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2020年03月31日 | 社会・経済

安倍首相が東京五輪を2年でなく1年延期にした訳
   MAG2NEWS 2020.03.31
       By 高野孟


    3月24日、東京五輪の1年程度の延期を発表した安倍首相。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、開幕予定だった7月24日の4ヶ月前というギリギリのタイミングでなされた「決断」でしたが、なぜ首相は延期期間を「1年程度」としたのでしょうか。ジャーナリストの高野孟さんが自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で、その真相に迫ります。

1年延期でますます開催意義が問われる五輪──「全世界こども運動会」に切り替えたらどうか


   安倍晋三首相は3月24日、IOCのバッハ会長と電話会談し、東京五輪を「おおむね1年程度延期することを検討してもらいたいと」と提案、「100%同意する」との返答を得た。その後に安倍首相は記者会見し「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして完全な形で東京大会を開催する」と説明した。

 しかしこの構図は著しく歪んでいて、そもそもなぜここに安倍首相がしゃしゃり出てくるのか分からない。五輪の開催・延期・中止を判断し決定する権限を持つのはIOCであって、彼らが通告ないし提案してきて日本側がそれに同意するのが筋である。しかも彼らがそれを言うべき相手は組織委員会の森喜朗会長であって安倍首相であるはずがない。組織委員会こそが、日本五輪委と東京都とで作った東京五輪の責任ある実施主体であって、安倍首相はその顧問会議議長ではあるけれども、森を差し置いてバッハとやりとりする立場にはない。

ずる賢いバッハの逡巡
 バッハが「自分からそれを言い出すのをできるだけ避けているように見えた」理由について、スポーツ社会学の坂上康博=一橋大学教授は、テレビ局やスポンサーに大きな損害を与えてしまうこと、IOCが開催地に負担を強いているという印象を強めることを恐れていたからだと指摘している(3月26日付朝日)。

 IOCの2013~16年の収入は約57億ドル(約6,300億円)で、その7割強がテレビの放映権料。かつてはそのまた7割以上を米国のテレビ局が占めていて、彼らの意向で開催時期は米国内のスポーツ競技の閑散期に当たる夏で、さらに人気のある競技は米国のゴールデンタイムに生中継できるようゲーム開始時間が組まれるということが罷り通っていた。今では、米テレビ局のシェアはそれほどでもなく、放映権料全体の中で5割程度と見られているが、それでもIOCとしては放映権料を少しでも高く売るのに命懸けなので、出来れば自分から延期や中止を口にしてテレビ局やスポンサー企業の機嫌を損ねることはしたくない。
 また開催地の経済負担の大きさという問題は、すでに五輪そのものの存続に関わるほどに深刻さを増している。無理を重ねて誘致して施設の整備や大会の準備に莫大な費用を注ぎ込んでも、大会後にはその国の経済全体が落ち込み、せっかくの施設も市民スポーツの増進には役立たずに廃墟化するなど、マイナス面ばかりが目立つようになった。そのため招致の手を挙げるのはロンドン、東京、パリなど先進国の巨大都市ばかりになり、他の都市で市長が動こうとすると市民から反対運動が起きるような始末である。
 つまり五輪そのものがもはや黄昏のビジネスとなりつつあって、そこで今回「中止」となれば破局は間違いなし。「延期」であっても恐らく何千億円もの追加費用を投じて無理に無理を重ねて強行しなければならないはずで、それを見ればますます誘致希望者はいなくなっていく。それを思うと、バッハはたぶん、自分の方からは「さらに何千億円かけてでも延期せよ」とは言い出せなかったのだろう。

小賢しい安倍首相の立ち回り
 他方、安倍首相は、バッハと森に任せておけば優柔不断の二乗となって決断が遅れ、延期もままならず中止に追い込まれることを恐れたのだろう。これを中止ではなく延期、しかも2年ではなく自分の自民党総裁任期内の1年延期に止めるべく、権限外の場違いであることを厭わず介入した。
 おそらく彼の頭脳の内では、新型コロナウイルスという非常事態の先頭に立って戦っているのは自分であり、その非常事態の結果として五輪の中止・延期を判断しバッハとやりとりするのが自分であって何がいけないんだ、という一種の意識混濁があったに違いない。さらに「後手後手のあとのやってるフリの先手先手」と川柳欄で揶揄(からか)われているような前のめり姿勢も作用したに違いなく、それがこの異様なパフォーマンスとなった。
 中止となれば、後手後手への非難を含めて責任論が噴き出して、安倍首相は早期辞任となりかねない。それを避けるには延期だが、それも2年先では自分がどうなっているか分からないから1年先なのである。しかし、それってすべて自分の都合ですよね。本当は、指導者というものは、自分のことはさておいて、中止と延期でどちらが時間とエネルギーと費用が少ないか、延期の場合に1年先と2年先ではどちらが日程を組み替えやすくて費用も最小で済むかなど、まずは国民と世界のアスリートにとってのメリット・デメリットを試算して提示し、判断を仰ぐのが普通でしょうに。
 ライターの武田砂鉄は「なぜ中止ではなく、延期なのか。『1年』の根拠は何なのか。こうした疑問に明確な説明があったわけでもない……。延期より『中止』が経済的な損失が少ないのではないか。『復興五輪』ならこのタイミングで中止してその分のお金を復興に回す。そう考えてもいいはずなのに」と指摘する(前出3月26日付朝日)。

もう止めたほうがいい五輪
 このドタバタ劇から透けて見えるのは、五輪そのものの馬鹿馬鹿しさ──と言ってしまうと身も蓋もないが、時代との関わりですでに歴史的使命が終っているという事実である。
 オリンピック憲章が「オリンピック競技会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」(1章6項1)「国ごとの世界ランキングを作成してはならない」(5章57項)と定めているが、これはほとんど空文である。早くも1908年の第4回ロンドン五輪から、開会式の入場行進が国ごとに国旗を掲げて行われるようになり、それ以来五輪はもっぱら「国威発揚」の道具として弄ばれてきた。それは、20世紀という国家エゴイズムの剥き出しのぶつかり合いの時代にふさわしい道具立ての1つだったと言えるのだろう。
 冷戦の終わりと共に、そのような国家エゴの時代は本質的には終わったはずなのだが、米国を筆頭に多くの国々はまだ20世紀へのノスタルジアから自由になれずに相変わらず軍拡を続けていて、そうであるからこそ五輪もまた惰性で続けているのである。
 そのためには「世界最大のスポーツの祭典」という虚構を膨らまし続けなければならない。しかしそうは言っても世界3大球技と呼ばれるバスケット、バレー、サッカーはそれぞれ独自の国際的な組織と世界選手権に至る競技日程を持っているし、水泳、陸上、テニス、ラグビー、卓球、ゴルフなどの競技もみな同じで、五輪が頂点とはならない。そこでIOCはそれらメジャーな競技の国際連盟に補助金を注いで何とか繋ぎ止めて体裁を繕う一方、他に何かテレビ映りのよさそうな新奇な競技はないかと探し回り、これが本当にスポーツと言えるのかと思うような曲芸まがいのものまで参加させようとする。結果、無闇な大規模化が進み、今回で言えば33競技339種目にまで膨らんだ。
 いきなり廃止というのもどうかと言うなら、前々から言われているように、開催地をギリシャに固定し、競技も1896年第1回アテネ大会と同等の10競技40種目程度に減らして続ければいいのではないか。あるいは、思い切って発想を転換して、巨大スタジオ1つだけを会場にした「全世界こども運動会」にするのはどうか。


 自分の任期を全うする気でいるようだ。冗談ではない!一刻も早く逮捕せよ!

「時代との関わりですでに歴史的使命が終っているという事実」
地球規模での温暖化、異常気象の中で、CO2削減が叫ばれている。それでもブルーインパルスを飛ばす時代錯誤にはついていけない。

 ハウスにビニールをかけようと予定していたが、風が強くて断念。明日はほかの用事でできないし・・・


 


海洋放出するしか方法はないのか?

2020年03月30日 | 社会・経済

福島第一原発の貯まり続ける汚染水は、海洋放出するしか方法はないのか?
    Imidasオピニオン2020/03/30
置き去りにされた陸上保管案
  満田夏花
  (国際環境NGO FoE Japan理事、事務局長。原子力市民委員会座長代理)


    2020年2月10日、東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける、ALPS(多核種除去設備)で処理した放射性物質を含む水の取り扱いについて検討を行っていた「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」(ALPS小委員会)が報告書を発表した。
 報告書は、放射性物質を含む水(以下、処理水)を海洋や大気へ放出することが現実的な選択肢だとし、さらに「放出設備の取扱いの容易さ、モニタリングのあり方も含めて、海洋放出の方が確実に実施できる」と強調している。2022年夏にはタンクが満杯になる見込みで、政府は準備期間を2年とみて、地元の意見をきいた上で2020年の夏までに判断するとしている。
 しかし、処理水の取り扱いについては、十分現実的な陸上に大型タンクを建設し保管する「大型タンク貯留案」や「モルタル固化案」が提案されているのにもかかわらず、それらはALPS小委員会ではほとんど検討されないまま、報告書は公開された。
約860兆ベクレルのトリチウムが放出される
 福島第一原発のサイトでは、燃料デブリの冷却水と原子炉建屋およびタービン建屋内に流入した地下水が混ざり合うことで発生した汚染水をALPSで処理し、タンクに貯蔵している(図1)。タンクはすでに979基で、貯蔵されている処理水は119万㎥以上となった(20年3月12日現在)。

貯蔵されている処理水に含まれるトリチウムの総量は推定860兆ベクレル。これは事故の前の年の2010年に福島第一原発から海洋に放出されていたトリチウム(約2.2兆ベクレル)の約390倍である。原子力施設の年間の排出目標値は施設ごとに定められており、事故前の福島第一原発の場合、年間22兆ベクレル。仮にこの目標値を守るとすると、860兆ベクレルのトリチウムを放出するためには数十年かかることになる。
 経済産業省は、トリチウムは世界各地の原発で海洋放出されていることを強調し、トリチウムの健康への影響はほとんどない、という趣旨の説明を繰り返している。
 確かにトリチウムは各地の原発や再処理施設から大量に放出されている。しかし、トリチウムの健康への影響は専門家の間でも意見が分かれている。トリチウムが有機化合物を構成する水素と置き換わり、それが細胞に取り込まれた場合、食物連鎖の中で濃縮が生じうること、またトリチウムが人体を構成する水素と置き換わったときには、近隣の細胞に影響を与えること、トリチウムがDNAを構成する水素と置き換わった場合、DNAが破損する影響などが起こりうることなどが指摘されている。
ヨウ素129、ルテニウム106、ストロンチウム90などが基準値超え
 また、貯蔵されている処理水の約7割で、トリチウム以外の62の放射性核種の濃度が総合的に勘案すると排出基準を上回っており、最大2万倍となっている 。基準値超えしているのは、ヨウ素129、ルテニウム106、ストロンチウム90などだ。東京電力(以下、東電)は海洋放出する場合は二次処理を行い、これらの放射性核種も基準値以下にするとしている。
 しかし、こういったトリチウム以外の核種が基準値超えしていることが明らかになったのは、共同通信などメディアのスクープによるものだ。それまで東電がALPS小委員会に提出していた資料では、他の核種はALPSにより除去できていることになっていたのだ。このことが引き起こした東電への不信感は大きい。
44人中42人が海洋放出に反対
 経済産業省は、この処理水の処分に関する説明・公聴会を2018年8月30日、31日に福島県の富岡町、郡山市、東京都千代田区で開催した。
3会場で実施された公聴会では、意見陳述人44人中、42人が明確に海洋放出に反対。とりわけ、福島県漁連の野崎哲会長や新地町に住む小野春雄さんなど漁業関係者が切々と、いままで少しずつ回復させてきた漁業に壊滅的な影響が出ることを訴えた。また、多くの人がトリチウムの危険性を指摘し、タンクで長期陸上保管すべきと述べた。
 公聴会終了後、経産省のALPS小委員会の山本一良委員長は、「代替案に『陸上保管案』も加える」と発言。しかし、実際には、陸上保管案をめぐる議論はほとんどなされなかった。
大型タンク貯留案
 陸上保管案については、プラント技術者も多く参加する民間のシンクタンク「原子力市民委員会」が、「大型タンク貯留案」、「モルタル固化案」を提案し、経済産業省に提出した 。
このうち、「大型タンク貯留案」は、ドーム型屋根、水封ベント付きの10万㎥の大型タンクを建設する案だ。建設場所としては、福島第一原発の敷地内の7・8号機建設予定地、土捨て場、敷地後背地等から、地元の了解を得て選択することを提案。800m×800mの敷地に20基のタンクを建設し、既存タンク敷地も順次大型に置き換えることで、新たに発生する汚染水約48年分の貯留が可能になる(図2)。

