里の家ファーム

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世界の科学者ら共同声明 温室効果ガス削減 日本は野心的目標を

2024年11月30日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2024年11月30日

 来年2月までに国連に提出を求められている2035年度の温室効果ガス削減目標について日本政府が13年度比で60%削減する案を軸に検討を進めると公表したことに対し、世界の科学者や気候政策の専門家ら約40人が共同で29日、日本は約80%の削減を達成する枠組みの構築が急務だとして「日本は野心的な削減目標の提出を」との声明を発表しました。

 声明には、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書の執筆者らが参加しています。

 気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」は、産業革命前と比べて世界の平均気温上昇を1・5度以内に抑える努力の追求を掲げ、各国は30年度までの目標を策定し国連に提出。次期の目標を来年2月までに提出することが求められています。

 声明は日本の気候変動対策について「世界的な約束に沿った具体的な温室効果ガス削減目標も、それに向けた行動も十分とはいえない」と指摘。主要7カ国(G7)の中でも化石燃料による発電への依存度が際立って高い状況が続き、化石燃料関連事業への投資額が世界でもトップクラスだとして、「こうした状況を放置する余裕は、もはや日本にも世界にもない」と強調しています。

 その上で日本政府に対し、パリ協定の国際公約に沿う削減目標の策定に責任を負うことを強く求めています。

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「1.5度目標」下回る日本案

WWFジャパン抗議

 世界自然保護基金(WWF)ジャパンは29日、環境省と経済産業省の合同審議会で示された、13年度比で60%削減する案を軸に検討するという日本の次期温室効果ガス削減目標に対し、パリ協定が掲げる「1・5度目標」に整合する水準を「大きく下回る案」だと抗議する声明を発表しました。

 提示された案について声明は「科学的に十分な目標でないばかりでなく、重要議題の議論のプロセスも、目標案が提示されることも事前に公表されず…大きな問題を残す」と批判。委員からも会議のあり方への疑問や議論の雑ぱくさを指摘する声が上がり「十分な議論が重ねられたとは到底言えない」と指摘しました。その上で、(1)削減目標を少なくとも科学的に整合した水準である13年比66%以上とすべき(2)議論のプロセスは公正で広範な参加を可能にするべき―と求めています。


園のようす。


北原みのり おんなの話はありがたい #折田さん頑張れ! 「兵庫・齋藤元彦知事問題」のヤバさは現代社会を表象している

2024年11月28日 | 戦争と平和

AERAdot 2024/11/28

 つばさの党の人たちはまだ塀の中にいるという。

 今年4月、東京15区で行われた衆議院議員の補欠選挙中、他陣営の選挙活動を妨害したとして、「つばさの党」の代表らが5月以降に逮捕・起訴され、半年間にわたって勾留されている。「選挙の自由妨害」を犯した公職選挙法違反の罪に問われている。彼らは、小池百合子都知事が現れたら「おい、嘘つき」と呼びかけ、維新の候補者には「大阪ぶっ壊しておいて今度は東京をぶっ壊すつもりか?」とがなり立て、乙武洋匡さんには「不倫はダメだぜヘイヘイヘイ」とふざけ、百田尚樹さんらの日本保守党には「日本を壊した安倍晋三を崇拝して、保守とか言っちゃってる。頭悪すぎ」と一蹴し、れいわの山本太郎さんに対しては「洗脳をするな!」と叫ぶ……傍から見たら乱暴だが、言っていることは「確かに」と思っちゃったりもしたのであった。でも、そういった「本音」を、思うだけではなく、マイクでがなり立て、大騒ぎし、候補者の演説が聞こえなくなるレベルだと逮捕されるのである。公職選挙法とは、かくも厳しい。民主主義の根幹である選挙を守るために、とてつもなく、厳しい。

 先の兵庫県知事選挙で「(斎藤元彦陣営の選挙の)広報全般を任された」と公開したPR会社の社長の投稿が今、世間を賑わせている。県庁職員が自死した説明責任を問われるも何ら明らかにならず、日本全国から知事としての資質を問われ、失職して孤立無援状態であった斎藤さんが、有権者の心を次第に掴み、「斎藤さん、頑張れ!!!」の熱狂に包まれていく過程には、自身のPR戦略の成果であることが詳細に記されていた。

