふさわしくないことが、気候行動サミット中の記者会見でも露呈した。

   海外メディア記者(やり取りは英語)「石炭は温暖化の大きな原因だが、脱石炭火力発電に向けて今後どうしますか?」

小泉氏「減らす……」

記者「どうやって?」

小泉氏「……(6秒間沈黙)。私は大臣に先週なったばかりです。同僚、環境省スタッフと話し合っています」

環境省が想定問答を作成していなかったはずはないだろう。つまり、小泉氏が政策や世界の動向を注視していないとみられる。

   日本では、大量の二酸化炭素を出す石炭火力発電の割合が高いことは、海外の環境運動家から批判の的だ。国連のグテーレス事務総長は、2020年以降の新規建設をやめるように加盟国に何度も要請してきた。欧州では、将来的に火力発電からの撤退を決める国が相次いでいる。

ベルギーは2016年までに欧州連合(EU)で初めて、火力発電ゼロを達成。フランス、ドイツをはじめ、欧州の10カ国以上が、稼働ゼロか段階的削減を宣言している。

   もちろんこの他にも物議を醸した「セクシー発言」もあった。当初日本ではセクシーという言葉尻を捉えての批判が多かったのだが、海外のメディアでの批判の本質は用法でなく、火力発電についての質問に答えられず、気候変動に対する「より効果がある」政策を表明できなかったことに向けられている。

日本の環境相は、皮肉的な石炭依存緩和についての失言を乗り越えられるか(CBS)

気候変動に関する小泉氏の「セクシー」発言、一部の日本人(活動家)には空虚に響く(ロイター)

日本は環境汚染大国

   国連のグテレス事務総長は、気候行動サミットで、「77カ国が2050年までに、地球温暖化ガスの排出を実質ゼロにするとの目標を掲げた。70カ国が2020年までに国としての対策を強化させると表明した」と宣言した。

米テレビ局ABCは、この77カ国に「炭素汚染大国である中国、アメリカ、インド、ロシア、日本は含まれなかった」と報じている。

   自然エネルギー財団によると、日本の発受電電力量に占める火力発電の割合は1990年に9.7%だったのが、2016年には32.3%になった。電力量の3割でも、発電による二酸化炭素の排出は全体の5割に及ぶ。欧州と異なり、廃炉計画も少ないという。

   その上でに福島第一原発の事故による処理水の海洋放出問題を巡って、海洋汚染をする「環境汚染大国」という認識も定着しつつあり、海外投資家は日本の電力会社や関連企業への投資から撤退しているという。今回の気候行動サミットで、大手銀行が環境汚染企業への投資をやめる発表もしており、今後日本のエネルギー関連業界への投資撤退が広がる可能性はある。

日本の政府と企業は、国民の間にこうしたニュースが広まっていないのをいいことに、効率を求めて、環境汚染度が高いビジネスモデルを取ってきたとも言える。

 

   16歳のトゥンベリさんは、環境運動のために長期にわたって学校に行っていない。気候サミットでの演説では首脳らを前に、こう怒りをぶつけた。

「皆さんは、口先だけの発言で、私から夢と子ども時代を取り上げた。人々は苦しみ、死んでいるのに」

このような中、日本も環境相もそろって、環境問題に対する真剣な姿勢を示さなかったことが、国際舞台で露呈した。

(文・津山恵子)


狂ってる!!


仁藤夢乃“ここがおかしい”第33回辺野古ゲート前でこぼう抜きされる

2019年09月27日 | 社会・経済

imidas連載コラム 2019/09/26

10代の女の子たちと沖縄へ合宿に

五輪と旭日旗 持ち込み許容の再考を

2019年09月26日 | 社会・経済

 東京新聞社説 2019925

   来年の東京五輪で、競技会場への旭日(きょくじつ)旗の持ち込みが認められる見通しだ。しかし、この旗は、歴史的な経緯もあり、周辺国からの反発を生みかねない。大会の成功のためにも再考を求めたい。

 韓国政府は、旭日旗について「周辺国家に過去の軍国主義と帝国主義の象徴と認識されている。ナチスのハーケンクロイツ(かぎ十字)のような戦犯旗」と主張、国際オリンピック委員会(IOC)に持ち込み禁止を要請した。

 これに対して日本政府は、旭日旗のデザインは、大漁旗など民間で広く使われており、「政治的宣伝にはならない」として、問題ないとの立場だ。橋本聖子五輪担当相も同じ考えを表明している。

 旭日旗は、ドイツのかぎ十字のように法律で利用が禁止されているわけでなく、自衛艦旗として使用もされている。

 しかし、大漁旗、社旗などに使われているのは、太陽の光を象徴する一部のデザインにすぎず、民間に普及しているという日本政府の説明には、無理がある。

 過去、旧日本軍の軍旗などとして使われていたのは歴史の事実だ。さらに日本国内では、今も軍国主義やナショナリズムのシンボルとしてしばしば登場している。

 この問題は、サッカーに前例がある。二〇一七年に韓国京畿道の水原で行われた韓国チームとの試合で、川崎フロンターレの一部サポーターが、旭日旗を掲げた。

 アジア・サッカー連盟(AFC)は旭日旗を、「攻撃的、挑発的な内容を含んだ横断幕や旗」であると認定し、フロンターレに罰金などの制裁を科している。

中国でも問題が起きている。〇一年、人気女優が雑誌のグラビアで、旭日旗をあしらった服を着用したところ、「国賊」などと激しい非難を浴び、謝罪した。

 〇八年の北京五輪では、現地の日本大使館が日本人観客に対し、競技場へ旭日旗を持ち込まないよう文書で呼びかけている。海外の試合はだめだが、自国開催の五輪なら問題はないのか。日本政府の姿勢は矛盾している。

 IOCは、「競技会場は、あらゆる政治活動と無縁であるべきだ」とし、推移を見守っている。懸念には個別対応する方針だ。

 そもそも五輪は、「人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の推進」を、目標としてうたっている。競技に集中できる穏やかな環境を準備することも、主催国の大切な役割だろう。


 さて、自国開催のラクビ―ワールドカップどうでしょう。わたしはTV見れないのでそこまで気が付きませんが。さらに韓国戦だけに「旗振り」が現れるののなら、それはもう明らかでしよう。

 すっかり寒くなりました。
ここの今朝の最低気温2.2℃、江部乙5℃でした。
今月末には例年霜が降りるのですからもうそろそろです。

バターナッツ・パンプキン

 粘質系なので煮物には不向きです。洋風な料理向きです。

  一般的な南瓜は外皮が固く、包丁を入れるにも大変な作業になりますが、このバターナッツは、皮も薄く簡単に、大根の皮をむくようにむくことが出来ます!女性に嬉しいですね~♪

 

 Batanattu Batanattu_2

 

スープ、プリン等に適します。

 キメが細かく、繊維が少ない肉質で、しっとりした南瓜なので、スープにするとサラサラした感じになります。おすすめの料理は、まずポタージュです。滑らかでコクのあるスープは絶品!バターや牛乳などの乳製品を加えた料理が合うので、煮物などよりコロッケやプリン、カボチャタルトなどに向いているようです。他にケーキ、パンにも向いています。ベーコンとの炒め物もいいです。粉々になるまで煮込み(10分程度)市販のクリームシチューのルーを入れるだけでも美味しいスープが出来上がります。

 保存性もよく、春まで保存できます。

固定種ですので、種を保存して春撒いてみましょう。



雨宮処凛がゆく! 第496回:名付けられない空気の問題〜暴走する言葉〜の巻

2019年09月25日 | 社会・経済
マガジン9  

 台風被害が深刻な9月11日、第4次安倍次改造内閣が組閣された。

「千葉の惨状を放置して組閣かよ」という非難の声と同時に、その布陣にも疑問の声があちこちから上がっている。

 IT担当大臣が78歳の「はんこ議連」議員だったり、文科大臣がよりによって疑惑だらけの萩生田氏だったり、「気候変動問題はセクシー」発言で何かを極めた感がある小泉進次郎氏が環境大臣だったり。その上、今井絵理子氏が内閣府政務官に抜擢され、防災、原子力、宇宙開発、男女共同参画など17分野を担当するというのだからいろいろ不安でたまらない。

 だけどそういうことに対して、いちいち「本気で」怒る気力も湧いてこない。なぜなら、どれほど怒りを表明しようとも、政治に関心のない大多数の層からしたら、「意味不明な理由でギャーギャー文句を言うだけのヤバい奴」にしか見えないことを、嫌というほどわかっているからだ。

 「野党がクレーマーにしか見えない問題」もそうだけど、ここ数年、内容云々の前に「コミュニケーションの作法・様式」によって聞く耳をまったくもってもらえないどころか「おかしな人」扱いされるという現実に辟易している。