 
 東電は大型タンク貯留に関して、「敷地利用効率は標準タンクと大差ない」「雨水混入の可能性がある」「破損した場合の漏えい量大」といった点をデメリットとして挙げた。これに対する質疑や議論はALPS小委員会では行われていない。それにもかかわらず、ALPS小委員会の報告書には、この東電の説明がそのまま使われている。
 大型タンクは、石油備蓄などに使われており、多くの実績を持つことは周知の事実だ。また、ドーム型を採用すれば、 雨水混入の心配はない。大型タンクの提案には、防液堤の設置も含まれている。
もう一つの「モルタル固化案」とはどういうものだろうか。
 元プラント技術者で、この案のとりまとめ作業を行った前述の原子力市民委員会の川井康郎氏は以下のように説明する。
「モルタル固化案は、アメリカのサバンナリバー核施設の汚染水処分でも用いられた手法で、汚染水をセメントと砂でモルタル化し、半地下の状態で処分するというもの。利点としては、放射性物質の海洋流出リスクを半永久的に遮断できることです。ただし、セメントや砂を混ぜるため、容積効率は約4分の1となります。それでも800m×800mの敷地があれば、約18年分の汚染水をモルタル化して保管できます」(川井氏)。
敷地は本当に足りないのか
 敷地をめぐる議論も、中途半端なままだ。ALPS小委員会では委員から、「福島第一原発の敷地の利用状況をみると、現在あるタンク容量と同程度のタンクを土捨て場となっている敷地の北側に設置できるのではないか」「敷地が足りないのであれば、福島第一原発の敷地を拡張すればよいのではないか」といった意見が出された。
 前述の原子力市民委員会は、敷地の北側の土捨て場に大型タンクを設置することができれば、今後、約48年分の水をためることができると試算している。
 問題は、現在土捨て場にためられている土を運び出すことが可能かどうかだが、東電はこの土の汚染状況を「数Bq/kg~数千Bq/kg(セシウム137で最大2200Bq/kg)」と説明している。これは現在、福島各地の仮置き場にためられている土と同レベルであり、土捨て場から動かせないレベルではない。
 タンクを設置する敷地の拡大の可能性については、経済産業省は地元への理解を得るのが難しいとしている。
これに対して、本年1月22日、衆議院議員会館で開催された処理水の処分をめぐる集会にて、大熊町町議の木幡ますみさんは、「大熊町民で『汚染水を流すぐらいだったら自分の土地を使って置いておけばいい』という声が非常に多い」と発言した。
 もちろん、地元への説明・理解は不可欠であるが、その努力をまったくせずに、「敷地拡大は困難」という結論を出すことは時期尚早だろう。
 なお、東電が示している敷地利用計画は、使用済核燃料や燃料デブリの一時保管施設(8万1,000㎡)、資機材保管・モックアップ施設に加え、研究施設など、本当に敷地内に必要なのかよくわからないものも含まれている。また、使用済み核燃料取り出しの計画はつい最近最大5年程度先送りすることが発表されたばかりで、燃料デブリの取り出しについても、処分方法も決まっておらず、このままのスケジュールで取り出すことは現実的ではない。
「放出ありき」に反発強める漁業者
 地元の漁業者は「放出ありき」の議論に、反発を強めている。
「漁業者を何だと思っているんだ、と思う。復興に向けて、せっかくここまできたのに、万が一のことがあったら漁業は壊滅的となる。漁業者や買受人、加工業者等の水産業者が廃業、転業などで去っていくことになりかねない」。小名浜機船底曳網漁業協同組合理事の柳内孝之さんはこう語る。福島県漁連の野崎哲会長も繰り返し反対の意思表示をしている。また、茨城沿海地区漁業協同組合連合会も2020年2月、汚染水を海に放出しないように求める要請を行った。これを受けて、茨城県の大井川和彦知事は、「海洋放出が有利」だとする有識者会議報告書の説明に訪れた内閣府担当者に対して「白紙の段階で検討し直してほしい」と述べている。
 朝日新聞および福島放送が2月下旬に行った世論調査によれば、福島県の有権者のうち、処理水を薄めて海に流すことに57%が「反対」と答えた。また、福島県の地元紙である福島民報は、「本県沖や本県上空が最初、あるいは本県のみが実施場所とされるのは、さらなる風評につながり、絶対に許されず、認められない」(19年12月27日)としている。飯舘村村民で、元酪農家の長谷川健一さんは、「安全だと言うのならば、東京湾に流すべき」と発言している。しかし、東京湾に流すとなれば、東京の漁業者は反対の声を上げるだろう。

◆◆◆
 私は、福島県いわき市の小名浜港や新地町の漁港を訪問し、この件に関して、漁業者の方々からのお話を聞くことができた。彼らの抱いている危機感は強い。共通しているのは、原発事故による打撃からようやく立ち直ろうとしてる最中、これ以上、放射性物質を海に流されてしまうことへの拒否感、長期にわたる影響への不安、たびたび反対の声をあげているのにもかかわらず、その声が聞かれないことへの怒りと不信だ。
 「東京で消費する電気をつくるための原発が事故をおこし、それによって漁業がいためつけられている。汚染水が安全だというのならば、東京で流せばよい」。そういう声もあった。さらに「これは漁業者たちだけの問題ではない。日本全体の問題だ」という声も聞かれた。
 こうした漁業者の切実な想いを私たちは真剣に受け止めるべきではないか。経済産業省は、「地元関係者の意見を聞く」としているが、前述の公聴会のときに漁業者を含む多くの人たちが海洋放出反対に反対し陸上保管を訴えたのにもかかわらず、結局は無視してしまってではないか。
「時間切れ」でなし崩し的に、処理水の海洋放出に踏み切るべきではない。これは、漁業に大きな打撃を与え、漁業者の希望をくじくことになる。また、国際的な信頼も失うだろう。将来に大きな禍根を残す。
 放射性物質は集中管理が原則である。大型タンクによる陸上保管案、モルタル固化案、敷地拡張案などを早急に検討すべきである。


今日もいい天気。でも10℃に届かず。
裏山から田んぼを望む。

江部乙の沼。


「食」を考える。

2020年03月29日 | 食・レシピ

「食を否定から考えたくないんです。食べることは生きることだから」
~ホームレス支援、被災地支援にも飛び回る料理研究家が今やろうとしていること

  Imidasオピニオン2020/03/26
         枝元なほみ(料理研究家)(構成・文/仲藤里美)


非正規雇用や日払いで働いていて、年末年始の休業中に苦しい状況に追い込まれた人たちのために開かれた「年越し大人食堂」。その様子を伝えるニュース映像に、にこにこ笑いながら料理を作る枝元なほみさんがいた。おいしそうなメニューとその笑顔に、彼女の話を聞いてみたくなった。料理研究家であり、ホームレス支援や農業支援にも駆け回る枝元さんは、どんな思いで“ごはんを作る”のか。

たくさんの人に支えられた「年越し大人食堂」
 2019年12月31日と年明け1月4日の2回、都内で開かれた「年越し大人食堂」で料理を担当しました。
 これは、〈東京アンブレラ基金〉、〈一般社団法人つくろい東京ファンド〉、〈NPO法人POSSE〉の三つの団体が協働で実施した取り組み。年末年始のお休みは、日払いや時給で働いている非正規雇用の人たちの仕事が途切れてしまうことが多く、普段は何とかネットカフェなどで寝泊まりしている人も、お金がなくなって路上生活を強いられるケースが増えるのだそうです。
 そうした人たちに向けた労務相談や生活相談の場を設けるとともに、同じ場所で無料の昼食・夕食を提供するというのが、この「年越し大人食堂」の試みでした。私も、雑誌『ビッグイシュー』などを通じて、路上生活をしている人たちへの支援活動に関わってきた縁で参加させてもらうことになったのです。
 開催に向けて、他のイベントでご一緒した全国各地の有機農家さんが、話を聞いてたくさん野菜を送ってくださいました。それはもうすごい量で、一時は自宅の玄関が八百屋さんみたいになって、「どうしよう」と途方に暮れるくらいでした(笑)。
「これは○○さんが作ったじゃがいも」「こっちは○○さんの白菜」と、作った人の顔が見える野菜ですから、葉っぱも皮も全部、絶対に捨てることなく使い切ろうと決意して準備にかかりました。東京では初めての試みということで、どのくらいの数の人が集まるのかよく分からなかったのですが、足りなくなったらまた作ればいい、それでも足りなければ分け合えばいい、何とかなるよ、くらいのゆったりした気持ちでいこうと思いました。
12月31日のメインメニューは、刻んで発酵させておいた白菜を使った酸辣湯風スープ。1月4日はお雑煮と、これまたいただきものの猪肉と鹿肉を使ってカレーを作りました。田畑を荒らすため駆除された猪や鹿の肉の行き場がなくて余っているから、といって分けていただいたんです。
当日、調理の合間には食事をしに来てくれた人たちと話をする機会もありました。まだ若い、本当に今どきの「おしゃれでカッコイイお兄さん」という感じの男性が、「所持金が150円しかなくなってここに来たんです」と話してくれて。道ですれ違っても、誰も彼がそんな生活をしてるなんて思わないだろうな、と考えました。
 同時に、単なる「相談会」だったら、彼は来なかったかもしれないとも思いました。「食堂」という場があって、「ごはんをどうぞ」って言えることで、来てもらうためのハードルが一気に下がったんじゃないかな。
 だから、できれば恒常的にこの「大人食堂」の取り組みができたらいいと思っています。それも、余裕のある人には代金を払ってもらって、生活が苦しい人はもちろん無料で食べられるという形にして、誰もが「ちょっとごはん食べに行こう」って気軽に立ち寄れる場所になったらいいですね。いろんな敷居や垣根を取り払って、生活の苦しい人もそうでない人も、もっと「混ざれる」ような場所を作れたらすてきだなと思うんです。

販売者は「パートナー」──『ビッグイシュー』との出会い
 『ビッグイシュー』との関わりは、日本版の創刊数年目にインタビューを受けたのがきっかけです。「ホームレス」状態の人たちに、お金や食べものを渡すのではなくて「雑誌を路上で売る」という仕事を提供する。『ビッグイシュー』を売っている販売者さんたちは、自分たちにとってビジネスパートナーなんだ、というビッグイシュー日本代表の話を聞いて、すごくいいなと思いました。
 というのは、ちょうどその頃、仕事で「日本型システム、終わってるな」と思うことが続いていたからです。
 たとえば、あるテレビ番組の仕事でのこと。タレントさんが私の自宅スタジオまで来て、いろいろ注文を聞きながらたくさん料理をして、何時間もかかって撮影したんですが、その割にはびっくりするくらいギャラが少なかった。アシスタントへの支払いもあるし、ちょっとこれは……と思って抗議したら、担当者にこう言われました。「上司がこれしか出せないと言っています。バラエティーじゃなくてニュース番組の取材なので……」
また、あるお役所から頼まれた料理教室の仕事は、準備や食材の買い出しの分も含めたら、赤字になりかねないギャラでした。理由は「公共の催しだから」。
それを聞いたのはすでに引き受けてしまった後だったので、そのままやることにはしたのですが、当日役所に行ってみたら、すごい豪華な建物なんですよ。立派な噴水があって、ガラス張りのエレベーターがあって。腕に抱えていた材料の大根を噴水の中に投げたくなりました(笑)。
 そうやって、建物などのハードには湯水のようにお金を使うのに、人に対してはお金を払わない。ニュースだから、公的機関だからという理由で人に「ボランティア」を強制する。それって何かおかしくないか? と思っていたところだったので、販売者さんに対して「対等なパートナー」として接する『ビッグイシュー』のやり方が、とてもいいなと思ったんです。それで、今度はこちらから、ボランティアで何かやらせてください、と申し出て、料理ページの連載をいただくようになりました。今ではちゃんとギャラもいただいてますよ。
 そうやって『ビッグイシュー』とその販売者さんたちに関わる中で気づいたのは、私自身、「ホームレス」の人たちを思い描くときに、「おじさん」──ある一定年齢以上の男性だけをイメージしてたんだな、ということ。でも実際には、もっとずっと若い人たちの状況も大変なことになっているし、もちろん貧困に苦しんでいる女性たちもたくさんいる。そのことを自分が全然イメージしていなかったことに気づかされました。

いつも「きちんと、ちゃんと」しなくてもいい
 今の日本社会を見ていて嫌だなあと思うのは、「きちんと決まりどおりにやらないとダメ」「ちゃんとやらないとダメ」という空気が蔓延(まんえん)していることです。東日本大震災の被災地へボランティアに行ったときに、特にそれを強く感じました。
 せっかく支援物資が届いていても、数が足りなくて全員に均等に分けられないから配らないとか、ストーブがあるのに、あっちのストーブの分の灯油がないからこっちもつけないとか、そういうことがあちこちであったんですね。避難所に傷みそうな野菜がいっぱい積んであるから「もったいないから、料理しましょうか」と聞いても、「うちの担当じゃないので」「私は担当じゃないから分からない」とたらい回しにされたこともありました。
「大人食堂」のときも、ごはんを炊いて、最初はみんなに均等に配れるようにおにぎりにしてたんですけど、どうせおにぎりの大きさだってまちまちなんだし、食べたい量も人によって違うなあと思って、途中から炊きたてごはんを鍋ごとそのままどーんと出すようにしました。そうしたら、みんな自分の好きなだけよそえるし、周りの人の分までよそってくれる人が出てきたりして、にぎやかですごくいい雰囲気になったんです。なんだか疑似家族みたいに、わいわいして。その場、その時に、それぞれ臨機応変に対応することが大事だなっていう思いを強くしました。
 何かイベントやプロジェクトをやろうというときも、じゃあまずきっちり計画を立てて、準備しないとダメだよって言われることが多いです。でも私、そういうことがすごく苦手なんです。
 もちろん、きっちりした計画や準備が大事なことも分かるけれど、実は「後から誰かに文句を言われないように」計画を立てるっていうのもあるんじゃないかなあ、と思って。ひたすら計画を、準備を、と考えているうちに、やらなくちゃいけないこと、やりたいことがどんどん逃げていっちゃう気がします。まずは動き出して、ここが問題だなと思うところがあったらそれを一つずつ解決していく。そういうやり方が、私は好きなんだと思います。というか、そんなふうに進めていかないとモチベーションを維持できないのかもしれません。

誰の「食」も否定したくない
 私は料理が得意でそれを仕事にしてきたし、人に自分の作ったものを食べてもらうのが大好きです。一方で、料理がうまいからそれが何なんだ、料理ってそんなに「特別」なものじゃないでしょ? という思いもあります。
 もちろん、食べものがなかったら人は生きていけないし、食べることも食べものを用意することも大事。ただ、料理するって、一歩間違うと「手作りが愛情表現だ」みたいな道徳的な話とすり替えられたり、「料理は女の仕事」といった価値観を押しつけられたりしがちだから、そこはすごく気をつけなくちゃいけないと思っています。
 あと、安全でおいしいものを食べたい、体にいいものを食べたほうがいいという思いは当然あるけれど、誰かに対して「肉ばっかり食べてちゃダメだよ」とか「またコンビニのごはん食べてるの?」とか、そういうことは絶対に言いたくない。食べもののことを仕事にしているからこそ、食べものに関しては否定形の言葉から入りたくないと思うんです。
たとえばコンビニのものばかり食べてる人がいたら、ただ「それじゃダメだよ」って言うんじゃなくて、なんでこの人はコンビニごはんしか食べられないんだろうということに目を向けたいなと思う。料理する時間がないのかもしれないし、経済的な問題なのかもしれない。その理由を一緒に考えた上で「こっちにもっとおいしい、体にもいいものがあるんだけど、食べてみない?」って差し出したいんです。
 食べることは生きることでもあるから、その人が食べてるものや食べ方を否定すると、その人の生き方まで否定することになっちゃう気がするんです。「これはダメだよ」って押しつけるんじゃなく、価値観や習慣の違いも受け入れた上で、人は食べて生きていくんだよね、という前提をおおらかに共有したい。そう思っています。

キッチンの窓を開けて社会とつながる
 『ビッグイシュー』の他にも、日本各地の生産者を支援する「チームむかご」の活動や、種子法や種苗法の勉強会や活動、「学校給食を有機無農薬に」を進めるイベントなど、いろんな活動に関わっていますが、根っこは全部同じだと思っています。自分がやれること、やったほうがいいと思うことを淡々とやっていく。気になったこと、変だと思ったことを、自分をごまかして「別にいいや」ってスルーしたくない。
 そう考えるようになったのは、やっぱり東日本大震災と福島第一原発事故がきっかけ。農業のこととか、原発のこととか、おかしいなと思うことがあっても、ほったらかしにして何も行動してこなかった結果がこれなんじゃないか、とあのとき気づいたんです。
料理の仕事を何十年もしてきた中で、ただおいしいものを作るとか、おしゃれな流行の料理を考えるとか、そういうことはもう十分にやったなあ、と感じて、「誰も飢えさせない」ということが、食に関わる私のテーマになってきました。
 これって実はかなり大変なことで、平和じゃなければ食べものを生産してくれる人なんて、いなくなっちゃいますよね。経済格差が大きくなれば、飢える人も当然出てくる。経済や外交政策の失敗で食べものの値段がものすごく高くなるかもしれないし、農薬や遺伝子組み換え食品が心配で安心して食べられないということになるかもしれない。いつも冷蔵庫に食べものがあることが、当たり前とは限らないと思うんです。
 だから、今一番言いたいのは、キッチンの窓を開けて社会とつながろうよ、ということ。消費者である私たちが、たとえば「遺伝子組み換え食品なんて買いたくない」と声を上げれば、十分に社会を変える力になります。私たちは、その力をもっと自覚したほうがいいんじゃないかな。「食」さえも利益優先のお金儲けに利用しようとする人たちがたくさんいる中で、私たちが台所にいるということ、そこからちゃんと声を上げていくことこそが、暮らしを守る「砦」になると思うんです。


いい天気です。我が家のア割では、ようやく畔が見えてきました。

室内では君主蘭が咲きそうです。
シャコバサボテンは今年2回目の開花です。
江部乙の方は福寿草が咲き始めました。
明日もいい天気のようで10℃に達するか?
田舎はいいな!
自然はいいな!
農業はいいな!
では、皆さんお元気で!