 社長の投稿には、「SNSを活用して『斎藤知事を応援したい』『兵庫県をよくしたい』という想いをプラットフォーム化し、ムーブメントを起こす!!!  狙い:県民にメッセージを投げかけ、今回の選挙を自分ごと化、さらには応援してもらう」という提案の資料が紹介されている。今回の選挙ではSNSの影響力が大きかったことは、当選後のインタビューで斎藤知事も認めている。それまでメディアで批判される斎藤知事を「ここまでたたかれているのに、なぜ辞めないんだ?」と疑問に思っていた多くの人々が、SNSを通して「斎藤さんはメディアの被害者だったんだ!」と意識が変わっていき、選挙が自分ごとになり、斎藤さんを応援しなければ! と、積極的に演説に足を運び、選挙を盛り上げていくというムーブメントが生まれたのだ。それはそれは、PR会社としては最高の充足感を味わったことだろう。社長の投稿では「選挙は広報の総合格闘技」という名言が残されている。そこには勝者の酔いを感じる。

 感心する。このPR会社の社長さん、優秀である。自分の仕事に忠実で、クライアントに誠実で、努力を惜しまず、アイデアを形にしていく。ネット戦略に長けたこういうPR会社の社長がいたからこそ、斎藤さんは、1カ月前までは誰も想像していなかった快挙を成し遂げたのであろう……などと、私など、素直に感心してしまいそうなのだが……危ない、危ない。SNSなどの広報をお金を払って依頼することは、そもそも公職選挙法に違反することなのであった。知っていましたか? たぶん、フツーの人は知らない。その証拠に多くの人が、このPR会社の社長のXやインスタなどに「お疲れ様でした!」といった好意的なメッセージをリプライしている。

 とはいえ……今回のことで明らかになったのは、もしかしたら斎藤さん自身も、公職選挙法、読んでないのではないですか?という大いなる疑問である。読んでいたとしたらすごくヤバく、読まないでやっていたとしてもヤバい。いずれにしても、このような投稿が公開されてしまう超脇甘な背景には、斎藤陣営に、「選挙のルール」の無視/軽視/無知があったということは否めない。今、SNS上では、PR会社の社長が若い女性ということもあり、ミソジニーを交えた批判が飛び交っている。「無能な味方に後ろから刺された斎藤さん」という嘲笑も多く目にする。そして今のところ斎藤さんは、PR会社の社長について「彼女はボランティアの一人」と主張している。先週金曜日にこの件で代理人になった弁護士は、本人が記者会見で認めたように選挙中のことやPR会社社長の投稿を全て把握しているわけではないのに、「(PR会社の社長は)盛っている」と言い切った。SNS上では「籠池される」という言葉も生まれているが、斎藤さん側の言い分が正しいのなら、PR会社の社長は妄想と自己顕示欲が激しいおかしな人……となってしまう。気の毒である。

 それにしても一体……2024年ももう少しで終わるというのに、この半年間、私たちはどれだけ兵庫県知事問題にひきずられているのだろう。そしてなぜ、こんなにも斎藤さんを巡る「物語」は、これほどまでに「現代社会」の上澄みをきれいにすくいとって表象してくれるのだろう。

 テレビや新聞が斎藤さんをたたけばたたくほど、「斎藤さんが被害者になっていく」方程式。「何が真実かは本当にはわからない=報道は事実ではない」という社会的な空気。今回初めて政治に興味関心を持った(とご本人が記している)高学歴で優秀なPR会社の若い経営者が、政治的な信念ではなく、仕事として広報を引き受ける(とご本人が記している)ことへの軽々しさ。そして選挙のプロであるべき人たちが、ルールを知らずに闘っているらしいこと……そのくらいに、私たちの社会を動かしているのが「よくわからない空気」のようなものであること。

 ここまで書いた段階で、斎藤さんの記者会見を見た。記者たちはかなり斎藤さんを追いつめる質問をしていたが、斎藤さんは全ての質問にAIのように「代理人弁護士に一任している」だけを繰り返した。「知事にしか、答えられない質問だから聞く、今、どう思うか?」とった質問にも明解に答えられず、「公職選挙法に違反していないと思う根拠はなにか」という質問にも歯切れがとても悪かった。つまりは、「自分が公職選挙法に違反している認識はないから違反していない」とつぶやき続けているような記者会見だった。