 例えば私は2006年からいろんなことに怒って運動をしているが、13年前、「怒ってる人」はここまでタブーな存在じゃなかった。少なくとも、「怒ってる」だけで引かれるような状況は今ほどなかったように思う。当時から「怒り」は「取り扱い注意」の感情だったけれど、「怒ってる人」はまだ許容され、正当な怒りを表明すればきっと誰かが賛同してくれると思えるくらいには、この社会への信頼があった気がする。だから、怒れた。

 しかし、今。

 例えば年金2000万円問題に怒る野党に、私の知人は「年金もらえないなんて前から分かりきってることなのに、そんなことで大騒ぎして仕事してるふりできる野党って楽だよなー」と、与党ではなく野党を批判し、呆れてみせる。怒っている人間、お上に逆らう人間、空気を読まない人間は嘲笑され、無視されるような空気。高校生が政治の話をしているとTweetすれば、文科大臣に「こうした行為は適切でしょうか?」と絡まれ、選挙でヤジを飛ばせば警察に排除される。発言の内容云々より、「感情をむき出しにしていること」「逆らうこと」「スマートじゃないこと」「洗練された作法でないこと」が憎まれる。

 そんな空気について、ずっと考えている。

 いつからこれほどに「怒る」ことはタブーとなったのか。そして、いつからこれほどに「変えられない」「何をしても無駄」という空気が強固に作られたのか。

 自分の運動歴から振り返ると、10年前、09年は派遣村で年が明けた。貧困問題が大きく注目され、それを放置し「自己責任」と突き放し続ける政府への怒りがその年9月の民主党への政権交代へと繋がった。

 11年には東日本大震災が起き、全国各地で脱原発デモが相次いだこの年は「市民デモ元年」なんて呼ばれた。翌12年には原発再稼働に反対して、毎週金曜日、10万人が官邸前に集まり、その現象は「紫陽花革命」と呼ばれた。「原発がメルトダウンして、民主主義が再稼働した」。そんなふうにこの現象を語る人もいた。

 15年には安保法制に反対する運動が広がり、国会前を10万人が埋め尽くすような光景が発生した。大学生や高校生も声を上げたことがメディアの注目も集めた。

 そうして、今。

 第二次安倍政権が始まって、7年。自分が以前のようには怒れなくなっているのを感じる。そもそもこの国で怒るには瞬発力を鍛えておくことが不可欠で、私はずっと鍛えてきたつもりだ。が、鍛えてきた瞬発力で怒ると、たちまち「言葉の通じないヤバい奴」扱いされるのを感じる。さっと引かれるのがわかるのだ。それを如実に感じるようになったのはここ数年のことである。

 そんなこんなを考えていて思い出したのは、16日に出版した『この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』で対談した、批評家で元障害者ヘルパーの杉田俊介氏の言葉だ。

 「『権威主義パーソナリティ』とか『自発的隷従』という言葉がありますが、強い者、権威ある者の考えそうなことを下の人間が先回りしてやってしまう。わかりやすく言えば『忖度』ですね。権力者が命令してやらせるのではなくて、支配される側が自分からそれを正しいと思って実行するというのがポイントです。
 かつてハンナ・アーレントは、上官の命令に従ってユダヤ人の大量虐殺を実行したアイヒマンを『凡庸な悪』と形容しましたが、それよりも進んで、統治者が望みそうなことを勝手に推測して実行してしまう。まさに『忖度する悪』です。その結果、現実には社会的弱者に近い人でも、トランプや安倍晋三といった権威と一体化することで自分が優越した存在であるかのように思えるのかもしれません」

 忖度。災害を放置しての組閣。だけどそれほど高まらない怒りの声。それどころか声を上げる人を寄ってたかって叩くような風潮。

 きっと、何かのタガが外れているのだと思う。同時に、言葉が恐ろしいほどに軽くなっているのだと思う。

 例えば相模原事件から2ヶ月後、アナウンサーの長谷川豊氏は「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!」とブログに書き、それは当然、大炎上したが、その後彼は、日本維新の会の公認候補となっている。そういうことに私は怒りを感じるけれど、もう怒っても無駄なのかもしれないとも思ってしまう。昨年の杉田水脈氏の「生産性」発言もそうだ。そうして丸山穂高氏の「戦争」発言。北方領土での発言のみならず、竹島についても「戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」とTweetした。そんな丸山氏が入ったN国の政見放送や立花氏の発言の数々。

 言葉が暴走している。暴走しているのに、ひどく軽い。

 例えば映画『主戦場』を見た時、驚いたのは右派が使う言葉だ。それは私の全く知らない、だけど右派の間では広く共有されているロジックに満ちていて、同じ言葉を使っていてもまったく話が通じないような感覚に愕然とした。同じ日本語を使っているのに、話がまったく通じない。このようなことがこの国でかつてあっただろうか?

 一方で、リベラルと言われる人々が使う言葉にも疑問を感じることがある。

 例えばリベラル系の集会に行くと、ごくたまにだけど「安倍政治を許さない」と繰り返しているだけ、みたいな集会もある。それは完全に「身内の言葉」で、政治に無関心な層の心には何も響かないだろう。そんな時、言葉に対して「サボっている」と悲しくなる。

 最近、ある勉強会に参加して、日本がこの20年ほどでどれほど自己責任社会になったかという事実を改めて突きつけられた。私が物心ついた時に存在した「一億総中流社会」から、信じられないほどかけ離れた競争社会に私たちは住んでいる。もはやあの頃の日本は影も形もないような状況。そこでは他人はすべて競争相手で蹴落とす対象でしかない。「人の命を財源で語るな」。第二次安倍政権になってから、生活保護引き下げに抗議してそんな声を上げてきたけれど、年々その言葉が届かなくなっている理由もわかった気がした。

 そうしてふと思い出したのは、やはり『この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』の一節だ。

 私との対談の中で、はからずも杉田俊介氏とソーシャルワーカーの向谷地生良氏は、まったく同じ出来事に言及している。それはAIをめぐる、あるエピソード。向谷地氏は以下のように言っている。

 「実は、あの事件の年の3月に、ひとつ記憶に残っていたニュースがあるんです。マイクロソフトが開発したAI(人工知能)の実験で、インターネットにAIを接続したら勝手に学習して、ユダヤ人のホロコーストを否定したり、ヒトラーを礼賛するような発言をするようになったので開発が中止されたというものです。なので、7月に相模原の事件が起きたとき、何がざわっとするものがあったんです。もしかしたらあの青年も、このAIと同じような影響を受けていたんじゃないかと」

 杉田氏は以下のように語っている。

 「彼が事件前後に書いているものを見ても、一貫性なくいろいろな主張をしていて、なんというか、彼自身がAIかBotのようにも思えます。ネット上を飛び交う言説を吸収してディープラーニング(深層学習)をくりかえすうちに、そういう発想を偶然持ってしまった、というような」

 「たとえば認知科学の分野では、二重構造論というのがあるそうです。人間の脳の中で、理性というのが非常にスローで、マニュアル対応しかできない。感情というのはそれに対して速く、かつ自動的に反応するので、人間の行動の中で一見非合理な現象というのは、理性と感情の反応速度の差が生み出すんだ、という議論です。人間というのはそういう二重構造がもともとあって、そのずれが人間として重要なのですが、グロテスクなマジョリティの人々は、そういうズレそのものを感じさせない。そこには理性的な判断がなく、非常に幼稚な感情とネット上の言説のデータベースが粗雑に直結されているような人格性。そういう感じがします。外部の情報環境に溢れる悪意を吸い込んで自分の思考に組み入れてしまう、AIのような人格というか。以前、AIをネットに接続したらヒトラーを礼賛するようになったというニュースがありましたね。そういうキメラ(複合生物)的な人格として、他人から見ると恣意的にしか見えない生命の線引きを、なぜか確信を持ってやってしまっている」

 なんとなく、言いたいことはわかって頂けるだろうか。

 私はずっと相模原事件がひっかかって仕方ないのだが、その理由のひとつに植松被告自身の存在が妙に空虚で、「実存」的な悩みや叫びが感じられないということがある。その点と、AIの話は妙に符号するのだ。彼はこの世界から何かを「受信」してしまったのだろうか。そして昨今の、暴走する言葉を吐く人も。

 いろんな悪意が溢れている。ネットにも、リアルにも。そこには様々な陰謀論も転がっていれば、歴史修正主義も猛威を振るっている。

 そうして今、私たちの前に広がっているのは、たとえそれがフェイクだとわかっていても、「見たいものしか見たくない。信じたいものしか信じない」という「決意」の前に、「真実」は無力だという事実だったりもする。