自殺した財務省職員の妻がオンライン署名立ち上げ

2020年03月28日 | 社会・経済

森友問題、自殺した財務省職員の妻がオンライン署名立ち上げ 1日で9万人以上の賛同者が集まる
「このままでは夫の死が無駄になってしまいます」と、署名への協力を呼びかけています。
  ハフポスト2020年03月28日

     生田綾 

「私の夫、赤木俊夫がなぜ自死に追い込まれたのか。有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施して下さい!」

学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、財務省の文書改ざんに関わり自殺した職員、赤木俊夫さんの妻が3月27日、オンライン署名サイト「Change.org」でプロジェクトを立ち上げた。
赤木さんが自死に追い込まれた原因と経緯を明らかにするため、有識者による第三者委員会を立ち上げ、「公正中立」な調査をするよう求めている。
なぜ署名プロジェクトを立ち上げたのか
署名プロジェクトを立ち上げたのは、赤木さんの妻と代理人弁護士。署名の宛先は安倍晋三首相と麻生太郎財務大臣となっている。
赤木さんの妻は3月18日、財務省近畿財務局で行われた決済文書改ざんに関わり、その後自殺した夫・俊夫さんの手記と遺書を公表した。
手記には、改ざんは「佐川宣寿元財務省理財局長の指示」で行われたと書き残されており、妻は計約1億1200万円の損害賠償を求めて国と佐川氏を提訴。「夫がなぜ自死に追い込まれなければならなかったのか、その原因と経緯を明らかにする」ことが訴訟の目的という。
しかし、国や佐川氏が民事訴訟で請求を認めた場合、「真相解明のための証人尋問や、夫が作成したとされるファイルについての文書提出命令の機会も与えられず、民事訴訟が終わってしまう」と妻は主張。
署名プロジェクトでは、弁護士や大学教授、精神科産業医などで構成される第三者委員会を立ち上げ、真相解明のために「公正中立な調査」をすることを求めるという。
また、財務省が2018年6月に公表した調査報告書に対して、「この報告書の内容は曖昧で、なぜ夫が自死に追い込まれたのか、その経緯や原因を知ることはできません」と指摘している。
安倍首相と麻生氏は、再調査を拒否している。妻は、「このままでは夫の死が無駄になってしまいます」として、署名への協力を訴えた。

▼署名ページより(下記より署名サイトへ)

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私の夫、赤木俊夫がなぜ自死に追い込まれたのか。有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施して下さい!

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夫と同じように文書改ざんに多かれ少なかれ関与した職員や、改ざんに関与した職員でなくても現場で詳細を知っている職員がおられます。上司の内部調査では言えない方もかなりおられると聞いていました。
公文書改ざんは「あってはならない」と安倍総理や麻生財務大臣が仰るのであれば、二度と夫のような方が現れないためには真実を解明することが、二度と「あってはならない」為の再発防止策であると考えています。
二度と夫のような方が現れないように、どうか皆様の力を貸してください。宜しくお願い致します。

立ち上げから1日で9万人以上の賛同者
署名ページの公開後、賛同者は続出。28日午前10時時点で、9万人以上の賛同者が集まっている。


雨宮処凛がゆく! 第515回:新型コロナウイルス感染拡大で蘇る「派遣村前夜」の空気

2020年03月27日 | 社会・経済

  マガジン9By 雨宮処凛 2020年3月25日 https://maga9.jp/200325-1/


なんだか「派遣村前夜」のような空気になってきた――。
 そんな言葉を、生活相談や労働相談をしている支援者・活動家たちと交わすことが多くなった。このままでは、経済的困窮による自殺者、ホームレスが続出するのではないか――。多くの人が、「当たって欲しくない最悪の予想」としてそう口にする。
 新型コロナウイルス感染拡大の混乱による失業や生活困窮が今、すごい勢いで広がっているからだ。
 派遣村とは、2008年末から09年明けまで日比谷公園で開催された「年越し派遣村」のこと。08年9月に起きたリーマン・ショックによって全国に派遣切りの嵐が吹き荒れ、当時、15万人の非正規労働者が職を失うと言われていた。景気の悪化によって職を失うのは非正規だけではない。少なくない自営業者やフリーランス、正社員もその余波を受けて困窮に陥っていた。
 が、もっとも苦境に突き落とされたのは、やはり非正規の人々だろう。
 08年の年末を前に、多くの人が職と住む場所を同時に失う事態になっていた。当時は寮に住む製造業派遣の人々の首切りが続々と勢いで進んでいた頃。この年の12月4日、日比谷公園で開催された集会には解雇されたばかりの派遣労働者が登壇し、切々と訴えた。
 「僕たちにも2009年を迎えさせてください」
 「寮から追い出さないでください」。
 その中には、「どうかホームレスにしないでください」と言葉を詰まらせた男性もいた。自動車関連工場で契約途中に仕事を切られた50代の男性だった(『派遣村 国を動かした6日間』年越し派遣村実行委員会・編/毎日新聞社)。
 12月になってから年末での解雇を言い渡され、同時に住んでいる寮も出ていけと言われた人々が大勢いたのだ。帰る場所のない人にとって、それは正月を目前に「ホームレス化する」ことを意味していた。給料から寮費や光熱費などを差し引かれる製造業派遣ではなかなか貯金もできない。しかも働く人の多くが県外から愛知県などの工場に働きに来ている状態。地元に帰るお金があればいいが、それさえない人もいる。また、家族関係が複雑だったり「実家も貧困」などの事情から帰りたくても帰れない人もいた。
 年末年始を前に、相当数の人が寒空の下、路頭に迷うことが予想されたのだ。役所の閉まる年末年始、放置されれば餓死、凍死者が出る可能性もある。そのような事情から貧困問題に取り組む活動家や労働組合によって「年越し派遣村」が開催されたのである。
 12月31日から1月5日まで開催された派遣村には、住む場所も職も所持金も失った500人以上の人々が訪れ、寒空のテントでともに年を越した。その様子は連日メディアで報道され、正月を家族で過ごす日本中の人々はその光景に衝撃を受けた。この国の貧困が「可視化」された瞬間だった。派遣村には6日間で1600人を超えるボランティアが集まり、5500万円を超えるカンパが集まった。私も現場に何度も足を運んだが、そこはまるで野戦病院のようだった。
 体調が悪く、倒れこむようにして辿りついた人。自殺しようとしていて警察に保護されて派遣村に来た人。長らく車上生活を続けてきた人。建築の仕事をしていて給料を持ち逃げされた人。会社が潰れて給料未払いとなり路上生活になっていた人。ネットカフェ生活をしながらアルバイトを転々としていた若者。派遣村のニュースを見て何日もかけて歩いてきた人。
 また、私は直接会ってはいないが、08年6月に秋葉原で無差別殺人事件を起こした加藤智大の元同僚もいたという。リーマン・ショックの3ヶ月前、あの事件を起こしていなければ、加藤智大も派遣切りに遭って「若いホームレス」として派遣村に来ていたのかもしれないな、と思ったことを覚えている。青森に実家のあった彼も、静岡の関東自動車工業で寮生活をしながら働く派遣労働者の一人だった。
 「でも、もともと寮生活していたんだったら、寮に入る前に住んでたとこに帰ればいいじゃん」
 そんな素朴な疑問を口にする人もいるだろう。もちろん、派遣切りに遭い、寮を追い出された人の多くがそうしていた。が、前述したように、そうできない人は必ず一定数、いるのだ。現場で日々当事者と接していた人は、それは「だいたい4人に1人くらいではないか」と口にした。例えば、寮を追い出されても、4人に3人は実家に帰るか、友人宅に居候するなどしている。が、残り4分の1が、そういった「困った時に頼れる人間関係(家族も含む)」を失っているのだ。
 そんな派遣村から、12年。コロナ禍の現在の状況は、製造業派遣が中心だったあの当時から職種を大幅に広げて人々の生活を脅かしている。当時と共通するのは、やはり非正規が大打撃を受けているということだ。
 たとえば3月7日と6日に開催された、「全国ユニオン」の「同一労働同一賃金ホットライン〜新型コロナウイルス対策の雇用形態間格差を是正しよう!〜」には、深刻な相談が寄せられた。その数、120件以上。相談の電話をかけてきたほとんどが正社員以外だ。以下、いくつかの声を紹介しよう。
 「離婚して昨年11月から働いている。やっと慣れてきたが、雇い止めを通告され、寮も出るよう言われ困っている」(派遣 女性 ホテル)
 「新型コロナの影響でツアーが相次いで中止。仕事がなくなり、生活ができない」(派遣 添乗)
 「仕事を減らされ、3月末で雇い止めと言われた」(契約社員 男性)
 「職場(派遣先)に濃厚接触者が出た。本人(相談者)は微熱が続いているので医師からは休むように言われている。派遣先からは37.5度以上でなければ出社しろと言っている。どうしたらいい?」(派遣 女性)
 「正社員はテレワークになったが、派遣は通常通りの出社しか認められない」(派遣 女性)
 「正社員は特別休暇で有給の休みにするが、パートはないと言われた。パートが説明を求めたら『それ以上説明することはない』と言われた。娘が2月28日から休校になっている。このまま無給が続くと生活が苦しい」(パート 女性 社会福祉施設)
 「3月2日から休みになった。補償がどうなるのか説明がない」(パート 女性 テーマパーク)
 「ある競技の警備をすることになっていたが、無観客になったので仕事もなくなった。賃金はどうしたらいいか」(経営者 男性 警備業)
 「新型コロナの影響で学校給食が中止になった。補償はあるのか」(公務非正規 女性 学校給食)
 「3月のスケジュールは決まっていたのに、新型コロナの影響で2日間しか出勤できていない。補償はされるのか」(アルバイト 男性 ホテル)
 どれもこれも、切実な悲鳴が聞こえてくるような相談だ。しかも派遣村の時と違って職種はあまりにも多岐に渡っている。ホテルや観光業が多いのも特徴だ。正社員は出社しないのに派遣だけが出社するよう言われる、などの雇用による差別も目立つ(詳しい結果は「全国ユニオン」のサイトで見られるのでぜひ)。
 これが自営業向けのホットラインだったら、飲食店やライヴハウス、カラオケ店、スポーツジムなどから「一体どうすればいいのか」という悲痛な声が聞こえているだろう。
 これらの相談を受け、全国ユニオンは19日、厚労省に対策を要請。雇い止めとなった人への支援体制を早急に整備することや、休業手当を払わない企業へ指導を徹底することなどを求めている。
 一方、3月15日に緊急生活保護ホットラインを開催した「ホームレス総合相談ネットワーク」は120件の電話相談を受けた。「観光バスの運転手の仕事を解雇された。所持金は2万円で、失業保険だけでは生活できない」「歩合制でサウナで体をほぐす仕事をしているがサウナが休業し、収入が途絶えた。5千円しかない」などの訴えがあったという(朝日新聞3月17日)。また、住宅ローンを払っている世帯からの切実な声も寄せられたという。それらの声を受け、「ホームレス総合相談ネットワーク」は、その翌日に安倍首相などに要望書を提出。生活資金がなくなった世帯に対し、生活保護法の「急迫した事由がある場合」に該当するものとして認め、すみやかに保護を開始すること、また銀行等に対して、住宅ローン、自動車ローン、カードローンの支払猶予を行うよう要請することなどを求めている。
 前回も書いたように、生活保護は、収入のあてがなく、貯金もなく、全財産がだいたい6万円以下だったら受けられると思ってもらえばいい。もちろん、働いていても受けられる。例えば月の収入が8万円など生活保護基準以下であれば、足りない分の給付を受けられるのだ。この場合、単身世帯であればだいたい5万円ほどが支給される。生活保護はそういう使い方もできるのだ。そうして収入が生活保護を上回れば、「卒業」すればいい。もちろん、自営業だろうがアーティストだろうが受けられる。年金をもらっていたとしても、国が定める最低生活費未満であれば足りない分が生活保護費として支給される。
 が、その生活保護には持ち家や車など、「資産」があると受けられない場合もある。生活保護を利用する前に、それらを売ってお金に変えて生活費にしてくださいと言われるのだ。こういうことを「資産の活用」というのだが、「ホームレス総合相談ネットワーク」の要望書の第1の1では、不動産や車を持っていても、貯金などすぐに活用できる資産がなく、手持ち現金が乏しい場合には「急迫した事由」があるものとして生活保護を開始すべき、と訴えているのである。ちなみに持ち家でも処分した場合の価値がそれほど高くなければそのまま住み続けて生活保護を利用することができるし、車は通勤や通院に必要と認められれば持つことができる。よく「持ち家や車があると生活保護を受けられない」と言われるが、一律ダメというわけでは決してない。
 特に今回のような緊急事態では、「家や車を売れ」と迫るのではなく、手持ちの現金がなければ生活保護を認めてしまうような運用が手っ取り早く救済につながるはずだ。数ヶ月の生活がしのげればなんとかなる、という世帯も少なくないはずだ。一律に「持ち家を売れ」「車を売れ」と迫り、それらを売った金が尽きてからでないと生活保護を利用できないとなると、生活再建が大変すぎる。とにかく柔軟な運用を、と呼びかけたい。
 年越し派遣村は、生活保護を集団申請することで住まいもない当事者の生活をまずは立て直した。住所がなければ職探しもできないし、所持金が尽きていては餓死してしまう。
 あれから、12年。当時より非正規で働く人は増え、当時より雇用が不安定化し、当時より家族福祉が脆弱化し、当時より貯蓄ゼロ世帯が増えたこの国で、新型コロナウイルスによる混乱が人々を追い詰めている。
 ちなみに、新型コロナウイルスに感染した人の中で、本業の仕事をしながらコンビニやファストフードで副業をしていた人がいたことを覚えている人は多いだろう。副業しないと食べていけない。そんな現実も、貧困がじわじわと深刻化した今を象徴しているようだ。しかし、副業していた60代会社員の男性は、それがばれることを恐れて保健所に隠していた。60代の会社員男性であってもこっそりアルバイトしなければならない現実は今、この国のあちこちにある。
 それを証明するのが、貯蓄ゼロ世帯の数字だ。18年の貯蓄ゼロ世帯は、20代単身で45.4%、30代単身で39.7%、40代単身で42・6%、50代単身で39.5%、60代単身で26.7%。すべて単身世帯の数字だが、平時であってもこれだけの貯蓄ゼロ世帯が、今、持ちこたえられるとはとても思えない。
 とにかく今生かすべきは、派遣村の時の教訓である。
 そんな思いからあの時の記憶を呼び起こすと、様々な光景が浮かぶ。
 例えば派遣村には、派遣切りで職を失った以外の困窮者も多くやって来た。身体障害、知的障害、精神障害の人も少なくない数、訪れた。施設から逃げてきたという若い人もいた。これほど多様な人々が困り果てて、年末の公園の吹きっさらしのテントで年を越すためにやって来るのか……。派遣村実行委員会が想定もしていなかった人々も続々と訪れることに、多くの「気づき」があった。表には出なかったが、中にはもちろん女性もいた。
 また、当時派遣切りされた中には愛知県などの工場で働く日系ブラジル人も多くいた。それたけではない。直接「派遣切り」と関係ない形でも、リーマン・ショックによる不況で全国で失業者や困窮者、ネットカフェ難民が激増した。
 今回のような形で経済が打撃を受けると、もともと「条件があまり良くない人」「手持ちのカードが少ない人」の生活から一気に崩れてしまう。コロナと関係あるようには見えなくても、多くの人が連鎖的に困窮する。もっとも弱い立場にいる人に皺寄せがいくようになってしまっているのだ。
 だからこそ、困ったら早めに役所に相談してほしい。特に生活困窮者支援団体「もやい」大西連さんの生活保護についての記事は頭の片隅にでもいいので置いておいてほしい。
 そして私も今、様々な団体と連携して、支援体制を作る準備にかかわっている。またこちらでお知らせしたい。