 斎藤さんの目は、少しだけ、私には怖い。目がほとんど動かず、人と目をあわせている感じがなく、どんな質問にも同じ声のトーンで答える。何を考えているのかが全くつかめないのに、「高校生からやめないでという手紙が来た」という「感動話」を淡々と語る。今、どういう状況にご自身がいるのかわかっているのだろうか。

 今、斎藤さんが語るべきは、「本当のこと」だ。「言えないこと」が積み重なり、「推測すること」が積み重なり、「何が事実かわからない」空気のなかで、政治家に求められるのは、嘘をつかず、責任を果たし、懐の深さを見せ、感情を出し、人々に本当の言葉を届ける人だ。斎藤さんの心のない、責任のない、意味のない記者会見を聞いて強くそう思う。そして全方向で叩かれているPR会社社長の折田楓さん、怖いかもしれないけれど、本当のことを堂々と言ってほしい。#折田さん頑張れ! である。


なんともいやはや!!

園のようす。

明朝から雪の予報。
これが根雪になるかもしれない。
最後の収穫、小さなサイズの赤大根、ウサギにおおかた掘られ、残った小さな人参。
菊芋は全部掘らずバケツ1杯だけ収穫。
あと残るは雪囲いとネズミ対策の茎に網を張る仕事。

菊芋


 

 

 


若者・現役世代優遇か?高齢者優遇か? ~「世代間対立」を煽る政策議論が危ない

2024年11月27日 | 社会・経済

若者のミカタ〜ブラックバイト世代の君たちへ

 Imidas連載コラム2024/11/26

  大内裕和(武蔵大学教授)

 2024年10月27日、第50回衆議院議員総選挙が行われました。ご承知の通り自由民主党と公明党が大きく議席を減らし、与党の議席数が「過半数割れ」という結果となりました。それに対し野党は、立憲民主党が98議席から148議席へと50議席増、国民民主党は7議席から28議席へと21議席増、れいわ新選組は3議席から9議席へと6議席増となりました。特に国民民主党の議席は選挙前の4倍、れいわ新選組の議席は選挙前の3倍と、それぞれ大幅に増加したことが分かります。

 今回の衆院選では、一部の国会議員が政治資金パーティーの収益を隠匿したとされる「裏金問題」が注目されましたが、それ以外に目立った政策としては「若者・現役世代支援」を挙げることができます。選挙前と後で最も大きく躍進した国民民主党(玉木雄一郎代表)は、「手取りを増やす」をキャチフレーズに掲げました。そうして給料・年金が上がる経済の実現を目指し、「減税」「社会保険料軽減」「生活の費引き下げ」で消費を拡大するとして、具体的には所得税が発生しない年収ラインを現行の103万円から物価上昇率から算出した178万円に引き上げ、11年の「子ども手当」創設時に廃止された「年少扶養控除」(16歳未満の子を扶養している場合に適用される控除)も復活させるとしています。

 れいわ新選組(山本太郎代表)は、高校卒業までの子をもつ世帯に所得制限なしで子ども一人あたり月3万円を支給する手当の創設、子どもの医療費や保育料、給食費、学童保育利用料、大学院までの教育無償化、「奨学金徳政令」による学生ローン免除といった子ども・若者支援策を打ち出しました。

◆◆

 これまで奨学金問題やブラックバイト問題など、若年層の貧困解決を強く訴えてきた私にとって、今回の衆院選で学生や子育て世代の生活にもスポットが当てられたことは嬉しいことです。若者・現役世代支援を強く訴えた政党が議席を増やしたことも、そうした政策が社会的支持を得られたことを示しています。

 しかし一方で、若者・現役世代支援が注目される中にも、大きな問題があることを意識するようになりました。それは、これまで手厚いとされてきた高齢者支援をやり玉に挙げて「世代間対立」を煽るような政策論調の存在です。最近では、国民民主党の玉木代表が24年10月に日本記者クラブ主催の党首討論で発言した内容が話題となりました。

「社会保障の保険料を下げるためには、高齢者医療、特に終末期医療の見直しにも踏み込みました、尊厳死の法制化も含めて」「こういったことも含めて医療給付を抑えて若い人の社会保険料を抑えることが消費を活性化して次の好循環と賃金上昇を生み出す」