 データや根拠を示せばいいと楽観的に信じていたけれど、今やそれすら無意味になっているのを感じる。最近、精神科医の香山リカさんがTwitterで徴用工の話を書いたことをご存知だろうか。香山氏の亡き父親が過去、徴用工が虐待されているのを見たという話だ。そのTweetに対して「嘘つき」などのコメントが押し寄せた。「証拠を出せ」という人に香山氏が徴用工についての本を紹介したところ、「本は証拠として弱い」「時間を有意義に使いたいから読まない」という反応だったという。

 そういう空気の中で、丁寧な調査報道とか、真実を探るルポルタージュとかがどんどん無力化されているような気がする。言葉は軽くなり、一方では暴走し、AIにディープラーニングをさせればヒトラーを礼賛するような世界で、何をどうしてどうやったら今の異常さを伝えられるのか、もはや途方に暮れている。

 なんだかものすごく抽象的なことばかりの原稿になってしまった。

 だけど今、私が一番ヤバいと思うのは、「〇〇問題」と一言では決して名付けられようもない、こういう問題である。バラバラに存在する、だけど絶対に無関係ではないものたちの関連が、私たちに日々与える影響について、である。


強烈!涙が出そう。(グレタ・トゥーンベリ国連スピーチ)

2019年09月24日 | 自然・農業・環境問題

グレタ・トゥンベリ9/23 @国連 気候行動サミット 2019

 

グレタ・トゥーンベリさん、国連で怒りのスピーチ。「あなたたちの裏切りに気づき始めています」(スピーチ全文)

温暖化対策に本気で取り組まなければ、「あなたたちを許さない」と大人たちを叱責した

 

「再エネ転換 徹底変革を」 国連本部で「若者気候サミット」

2019年09月23日 | 自然・農業・環境問題

  東京新聞 2019年9月23日 朝刊

21日、「若者気候サミット」で温暖化対策の強化を訴えるグレタ・トゥンベリさん(中)。左はグテレス事務総長=AP・共同

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 【ニューヨーク=赤川肇】各国首脳らが地球温暖化対策を話し合う二十三日の国連気候行動サミットを前に、関連行事「若者気候サミット」が二十一日、米ニューヨークの国連本部であった。次世代を担う十代、二十代の環境活動家らが政治家や企業経営者らに「化石燃料から再生可能エネルギーに転換するために徹底的な変革をしなければならない」などと迫った。

 環境対策を促すために母国の国会議事堂前で座り込みを続けるスウェーデン人の環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)をはじめ、世界各地から公募などで選ばれた六百人以上が参加した。

 グテレス国連事務総長は「気候変動は私たちの変化より速く進んでいる」と対策の遅れを指摘しつつ、トゥンベリさんらを前に「あなたたちの主導で勢いに変化を感じる」と期待。「私たちが人類の未来を裏切ることのないよう、あなたたちの世代が私たちの責任を問うべきだ」と若者らの役割を訴えた。

 トゥンベリさんは冒頭、温暖化対策に向けて具体的行動を促す二十日のデモ「気候ストライキ」に世界で四百万人以上(主催者発表)が参加したことを「特に若者の団結、勢いを示すことができた」と歓迎。他の出席者からも「私たちが政策決定に影響を与えられるようにすべきだ」などと若者の声を反映させるよう求める意見が目立った。

 国連によると、二十三日の気候行動サミットには英仏独の各首脳らが集まる予定。一方、地球温暖化そのものに懐疑的なトランプ米大統領は欠席の見通しだ。

◆16歳トゥンベリさん 未来憂い

 【ロンドン=共同】地球温暖化に歯止めをかけるよう訴える若者の運動が大きなうねりを世界中で引き起こしている。火付け役となったのが、三つ編み姿のスウェーデンのグレタ・トゥンベリさん。寡黙だった少女を突き動かしたのは、未来への憂い。発達障害がありながらも、ユニークな発想力を生かして「学校ストライキ」を始め、危機を説く次世代の「顔」として共感を集める。

 トゥンベリさんが気候問題を初めて学んだのは八歳のころ。海に浮かぶプラスチックごみや、飢えたシロクマの映像を学校で見て「頭から離れなくなった」。大人の無策を憂慮し、自宅に引きこもったこともあった。

 両親に温暖化に関する映像を見せ説明した。それまで関心がなかった母は温室効果ガスの排出が多い飛行機の利用をやめ、父は菜食主義者に。「私でも変化をもたらせるかも」と感じたという。

 夏でも比較的涼しいスウェーデンが熱波に見舞われた昨年八月、両親の反対を押し切り、首都ストックホルムの議会前で一人で座り込みを開始。その後も、温暖化対策を訴える週一回の授業ボイコットを続けた。その姿勢、独特な表現に多くの若者が共鳴した。

 「大人は『若者に希望を与えないといけない』と言う。でも希望などほしくない。パニックに陥り、私が感じる恐怖を知って行動してほしい」。今年一月のスイスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で大人を糾弾した。

 耳目を集めるにつれ、発達障害の一つ、アスペルガー症候群であることに批判的な意見も出てきた。だが、だからこそ「枠にとらわれずに問題に向き合える」と自己分析している。「皆と同じだったらストは始めなかったでしょう」

 トゥンベリさんは八月、国連の会合で演説するため、飛行機ではなく、環境に優しいヨットで大西洋を横断し渡米した。今月二十日、今年三回目となった世界一斉ストには過去最高の約百六十カ国の四百万人以上が参加したという。スト後、ツイッターにこう投稿した。「私たちに脅威を覚える人々に悪い知らせがある。これはまだ始まりにすぎない」


 温帯低気圧に変わったがなおさほど勢力は衰えていないようです。雨雲レーダーを見ると北海道全体がすっぽりと雨雲の中です。今も結構雨足は強いですがこれから深夜にかけて、さらに強くなる予報です。

コクワ(サルナシ)のじゃむづくり


 先日採ってきたコクワ、常温保存(つまり、ほったらかし)して少しづつ食べてきたが、そろそろ傷み始めたので熱を通した。ジャムというより、熱を通してペーストにしただけ。砂糖は加えていないし、煮詰めてもいない。これをタッパに小分けして冷凍保存。

コクワ(サルナシ)2015年09月13日記事

https://blog.goo.ne.jp/mooru1949/e/58ff4cb5cbb0b263fafbc7063efe8813



「特に若者の団結、勢いを示すことができた」具体的な気候変動対策を!

2019年09月22日 | 自然・農業・環境問題

気候変動対策「今すぐ」 デモ160カ国「若者団結示せた」

20日、ベルリンで温暖化対策を訴えデモ行進する若者ら=近藤晶撮影

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 【ニューヨーク=赤川肇、ベルリン=近藤晶】米ニューヨークで二十三日に開催される国連気候行動サミットを前に、具体的な気候変動対策を求めるデモ「気候ストライキ」が二十日、世界各地で行われ、主催者発表で約百六十カ国の計四百万人以上が参加した。ドイツでは全土で百四十万人がデモ行進した。

 ストライキは、スウェーデン人少女グレタ・トゥンベリさん(16)が母国で始めた運動をきっかけに世界に拡大。欧州では英国、フランス、東欧諸国などでも大規模なデモが行われた。

 ベルリンのデモには主催者発表で二十七万人が参加し、ブランデンブルク門を起点に中心部を行進。参加者は「今すぐ行動を」「地球の代わりはない」などと書かれた手作りのプラカードなどを手に温暖化対策の強化や再生可能エネルギーの利用を訴えた。

 学校のクラスメートと参加したヨナス・フォーゲルさん(17)は「世界のリーダーはサミットで具体策を示してほしい」と期待。デモには親子連れも多く、娘を連れていたアンナ・フックスさん(30)は「子どもたちの未来のために、みんなが温暖化について真剣に考える必要がある」と訴えた。

 二十五万人が参加したニューヨークでは、保護者の同意を条件に学校を休むことを容認。中学生のエヤマリー・フランクリスさん(13)は「自分の未来や子孫に貢献したいと思い参加した。人々はまず環境問題を認識すべきだ」と話した。

 ニューヨークの国連本部では二十一日、若者気候サミットが開かれ、トゥンベリさんは二十日のストライキに「特に若者の団結、勢いを示すことができた」と手応えを語った。

 トゥンベリさんも参加する二十三日のサミットには、温暖化自体に懐疑的なトランプ米大統領は出席しない見通し。

20日、米ニューヨークでデモ行進するグレタ・トゥンベリさん(手前左)=ゲッティ・共同

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  いよいよ北海道も明日から台風17号の影響を受ける。今朝方、ハウスが飛ばされる夢を見てしまった。いやな予感。江部乙のリンゴ農家もなす術もなし。

未来の地球は若者のものだ。大人たちよ、これ以上地球を壊さないでくれ!