命を奪うのは感染症だけではない

2020年03月26日 | 社会・経済

 


新型コロナ、他国に出遅れる安倍政権が抱える巨大リスク。命を奪うのは感染症だけではない
  ハフポストNEWS 2020年03月26日

新型コロナウイルス問題で東京都が週末に外出自粛要請をした。小池百合子都知事は感染爆発するかどうか「重大局面」を迎えていると言ったが、経済はとっくに重大局面を迎えている。

  石戸 諭 

 
驚いたコロナ担当相発言
フジテレビ「Mr.サンデー」(3月22日)に出演したとき、新型コロナウイルス対策に当たる西村康稔経済再生相に直接質問する機会があった。

私がリーマンショック級あるいはそれ以上の打撃が見込まれる以上、消費税減税が必要なのではないか、と問うと西村氏は、消費税を下げるとしても、下げる前の需要は落ち込み、また上げるとなると、(直前の)駆け込み需要後の消費が落ち込むことなどを理由に、減税に否定的な見解を並べた。
 
さらに驚いたのは、新型コロナウイルスの流行が収まったという前提ではあったが、「今年6月〜7月にかけて国内観光のキャンペーンをやりたい」と言ったことだ。
3月23日に政府の経済対策として、「旅行代の助成」を検討していることが報じられたことと発言の方向性はあっている。
その後も立て続けに続報が出ているように、安倍政権は一律の現金給付、消費税の減税も見送る方向で議論を進め、何やらクーポンを配る程度で決着をつけるという。
以上を踏まえれば、安倍政権の経済政策はおよそ的外れであり、日本経済の減速は避けられないだろう。
 
安倍政権の経済政策はまったくもって遅れている
アメリカでは与野党が共闘し、強い外出制限などに対応して220兆円にも達する経済対策を打つことで大筋合意に達した。
その中身はと言えば、大人1人当たり1200ドルを支給する現金給付案を軸になり、「4月をめどに家計に現金を給付するほか、企業支援にも9000億ドルを充てる。国内総生産(GDP)の10%にあたる巨額対策で、景気の底割れ回避を目指す」(日経新聞)というものだ。
公衆衛生上で効果があるとされる外出制限など社会的隔離政策と、経済政策をセットで打つという常道をアメリカは選んだ。
それに比べて、日本の経済政策はまったくもって遅れている。
私は消費減税に加え、納税猶予、社会保険料の減免は待った無しで実行すべきだと考えている。さらに、国民全員に一定額を一律給付した上で、一定所得以上の人々に関しては確定申告もしくは年末調整で対応させればいいというスタンスだ。
周りを見渡せば、5月末までの契約を3月末で打ち切られた、予定していた取材がすべてキャンセルになりまったくお金が入ってこない、8月に予定していた仕事がキャンセルが通告され数百万の損失ーーといった声ばかりが聞こえてくる。
2020年2月の倒産件数は、6ヵ月連続で前年同月比を上回った。6カ月以上の連続増加は、リーマン・ショック(15カ月連続)以降では最長だ。新型コロナウイルスの関連倒産はまだ少数であり、倒産は今がピークなのではなく、今後より本格的に増加するというのが経済の専門家たちの概ね一致した見解だ。
 
感染症の専門家は、経済のことは「わからない」
外出やイベント中止の要請で広がる自粛ムードが、トレードオフの形で経済を止める。
先日、感染症対策に詳しいある医師―公衆衛生学を専門とする—に、「感染症というリスクに対応した政策が、経済の収縮というリスクを生み出す問題をどう考えているか」と聞いてみた。
医師は「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のメンバーも含めて、経済については専門外なので、わからない」と言った。この姿勢は専門家として極めて真っ当であり、正しい。
彼らは経済リスクまで具体的に織り込んで発信しているわけではない。感染症対策の専門家は、経済については門外漢なので、あくまで感染症対策という観点でしか答えられない。
感染症の専門家からすれば、確かに今の東京は危機だろう。私も危機であることは理解している。「密閉・密集・密接」を回避すべきだし、感染が爆発すれば、医療体制が崩壊しかねないことも事実だ。これは絶対に回避すべきだろう。
だが、ここで考えてほしい。人の「命」を奪うのは何か?という問いだ。
 
「風が吹けば桶屋が儲かる」の逆現象
例えば、リスクが高い場所として名指しされているライブハウスにしても、屋内での商談会にしても、スポーツジムにしてもその周辺には働いている人がいる。彼らには彼らの生活がある。
「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがある。現実の経済をよく反映している言葉だ。まったく関係がないようにみえて、風が吹けば、別のニーズが生まれ、そのニーズに応えた先に、また新たなニーズが生まれ、桶屋の生産増につながる。経済は思いも寄らない形でネットワークがつながっている。
今の日本はこの逆で、ライブハウスやジム、飲食店の経営がうまくいかないとなれば、巡り巡って別のニーズの減少を生み、そのニーズの減少は別の減少を呼び込み、さらに生産が低下ということが起きることは確実な局面にある。
「大規模イベント」に相当するであろうプロ野球もJリーグも選手だけではなく、多くのスタッフを抱え、地域経済に影響を与える存在だ。「今は仕方ない」で耐えられる時期は限られている。
 
感染リスクと経済リスク。両方が政治の責任。
東京で感染爆発(オーバーシュート)が起きる可能性が指摘される真っ只中ではあるが、だからこそ強く主張したいのは、感染症と同じように経済リスクもまた、回避すべきリスクであるということだ。
2011年、原発事故後の福島で、なぜ震災関連死が津波などの直接の死者を上回っているのか。産業へのダメージが一因であることは間違いない。
では、誰の責任でリスク対策をやるべきなのか? それは間違いなく政治の責任だ。感染症対策と経済のバランスを考慮し、強い行動制限を要請した以上、強い経済政策を取っていくというのが他の国では当たり前のようになされている。

専門家に責任を負わせるのでなく、安倍政権がリードすべき
繰り返しておこう。新型コロナウイルスの専門家会議はあくまで感染症対策の専門家であり、社会や経済の専門家ではない。専門家にすべての責任を負わせるのではなく、政治が経済対策をリードしなければ、景気は一気に後退する。

景気の後退は、感染症と同様に命に直結する。
専門家は自粛ムードの緩みを声高に指摘しメディアも盛んに伝える。だが、それ以上に深刻なのは安倍政権の経済政策だろう。このままいけばコロナ関連倒産、関連死は確実に増えていく。
 
(文:石戸諭/編集:南 麻理江)


裏山の白樺


種苗法の改定案が、今国会に上程されようと・・・

2020年03月25日 | 野菜・花・植物

種苗法改定法案 日本の農業どうなるの?
種子を守る会事務局アドバイザー 印鑰智哉さんに聞く

   「しんぶん赤旗」2020年3月25日【くらし】

公的な事業を存続させ国民の食の安全守ろう
 種苗育成者の権利保護を定めた種苗法の改定案が、今国会に上程されようとしています。何が変えられようとしているのか、日本の種子(たね)を守る会事務局アドバイザーの印鑰智哉さんに聞きました。(都光子)


 ―種苗法とはなんですか? 何を変えようとしているのでしょうか?
 種や苗の新品種を育成した人の知的所有権を守って、登録された品種が市場で流通できることを目的にしたもので、対象はすべての農作物です。
 登録品種は総数600以上、トマトだけで148種類あります。コメでいうとゆめぴりかや、イチゴのあまおうなどが登録品種です。一方、在来種や登録期間が切れたものなどを農林水産省は一般品種と呼んでいます。
 今回の改定案では「種苗の知的財産権」を強化し、農家が登録品種を許諾を得ることなく栽培することを禁止し、農家の種苗法違反を訴えやすくしようとするものです。

サトウキビ 大きな打撃
 ―今回の種苗法改定では、農家の自家増殖禁止に注目が集まりますが、自家増殖とは?
 収穫したものの中から形や質が良いものを選んで、次回のタネや苗として再利用することで、タネなら自家採取ともいいます。現行では例外を除き、原則だれでも可能です。
 ―自家増殖できなくなるとどうなりますか?
 先日、沖縄・宮古島での学習会に呼ばれました。県内でも一番のサトウキビ生産地域ですが、種苗法改定は大打撃になるのではないかという話になりました。
 サトウキビは毎年植えるのではなく、収穫のあと、株から発芽させて育てる「株出し栽培」という手法がとられていて、欠かせないものになっています。ところが、株出し栽培は自家増殖にあたります。
 イモ類、イチゴ、コメでも自家増殖は重要です。
 そもそも農民から自家増殖の権利を奪っていいのか―。種子はだれのものかといえば、農民のものです。国連の「農民の権利宣言」で、種子に対する権利が農民にあることを明確にしています。

廃案にして在来種保存
 ―知的所有権を強化することはいいことのように聞こえますが、本当はどうなのでしょうか?
 農水省は、日本の優良品種が海外に持ち出されるのを防ぐことが目的だと説明しています。しかし、実際は国内ではなく海外で品種登録することが唯一の対策です。農水省自身、2017年11月にそう説明しています。
 しかも「日本の優良な種苗を流出させない」といいながら、17年にできた農業競争力強化支援法では、国や都道府県が持つ種苗の知見を多国籍企業を含む民間企業に渡すことを求めています。流出防止というのは単なる偽りの看板です。
 自家増殖禁止の本当の狙いは、国や地方自治体の公的な種苗事業が狙われているとみるべきです。
 インドでは多国籍企業の圧力で公的種苗事業はほぼ開店休業状態に追い込まれました。政府は公的種苗事業は農家が買って支えなければならないと強調します。なぜかといえば、公的種苗事業が安くて優秀な種苗を出していたら、多国籍企業は太刀打ちできないからです。だから公的事業を縮小させることが今回の改定の隠された意図だといえます。
 種苗は、私たちの命を支え、食文化の基礎となるものであり、公的種苗事業の存続は私たちの食の安全に直結します。
 ―日本の農業を守るためには何が必要ですか?
 今回の種苗法改定案は廃案にさせ、急速に失われている在来種を守ることで、種苗法以上に在来種保存のための法律など多様性を守り発展させることこそ必要でしょう。
 いま、世界は小規模農家による有機農業が急速に伸びています。それを可能にしているのは学校給食での有機化です。日本でもそうした動きを進め、その基礎となる種苗を公的に守る必要があります。


 昨日は、皮膚科の塗り薬が切れて札幌まで行ってきました。あまり氣が進まず、もう限界でした。いつものように友人と食事をし、それから娘の家まで行ったので、すっかり遅くなり更新できませんでした。

我が家の周り

家の前の畑にはまだこんなに・・・

江部乙では

チャイブが芽を出しました。

散歩道

 


除草剤に代わるもの

2020年03月23日 | 野菜・花・植物

    昨日、「除草剤] 2018年06月05日(https://blog.goo.ne.jp/mooru1949/s/除草剤/1)へのアクセスがダントツトップになった。除草剤に代わるものはないか安全な除草剤はないかと調べているようです。わたしは除草剤や化学肥料、トマトトーンのようなホルモン剤は使っていないのですが、大規模農家にとっては「必需品」(?)なのかもしれません。そんなわけで今期より除草剤に代わるものを探し、実験中です。おかげでミニトマトの苗、ほぼ全滅になってしまい、改めて種を取り寄せ播種したところです。効き目が実証されたわけです。

注目の「好熱菌」「超好熱菌」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 好熱菌(こうねつきん)は、至適生育温度が45°C以上、あるいは生育限界温度が55°C以上の微生物のこと、またはその総称。古細菌の多く、細菌の一部、ある種の菌類や藻類が含まれる。特に至適生育温度が80°C以上のものを超好熱菌と呼ぶ。極限環境微生物の一つ。 
 生息域は温泉や熱水域、強く発酵した堆肥、熱水噴出孔など。ボイラーなどの人工的熱水からも分離される。この他、地下生物圏という形で地殻内に相当量の好熱菌が存在するという推計がある。