 この玉木氏の「尊厳死」発言には、SNSなどで批判が殺到しました。玉木氏はX(旧Twitter)で「尊厳死の法制化は医療費削減のためにやるものではありません」「雑な説明になったことはお詫びします」と釈明しました。しかし国民民主党の政策パンフレットでは「現役世代・次世代の負担の適正化に向けた社会保障制度の確立」の中の一政策として、「法整備も含めた終末期医療の見直し」の項目内に「尊厳死の法制化」と明記されていることから、若者・現役世代の「社会保険料の引き下げ」と「尊厳死の法制化」はセットで考えられていると見るのが妥当でしょう。

◆◆

 こうした若者・現役世代と高齢者との世代間対立を煽るような論調には、いくつか大きな問題があります。まず世代差のみで対立構造を作るため「若者・現役世代」と「高齢者」をそれぞれ一括りにし、その中での違いや多様性を隠してしまう点です。若者・現役世代とひと口にいっても、正規雇用か非正規雇用かによって所得をはじめとする処遇には大きな違いがありますし、性差等による違いも小さくありません。

 高齢者についても同様です。このような議論では高齢者は一様に若者や現役世代より恵まれているというのを前提にすることがありますが、その認識は正しくありません。東京都立大学教授で社会政策学者の阿部彩氏が、厚生労働省「令和4年度国民生活基礎調査」から推計した調査では、65歳以上の貧困率は20歳未満や20~64歳を上回っていました。特に単独世帯の高齢女性の貧困率が44.1%と非常に高くなっています。

 高齢者層の中にも困窮世帯が多く存在していることは明らかです。国民年金(老齢基礎年金)のみの受給者は、満額受給したとしても年額81万6000円(24年度)で、月あたり6万8000円にしかなりません。厚生年金も減額傾向にあることから、老後も働かざるを得ない人は年々増加しています。

 総務省統計局の「労働力調査」のデータから、60歳以上の就業率を12年と22年で比べてみると、60~64歳は57.7%→73.0%、65~69歳は37.1%→50.8%、70~74歳は23.0%→33.5%とそれぞれ大幅に上昇しています。若者・現役世代vs高齢者の政策議論では「恵まれて余裕のある高齢者」としばしば言及されますが、そうした人々は急速に減少し、現在ではむしろ少数派となりつつあるのではないでしょうか。

◆◆

 さらに「世代間対立」にのみ焦点が当たることで、それ以外の部分が見えなくなってしまうのも問題です。例えば、ここで最近猛威をふるっている「全世代型社会保障」という議論を見てみると、厚生労働省は「全世代型社会保障改革」についてホームページで次のように説明しています。

〈人生100年時代の到来を見据え、「自助・公助・共助」そして「絆」を軸に、お年寄りに加え、子供たち、子育て世代、さらには現役世代まで広く安心を支えていく全世代型社会保障の構築を目指します〉

 これだけ読むと「全世代」を支える社会保障の構築のように思えますが、実際は違います。資料には「少子化対策」と「医療」が2本柱で掲げられ、「少子化対策を大きく前に進めます」とある一方で、「医療」の項には「令和4年から団塊の世代が75歳以上の高齢者に」「現役世代の負担上昇抑制が課題です」とも書かれているのです。つまり「少子化対策」と「高齢者医療費の抑制」がセットで提案され、若者・現役世代vs高齢者の対立図式がここにも織り込まれていることが分かります。

 全世代型社会保障改革の名の下、22年10月から一定以上の所得がある75歳以上の高齢者は病院など医療機関の窓口負担割合が1割から2割に引き上げられ、政府は引き上げについて「現役世代の負担軽減」を理由に挙げました。厚生労働省の試算では、2割負担の対象となる75歳以上の場合、窓口での自己負担額は年間1人あたり平均で約8.3万円から約10.9万円へ2.6万円増とあります(厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の在り方について」)。

 しかし、それに対する現役世代の保険料の負担軽減は、主に現役世代の保険料でまかなう支援金(720億円)の削減によって1人あたり年間約700円減です。社会保険などの被用者保険に加入している場合、保険料は事業主と折半ですから年間約350円(1カ月あたり約30円)の負担軽減に過ぎません。