食パンからグリホサート(除草剤)

2019年09月21日 | 健康・病気

食パンから発がん性指摘農薬 グリホサート

日本は規制を大幅緩和へ 学校給食は国産・有機食材で

「しんぶん赤旗」2019年9月20日【くらし】

 先月、議員会館で開かれた緊急記者会見に衝撃が走りました。発がん性があると指摘され、使用を規制する国が増えている農薬グリホサートをめぐる調査結果です。日本人の髪の毛から、そして国内で販売されているパンからも検出されたという報告でした。(都光子)

デトックス・プロジェクト・ジャパン会見

 8月8日に開かれたデトックス・プロジェクト・ジャパンの緊急記者会見。同プロジェクトのメンバーとして、農民連食品分析センターの八田純人さんが、検査結果について解説しました。

毛髪から13成分

 同プロジェクトでは今月から毛髪中のグリホサート検査をスタート。その予備調査として、春に日本共産党の紙智子さんら国会議員23人を含む28人の毛髪を、フランスの検査機関に送り、グリホサートなど62成分を検査しました。

 その結果、グリホサートを含む13成分が19人から検出されました(グラフ)。「この検査は、約3カ月の間に摂取された物質を反映しています。事前アンケートでは“グリホサートが直接散布される場所にはいなかった”とほとんどの人が答えていますので、食品から摂取されたと考えられます」と八田さん。「毛髪からはっきり検出されていて驚きです」

給食パンからも

 同センターにはフランスと同型の検査機器があります。小麦粉を使った加工食品の残留農薬を調べたところ、アメリカ、カナダ産輸入小麦を使ったパンからグリホサートを検出(表)。一方、国産小麦のみのパンからは検出されませんでした。

 日本は小麦の8割強を輸入しています。農林水産省の検査でも、輸入小麦からグリホサートが検出されています。「輸入先の国々が、収穫前にグリホサートを散布する『プレハーベスト処理』をしているからでしょう」と八田さん。「新日本婦人の会と共同で調査をし、3県の給食パンから検出されることを確認しています」と公表。自治体などでの調査を呼びかけました。

米国で賠償命令

 グリホサートは、2015年に国際がん研究所が「ひとにたいしておそらく発がん性がある」として、5段階のうち上から2番目に高いリスク評価をしました。

 「農薬の人体汚染対策は待ったなしのところにきている」。こう話すのは日本有機農業研究会の夏のシンポジウム(9月7日)に登壇した食政策センター「ビジョン21」代表の安田節子さんです。

 「アメリカでは、グリホサートを開発し販売しつづけるモンサントにたいし、悪性リンパ腫など健康を害したことにたいする賠償を求める裁判が各地でおこり、賠償命令が出ている」と報告。

 「オランダ、フランス、スイス、ドイツではホームセンターでの販売を禁止していて、ドイツは23年末までにグリホサート禁止を決定しました」と、国際的にグリホサート規制が進んでいることを紹介しました。

 一方、日本の農水省が登録許可したグリホサート製剤は106種類。2017年には、残留規制値を大幅緩和したうえに、一挙に10種類も新規登録したと指摘。「本気で脱農薬を目指さないと、とくに子どもへの影響など、取り返しがつかないことになる」と警告しました。

 日本有機農業研究会はシンポジウムの最後にアピールを発表。農薬の健康への影響を懸念し、グリホサートの使用・販売・製造・輸出入の中止・禁止をもとめ、とくに子どもたちの給食を有機食材にしていくことを求めました。

“危険農薬製品売らないで”

親たちが運動

 小樽・子どもの環境を考える親の会は、シックスクール問題をきっかけに発足。化学物質など子どもの環境について10年以上取り組んでいます。

 昨年末からグリホサート製品と害虫駆除剤として使われるネオニコチノイド系農薬製品の販売中止を求める署名に取り組み、今年5月までの短期間に2万2141人分が集まりました。これを小売店4社に提出しました。

 同会代表の神聡子さんは「全国で100円ショップを展開する株式会社大創産業から、『要望を受けて、グリホサートが含まれない商品に変更している』との回答を得ました。2万人以上の声が動かした」と報告。

 しかし、その後、EUでは登録抹消されている「グルホシネート」成分が入った除草剤を販売しはじめ、神さんたちは売らないよう求めています。「一般市民が危険な農薬を簡単に買えるのはおかしい。きちんと危険性がわかるようにしてほしい」と訴えています。


台風17号が接近中。まだ千葉の停電も復旧していないのに・・・
また、北海道を直撃か?

ノシメトンボ、矢車ンボて言っているけど…

庭からハウス方面


元国税が暴露。日本企業の内部留保が増えると社員の給料が減る訳

2019年09月20日 | 社会・経済

  MAG2NEWS 2019.09.18

 (メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より一部抜粋)

 

なぜ企業の内部留保金が増えると不景気になるのか?

今回は、内部留保金のお話です。昨今、日本企業の内部留保金が多すぎるというような話がよくあります。内部留保金というのは、ざっくり言えば、企業の利益から税金と配当を差し引いた残額のことです。現在、日本の企業は460兆円以上の内部留保金を持っています。実に、日本の1年分のGDPに近い金額です

この日本企業の内部留保金について、「日本企業はお金をたくさんため込んでいるのだから、消費税を上げる前に企業のお金を社会に還元するべき」と主張する人もいます。その一方で「内部留保金は設備投資なども含まれるので必ずしも企業の預貯金ではない。また将来のリスクに備えるものでもあり、企業にとっては必要なものだ」と主張する経済評論家などもいます。一体どっちが正しいのでしょうか?

一般論的に言えば、「内部留保金は設備投資なども含まれるので必ずしも企業の預貯金ではない。また将来のリスクに備えるものでもあり、企業にとっては必要なものだ」という主張は決して間違ったものではありません。

内部留保金というのは、現金預金として貯め置かれるだけじゃなく、設備投資をしたときの資産も内部留保金に換算されています。だから、内部留保金イコール企業の預貯金ではない、というのは間違いではありません。また将来のリスクに備えるために、企業の預貯金は必要と言うのも、正論といえば正論です。

が、日本企業の場合、その理論通りには行っていないのです。というのも日本企業の内部留保金は、設備投資にはあまり使われず、現金預金などの金融資産として残っているものが多すぎるのです。日本企業が保有している手持ち資金(現金預金など)も200兆円以上あります。つまりは、内部留保金の半分近くは預貯金として企業に留め置かれているのです。

これは、経済規模から見れば断トツの世界一であり、これほど企業がお金を貯め込んでいる国はほかにないのです。アメリカの手元資金は日本の1.5倍ありますが、アメリカの経済規模は日本の4倍です。だから経済規模に換算すると、日本の企業はアメリカ企業の2.5倍の手元資金を持っていることになるのです。つまり世界一の経済大国であるアメリカ企業の2.5倍の預貯金を日本企業は持っているのです。いくら将来のリスクに備えると言っても、アメリカ企業の2.5倍もの預貯金を貯め込んでいるというのは、絶対に多すぎなのです。

「内部留保金が増えた理由」が大きな問題

また日本企業の場合、内部留保金が増えた理由にも大きな問題があります。社員の給料も上がり、世間の景気もよくなっている上で、企業が内部留保金を増やしているならば、別に問題はないでしょう。

しかし、このメルマガで何度の紹介してきたように、この20年間、日本のサラリーマンの給料は下がり続けています。そして、この20年間でサラリーマンの給料が下がっているのは、先進国ではほぼ日本だけなのです。日本経済新聞2019319日の「ニッポンの賃金(上)」によると、1997年を100とした場合、2017年の先進諸国の賃金は以下のようになっています。

アメリカ:176

イギリス:187

フランス:166

ドイツ :155

日本  :91

このように日本の賃金状況は、先進国の中では異常ともいえるような状態なのです。日本企業の内部留保金が積みあがったのは、この賃下げが大きな要因の一つなのです。つまり、本来ならば、サラリーマンが受け取るべきお金を、企業が内部にため込んでいるという状態なのです。

企業がこれだけの金を貯めこむということは、自分の首を絞めていることでもあります。企業が社員に給料を支払ったり、設備投資をしたりすれば、それは誰かの収入になるわけですので、社会全体の消費につながります。消費というのは、すなわち企業の売上になるのですから、企業の業績もよくなるのです。

しかし企業の預貯金が200兆円以上もあるということは、社会のお金の流れがそこでせき止められていることになります。日本のGDP4割にも及ぶお金が、滞留しているのです。特に、日本企業の場合、社員の給料をケチった上での「貯め込み」なので、より深刻な影響がでます。当然、消費も減りますし、これで景気がよくなるはずはないのです。