バイオ21菌を使った資材(サカタ)
 バイオ21・バイテクバイオエース・プレミアムバイオエース

高い環境適応能力
活動温度 10℃~60℃
耐熱温度 -80℃~100℃
※活動温度外では芽胞で休眠
芽胞は、氷点下(冷凍庫)で数年間生存

好気条件でも絶対嫌気条件でも活動
乾燥条件でも多湿条件でも活動
(サカタのHPより)

 形状は普通の培土。-80℃まで耐性があるので融雪剤として散布することができます。この時は休眠状態でしょうが気温が上がってくると活性化するものと思います。地温上昇にも?
 高い濃度での施用は雑草の種や植物自体を枯らすものと思います。

さらに、冬季の無暖房化・無加温化につながるかもしれません。


これからいろいろと実験していきたいと思います。
 超好熱菌を利用した資材に「若葉1号」(寒冷地向け)発売フロンテイア光栄(株)などが販売されています。いろいろググってみてください。


雪囲い外し
ブルーベリー

アロニア

鉢植えの梅を路地に植えたのですが、無事冬を越しました。しかし、ネズミにやられています。下の部分はしっかりと金網を巻いていましたので無事でした。新しい芽が出てくるでしょう。

ハウス脇の杉の木を上の方で切りました。日陰になりミニトマトに病気が出て氣になっていたのです。

裏の白樺樹を採っている山。汗だくで上っても万歩計は数百。

 


永遠に残る化学物質(フォーエバー・ケミカル)

2020年03月22日 | 自然・農業・環境問題

「永遠に残る化学物質(フォーエバー・ケミカル)」の使用を取りやめようというトレンド、知っていますか?
水や熱に強く、汚れにくい性質を持つPFASは、スーパーマーケットなどで販売されるさまざまな食品のパッケージに使われている。
ハフポストはじめてのSDGS 
   2020年03月18日 

サステナブル・ブランド ジャパン 

いま米国の小売業界では、「永遠に残る化学物質(フォーエバー・ケミカル)」として知られるPFAS(フッ素化合物の総称)の使用をやめる取り組みが広がっている。水や熱に強く、汚れにくい性質を持つPFASは、スーパーマーケットなどで販売されるさまざまな食品のパッケージに使われている。PFASは自然界で分解されにくく長期的に残ることから「永遠に残る化学物質」と呼ばれ、がんや甲状腺疾患などの健康被害との関連性が研究によって報告されている。(翻訳=梅原洋陽)

米高級スーパー「ホールフーズ・マーケット」は2018年12月11日、衝撃的な発表を行った。食品やパンの包装に使われている包装材で、検査の結果、長期的に有害な化学物質が含まれる可能性があると判明したすべての包装材を約500店舗から排除するという内容だった。同社は「私たちは常に、サプライヤーと共に包装材を堆肥化できる方法を探している」と発表した。
同社のこうした先進的な行動の背景には、環境医学団体が発表した調査報告書の存在がある。同調査は米国の主要な食料品スーパー5社を調べ、持ち帰りの容器やパンや惣菜などの包装材、使い捨てプレートに高濃度のフッ素、PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)が含まれている可能性が高いと伝えた。
PFASとは
PFASという化学物質は、非粘着性、撥油性、撥水性が高く、汚れにくい特徴がある。フッ化炭素の結合は有機化学の中では最も強く、多くのPFASは自然の環境では簡単に分離しない。「永遠に残る化学物質」と呼ばれ、何千年も分解されずに残り続ける可能性が高い。また、この物質は流動性が高く、製造過程や使用中、そして廃棄する時に製品から漏れ出し、空気や飲み水、食品を通って遠くまで運ばれてしまう。
実質的には、地球上の全ての人間はPFASに何かしらの形で接触しているだろう。そして特定のPFASは人間や野生動物の体内に高いレベルで蓄積しているだろう。PFASは種類によっては少量でも大変有害で、研究によると人間や動物の免疫系の障害、睾丸がん, 腎臓がん、甲状腺疾患などのさまざまな深刻な健康被害と関連しているとされる。しかし、市場で使われる前にテストされているPFASはあまりに少ない。
「残念な代替」の典型的な事例で、規制当局はPFASにとって替わるものは異なるPFASであるとしており、人体への影響や環境汚染が懸念されている。
しかし、消費者の懸念に応じるように、先進的な取り組みを見せるマーケットリーダーは最低限の連邦水準を遥かに上回る、PFASを制限しているワシントン州やメイン州をも抜き去る取り組みをしている。以前、米国版サステナブル・ブランドで製品や包装材により安全な化学物質を使う小売業者の取り組みをベンチマークする重要性について報じたように、小売業者はこうして市場を先導する役割を果たしている。

 段階的に「永遠に残る化学物質」を廃止
昨年は、多くの小売業者がPFASを製品や包装に使用するのをやめる大きな決断を下した。ホール・フーズの発表を受けて、PFASの使用を取りやめる新たな動きが出てきていると小売業者の化学薬品の使用を評価するレポート『Who’s Minding the Store?』が報告している。

包装材
米国内で4番目に大きいStop & ShopやGiant Foods、Food Lionなどのスーパーマーケットチェーンを傘下に収めるアホールド・デレーズは、PFASなどの化学物質を段階的に包装から排除する方針を初めて導入した。全米第2位の小売業アルバートソンズは、総菜やパン、ケーキなどのプレートに使われているPFASの使用を減らし始めた。ベーカリーチェーンの米パネラ・ブレッドではPFASの使用を完全に取りやめることを目指し、2020年にはパンの袋にPFASを使うことやめるようだ。Trader Joe’sはサプライヤーにPFASの使用をやめるよう求めている。

カーペットやラグ
ホームセンターのザ・ホーム・デポはPFASが使用されている米国・カナダで売られているカーペットやラグの仕入れを2019年中にやめると同年9月に発表した。大手ホームセンターのLowe’sも同様の取り組みを行うと発表している。

家具や繊維製品
IKEAはこの業界をけん引する企業だ。3年前に全ての家具からPFASの使用をやめた。2019年、オフィス用品を扱う米ステープルズは化学物質について初めて基準を定め、家具や繊維製品、そして使い捨ての食器からPFASの使用を段階的にやめることを決めた。

その他
大手のアパレル業者は、無害で、耐久性のあるPFAS不使用の雨具の販売を開始した。また、高機能のスキー用ワックスにPFASを使わないよう求める声も高まっている。
こうした取り組みはどうのように進んでいるのだろうか。多くのブランドは、自然界でほとんど分解されることのない「永遠に残る化学物質」の使用はビジネスにおいてもはや許されないと考え、新たなバリュー・ポジションを形成するようになってきている。安全性がデータで示されるまで、永遠に残る化学物質に罪はないと考えることはないだろう。データが出る頃には、恐らく環境は汚染されきっているだろう。
実際のところ、PFASの使用が不可欠でなくても使われ、簡単に取りやめることができる事例もある。さらに、PFASの特製である、耐油性・耐水性などの機能はより安全な物質で置き換えることも難しくない。まだ代替製品がなかったとして、市場の需要に応えるためにより安全な物質がイノベーションによって生み出されるだろう。

ランキングが小売店の取り組みを加速させる
有害な化学物質を使用する小売店をランク付けするレポート『Who’s Minding the Store?』は、包括的なより安全な化学物質に関する基準を評価し、発展させるツールとして有効だ。昨年だけで、主要小売チェーン43社のうち3分の2が改善を報告しており、7社は劇的な変化を遂げたと報告されている。
これらの企業は、北米の19万カ所以上の店舗そしてオンラインを通して、包装された製品を販売している。この規模での取り組みは世界中のサプライチェーンに影響を与えることになり、マーケットにもたらす影響力は大きい。
ベンチマーキングを行う以上に、このレポートは大企業が競うきっかけにもなっている。2019年11月のレポートに向けて、米1ドルショップ「ダラー・ゼネラル」や化粧品専門店セフォラ、そして ステープルズなどの小売業者は化学物質に関する新たな方針や、大幅に改善させたものを発表した。
こういった取り組みはいまもなお続いている。ファーストフード「タコベル」は2020年1月9日、消費者が手にする食品の包装からPFASやその他の懸念される物質を取り除くことを発表した。これによって、親会社の米ヤム・ブランズが2018年、2019年に与えられたFランクの評価は改善されるだろう。同社が展開する他のブランド、ピザハットやンタッキーフライドチキンでも同じような取り組みが期待される。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」とヴォルテールは言った。その言葉を借りると、「大きな市場の力には大きな責任が伴う」と言える。いま小売業界のビジネスリーダーは、「永遠に残る化学物質」の使用をやめようと製品や包装をより安全なものに変え始めている。


 我が国でのこのような「環境問題」に対する企業の取り組みはほとんど耳にしないが、まったくないわけではない。あまり「ニュース」にもなっていないように感じる。機会があればまた別のところで紹介しようと思う。

散歩道

圃場のようす
沼周りは、すっかり融けだした。

ふきのとう

ほぼ半分が⛄なしなので、積雪0.

 


FBの欺瞞

2020年03月21日 | 社会・経済

印鑰智哉のブログ 2020/03/11
新型コロナウイルスが照らし出す日本の公共政策の貧困と差別

 ウイルスには国籍も人種も性別も思想もない。等しくわたしたち一人一人を守れなければ、ウイルスは守られていない人びとを襲うだろう。そしてそこが新たな感染源となっていく。「一人も取り残さない」社会を作るというのは単に差別がない、倫理的に正しい社会というだけではなく、ウイルス感染の危険からも一番よく守られる社会でもある。
 イタリアで感染が急拡大する原因はまだつかめないけれども、その蔓延が押さえられない1つの理由となっていると考えられることに、イタリアで地域の病院が大幅に統合、廃止されたことを挙げる人もいる。病院、医師、医療従事者が圧倒的に足りず、医療にかかれない人たちが少なくないという。
 米国では貧困層はまっとうな医療を得る機会から排除されて、一人どころか多くの人びとを取り残した社会となってしまっている。そしてその人びとが社会のシステムを支えている。どう蔓延を止められるのか、心配は大きい。公共のシステムを民営化し、アクセスをしにくくすることが私たちの社会をより脆弱に、命をより危険にさらすことになる。
 そして、日本でも病院統廃合のニュースが大きく取り上げられたことは記憶に新しい。日本の新型コロナウイルスへの政府の対応については大きな問題があることがわかっているが、もし、病院が統廃合された後にこの感染が襲ったらどうなっているか、想像しただけでも恐ろしい。残念なことに保健所の数は1980年代に比べるとすでに半分近くに減らされている(保健所設置数・推移グラフ参照)。それが今回の事態の混乱の一因にもなっているだろう。
 ウイルスは2つのことをもたらすだろう。1つは現在の社会がいかに脆弱なシステムに依存しているかをあからさまに示してしまうということ、そしてもう1つはこの危機を利用して、政治権力によって、この脆弱なシステムを変えようとする市民の動きを阻み、押さえ込めようとする危険な動きだ、と思う。
 人びとがパニックに陥る時に、その社会の日頃の無意識の差別が明らかになる。そして弱者にその暴力が向かう。それを許せば、社会はますます脆弱になる。社会が真に安全になるためには、こうした差別と暴力と向かい合うことしか方法がない。
 苦しい日々が少し続くかもしれない。でも必ず終わりが来る。そしてその苦しみをもっとも減らす最良の方法は差別と立ち向かう、そして一人も取り残さないことを真剣に考えることだと思う。
 残念ながら、現在の日本はそれとは真逆に動きつつある。明らかに異なる方向に動かす公共政策を作らなければ、命は守りきれない。政治を、進む方向を、流れを変えよう!

さいたま市、備蓄用マスクの配布対象から朝鮮幼稚園を除外
 米国ではウイルス感染のために働きに行けなくなった特に非正規や外国人住民への水道水の提供が止まって大問題になり始めている。手も洗えなければ感染は悪化するし、そもそも命の問題に直結する。水という公共サービスを民営化することの危険をあらためて浮かび上がらせている。
Coronavirus Pandemic in U.S. Fueled by Stunted CDC Budget & Lack of Access to Healthcare, Insurance
保健所設置数・推移(日本)

 この投稿のオリジナルはFacebookにしたものなのだが、Facebookから「この投稿は他の人には表示されません。Facebookの規定は、虚偽の広告、詐欺、セキュリティ問題などを防ぐためのものです」という警告が来たためにブログに移した。どこに虚偽の広告や詐欺、セキュリティ問題が存在するというのだろう? 