 どうしてそうなるのかといえば、保険給付費(改正直後は年間1880億円減)の削減分のうち、一番多くを占めるのは税金からの支出分(980億円)で、それが現役世代の保険料でまかなわれる支援金(720億円)を大きく上回っていたからです。「現役世代の負担軽減」ばかりが注目され、税金からの支出の削減には注目が集まりませんでした。若者・現役世代と高齢者の世代間対立に焦点を当てることで、税金からの支出削減が覆い隠され、結局は社会保障予算のカットが推し進められたのです。

◆◆

 もう一つ深刻なのが、若者・現役世代と高齢者との世代間対立が煽られることによって、日本社会に深刻な危機が広がっていることです。

 読者の皆さんもご存じのように今年に入って以降、「闇バイト」による凶悪犯罪が立て続けに起こっています。例えば10月、神奈川県横浜市の住宅に侵入し、75歳の住人に暴行を加えて殺害したうえ現金約20万円を奪った事件では、容疑者として逮捕されたのは22歳の若者でした。また11月には東京都三鷹市の2階建て住宅に侵入し、70代の住人の首を絞めて金品を奪おうとして20代の若者3人が強盗未遂と住居侵入の容疑で逮捕されました。

 このように闇バイトを通じて犯行に関わるのは若者が多く、主に高齢者に狙いを定めた強盗や詐欺事件が起きていることが分かります。闇バイトについてはその裏にある複雑な社会背景を含め、慎重な考察を積み重ねる必要があり、短絡的な若者批判は避けなければいけません。しかしそのことを踏まえた上で、犯行に及んだ若者たちの乱暴で残酷な行為を見ると、そこには高齢者に対する「憎悪」の感情のようなものが顕れているとも感じます。

 私が勤務する大学にも、「高齢者は自分たちより恵まれている」という感覚をもった学生は多数存在しています。奨学金などで学生のうちから多額の借金を抱えていたり、複雑な家庭環境に苦しんでいたりする若者が、一見裕福そうに見える高齢者にマイナスの感情をもつことは十分にあり得るでしょう。マスコミや有識者によって世代間対立が煽られることで、高齢者=裕福のイメージが若者の間に浸透し、不確かな思い込みのもとで闇バイトに吸い寄せられている危険性もあると思います。

 そして若者・現役世代vs高齢者の世代間対立を煽る議論が、最も覆い隠しているのは、日本で急速に拡大している貧富の格差です。野村総合研究所の推計によれば、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から不動産購入に伴う借入などの負債を差し引いた「純金融資産保有額」が5億円以上の「超富裕層」は05~21年にかけて5.2万世帯→9.0万世帯、1億円以上5億円未満の「富裕層」は81.3万世帯→139.5万世帯へと増加しています。

 若者の貧困が大きな社会問題となり、また高齢者の貧困も深刻化しています。その一方で、超富裕層や富裕層は増加を続けています。「世代間対立」を煽る議論は、こうした貧富の格差を覆い隠す機能を果たしています。「格差と貧困」が深刻化する日本社会で強く求められるのは、若者・現役世代を優遇するか、高齢者を 優遇するかの泥仕合ではないはずです。まずは社会構造を見直して、貧富の格差を是正する議論から進めるべきだろうと私は考えます。


「政府は、働きながら年金をもらう人が年金カットされる(在職老齢年金の)基準額50万円を、62万円または71万円に引き上げることを検討しています。

こんな話を耳に入れるともっと基本的なことをやるべきではないのかと疑問を感じます。「下」を支えるのではなく「上」を支えるのですから。一桁違うんですよね。

園のようす。

雪が消えてしまいました。

 


個人情報保護法改正で攻防

2024年11月26日 | 社会・経済

市民「人権尊重で」 財界 猛反発“もうけのタネ”

「しんぶん赤旗」2024年11月24日

 「名簿」を使って高齢者を狙う犯罪など、個人情報を巡る不適切な事例が相次いでいます。そうしたなか、政府の個人情報保護委員会(個情委)は、消費者団体や学識経験者、財界の委員による「検討会」で、個人情報の規制のあり方を議論、来年の通常国会で個人情報保護法改正案の提出をめざしています。しかし、これに財界が猛反発。市民団体からは人権を尊重する保護法の改正を求める声が上がっています。