サラリーマンの給料が減れば、国民の購買力は減り、内需は縮小します。それがデフレにつながっているのです。当たり前といえば当たり前の話です。これに反論できる経済評論家がいたら、ぜひ反論していただきたいものです。

トヨタは国内市場を25%も落としている

企業が内部留保金を増やし過ぎれば、自分の首を絞めるということについては、トヨタなどがいい例です。

現在、トヨタは日本企業で最大の20兆円にも及ぶ内部留保金を持っています。その一方で、トヨタはバブル崩壊以降、従業員の賃金をケチりにケチってきました。特に2000年代は、史上最高収益を連発していたにもかかわらず、ベースアップをほとんどしませんでした。トヨタは、日本のリーディングカンパニーです。トヨタが賃金をケチれば、それは日本中の企業に波及します。バブル崩壊以降の日本企業はトヨタを追随し、業績がよくてもベースアップをほとんどしないというケースが続出しました。

その結果、日本経済はどうなったでしょうか?消費は冷え込み、日本の国内市場は急激に縮小したのです。

平成2年にはトヨタの国内自動車販売は200万台を超えていました。が、現在は150万台前後です。平成の間に、実に国内市場が25%も縮小しているわけです。

そしてトヨタは、国内市場が縮小するばかりなので、必然的に海外に販路を求めなければならなくなりました。しかし、海外で商売をするというのは、非常にリスクが大きいものです。トヨタの現在の主な販売先はアメリカです。が、アメリカが日本車の進出を快く思っていないことは、周知のとおりです。アメリカは何かにつけて日本車に厳しくあたります。トヨタも何度も巨額の罰金を科せられました。エアバックのタカタなどは、不自然な事故の責任を押し付けられ、経営破たんしてしまいました。もし、日本経済が今の状況を変えないならば、日本経済全体がタカタのようになるかもしれません。

日本の景気の悪循環

通常の景気循環というのは次のようになっています。

「企業の利益が増える」

     ↓

「企業が従業員の給料をきちんと払う」

     ↓

「国民の消費が増える」

     ↓

「企業の利益が増える」

しかし、日本の場合は、次のようになっているのです。

「企業の利益が増える」

       ↓

「企業は従業員の給料をけちる」

       ↓

「国民の消費が落ち込み国内市場が縮小」

       ↓

「企業は無理して輸出を増やそうとする」

       ↓

「ますます賃金が減りさらに国内市場が縮小」

この日本の陥っている悪循環の原因は単純です。「企業がお金を貯め込みすぎ」「企業が給料をケチりすぎ」なのです。これを改善すれば、この悪循環は解消するわけです。日本の大企業の経営陣の方々、ぜひこの単純な事実に気づいていただきたいものです。今の日本企業は欧米並みに賃金を上げるくらいの体力は十二分に持っているのです

 


ミニトマトジュース造り

今日1回目のジュース造りをしました。


東電旧経営陣3人無罪

2019年09月19日 | 事件

東電旧経営陣3人無罪 福島事故 東京地裁判決

 東京新聞 2019年9月19日 夕刊

 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の勝俣恒久元会長(79)ら旧経営陣三被告の判決で、東京地裁(永渕健一裁判長)は十九日、三人に無罪を言い渡した。求刑はいずれも禁錮五年だった。未曽有の被害をもたらした原発事故で、経営トップらの刑事責任は認められなかった。

 ほかに強制起訴されたのは、原発の安全対策の実質的な責任者だった武藤栄元副社長(69)と、その直属の上司だった武黒一郎元副社長(73)。三人は「大津波は予見できなかった」と無罪を主張していた。

 公判の争点は、海抜一〇メートルの原発敷地を超える高さの津波を予見し、対策を取ることで事故を防げたか。

 東電の地震・津波対策の担当者らは、原発事故が起きる三年前の二〇〇八年三月、国の地震予測「長期評価」に基づく試算値として、原発を襲う可能性がある津波の高さが「最大一五・七メートル」という情報を得ていた。

 担当者らは六月、武藤元副社長に試算結果を報告したが、武藤元副社長は翌月、担当者らに長期評価の信頼性を外部機関に検討してもらうよう指示。防潮堤建設などの津波対策は取られなかった。

 検察官役の指定弁護士はこれまで、武藤元副社長の対応について「大津波の襲来は十分予見できたのに、原発の運転停止リスクや多大な出費を避けるため、対策を先送りした」と指摘。武黒元副社長についても、〇九年四~五月に試算結果を聞いていたのに「何ら防護措置を取らなかった」と批判した。

 勝俣元会長に対しては、〇九年二月の会議で大津波の可能性を知った時点で「担当者に対策を検討させ、対策の完了まで原発の運転を停止する義務があった」と指摘。「三人は何ら対処することなく漫然と原発の運転を継続し、事故を引き起こした」としていた。

 一方、三人の弁護側は「長期評価には具体的な根拠がない」として試算の信用性を否定。「想定外の津波で、対策を取っていても事故は防げなかった」と過失を否定していた。

 起訴状によると、三人は一一年三月、大津波を予見できたのに対策を怠り、原発事故で避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら四十四人を死亡させたなどとされる。

<東京電力旧経営陣の刑事裁判> 2011年3月の東京電力福島第一原発事故を巡り、東電の勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長が業務上過失致死傷罪に問われた刑事裁判。福島県民らの告訴・告発を東京地検は不起訴としたが、検察審査会は2度にわたり「起訴すべきだ」と議決。検察官役の指定弁護士が16年2月、強制起訴した。17年6月に始まった公判は今年3月の結審まで37回開かれ、東電社員や津波の専門家ら計21人の証人尋問や被告人質問があった。

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傍聴して分かった「東電の無責任体質」 憤る遺族 判決は午後

東京新聞 2019年9月19日 朝刊

 東京電力福島第一原発事故を巡り、東電の旧経営陣三人が業務上過失致死傷罪で強制起訴された公判では、事故前に東電社内で大津波対策が検討されていたことが明らかになった。それなのに何ら対策が取られないまま事故は起きた。公判を傍聴してきた遺族は「旧経営陣は事故を起こしたことの重大さに向き合っていない。無責任だ」と憤っている。(小野沢健太)

 福島県大熊町で精肉店を営んでいた菅野正克さん(75)=水戸市=の父健蔵さん=当時(99)=は、近くの双葉病院に認知症で入院していたものの、事故後に長時間の避難を強いられ、三カ月後に亡くなった。

 菅野さんは昨年二月に公判を傍聴した際、原発を襲う可能性のある津波の高さを「最大一五・七メートル」と試算した東電子会社の社員が、証人尋問で「専門家の学会で使われている手法で計算したものだ」と自信を持って答えていたのが印象に残っている。

 菅野さんは「子会社の社員は実直に受け答えしていた」と感じた。なぜ旧経営陣は試算を真剣に受け止め、対策を取らなかったのか、疑問が膨らんでいった。

 菅野さんは、子会社からもたらされた試算について、東電の地震・津波対策担当者から直接報告を受けた武藤栄元副社長(69)の被告人質問も傍聴した。そのとき、対策を取らなかったのは「利益を最優先したい企業体質からだ」と感じた。

 沖合に防潮堤を設置すれば数百億円かかることなどが担当者から報告された会議で、外部機関に試算の根拠を再検討してもらうよう指示した武藤元副社長。検察官役の指定弁護士に「対策の先送りではないか」と指摘されると「大変心外だ」と語気を強め、後は「知らない」「事故は防げなかった」などと繰り返した。

 菅野さんは「反省や後悔の念は一切感じられなかった。受け答えはとても無機質で、犠牲者や遺族に申し訳なく思っている感情は全く伝わらなかった。自らの保身しか考えていないように思えた」。父や自分の人生を一変させた当事者の姿勢に怒りがこみ上げた。

 「原発事故さえなければ、おやじはいつの日か安らかに大往生できただろう」と語る菅野さん。「事故は防げたはずだ。公判を通じて、東電が無責任体質だということが改めてよく分かった」と断じた。


 どんどん寒さが進んでいる。今朝ハウス内の温度計を見てびっくり、最低気温が6℃だった。もう開けて帰れない。

 今朝、大雪山系や羊蹄山(蝦夷富士)で今季初冠雪を確認したという。


簡単筋トレで“貯筋”の秋 転倒や骨折を予防

2019年09月18日 | 健康・病気

  東京新聞2019年9月18日

 スポーツの秋、高齢者も簡単な筋トレで“貯筋”に挑戦してみては-。諏訪中央病院(長野県茅野市)名誉院長で内科医の鎌田実さん(71)は、手軽に足腰の筋肉を鍛える「スクワット」と、「かかと落とし」運動をシニア層に推奨している。転倒や骨粗しょう症などによる骨折の予防が期待できるという。 (細川暁子)