Facebookによると
• 収入を得るために人為的にコンテンツ配信を増やしている
• 表示する前に、コンテンツを「いいね!」、シェア、またはおすすめすることを必須としている
• 他のユーザーになりすましている
ということに当たるというのだが、Facebookの投稿で収入はまったく得ていないし、配信など1日に1つ出すのがせいぜいであり、他人が「いいね!」、シェアするのはもうお任せするのが当たり前であり、依頼した事実もない。他のユーザーになりすましているというのもまったく無関係。自分の名前で自分が書いているだけの話。
 さらにFacebookはこうも書いている。
「紛らわしい情報や不正確な情報を使って「いいね!」やフォロワー、シェアを集める行為を禁止しています。」
 紛らわしい情報や不正確な情報とは何なのか? 誰が紛らわしい、正確な情報と判断するのだろうか? 保健所の数は実際の数字だし、さいたま市で起きたこともまぎれもない事実である。それをもとに意見を述べることは言論の自由で当然のことである。情報の何が正確であり、不正確であるか、誰が判断するかが大きな問題となる。政府や企業にとって都合の悪い事実をすべて「不正確な情報」と決めつけ、排除してしまうのであれば、これは検閲ということになる。
 ウイルス関連ではデマ情報によって、市場に混乱を引き起こしたり、差別が助長される可能性がある。それではこの投稿はそのような市場に混乱をもたらすような情報を含んでいるのだろうか? 差別を助長する可能性があるのだろうか?
 何をもとにこんな警告が来たのか、考えられることの1つは、単語の自動解析で、問題ある可能性がある、ということでひっかかった可能性が考えられる。人的にすべての投稿をチェックすることは不可能なので、自動的に機械的に分析して、それでひっかかるものの表示を止めてしまうということか(現状では処理中となっていて表示はされている)。
 デマによる被害を止めるために、到底すべての投稿を人的に読んでチェックすることは不可能だから、こうした処理がされる必要が出てくることは理解しうる。そしてそのアルゴリズムが全然優れていないために、まったく見当外れのチェックがされてしまう、ということに過ぎないということであろうとは思うが、特措法の成立も考えれば、SNSからこうした情報が一切排除されてしまう可能性も今後、考えざるをえないのかもしれない。
[追記]シェアした人のもとにも規約違反の警告は送られていることがわかった。その措置に不服を申し出ることができて、オプションと表示されたリンクをクリックしていくと、措置に承服しないという選択肢がある(とてもわかりにくい)。それを選んで送信することで、不服を受け付けるという仕組みになっているようだ。不服を申し出る人が一定数いれば、この措置は自動的に解除されるのか、後ほど、この違反警告は表示されなくなった。でも間違った措置であったわけなのだから「この措置は取り消しました」と通知すべきだろう。多くの人に違反警告だけが送られ、いつの間にか消えている。多くの人たちには「違反したんだ」という印象だけが残り、それは訂正される機会もないかもしれない。
 人力でチェックすることはできないから、こうしたシステムを作るという必要性そのものは理解できるが、このシステムが誤ったイメージを作り出し、言論空間を歪めかねず、Facebookはこのシステムを改良すべきであろう。 


 

ハウス予定地積雪O

住居のある方はまだまだ畔も見えていませんが、江部乙のハウス予定地はご覧のようです。

周りの畑は明日ぐらいにOになるのではないかと思います。
沼の周りもだいぶ溶け始めました。
白樺樹液も順調に出ています。年々採取時期が早まってきています。


 


事実上、安倍首相の指示

2020年03月20日 | 社会・経済

近畿財務局職員を自殺に追い込んだ「森友公文書改ざん」は財務省・佐川局長だけの責任じゃない 事実上、安倍首相の指示だった
  リテラ2020.03.20


森友問題の決裁文書改ざんを強要され自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんが遺した遺書と手記が、大きな反響を呼んでいる。

 佐川宣寿・理財局長(当時)の改ざん指示や財務省の圧力、そして赤木さんが犯罪を強いられて悩み苦しみ、心身を蝕まれ、ついには死を選択するまで追いつめられる様子に、ネット上でも「怒りで手が震えた」「こんなことが許されていいはずがない」といった感想が数多く投稿されている。
 だが、そんななかで、なんとも無責任な態度を見せた人間がいた。ほかでもない、改ざんの原因をつくった安倍首相だ。
 19日、国会で野党から「職員の方の無念の思い、ご遺族の方の気持ちに対して、もう一度しっかりと再調査することが非常に重要だ」と追及されると、安倍首相は「検察においてすでに捜査をおこなっているものと、結果が出ているものと考えておりますが、麻生(太郎・財務)大臣のもとで事実関係を徹底的に調査し明らかにしたところです」と答え、再調査を否定したのだ。
 検察の捜査で結果が出ているとか、財務省が麻生大臣のもとで事実を徹底的に明らかにしたとか、よくもまあ、ぬけぬけとこんなことが言えたものである。赤木さんの手記の内容はまさにその検察の捜査や財務省の調査を根底から覆すものなのだ。それを無視して、再調査を否定するとは……。
 その前日、18日も安倍首相の態度はひどいものだった。官邸をあとにする際、記者からコメントを求められた安倍首相は「大変痛ましい出来事であり、本当に胸が痛みます」などと他人事のようなコメントをした挙げ句、国会答弁と同様に「麻生大臣のもとで徹底的に調査し明らかにした」と強弁。そのままくるりと背を向け、足早に立ち去ったのだ。逃げる背中に向かって、記者からは「総理、ご自身の責任についてはいかがでしょうか?」という声があがったが、安倍首相はその質問に答えることはなかった。
 こんな態度をこのまま許していいのか。今回の遺書と手記によって佐川理財局長の指示ははっきりしたが、この問題でもっとも問われるべきは、安倍首相の責任なのだ。なぜなら、赤木さんを死まで追い詰めた公文書改ざんは、安倍首相が国会で野党からの追及に逆ギレして述べた、この一言がすべてのはじまりだったからだ。
「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」
 この答弁が飛び出したのは2017年2月17日だったが、このあと、大きな変化が出てくる。1週間後の24日に佐川理財局長が「交渉記録は破棄した」と答弁するなど、急に強気な答弁を繰り返すようになるのだ。そして、赤木さんの手記でも、財務省の調査報告書でも書かれているとおり、2月26日に近畿財務局で決裁文書の改ざんがはじまるのである。
 しかも、安倍首相の改ざんへの関与は、けっして間接的なレベルにとどまらない。安倍首相は「総理を辞める」宣言のあと、菅義偉官房長官に指示を出していたことを国会でも認めている。安倍首相は、その指示内容を「私の家内の名前も出ましたから、しっかりと徹底的に調べるように」というものだと説明していたが、言葉がもしそうだったとしても、受け取った側は「徹底的に抑えろ」と解釈したはずだ。
 実際、これを受けて、菅官房長官は22日に財務省の佐川理財局長と中村稔・総務課長、太田充・大臣官房総括審議官を呼び出している。ここで佐川氏は、昭恵夫人付職員だった谷査恵子氏が森友学園の小学校に賃料引き下げの優遇措置を適用できないかなどと財務省に照会していたことを報告しているのだ。
そして、26日からはじまった改ざん作業では、財務省の指示により、真っ先に昭恵夫人や安倍首相の名前が入った箇所がことごとく削除されていく。その作業を強要されたのが、赤木さんだったのである。

『news23』小川彩佳「政治家は誰ひとり責任を取っていない」

 そもそも一介の官僚でしかない佐川氏が、自分の国会答弁と辻褄をあわせるために近畿財務局まで巻き込んで公文書を改ざんするよう指示をおこなうことなど現実的にはありえず、もっと大きな力が働いていたことは確実だ。しかも、少なくとも22日の段階で官邸と財務省が昭恵夫人の関与を示す文書が存在することを確認・共有していたこと、真っ先に昭恵夫人や安倍首相の名前を削除されていった事実からも、この公文書の改ざんは安倍首相の「総理を辞める」答弁が引き金となり、安倍官邸が佐川理財局長に指示をしておこなわれたとしか考えられないのだ。
 実際、財務省の背後に安倍官邸の存在があることを裏付ける証拠もある。それは、2018年8月に日本共産党が公開した「航空局長と理財局長との意見交換概要」という文書だ。
 この概要は、2017年9月7日に、国税庁長官に栄転した佐川氏に代わって理財局長となった太田氏と中村総務課長の財務省コンビと、国交省の蝦名邦晴・航空局長、金井昭彦総務課長(すべて当時)の4名が、会計検査院の検査や国会対応への協力関係を確認し意見交換をおこなった際の発言録だ。
 この文書では、太田理財局長と中村総務課長の財務省側は何度も「官邸」という言葉を持ち出し、官邸の意向を気に掛けているのだが、そのなかで、太田・中村側はこんな発言をおこなっている。
「検査院に対しては官邸だからといって通用しない。説明していくタイミングも考える必要がある。両局長が官邸をまわっている姿をマスコミに見られるのはよくない。まずは寺岡を通じて官房長官への対応するのが基本。与党へもいずれは何らかの対応が必要だろう。相手は検査院なのでこのような報告が出てしまうのはしかたがないとの認識を持たせていくことが必要」
「寺岡」というのは寺岡光博・官房長官秘書官のことを指していると思われるが、じつは、寺岡氏は前述した2017年2月22日の菅官房長官が佐川氏や中村氏、太田氏らを呼び付けた面談にも同席していたことがわかっている。つまり、会計検査院の報告や国会対応をどうごまかすかを、財務省はパイプ役の寺岡官房長官秘書官を通して、狡猾かつ綿密に安倍官邸と相談・報告をおこなっていたのだ。
 証拠はこれだけではない。2018年6月に共産党の辰巳孝太郎議員(当時)が独自入手して参院決算委員会であきらかにした財務省と国交省のやりとりをまとめたメモには、さらに衝撃的な事実が出てくるからだ。
この文書は、財務省が森友学園側との交渉記録(応接録)と改ざん前決裁文書を2018年5月23日に国会提出することを決めたのと同時期に作成されたと思われるもので、そこには〈近畿財務局と理財局のやり取りについては、最高裁まで争う覚悟で非公表とする〉という発言が飛び出すなど、改ざんの事実が明るみに出たあとも財務省が文書を隠蔽していることを示す重要なものなのだが、さらにこんな記述も出てくるのだ。
〈5/23の後、調査報告書をいつ出すかは、刑事処分がいつになるかに依存している。官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れているが、刑事処分が5/25夜という話はなくなりそうで、翌週と思われる。〉
 刑事処分の発表後に調査報告書を出す──。事実、大阪地検特捜部が佐川氏をはじめ告発されていた財務省幹部および近畿財務局職員計38人の不起訴処分を公表したのは、2018年5月31日のこと。財務省が調査報告書を公表したのは4日後の6月4日だ。つまり、財務省は佐川氏らが不起訴となる結果をすでに把握しており、その上でいつ調査報告書を出すかを決めていたのだ。財務省の調査報告書は完全な出来レースだったのである。
 
 だが、注目すべきは、〈官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れている〉という部分だ。これは、大阪地検の不起訴処分という捜査結果を早く公表するよう、官邸が法務省に対して圧力をかけていた、ということ。ようするに、政治的独立性を保持すべき検察の捜査結果に、官邸が法務省を通じて介入していたことを、この文書は裏付けているのである。
 しかも、当時の法務省事務次官は、現在、違法な定年延長が問題になっている黒川弘務・東京高検検事長だった。本サイトでもお伝えしてきたように、当初は佐川氏らの立件を目指していた大阪地検特捜部の捜査を潰したのは黒川氏だと言われており、実際、黒川氏が官邸の意を受けて捜査ストップに動き、山本真千子・大阪地検特捜部長(当時)と裏取引をおこなったという情報も流れていた。この官邸─黒川というラインが大阪地検特捜部の捜査に介入していたことは、この文書でもあきらかなのだ。
 改ざんにいたる前の佐川氏ら財務官僚との秘密の面談、その後の国会答弁や会計検査院の検査についての綿密な相談・報告、そして大阪地検特捜部の捜査結果まで──。すべてにおいて、安倍官邸が司令塔となって取り仕切っていたことは、疑いようもない事実なのである。
 しかし、ここまで証拠がありながら、安倍首相は一向に責任を認めようとしなかった。それどころか、公文書改ざんという国家的犯罪を引き起こし、赤木さんを死まで追い詰めたというのに、あろうことか麻生財務相を続投させた。結局、安倍首相に反省の色は微塵もなく、その後も「桜を見る会」という税金の私物化や公文書廃棄といった森友疑惑と同じ問題を平気で繰り返している。
 だが、赤木さんの遺書と手記が公開され、良識をもって公文書改ざんに抵抗した人物をいかに踏みつけにしてきたのかがはっきりと示されたいま、自分に責任などないという姿勢を取りつづける安倍首相を、許すことはできまい。
 実際、普段は弱腰なテレビからもそうした声もあがっている。昨日19日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、赤木さんの遺書と手記が公開されたことについて、女優の高木美保がこんなコメントをしていた。
「もしかすると佐川さんという人が(改ざんを)やらせたのかもしれないけども、それが忖度による判断だったと。誰に忖度したかって、政治家ですよね。総理大臣、あるいは家族なのかもしれませんが、そういったことをやはりシラを切りつづけて、国会の場でもあれだけ『文書がありません』『残っていません』、そういったことを言いつづけたことに対して、私たち国民は『もう過ぎたことだよね』って言っちゃいけないなってことを、人間として教えられた気がします」
 また、18日放送の『news23』(TBS)では、小川彩佳キャスターが「まずは赤木さんの意志を継いだ奥様に敬意を表したいと感じるんですね。それがなければ、私たちは赤木さんから見えていた景色を見ることができなかったわけです」と言及した上で、「この件について政治家は誰ひとりとして責任を取っていないという現実があります」と指摘。それを受けて星浩氏は「安倍首相が根拠のない国会答弁をして、その答弁に合わせて官僚たちが文書を改ざんするということになって、赤木さんは板挟みにあって悩んだ末に自殺に追い込まれるという、前代未聞の事件」と言い、安倍首相や麻生財務相の責任は極めて重いとした。
 赤木さんから見えていた景色を、遺してくれた言葉によって私たちは知ることができた。だからこそ、私たちは、もう見過ごすことはできない。改ざん問題を引き起こした責任を、安倍首相に今度こそは認めさせなければならないのである。
(編集部)


重大な決断をされた赤木さんの奥様に敬意を表する。
さらに、勇気ある「同僚」たちの発言にも「拍手」を送りたい。

「下級」国民の命など、どうでもいいのだろう。
人を、命を、粗末にあつかう「アベ政権」打倒!
アベを逮捕せよ! 
アベでは「コロナ」を乗り越えられない! 
野党は結集してアベを倒せ!


雨宮処凛 植松聖被告の法廷に通って その2

2020年03月19日 | 社会・経済

相模原事件、死刑判決。植松被告の「日本滅亡」のシナリオと「カッコ良さ」「頑張り」への過剰な信仰

  Imidasオピニオン(作家、活動家)


    相模原の障害者施設で、入所者らを殺傷した事件の植松聖(さとし)被告について、作家・雨宮処凛が取材を重ねてきた。横浜地裁での一審判決を受けて今、思うこととは?