見直しへ報告書

 個情委は今年6月、個人情報保護法の3年ごとの見直しに関する検討について報告書を公表。高齢者の財産に関する個人情報を掲載した名簿を犯罪者グループに売る「悪質な名簿屋」の存在を指摘しました。「新・破産者マップ」などと称するインターネットのサイトに破産者の住所や氏名を公表し、非表示にするのに数万円の支払いを要求する事例などを挙げました。

 検討会では▽悪質業者への課徴金▽被害者に代わって消費者団体が損害賠償請求などを行う団体訴訟▽被害回復制度の導入―などが論点。年内に方針をまとめ、個情委へ報告書を提出する予定です。担当者は「来年の通常国会に個人情報保護法改正案を提出する」といいます。

 ところが、この方針に日本IT団体連盟や経団連などの財界が「法改正・規制強化ありきではない」「企業の個人データの活用を萎縮させる」などの理由で猛反発。資料の訂正や議事録削除を求めて議論をたびたび中断させ、激しく対立しています。結論がまとまらなければ改正案の国会提出は先送りされる懸念があります。

 ある専門家は「(財界は)非論理的な主張を繰り返して反対ばかりするが、理由が全く分からない」とあきれ顔です。

 欧州連合(EU)などに比べ日本では個人の権利を守る規制が弱く、同法の3年ごとの見直しは消費者にとってチャンスです。

ルールこそ必要

 全国消費者団体連絡会は個情委にプロファイリング(人物像の推定)規制などを要望。全国消費生活相談員協会は、消費者トラブルの根幹に「名簿の悪用がある」として、本人同意なしの個人情報の第三者提供の規制や罰則強化などを求めました。個情委への意見総数は約2500件に上ります。

 「急速なデジタル化が進む中、日本がデジタル先進国の道を歩むには人権尊重のルールこそ必要」―。こう訴えるのは主婦連合会の河村真紀子会長です。同会は、個情委に顔認証技術などによる生体データの取得規制やこどもの個人情報保護強化、悪質業者への課徴金制度の導入など10項目を求めました。

 河村氏は、見知らぬ勧誘電話がかかるといった相談が多いと話します。「なぜ、氏名や電話番号を業者が把握できるのか。名簿屋による個人情報の不正取得か情報漏えいかは不明だ。だからこそ、事業者への規制が必要だ」。個人情報保護に特化した専門家による市民団体の設立の必要性も訴えます。

 個人情報をもうけのタネにしたい財界の横暴を規制し、人権が尊重される「ルールあるデジタル社会」が求められます。(土屋知紀)


「マイナ保険証」もまた彼らにとっては「宝の山」なのです。

今日は良い天気に。
畑には行かず、家の窓の雪囲い。
今夜から明朝にかけて☂の予報です。
暖かいです。
COP29も閉幕しましたね。
なんか虚しい氣持ちです。

 


その前に・・・

2024年11月25日 | 生活

「しんぶん赤旗」2024年11月25日

きょうの潮流

 「苦学生」という表現は遠い昔の言葉ではないようです。全国各地の大学が提供する「100円朝食」は、いま物価高に苦しむ学生の味方になっています▼先日、NHK「ニュースウオッチ9」は「“破格”の朝食の利用者急増 生活切り詰める学生」と1人の大学生を取り上げました。「毎日のようにこの(100円)食堂に来る」と紹介され、「この春、静岡県から上京し1人暮らしをしています。留学の費用をためるため複数のアルバイトを掛け持ちしながら生活は節約を徹底」▼食費は1日3食500円以内。スマートフォンで家計簿をつけています。物価高騰で「食事を抜かざる得ない日もあり、1人暮らしを始めた4月から体重は4キロ減ってしまったといいます」▼思い出したのは、日本共産党の山添拓政策委員長のNHK「日曜討論」(10日)での発言です。「所得税の課税最低限」、いわゆる「103万円の壁」をめぐり最低生活費に課税しない「生計費非課税の原則」に照らして額を「当然引き上げるべきだ」と▼さらに、「学生は、学業に専念する時間に充てたいにもかかわらず、103万円もアルバイトをしなければいけないという状況自体がどうなのか」と山添氏。求められているのは、壁の撤廃も大事だが学費の引き下げや給付型奨学金の充実ではないのか▼今でさえアルバイトと奨学金、教育ローンの借金なしで大学に通えない現実。せめてこれ以上の値上げは止めてほしい―。これは学生も家族にも共通した思いです。