 長年、地域医療に携わる鎌田さんによると、高齢者が要介護状態になるきっかけの多くが骨折。筋肉が減り、体を支えられずに転びやすくなる。また、骨密度が下がる骨粗しょう症になると、さらに骨折しやすくなる。特に太ももの骨折が多く、その後寝たきりになる例をたくさん見てきた。

 「高齢者こそ、足腰の筋肉を鍛える“貯筋”が必要」と鎌田さん。ただ、本格的な筋トレや運動はけがのリスクもある。そこで、十年ほど前に手軽なオリジナルのスクワットと、かかと落としを考案した。

直立した姿勢から膝を曲げ伸ばしするスクワットは、主に太ももや腹筋を鍛える。鎌田さんによると、適度な運動をすると、筋肉から「マイオカイン」という物質が分泌され、血糖値や血圧を下げるなどの効果があるとして近年注目されている。「太ももは体の中で最も筋肉量が多い。鍛えることは健康長寿の鍵」

 加えて重要なのがふくらはぎの筋肉強化だ。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、筋肉が収縮してポンプのように足の血流を心臓へ戻す働きをしている。ふくらはぎを鍛えると、血流が良くなり、心不全の予防も期待できるという。

 「かかと落とし」は、つま先立ちの姿勢からかかとをドスンと床に落とすだけだが、ふくらはぎの筋肉を鍛えるのに最適という。

また、かかとを勢いよく落とし、骨に衝撃を与えると、骨を再生する骨芽細胞が刺激されて骨密度が上がり、骨が強くなるという研究結果も報告されている。

 鎌田さんも体力の衰えを感じ始めた三年前から、毎日朝昼晩の三回実践。骨密度は同年齢の標準を大きく上回り、体重は九キロ、ウエストも九センチ減った。

 筋肉は四十代ごろから減り始めるといい、鎌田さんは「日常生活のちょっとした合間を見つけ、こまめに続けてほしい」と話す。

◆挑戦!スクワット&かかと落とし

 スクワットと、かかと落としの方法は次の通り。いずれも、一セット十回で、一日三回(朝昼晩)行う。

 

【スクワット】体を傷めないよう、まずは準備体操=イラスト(上)。(1)いすに座った状態から立ち上がり、足を少し広げ、胸の前で手を組む(2)腹筋に力を入れながら、ゆっくりといすに座る。

 準備体操を一カ月試し、続けられそうなら、「反動スクワット」=イラスト(下)=へ。(1)両足を肩幅に広げ、両手を頭の上に(2)太ももが床と平行になるまでゆっくりと膝を曲げながら、両手を下ろしていく(3)手を下げた姿勢のまま五秒間キープ(4)息を吐き、ゆっくりと手を上げながら立ち上がり、元の体勢に戻る。

 

【かかと落とし】両足を肩幅に広げ、つま先立ちの姿勢から、かかとを床に落とす。背筋はピンと伸ばす。初心者は転倒しないように、必ずいすの背やテーブル、台所のシンクなどをつかみながら行う。

 


 わたしもやっているのだが、「スクワット」初めのうちは反動をつけづにやったほうが良いと思う。「かかと落とし」も初めは力まず、ひざ、肩、腰などの関節にも響くので、全体重をかけず、少しずつ慣らしてしていくのがいい。

 すごい落雷。あっという間に過ぎ去った。雲の動きを見ると「真っ赤な」部分が通り過ぎて行った。

チマサンチユ


内田樹-内閣についての韓国紙からのインタビュー

2019年09月17日 | 社会・経済

BLOGS20190917日 内田樹

 内閣改造のあと、韓国TBS放送局のキム記者から書面でのインタビューがあった。

小泉進次郎について韓国メディアも注目していることが伺える。

最近、日本の日経新聞の世論調査によると、11日に行われた内閣改造と党人事について、日本内では肯定的に見る世論が優勢でした。先生は新しい内閣をどのように評価しますか?

「滞貨一掃内閣」「お友達内閣」などと野党は評していますが、私はそれ以上に問題なのは、党内に80人いる「大臣待機組」を、首相に対する忠誠度だけによって格付けして、採否の基準にした点だと思っています。

 あきらかに能力に問題がある政治家や、スキャンダルで政治生命を失いかけた政治家をわざわざ選んで登用しているのは、そのルールを周知させるためです。政治家として「食って」ゆきたければ、ボスに対して徹底的なイエスマンであればよい。他には何も求めないという官邸のルールを誇示してみせた。

 このルールが適用されるのは政治家だけではありません。今の日本では、官僚も、ジャーナリストも、学者も、芸能人さえも、その個人的な能力ではなく、首相に対する忠誠心によって格付けされています。私は個人的にこれを「安倍マイレージシステム」と呼んでいます。

現在の政権は「忠誠心の査定」がきわめて迅速かつ正確です。「首相に逆らったけれど出世できた」とか「首相におもねったけれど『いいこと』がなかった」というような「バグ」がほとんど起こらない。その点ではすばらしく効率的に作動しているシステムだと思います。

次期首相に適した人物としては小泉進次郎が挙げられています。なぜ小泉さんが人気があると思いますか? 私はまだ彼の能力が発揮された分野がないと思います。

 個人的にお会いした人たちは口を揃えて「たいへん感じのよい人物」だと言います。僕も二度お会いしたことがありますが、たいへん感じのよい人物でした。おそらくその場において向かい合っている人との親密性を維持することを対人関係の基本的なマナーとしているのだろうと思います。

 かたくなに自説を曲げないとか、人の話の腰を折るとか、異論を完膚なきまでに論破する・・・とかいうことを決してしないタイプの政治家です。こういう「場の親密性を優先し、もめごとを嫌い、誰の意見に対してもにこやかに応接する」というのは、実は日本の古い村落共同体における大人のふるまいに通じています。

この一種の「先祖返り」的な美質ゆえに、小泉進次郎に対して日本の有権者たちは「若いのに、人間ができている」とか「話を聞いていると、なんだかほっとする」という漠然とした印象を抱いているのではないかと思います。

 彼には「政治生命をかけても実現したい」という政策は特にないと思います。それよりは集団内部の対立をおさめ、合意形成のためのおだやかな口調での対話の場を立ち上げるという「技術」の洗練にこれまで政治家としての自己陶冶努力を集中させてきた。

 これからの日本は先が見通せません。あらゆる指標は日本の国力の劇的な劣化を示しています。どうしたら日本は救われるのか、誰も正解を知りません。こういうときには「自分への忠誠心で他人を格付けする政治家」と「場の親密性を重視する政治家」のどちらを選ぶか訊かれたら、私は後者の方が好ましいと思います。

小泉進次郎は小泉元首相と比較したときにどんな人だと思いますか。

 父小泉純一郎元首相は周りの意見にあまり耳を貸さず、自分の政策(しばしばきわめて非現実的と思われたもの)をたからかに宣言し、そのうちのいくつかを実現してみせました。しかし、小泉進次郎はそういう「宣言型」政治家ではなさそうです。

村落共同体の合意形成は、難問について全員が賛同してくれるような解を誰も思いつかず、時間をかけてぐずぐずしているうちに、いろいろな変数が消えて、「もう、これ以外に選択肢はない」というところに落ち着いて、全員がひとしく諦め顔で話が終わる・・・というものです。小泉進次郎はたぶんこの「もうこれしか解がない」というあきらめ顔に全員がなるまで待って、それを見切って「とまあ、そういうことでよろしいですね」とまとめる人をめざしていると思います。

CEOがすべて決定して、下はそのアジェンダに従うしかない・・・という株式会社型の組織に慣れ切った現代日本人からすると、「従業員や取締役や株主や消費者の顔色をじっと観察することを主務として、なかなか経営方針を決めないCEO」というのはある種「新鮮」に映るのかも知れません。違うかも知れないけど。

福島は、小泉環境相が一番最初に訪ねた場所です。彼を環境相に任命したのは東京オリンピックを勘案した措置と見ますか。しかし彼は脱原発を示唆しました。

 原発問題は政権にとって「アキレス腱」です。原発問題を解決する「正解」も「秘策」も存在しないからです。この問題は誰が担当しても泥をかぶるだけです。安倍政権は、この問題を棚上げ、先送りして、五輪が終わるまでは、できるだけ話題にならないことを願っています。

小泉進次郎の選任もその文脈の中でのことだと思います。

 彼はおそらく原発にかかわる難問に遭遇するたびに、顔を暗くして、「難しい問題です」とつぶやくだけで、特段の解は示さないでしょう。そして、時間が経って、変数が減って、「もうこれしか選択肢がない」と見切れるまで政策的なイニシアティヴは発揮しないだろうと思います。