自分の考えは間違っていないと主張
「被告人を死刑に処する」
 神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害され、26人が重軽傷を負ってから3年8カ月後の2020年3月16日、植松被告に死刑が言い渡された。

 1月8日に始まった裁判は、2月19日、結審した。
 公判は全部で16回。それは、19人という犠牲者の数よりも少なかった。事件から3年以上経過してやっと始まった裁判で、植松被告は事件前に衆議院議長に出した手紙と変わらず「障害者はいらない」という主張を繰り返した。いや、本人が「考えが深まった」と言うように、荒唐無稽な「思想」は彼の中でより強化されていた。
「障害者に使う税金を他に使えば戦争をなくせる」「難民問題も解決できる」「障害者はお金と時間を奪っている」などの主張。

 事件前日、植松被告は一緒に食事した女性に「4、5年経ったらパワーアップして戻ってくる」と語っている。衆議院議長への手紙にも「逮捕後の監禁は最長で2年までとし、その後は自由な人生を送らせて下さい」と書かれている。それらの言葉からうかがえるのは、事件当時の彼は死刑など予想もしていなかっただろうということだ。
 しかし、とうとう出た死刑判決。
 それにしても、障害者を殺害し、数年間刑務所で過ごした後に「パワーアップして戻ってくる」とはどういうことだろう。法廷で裁判員に「パワーアップとは?」と聞かれた植松被告は以下のように答えてい
る。
植 松 拘置所の中で勉強して、本を読んで成長できました。いろんな人に面会に来てもらって、知識を増やしたり勉強する時間もできました。
裁判員 今の自分はパワーアップできたんですか?
植 松 おかげさまで成長できました。
裁判員 どういうところがですか?
植 松 字がきれいになったり、本を読むことで知識が増えました。考えが深まり、(事件が)間違っていないと思うようになりました。

    事件から3年以上の年月は、彼にとって内省の時間ではなく、自らの犯した罪をひたすら正当化する時間だったのだろう。実際、法廷の植松被告は「障害者は安楽死させるべき」と言い、包丁で刺殺するという「やり方」は間違っていたかもしれないが、自分の考えは間違っていないと一貫して主張し続けた。

彼はなぜ差別的な考えを持ったのか?
 一貫して主張したことはもう一つ。弁護側の「心神喪失で無罪、または心神耗弱で減刑」という訴えに対し、「自分に責任能力はある」と言い続けたことだ。本人がそう主張すればするほど死刑判決が出る可能性が高くなるのだが、精神障害などによって善悪の判断能力がなかった=植松被告も障害者だった、というストーリーは彼にとっては「死刑」よりも回避したいものだったのだろうか。
 裁判中の1月30日、私は初めて植松被告と面会した。その時点で、既に死刑は覚悟している様子だった。死刑について問われると、「死刑は必要だと思います」と制度への支持を表明し、「死刑になるつもりはないですが、死刑判決が出る可能性はあると思っています」と淡々と述べた。もし死刑判決が出たら受け入れるのか? という問いには一切の動揺を見せず「はい」と答えた。
 また、結審の日には法廷で「どんな判決でも、控訴しません」と述べ、3月3日には、事件後ずっと面会を続け、植松被告の手記や漫画を掲載している月刊『創』(創出版)編集長の篠田博之氏に「長い間、お世話になりました」と「今生の別れ」を告げている(篠田博之「相模原事件・植松聖被告『控訴しない』を説得しようと接見、逆に『今生の別れ』をされた」)。

 裁判が終わり、判決が出た今、非常に残念なのは、「施設の在り方」「やまゆり園での支援の在り方」についてほとんど掘り下げられなかったことだ。
 やまゆり園で働き始めた頃、植松被告は障害者を「可愛い」と言い、「やりがいがある」「今の仕事は天職」などと言っている。が、働き始めて2年が経つ頃から「可哀想」「食事もドロドロ」「車椅子に縛り付けられている」などと言い始め、そこから突然「殺す」に飛躍している。
 この間に、一体何があったのか。第9回の公判には、そのヒントが垣間見える。植松被告は差別的な考えを持つようになった経緯について、他の職員の言動を挙げたのだ。
 入所者に命令口調で話す職員。また、暴力を振るっている者もいると耳にしたという。
職員の暴力については良くないと思ったが、「2、3年やれば分かるよ」と言われたという。2、3年経てば、暴力を振るう気持ちがお前にも理解できるよ、ということだろう。それを受け、植松被告は食事を食べない入所者の鼻先を小突いたりするようになったという。
 ここは、事件につながる大きなポイントだと思う。しかし、裁判では施設の問題にはこの部分くらいしか触れられていない。また、やまゆり園の入倉かおる園長はこの日の植松被告の発言を受け、「暴力はない。流動食などの食事形態は医師の指示を受け、家族とも相談して決めている」と述べている(東京新聞「園での勤務経験が影響か 相模原殺傷公判 植松被告が主張」、2020年1月28日)。
 判決後の会見でも、入倉園長は改めてこのことに触れ、聞き取りをした結果、そのような事実は確認されなかったと話した。

施設には何の問題もなかったのか?
 判決後の会見の席では、入倉園長から植松被告の「変化」についても語られた。
 最初の頃は「やんちゃな兄ちゃんだけど悪い印象はなかった」という。が、事件を起こす16年の年明けくらいから障害者を「ヤバいですよね」「いらないですよね」と軽い感じで言うようになり、そこから「障害者はいらない」と話すようになったという。また、遅刻をしたり退勤時間でないのに勝手に帰ったりするようになり、足が悪い利用者を誘導しながら自身はポケットに手を突っ込んでいたりするようになったそうだ。
が、そんな植松被告に対してまだ若いから育てていこうという気持ちもあり、先輩職員たちは「できると褒める」なども繰り返していたらしい。一方、入倉園長は、植松被告が「障害者は可愛い」と言っていたことに対し、それは決して大切にしていたという感じではかったということも強調した。
 それでは、施設には何の問題もなかったのか。ちなみに裁判中の1月21日、神奈川県の黒岩祐治知事は、厚木市の知的障害者施設「愛名やまゆり園」で虐待があったことを明らかにしている。
 同施設では、複数の入所者が職員に風呂場で水を掛けられたり、夜中に1〜3時間トイレに座らされたり、また食事制限のある入所者が大量に食べさせられたりしていたという。施設を運営するのは「社会福祉法人かながわ共同会」。事件があった津久井やまゆり園も運営していた。

    事件直後から私は多くの関連イベントや集会に参加しているが、津久井やまゆり園において、不適切なケアがあったのではという声は幾度か耳にしたことがある。が、真偽のほどは確かめようもない。一方で、やまゆり園云々ではなく、「大規模施設ではいつかああいう事件が起きるとどこかで思ってた」と話す人も少なくない。

待遇に不満があったわけではない
 重度障害者であり、参議院議員の木村英子氏は、判決を前にした朝日新聞のインタビューで「意思疎通のとれない人は社会の迷惑」「重度障害者がお金と時間を奪っている」という植松被告の主張に対し、以下のように述べている(朝日新聞「偏見や差別、被告だけじゃない やまゆり園事件判決を前に れいわ・木村英子議員」、2020年3月10日)。
「同じような意味のことを施設の職員に言われ続けました。生きているだけでありがたいと思えとか社会に出ても意味はないとか」
 木村議員は幼い頃から18歳までの大半を施設で過ごしている。優しい職員もいたが、そこは「牢獄のような場所」だったという。
「一番嫌だったのは『どうせ子どもを産まないのに生理があるの?』という言葉です。全ての施設がそうとは思いませんが、私がいたのはそういう施設でした。
 自由のない環境で希望すら失い決まった日常を過ごす利用者を見た人たちが、『ともに生きよう』と思えるでしょうか。偏見や差別の意識が生まれたとしても不思議ではありません」
 彼女の言うように、全ての施設がひどいとは思わない。また、木村議員が施設に入っていたのは35年ほど前のことである。が、その話で、ある人のことを思い出した。障害者たちで結成されたバンド「スーパー猛毒ちんどん」のメンバーの一人だ。
 ステージで白塗りメイクに派手な衣装で注目を集める男性メンバーは、10年間ほど、施設に入っていたことがあるという。が、その時の「思い出」を聞くと、一つも思い出せないというのだ。5人くらいの部屋だったのに、同室の人の名前も思い出せない。施設を出て地域で暮らしてからのことはよく記憶していてよく話すというのに、10年間の記憶がほぼない。現在はバンドメンバーとして活躍している彼だからこそ、「施設時代」がそれほど空白の時間だったということに衝撃を受けた。
 環境によって、人は変わる。大きく可能性を得たり、失ったりする。植松被告はやまゆり園で働くうちに障害者に対して「生きている意味があるのかと思うようになった」そうだが、その人々が地域で暮らしていたり、様々な人と繋がっていたり、「スーパー猛毒ちんどん」のようなバンドで人気を博していたりしたら、恐らくそんなことは思わなかっただろう。

 一方で、植松被告はやまゆり園に不満があったわけではないことを法廷で主張した。
 そもそも障害者が嫌なら事件を起こすのではなく、やまゆり園を辞めれば良かったのに、と法廷で遺族に言われた時、植松被告はこう言った。
「やまゆり園に不満があったわけではありません。施設の中ではいい施設だったと思っています。やまゆり園に不満があったのではなく、障害者に対する施設の在り方がおかしいと思いました」
 待遇に不満があったわけではないことは、植松被告は篠田氏への手紙にも書いている。そうして手紙はこう続く(月刊『創』編集部編『開けられたパンドラの箱』、創出版)。
「3年間勤務することで、彼らが不幸の元である確信をもつことができました」
 そんな植松被告は、ドナルド・トランプ米大統領候補(当時)の演説から「これからは真実を伝える時代が来る」と時代の変化を感じ、施設の職員と雑談している時に「この人達を殺したらいいんじゃないですかね?」と言ったという。何気なく出た言葉だったそうだ(同書)。

事件の全容はいまだ解明されず
 そんな植松被告の言葉に触れていると、裁判が始まる少し前に読んだ最首悟(さいしゅ さとる)さんのインタビューが頭に浮かぶ。重度障害がある娘を持つ最首さんは、雑誌『コトノネ』32号(コトノネ生活)で以下のように語っている。
「わたしの教え子で障害者福祉に携わるものに言わせると、植松青年の犯行の原因は、『優生思想でも、なんでもない。単純な嫉妬ですよ』ってことです。社会的に何もできないものが、優遇されてノウノウと生きているのに対するやっかみだって。それに引き換え、おれは生活保護一つ取るのだって大変なのに、という」
 つまり植松被告は、障害者が自分と比較して「守られて」いるように見えたのではないか。
 守られ、ケアされる存在。かたや自分はどこにも守られず、剥き出しの競争社会に投げ出され、「自己責任で勝ち抜け」「役に立つ人間でないと生きる資格などない」という脅迫を日々受け、値踏みされている。毎日、毎分、毎秒。社会の物差しは「役に立つかどうか」だけではない。見た目だって評価の対象になるから彼は美容整形と医療脱毛にも励む。
 そうして必死で「努力」している彼の目に、障害者は「怠けている」ように見えたのではないか。
 法廷や面会で見た彼の他人への評価基準は「カッコいい」と「頑張ってる」である。トランプ大統領を「カッコいい」と絶賛し、安倍晋三首相について「頑張っている」と支持を表明する。それ以外にも法廷で「頑張ってる」は人を評価する言葉として何度も出た。そこに垣間見えるのは、「頑張り」に対する信仰だ。とにかく頑張ることは尊いこと。そして自分は頑張ってる、頑張ってきた、それなのに全く頑張らない奴らがいるのは許せない、頑張らないのに生きていることが特権的に許されているなんて不公平だ、自分はこんなにも頑張ってきたのに――。

 法廷や面会、手紙で「待遇に不満はない」と繰り返す植松被告だが、事件前、友人や交際相手に、やまゆり園での仕事について「感謝の言葉がない」「報われない」「給料が安い」と不満を漏らしていた(裁判での供述調書より)。もし、感謝の言葉があり、それなりに彼が「報われた」と感じ、そしてもう少し給料が高ければ、あんな事件は起きなかったのだろうか? そう考えると、あまりにもやるせない。
 判決の日、記者会見で息子の一矢さんが重傷を負った尾野剛志さんは開口一番、言った。
「遺族、被害者家族が望んだ結果になり、ほっとしている」
 しかし、こうも言った。
「本当にスッキリしない。結局もやもやもしたまま結審し、判決に至った」
「これからずっともやもやすることで植松に負けたことになる」
 私の中にも、もやもやはたくさんある。事件の全容が解明されたとはとても思えない。
 ただ、尾野さんは「唯一、望んでいた判決が出たことだけが救い」と言った。

最後に第一審裁判を終えて思うこと
 さて、このまま控訴しなければ、植松被告は確定死刑囚となる。植松被告にとって確定死刑囚は、生きる意味のない存在だ。死刑囚が長期間生きながらえているのは税金の無駄だから早期に執行すべきと主張してきたのだ。その死刑囚になった時、彼は早期執行を望むのか。
 一方で、彼が死刑を覚悟している背景には、世界の出来事を予言するという「イルミナティカード」への傾倒も垣間見える。植松被告によると、日本は今年滅びるらしいのだ。首都直下型地震が起きるだけでなく、6月か9月に横浜に原子爆弾が落ちるとも言っている。
 現在の新型コロナウイルス感染拡大と、それによって引き起こされている混乱は、植松被告の目には「滅亡という予言が当たる前兆」に見えているのかもしれない。そして彼自身の中には自身を「命をかけた革命家」と思っている節もある。
 しかし、日本は滅びず、世界は終わらず、死刑執行までの長い長い時間が続き、刑の確定によってメディアや著名人との交流一切を絶たれ、ごくごく限られた人としか面会できずに「忘れられた」存在となったら。
 その時植松被告は、初めて事件と向き合うのかもしれない。


白樺樹液採取


 


コロナウイルスにかかったら飲んではいけない薬:フランスの厚生大臣が発表

2020年03月18日 | 健康・病気

 (今井佐緒里) - Y!ニュース3/15(日)


 ランスの厚生大臣オリヴィエ・ヴェラン氏が、コロナウイルスに関して、イブプロフェンを服用しないほうがよいと推奨した。 
 イブプロフェンとは、非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)に属する。これは、炎症や痛みなどを抑え、熱を下げるために使われるものだ。しかしこの薬は、既にかかっている感染症を悪化させ、合併症を伴わせる可能性があるのだという。(筆者注:イブプロフェンは市販の薬に使われている) 


参照記事:非ステロイド性抗炎症薬 (内服薬・注射剤)の解説(日経メディカル)
厚生大臣は、自身のツイッターで、「!新型コロナウイルス:感染者が(イブプロフェンやコルチゾンなどの)抗炎症薬を服用すると、感染を悪化させる要因になる可能性があります。熱がある場合は、パラセタモール(別名:アセトアミノフェン)を服用してください」「すでに抗炎症薬を服用している場合、または疑わしい場合は、あなたの医師に助言を求めてください」とメッセージを送った。

 複数の医者が、発熱のためにイブプロフェンを服用した後、併存疾患がないにもかかわらず、重篤な状態に陥ったコロナウイルスの若い患者の例を挙げているという。 
 このためフランスでは、非ステロイド性の抗炎症薬は、「フランス医薬品・保健製品安全庁(ANSM/L'Agence nationale de securite du medicament et des produits de sante)」による警告の後、1月15日以降は薬局で自由に買うことができなくなっている。 
 同じことは、パラセタモール(アセトアミノフェン)を含む医薬品にも当てはまる。 
 パラセタモール(アセトアミノフェン)はあまりにも多く服用すると、重大な肝臓障害を引き起こす可能性があるもので、時には致命症になりかねない。 

 

【1続報】コロナウイルスにかかったら飲んではいけない薬:フランス発の詳細な説明
今井佐緒里  | 欧州研究者・物書き・編集者 

Yニュース3/17(火)