 マイナ保険証と憲法

2024年11月24日 | 生活

「東京新聞」社説 2024年11月24日

 12月2日から現行健康保険証は新規に発行されなくなります。政府が健康保険証の機能をマイナンバーカードに持たせた「マイナ保険証」への移行を進めているためですが、医療現場は混乱し、政府は迷走を続けています。

 例えば、マイナ保険証を持たない人や持っていても75歳以上の高齢者の一部には保険証の代わりに「資格確認書」が送られます。マイナ保険証を持つ人にもトラブルに備えた「資格情報のお知らせ」が発行されます。

 双方で388億円の税金を費やしましたが、現行保険証を残すなら不要な経費です。

 高齢者や障害者へのしわ寄せも心配です。マイナ保険証では受診のたびに、保険の資格確認が必要だからです。暗証番号の入力か、顔認証をするのですが、これが一苦労。弱視の人が暗証番号の入力に手間取り、列の後ろから怒鳴られたとの話も聞きます。

 高齢者施設の多くはマイナカードの保管に不安を持ち、読み取り機の導入経費がかさむため廃院を決めた医療機関もあります。

 読み取り機の不具合も続き、9月末の利用率は13・87%。推進する立場の国家公務員の利用率が平均以下の13・58%だったことが制度への不安を募らせています。

 不人気の理由は使い勝手の悪さだけではありません。国民の多くがマイナ保険証に「何か変だぞ」と感じているのではないか。

◆「アメとムチ」の怪しさ

 マイナンバーは国内に住む全員に付されていますが、カードを持つことは強制ではありません。

 カードのICチップには顔写真データや公的個人認証の電子証明書が入っています。IDカードとも言えますが、その発行番号(シリアルナンバー)は各種の個人情報をひも付ける鍵となっているので、この仕組みは個人情報の集積には有用です。

 ただ、顔写真データなどを国が強制的に収集しようとすれば、プライバシーを侵害する可能性があります。それが任意にせざるを得なかった理由の一つでしょう。

 とはいえ、政府の本音は全国民がマイナカードを持つことです。国税を財源に1人最大2万円分のマイナポイントをばらまき、それでも足りないとみるや、健康保険証という国民の命綱を使って所持を強制しようとしました。

 国民に本当に役立つなら、自然に普及するはずです。政府が「アメとムチ」を駆使したため、カードの普及は国民のためでなく、政府に必要だからではと、多くの国民が勘繰ることになりました。

 マイナ保険証で問われるのは国家と国民の関係。憲法の観点からも多くの疑問が生じています。

 マイナカードの公的個人認証の仕組みは政府が認める民間企業も活用できます。職業や健康状態、資産、免許や資格などの情報に購買歴まで結びつくことになれば、企業にとっては「宝の山」です。

 ただ、それはプライバシーの侵害と背中合わせです。個人の尊重などを定める憲法13条との整合性が問われることは必至です。

◆国民皆保険制度の危機

 マイナ保険証は5年ごとの更新も必要です。自ら申請しなければならず、高齢者らが忘れて無保険状態に陥る恐れもあります。

 日本は世界に誇る国民皆保険制度を維持してきました。それにほころびが生じることは生存権を定めた憲法25条に抵触します。

 現行健康保険証の廃止は国民にとって一大事のはずですが、国会ではさほど議論されず、決定の経緯も判然としません。医療機関にオンラインの資格確認を義務づけたのも厚生労働省令によるものです。東京保険医協会の医師らは国会を唯一の立法機関と定める憲法41条に反するとして東京地裁に無効確認を求めて提訴しました。

 先進7カ国(G7)でICチップ付き身分証を健康保険証と一体化させている国は日本以外ありません。個人情報保護を優先するために、ドイツやフランスは行政分野ごとに異なる番号を使っています。それが世界の大勢です。

 日本の行政機構には一度決めると立ち止まらないという悪弊がはびこっています。現行保険証廃止は法改正で決まりましたが、マイナ保険証の利用率の低さは再考を促しています。憲法上の疑義が尽きないなら、なおさらです。