安倍首相は任期内に改憲を約束しています。戦後世代が改憲問題に積極的な理由は何だと思いますか。改憲が意味するところは何だと思いますか。

 安倍首相の改憲へのこだわりにはいくつもの理由があります。戦後日本の憲法論争と対米関係の全体を俯瞰しないと説明は尽くせませんので、申し訳ないですけれど、私の他の書物をご参照の上、そちらでまとめてください。憲法についての講演録を添付しましたので、そちらもご参照ください。

  と書いて送ってから、ちょっと不親切だったなと思った。

 話が尻切れトンボになったので、一応最後まで答えてみる。

韓国のメディアから何度かインタビューを受けたましたが、アメリカから押し付けられた憲法を廃棄しようとすることと、アメリカに徹底的に従属することがどうして整合するのか、なかなかわからないようです。たしかに説明が難しい。わかりやすくご説明します。

「対米従属を通じての対米自立」というのは戦後自民党政治の基本戦略でした。この場合、「手段としての対米従属」「目的としての対米自立」は経時的に配列されているので不整合は生じません(「面従腹背」という熟語で言い表すことができました)。

 しかし、今の安倍政権では、対米従属そのものが自己目的化しており、対米自立は目的から降ろされました。ですから、安倍「改憲」は「アメリカから押し付けられた憲法から自主制定憲法へ」を意味しません。安倍政権がめざしているは「さらなる対米従属を国民の反対を押し切っても滞りなく実行できるように全権を官邸に集中させる」という日本の脱民主化です。

 対米従属システムを永遠化させるための手段としての改憲です。

 アメリカに「属国の代官」として信認されることによって日本の為政者はその地位を保全されてきました。情けない話だけれど、それが現実です。日本国益よりもアメリカ国益を優先的に配慮する政治家がアメリカにとって「最も望ましい日本の統治者」であることは誰にでもわかります。

問題は、日本国民自身が「アメリカに属国の代官として信認されることが、日本国の総理大臣として最も重要な条件である」と信じていることです。属国民マインドがそこまで深く内面化してしまったのです。日本の対米自立、国家主権の回復は果てしなく遠い課題となっています。私が生きている間には実現することはないでしょう。


 なんかとてつもなく、希望のない社会が続くようでやるせない気持ちになります。先の参院選では自公はともに得票を減らし、議席も減らしています。そこには「野党共闘」がありました。「反アベ」、「安倍内閣打倒」で「結集」する新たな政権を立ちあげてほしい、切なる願いです。

オオハンゴンソウ

 イヌサフラン(コルチカム)


「プラスチック汚染」解決の新たな視点

2019年09月16日 | 自然・農業・環境問題

廃プラスチックを市場価値40倍の素材に。「15歳少女」が探求した「プラスチック汚染」解決の新たな視点

環境を汚染するプラスチック問題の解決のカギを、自然の中から見つけた。

ハフポストはじめてのSDGS2019年08月09日

新潮社フォーサイト

2009年、カナダ・バンクーバー。15歳のミランダ・ワンは、社会科見学で訪れたゴミ処理施設で知ったプラスチックごみの現状に衝撃を受けた。

彼女が目にしたのは、再利用のために回収されたプラスチックのほとんどが、実際にはリサイクルされることなく焼却もしくは埋め立てられている、という現実だった。ワンが愕然としたその現実は、世界中のゴミ処理施設で起こっているプラスチック・リサイクルの実情だ。

「なぜリサイクルされないの? 何のために回収しているの?」

ゴミ処理施設で湧いた大きな疑問を拭い去ることのできなかったワンは、回収されたままリサイクルされないプラスチックを何とかできないか、その方法を探ることに没頭し始めた。 

リサイクルが難しい多種多様さ

そもそもなぜ、回収されたプラスチックはリサイクルされていないのだろう。

世界では年間3億トン以上のプラスチックが生産されているが、そのうち実質的にリサイクルされているのはわずか10%、残り90%は焼却、埋め立て、もしくは自然界へと流出している(注1、本文末尾に)。

現在、プラスチックとして流通している素材は、一口にプラスチックといっても実に多様な種類がある。ペットボトル原料のポリエチレンテレフタレート(PET)、レジ袋やラップ、シャンプーボトルに使われるポリエチレン(HDPE/LDPE)、ホース、パイプ等のポリ塩化ビニル(PVC)、車の内装や電子機器に使われるポリプロピレン(PP)、 発泡スチロールや食品トレイ等のポリスチレン(PS)、服やストッキング、歯ブラシになるポリアミド(PA)など、日常生活で使われるプラスチックをざっとあげただけでも、あっという間に5~6種類になる。

これら種類の違うプラスチックはそれぞれ違う分子構造を持っているため、まとめて回収して溶かしても、純度の高いプラスチックを作ることはできない。さらに、仮に同じ種類を分別回収できたとしても、着色料や可塑剤の違い、食べ物や油の汚れ、分別ミスによる異物混入などが、リサイクル過程でプラスチックの品質を劣化させ、新たな製品にすることが難しい。

使用済みのプラスチックから品質のよいプラスチック、つまり利用価値のあるプラスチックを再生産するのは、現行の機械的な処理システムでは限界があり、石油を原料にして新たに作る方が、ずっと効率がよくコストも低い。実際のところ、多くのリサイクル施設でリサイクルされているのは、主にペットボトルや一部の高密度ポリエチレンボトルが中心で、その他のプラスチックは、ほとんど焼却されているのが現状だ。

石油を原料に作られているプラスチックは、石油や石炭とほぼ同じレベルの高い発熱量を持っており、焼却してその熱を利用すれば、単純焼却や埋め立てに比べてエネルギーの回収率は確かに上がる。間接的ではあるが、火力発電所で燃焼される原油の削減にもなる。

日本の「リサイクル率」の真相

プラスチックを燃やしてその熱エネルギーを利用する方法は、現在、日本や欧米のプラスチック処理の大半を占めている。日本ではこの方法を「サーマルリサイクル」と呼ぶが、この呼び名は日本で作られた造語で、欧米ではリサイクルという言葉は使わず、「熱回収(サーマルリカバリー)」と呼ばれている。プラスチック循環利用協会の発表によると、日本のプラスチック・リサイクル率のうち、約3分の2がこの「サーマルリサイクル」、つまり焼却による熱回収だ。「サーマルリサイクル」は、国際的にはリサイクル率の標準的な数字には含まれず、86%とされている日本のプラスチック・リサイクル率も、この「熱回収分」を除くと一気に28%まで下がってしまう(注2)。

さらに、日本を含む先進国の多くが、再生資源として回収したプラスチックの大部分を途上国に輸出している。先述の熱回収分を除いた日本のプラスチック・リサイクル率28%は、重量にすると年間211万トンになるが、その7割近くにあたる129万トンのプラスチックが海外に輸出されている。結果、国内で再生資源としてリサイクルされているプラスチックは、わずか9%という数字になってしまうのだ(注3)。そして再生資源として海外に輸出されたプラスチックは、リサイクルされることなく投棄されていることが多いのも現状だ。

2018年、年間730万トンものプラスチックごみを受け入れていた中国が、洗浄水の垂れ流しや不法投棄が国内で問題視されたことを背景に、その輸入を全面的に禁止し、世界に動揺が広がった。米国では行き場を失ったプラスチックごみが毎月数万トン単位でゴミ処理施設に蓄積し、プラスチック回収を打ち切る自治体も相次いでいる(注4)。

米国と並んで大量のプラスチックを中国に輸出していた日本は、輸出先を東南アジアへとシフトしたが、東南アジア諸国でも受入れ拒否が始まり、輸出できないプラスチックのほとんどは日本国内で焼却されている。

プラスチックを分解する「バクテリア」

このように、回収されても実質的にはほとんどリサイクルされることのないプラスチック。世界規模で深刻化するこの問題に突破口を見出すことを目指して、高校生になったワンは、親友のジニー・ヤオとチームを組んで研究をスタートさせた。

2人がヒントを求めたのは、自然界だった。

プラスチック汚染が問題になっていた地元の川を調査し、自然界がプラスチックにどのように反応しているかを調べたのだ。大学の研究室を間借りしながら研究を続けたワンとヤオは、18歳の時、調査していた川からプラスチックを分解する土壌バクテリアを発見する。

ワンとヤオはこの発見を2013年に発表し、大きな注目を集めた。しかし、バクテリアによる分解プロセスを実際にリサイクル施設で活用するには、効率面で問題があった。そこでワンたちは、バクテリアたちが行っている分解プロセスを化学的に再現することはできないかと考えた。