【この記事は3月15日アップの「コロナウイルスにかかったら飲んではいけない薬:フランスの厚生大臣が発表」の続編です】 


 奇妙な沈黙――これが、筆者が前回の記事を発表してからの、感想である。 
なぜこれほど静かなのだろう。ネット上では、もっと識者や関係者から反論が起こると思っていた。この奇妙な沈黙は何なのだろうか。 
 前回の記事には、発表の1日後に追記を書いた。 
ツイッターを通じて、沢山の方から意見が出されました。その中で、複数の方が発言している気になったものがありました。 
 特に「この記事に書いてあることは、コロナに限らずインフルエンザ全般に言えることである」「飲まないのは当然」という発言は、真偽と理由が知りたいです。 
「イブプロフェンは、子供や妊婦には投与されず、アセトアミノフェン(パラセタモール)が使われる」というリツイートも多かったですし、「発熱とは、体が体温を上げることで免疫力をあげて、病気に対抗しようとしている現象である。むやみに薬で解熱させるのが良いとは限らない」という意見も複数ありました。 
 これらの理由を、日本の政治家、厚労省、医療団体や関係者に説明してほしいです。大きな声で、公けに。個人の努力というより、しかるべき機関として。 


 季節の変わり目ですし、体調を崩しながらも、できるだけ不要な外出を控えて不安な思いでいる国民に聞こえるように、はっきりと説明してください。それは政治家や厚労省、医療団体、関係者、そしてメデイアの義務ではないでしょうか。 
その答えになっていると思えるフランス発の記事があったので、翻訳して紹介する。 


 グーグルフランスで上位に来る記事なので、フランス語話者に大変多く読まれている記事だと思う(フランス語情報は、フランス語圏のベルギーやスイス、カナダの一部、ルクセンブルクなどにすぐに伝播する)。 
 人間は動物なので、人種によって多少なりとも違いはあるかもしれないとは筆者は思っている。でも、日本のしかるべき機関は、このような具体的なメッセージを、この非常時に国民全員に届くように努力をして発信してくれない。以下の記事は、少なくとも参考にはなるはずだ(最終的な判断は、読者の信用する医師の判断にゆだねます)。

タイトルは「コロナウイルス:イブプロフェンとその他の非ステロイド系抗炎症薬に対する警告」
 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)とは、イブプロフェンやアセチルサリチル酸(アスピリン・バファリンは商品名)などが有名である。他にもロキソプロフェン(ロキソニン)、ケトプロフェン、ジクロフェナクなどがある。 
 これらの成分は、市販薬に含まれている。ネットで、これらの成分と「市販薬」という語を一緒に検索すると情報が出てくる(信用できるサイトを見て、薬の箱や説明書で確認してください)。 


正直言って、筆者は今大きなショックを受けている。 
 フランスでは、新型コロナウイルスの問題が起きるずっと前から、国の機関が、非ステロイド系抗炎症薬が感染症を悪化させる役割について調査をしていたのだ。 
そして、2019年の4月に調査結果を発表。同庁は「リスクがある薬を、一般市民が自由に買えないようにするべきである。薬局でカウンターの後ろにおいて販売するべきだ」と望んでいた。そして今年の1月から実現している。日本と何という違いだろう。 
 読みにくいところがあると思うが、ご容赦頂きたい。以下、記事翻訳です(見出しは筆者)。


アセトアミノフェンは1日3グラムを超えてはいけない
 噂は、まず医者の間で流れ、次にソーシャルメディアで広まりました。その後、保健当局(複数)、厚生大臣、保健長官によって警告がなされました。 
3月14日土曜日、オリヴィエ・ヴェラン厚生大臣はツイッターで呼びかけました。「抗炎症薬(イブプロフェン、コルチゾン・・・)の服用は、感染症を悪化させる要因となる可能性がある」「熱があるときにはパラセタモール(別名:アセトアミノフェン)を服用するように」と求めています。 
「非ステロイド系抗炎症薬の使用に関連していて、重篤で望ましくない事例が、新型コロナウイルスの可能性がある患者、または確認された患者で報告されています」と、ジェローム・サロモン(Jerome Salomon)が、Linkedinで追加説明しました。 
(訳注:サロモン氏は、フランス厚生省の長官で、伝染病の専門家。WHO/世界保健機関では定期的にフランス代表をつとめる)。 

 「新型コロナウイルス、またはその他のウイルス性呼吸器感染症について、副作用に耐えうる度合い(忍容性)が低い発熱または痛みの治療には、パラセタモール(アセトアミノフェン)が使われています。60 mg / kg /日、および1日あたり3 gの投薬を超えることはありません」(成人向け/フィガロ編集者注)と述べた。 
そして「自己判断によるすべての投薬を避けてください」と付け加えた。 
(訳注:忍容性に関する説明は、こちらをクリックー日本薬学会) 

慢性疾患の場合は勝手に服用をやめないこと
 ただし、特定の慢性の病気では、これらの製品の服用を停止するのは注意してください。服用が必須である可能性があるからです。 
もしあなたのかかりつけ医師が、非ステロイド系抗炎症薬、またはコルチゾンを処方している場合は、別の指示が出ない限りは、やめないでください。 
「良いメッセージとは、自己判断で服薬するのはやめること、発熱や呼吸器に関する兆候がない限り、これらの慢性病の治療を突然中止しないことです」と、リール大学病院センターの救急緊急部長のパトリック・グロドスタインは、ツイッターで警告しました。
 さらに、パラセタモール(アセトアミノフェン)の過剰摂取には注意してください。 
 処方箋がない場合、推奨される最大の用量は、1日あたり3グラムです(よく信じられがちな4グラムではありません)。6時間あけて服用してください。
 
原因の解明の難しさ
 情報は現在、集中治療室入院をした患者に対する観察のみに基づいています。 
医師達は、そこで「大量の非ステロイド系抗炎症薬の服用」について報告しています。特に併存疾病のない若者で、重篤な状態になった患者についてです。 
 しかし、重篤な状態の患者が、他の患者よりも多くの非ステロイド系抗炎症薬を服用したかどうかは、不明です。 
 これらの製品は、非常に広く自己判断で使用されています。非ステロイド系抗炎症薬を服用していても、命にかかわらない状態の患者は、おそらく医療関係者のレーダーの下を通りすぎるだけでしょう。 
 そのため、これらの薬が本当にこういった重篤な状態の原因かどうかを知ることは、現状では困難です。 
 これらの薬(下記リスト参照)は、発熱や痛みに対してとても効果的であるため、自己判断で頻繁に使用されています(イブプロフェンは、毎年約5千万箱販売されると言われる)。しかし、感染病では潜在的な危険があることが知られています。 
パラセタモール(アセトアミノフェン)よりも効果的ですが、同時にリスクも高くなる可能性があります。 

炎症を薬でとめる大きなリスク
 どういう意味か説明します。 
炎症は、感染に対する身体の正常な反応であり、警告のサインです。 
したがって、抗炎症薬を服用すると、免疫システムの反応を弱め、病原体の侵入に対する身体の反応が妨害されるだけではなく、何よりもどのくらい深刻かを示すサインが隠されてしまい、診断と治療が遅れてしまいます。 
 同じプロセスがコルチゾンでも観察されており、副腎皮質ステロイド療法を受けている患者は、感染のリスクが高いことが知られています。 
非ステロイド系抗炎症薬の中には、「バクテリア(細菌)の肥料」になる可能性があるものもあります。 
 このことは最近、弊誌(Le Figaro)で、Annie Pierre Jonville Bera博士によって報告されました。彼女はトゥールの医薬品安全対策地方センターの責任者です。 
 「動物実験では、抗生物質があっても、イブプロフェンが特定の細菌の増殖を促進することを示しています。おそらく、接着(adhesion)、ゆえに増殖に関与するタンパク質であるビメンチンを、イブプロフェンが変形させるためと思われます」。 

医師には知られている事実
 このことは、医師にとって驚くようなことではありません。 
自己判断で広く使用されている非ステロイド系抗炎症薬(アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナクなど)は、すでにフランス医薬品・保健製品安全庁(ANSM)からの警告の対象となっています。 
 昨年2019年4月、同庁は、最も使用されている2つの薬(イブプロフェンとケトプロフェン)の、医薬品安全対策調査を発表しました。 
 結論は「感染症の際、これらの非ステロイド系抗炎症薬が、病状を悪化させる役割を示唆している」。 
 したがって、同庁は今年1月に、薬局でこれらの薬を自由に買える方式を廃止しました。 
 今でも鎮痛剤(36のパラセタモール/アセトアミノフェンが主成分の薬と、46の非ステロイド系抗炎症薬が主成分の薬)は処方箋なしで買うことができますが、カウンターの後ろに置いてあり、薬剤師を通して販売されています。 

<Vidalによる非ステロイド系抗炎症薬を含む薬の完全なリスト>
ジェネリックに使用される分子の名前、括弧内に商品名が示されています。このリストには、慢性疾患のために処方される製品が含まれていることに注意してください。医学的なアドバイスなしに服用を中止してはなりません。


何と恐ろしいこと!

まずは、不用意に風邪薬を飲まないことです。
検査体制が遅れていますので免疫力、自然治癒力を高めることです。


山尾志桜里が造反理由を独白「党の方針と折り合えなかった」

2020年03月18日 | 社会・経済

 ※週刊朝日  2020年3月27日号

   亀井洋志2020.3.18 

  私が国会の承認にこだわるのは、政府にすべて委ねるのではなく、野党議員も賛否を通じて責任を負うべきだと考えるからです。

 もちろん迅速さが求められますから、最初の宣言時は事後承認の余地は残す必要があります。けれども、期間を延長する時は事前の承認ができるはずです。

 この間、総理が政令指定で報道機関への介入ができるか否かの問題が持ち上がりました。11日の衆院法務委員会で私の質問に対し、宮下一郎内閣府副大臣は「民放の放送内容を変更、差し替えてもらうことはあり得る」と答弁しました。

 ところが、13日に西村康稔経済再生担当相が、番組編集の自由を規定した放送法第3条を理由に否定すると、宮下氏は慌てて謝罪・撤回したのです。人権を制限する法案審議に、きちんと答弁する準備すらできていなかったのです。政府がいかに報道の自由、表現の自由というものを軽んじているかの証左です。

 立憲民主党の議員ですから非立憲的な法律に賛成することはできない。これほど私権制限が強い法案なのに、党の執行部は最初から最後まで賛成の姿勢を崩さず、民主的な議論は封殺されました。党の方針と私の意思は最終的に折り合えなかったわけですから、大きな覚悟と自覚を持って反対しました。

(本誌・亀井洋志)

【禁じ手人事】山尾議員×青木理さん ①緊急事態宣言に反対した理由 ②黒川検事長の定年延長検察OBが声を上げるべき。最後に断るか?黒川検事長?(27分)


「立憲」のふがいなさですね。支持率低下もうなずけます。

今日の散歩道

高速道路わきの道です。

我慢できず歯医者と床屋へ。ガラガラすいていました。
皮膚科の薬もなくなってきたので、札幌までいかなければいけないのですが・・・
ですね。

薬と言えば
 もう1本別記事行きます。


なんで、こうなる?

2020年03月17日 | 社会・経済

200315 3月14日首相会見、質疑応答が珍しく熱くなる

共同通信社の世論調査

「2020/03/16 · 共同通信社の世論調査によると、安倍内閣の支持率は49・7%で、2月の前回調査から8・7ポイント上昇した。不支持率は38・1%。」

 

なんでこうなる?

 マスコミ各社とアベの会食がこんな形で表れているのだろうか?「忖度」から「虚偽」報道までにエスカレートしているのだろうか? あり得る話である。
 先日の「記者会見」も国民を納得させるようなものではなかったし、「国会」における森法務大臣の答弁は、国民や「国会」を軽視する態度で終始した。
 こんな時に支持率が上がるなんて!
そして気になる「立憲」の支持率低下。これが自民党に流れたか?
コロナ後の大リストラ時代の到来に、どう対処しようとしているのか?
国民一人一人の問題である。

アベに、自民党に未来はない!

 

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「すべて佐川局長の指示です」森友事件で自殺した財務省職員「遺書」入手


「週刊文春」編集部
   週刊文春 2020年3月26日号


 森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん事件に関連し、2018年3月7日に自ら命を絶った財務省近畿財務局管財部の上席国有財産管理官・赤木俊夫さん(享年54)が、死の直前、決裁文書の改ざんの経緯を詳細に記した「手記」を遺していたことがわかった。

大阪日日新聞記者で、森友学園問題を当初から取材し続けている相澤冬樹氏が遺族から「手記」全文、および関連する手書きのメモの提供を受けた。

「手記」と題されたA4で7枚の文書は、自殺当日まで書かれていたとみられ、「すべて、佐川理財局長の指示です」「美並近畿財務局長に報告したと承知しています」など、当時の財務省、および近畿財務局の幹部らの言動について実名で詳細に綴られている。また「財務省が国会等で真実に反する虚偽の答弁を貫いている」などと同省の対応を強く批判しており、赤木氏自身、そうした不法行為に加担させられて心身ともに苦しんだ様子もつぶさに記されている。

「手記」の最後には、こう書かれていた。
〈この事実を知り、抵抗したとはいえ関わった者としての責任をどう取るか、ずっと考えてきました。
 事実を、公的な場所でしっかりと説明することができません。
 今の健康状態と体力ではこの方法をとるしかありませんでした。(55才の春を迎えることができない儚さと怖さ)
 家族(もっとも大切な家内)を泣かせ、彼女の人生を破壊させたのは、本省理財局です。
(中略)
 さようなら〉
公文書改ざんに直接かかわった人物の肉声が公になるのは初めてのこと。
 2018年3月2日に朝日新聞の報道で改ざんが発覚し、同3月7日に赤木氏が自殺した後に、財務省は調査を行い、幹部らを減給などの処分にしている。だが、手記には財務省が意図的に事実を隠蔽し、国会で虚偽答弁を行ったことを示す経緯が克明に綴られており、今後、論議を呼びそうだ。
「手記」に実名で登場する当事者の一人、美並義人東京国税局長(当時の近畿財務局長)に取材を申し入れると、
「決裁文書の改ざんについては、2018年6月4日に調査報告書を公表している通りです。お亡くなりになられた職員については、誠に残念なことであり、深く哀悼の意を表したいと思います」
 と財務省の広報室を通じて回答が寄せられた。
 当時、財務省理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官にも、取材を申し入れたが、現段階で回答はない。
「ぼくの契約相手は国民です」と語っていた真面目な公務員は、なぜ公文書の改ざんを強いられ、死を選ばなければならなったのか。

 3月18日(水)発売の「週刊文春」では、「手記」全文と、妻の昌子さん(仮名)が相澤氏に語った赤木さんの人となり、自殺直前の様子、なぜ手記の公開を決意したのかなどを、記事、グラビア、あわせて15ページにわたって特報する。