大学に進学して分子生物学を専攻し、在学中の2015年に起業し、シリコンバレーにプラスチック処理に特化した研究会社「BioCellection」を設立。化学者やエンジニアたちと共同研究を進め、試行錯誤の末、プラスチックを化学的に分解し、新たな素材を生み出すことに成功した。

市場価値40倍の素材に変換

ワンたちが開発したプロセスでは、回収されたプラスチックを細かく砕いて洗浄し、プラスチックを分解するための化学的処理や純度を高める処理など14の工程を施し、新たな素材を生み出す。出来上がった素材は生分解可能で、車の部品や電子機器、繊維や洗浄剤など、様々な製品に加工することができる。

ワンたちがターゲットにしているのは、世界で最もよく使われているプラスチック素材であるポリエチレンだ。レジ袋やラップ、フリーザーバッグ、牛乳パックや紙コップのコーティングなどに幅広く使われているポリエチレンは、プラスチックの中で最も分子構造が単純で加工がしやすく、丈夫でしなやかな上に、透明性があって湿気に強く、コストも安い。パッケージ用途にもってこいの素材で、世界中で大量に生産・利用されている半面、そのほとんどがリサイクルされていない。

「私たちは、汚れたビニール袋や使い捨ての包装材など、これまでリサイクルすることが難しいとされてきたプラスチックに注目しています。今日リサイクルされていないプラスチックを化学的に分解して価値ある物質に変え、新たな製品に加工できる純度と耐久性の高い素材を作り出しています」

バクテリアの働きを化学的に再現することで、リサイクルプロセスの効率化と短期化も実現することができた。ワンたちは、この方法で世界のプラスチック廃棄物の3分の1を、新たな市場価値のある素材に変えられると試算している。

プラスチックを化学的にガス化したり油化したりするリサイクル技術は、これまでも試されてきた。しかし一定の成果を上げた開発も、実用化にあたって事業規模の確保や高コスト、投入エネルギーによる環境負荷など課題が多く残されており、新たな展開は難しい状況にある。

そうした現状を踏まえワンたちが開発したプロセスは、原油から生産するよりずっと低いコストで、廃プラスチックを市場価値40倍の素材に変換することができ、リサイクルを次の段階へと進化させる技術として注目されている。

リサイクル技術が生み出す多大な経済価値

「世界経済フォーラム」が、大手コンサルティング「マッキンゼー・アンド・カンパニー」、循環型経済を推進する「エレン・マッカーサー財団」と共に作成した報告書によると、プラスチックが再利用されないことによる経済的損失は、年間800~1200億ドル(約8~13兆円)にのぼるとされる(注5)。

プラスチック汚染の深刻化や消費者意識の高まりにつれ、プラスチック産業、そして原料となる石油産業も、リサイクル問題を無視できなくなってきた。これまで一方通行で生産されてきたプラスチックも、資源として回収し再利用していくプロセスまで視野に入れなければ、産業そのものが危機に陥る可能性もある。

ワンたちのような新たな技術開発は、そうした状況から新たなビジネスチャンスを生み出す要になる。マッキンゼーは、プラスチック再利用技術の開発は、2030年までに世界のプラスチック・リサイクル率を、現在の10%台から50%台まで高める可能性があり、それによって年間550億円の利益をあげるリサイクル市場が生み出されると予測している(注6)。

プラスチック問題の深刻化で製造に制限がかかったりニーズが減ったりすれば、プラスチック業界は損失を被るが、プラスチックを資源として再利用する方策を見出すことで、業界に新たな収益が生まれる可能性すらあるのだ。

マッキンゼーの試算では、リサイクル率を上げるための廃棄物回収システムの改善には年間200億ドル(2兆円超)という巨額のコストがかかる。だが、プラスチック汚染への意識の高まりにつれ、世界最大規模の資産用会社「ブラックロック」、米ベンチャーキャピタル「クライナー・パーキンス」、「カナダロイヤル銀行」といった世界規模の投資家たちが、すでにこの分野に力を入れ始めている(注7)。

こうした潮流の中、北米・カナダだけで少なくとも60社がリサイクル技術の研究に取り組み、実用化に向けて鎬を削っている。

目指すは「循環型経済システム」

2019年6月、世界を変えるイノベーターたちを発掘し、その研究開発を支援する賞として知られる「ロレックス賞」を、ワンが受賞した。

人類の未来に貢献するプロジェクトをサポートするために1976年に創設され、数々の革新的なプロジェクトを評価し、サポートしてきたロレックス賞は、過去に日本人受賞者も複数いる。国技館や東京スカイツリーに雨水利用システムを導入し、開発途上国に雨水タンクを普及させた村瀬誠氏(2002年準入賞)、カンボジアで伝統織物の復興に取り組む森本喜久男氏(2004年受賞)、世界の聴覚障害者の対話を可能にするオンライン手話辞典の制作を進めている大木洵人氏(2016年受賞)だ。

「プラスチックは奇跡的な素材です。透明で軽く、形や硬さを自由に変えられ、熱や水にも強い。コストも安い。こんなに便利な素材は他にない。だからこそ、プラスチックは世界中に広がり、私たちの生活のありとあらゆる場所で使われています。プラスチックという素材がこれほど世界で普及しているのには理由がある。私たちはその現実を踏まえて、何ができるのかを考えたい」

そう語るワンのゴールは、プラスチック回収がひとつの産業として成り立つ循環型経済モデルを実現することだ。世界各地のパートナーと協働し、プラスチック回収作業に利益を生み出しながら、年間500万トンのプラスチックをリサイクルし、1億トンの二酸化炭素排出量を削減するシステムを構築することを目指している。

ロレックス賞は、ワンがこのゴールに到達するために、処理技術や生産プロセスの向上、商業用処理工場のプロトタイプ開発をサポートする。ポリエチレン処理の標準機を完成させた後には、他のプラスチックの分解処理システムも開発する計画だ。

「私が50歳になるまでに、この世界からプラスチック問題をなくし、私にロレックス賞を授与してよかったと言ってもらえるようにします」

25歳のワンは授賞式でそう語り、会場を沸かせた。

劇的に増加し続ける生産量

世界のプラスチックの使用量はこの50年で20倍程に跳ね上がった。さらにその生産量は今後20年で2倍に、2050年にはほぼ4倍まで増加すると見込まれている。

石油を原料としてプラスチックを新たに生産し続ける産業モデルは、明らかに限界がある。「使わない、捨てない、作らない」といった、プラスチックの絶対量を減らす取り組みは何より先決だ。使い捨てプラスチックの使用廃止に向けた動きや、石油を原料としない生分解性プラスチックの開発も注目されている。そうした取り組みは積極的に進めながら、同時に今あるプラスチック、そして今後いやおうなく生産されるプラスチックにどう対処していくのかを考えることも不可欠、というのがワンの考えだ。

現在、プラスチック年間総生産量の32%、2500万トンという莫大な量のプラスチックが、ごみ処理ルートを抜けて自然界に流出している。

プラスチックの持つ害や危険性が注目される一方で、プラスチック汚染も急速に拡大しており、このままのスピードだと、海では2050年までに、プラスチック廃棄物が魚介類の重量を上回ると予測されている。

細かな破片となって分解されないまま海中を漂う「マイクロプラスチック」問題の深刻さも、明らかになってきた。海のプラスチック汚染は、目に見えにくいプラスチック問題が表面化した氷山の一角とも言われている。

「地球上の生物は互いに深くつながりあっています。食物連鎖のあらゆるところにプラスチック汚染が影響を与えている今、私たちが地球の上で暮らし続けたいとするなら、プラスチック問題は何としても私たちの世代で解決しなくてはならないのです」

そうワンの語る通り、プラスチック問題は先送りすることができない課題だ。先のG20大阪サミット(20カ国・地域首脳会議)でも主要議題の1つとして取り扱われた。資源エネルギーの循環を無視した産業システムは、巡り巡って私たちの暮らしの安全性を奪う。プラスチック問題はつまるところ、この地球で人がいかに生きるかという問いを真っ向から突きつけてくる。

「現実の社会で今、どんな技術が必要とされているのか。大切なのはフィールドに出ることです。現場で何が起こっているのか自分の目で確かめ、変化を生み出す強固な技術を開発していきたい。人には、革新的なアイデアで困難を乗り越える力があります。今求められているのは、まさにその力なのです」

社会科見学での疑問から始まったワンの研究は、10年の歳月を経た今、世界にひとつの新たなうねりを生み出そうとしている。

 


軍事費にお金をつぎ込む愚かさを知るべきである。

わたしも農業分野でハウスやマルチなどでビニールや白樺樹液を冷凍保存するためにペットボトルを使用している。(罪悪感を持ちながら)これらがなくなると困るのである。

「敬老の日」はやくけえろう。さぶ!