 健康保険証の改廃は生命に直結する課題です。当面の対策として資格確認書を国民全員に交付し、その間、従来の保険証の復活も視野に入れて、国会で議論を尽くしてはどうか。与野党伯仲の国会状況ならそれが可能なはずです。


園のようす。

昨夜から降り始め、朝にはやむ予報だったのですが・・・


「若者を覚醒させよ」玉木雄一郎氏を旧統一教会系メディアが猛プッシュでネット騒然

2024年11月23日 | 社会・経済

   『女性自身』2024/11/15

       『女性自身』編集部

11月11日、「Smart FLASH」は玉木氏と小泉が今年7月と10月に高松市内のホテルや都内のバーで“密会”していたことを報じた。同日の会見で玉木氏は報道を「おおむね事実」と認め謝罪。

党代表としての続投が決定した翌12日の会見では、記者の質問に対し、不倫相手との宿泊に公費を使っていないとも断言したが、その直後にX上で、あるユーザーによって、玉木氏が2023年11月18日に高松市内のホテルに宿泊した際に発行したとされる領収書のコピーの写真が拡散されることに。

1泊2日で2万2000円の領収金額が記載されており、玉木氏は一部から“不倫に経費を使った”と疑惑の目を向けられたが、同日にリプライで《明確に事務所の公務であるため、旧文通費で計上し、自主的に領収書を公開しているものです》と釈明。15日には「文春オンライン」では、小泉が憲法審査会を傍聴し、玉木氏の発言が終わると拍手をしていたことを報じるなど、余波は広がり続けている。

先の衆院選では国民民主党が公示前から4倍の28議席と大躍進し、政権運営のカギを握る存在として注目を集める存在になった玉木氏だが、世間の不信感を払しょくするには当分時間がかかりそうだ。

さらに、ここにきて玉木氏にエールを送った“あるメディアの動き”が一部で波紋を広げている……。

発端となったのは、11月9日に世界日報社が発行する日刊紙「世界日報」のデジタル版で配信された「政界一喝」という連載コラム記事での「玉木氏は若者を一層覚醒させよ」と題した記事。そこでは、先の衆院選で自公過半数割れの大敗を喫した石破茂首相を《退(ひ)き際悪く、首相の座にしがみついている》と糾弾しつつ、議席を増やした玉木氏率いる国民民主党に紙面を割いた。

玉木氏について、衆院選で若者の支持を集めたことや、連立政権入りを放棄したこと、SNSを活用した有権者との“直接対話”などに触れた上で、《投票した有権者の一票を、政策に体現させようと専心している》《その一貫した姿勢は好感が持てる》といった評論が並んでいる。そして、日本の政治が次世代と向き合って諸問題を解決するこを希求し、こう締めくくった。

《玉木氏は若者を政治的に一層、覚醒させよ》

記事では、裏金問題に関する報道を《大手メディア主導の要らぬネガティブキャンペーン》とも非難していた「世界日報」。果たして、一体どのようなメディアなのか。

「世界日報社は旧統一教会(現:世界平和統一家庭連合)と国際勝共連合によって設立された会社です。旧統一教会のHPでは、創始者である文鮮明総裁・韓鶴子夫妻が’89年に韓国で世界日報を発刊したとの記載されています。

安倍晋三元首相の銃撃事件以降、改めて問題視された旧統一教会の機関紙であることは否定していますが、関係が深いことは間違いありません。過去に複数の政治家が世界日報のインタビュー取材に応じた例があり、そのこと自体が“政治家と教団との親密さを証明している”と波紋を呼んだこともあります」(全国紙政治部記者)

そして、玉木氏も’20年に世界日報の取材を受けたことがあり、’22年7月の定例会見で、’16年に世界日報の元社長から2回にわたって個人で計3万円の寄付を受けていたことを明かしている。寄付金は適正に処理したと説明したうえで、旧統一教会との関係は否定。

インタビューについては、当時、都合がつく場合はさまざまなメディア取材に原則的に応じていたとし、今後は世界日報の取材に対応するつもりはないと話していた。

実は今回の不倫報道当日に会見を行った直後の11日午後1時すぎ、世界日報の公式Xが《【読まれています】》と綴るとともに、先の記事のURLを投稿。記事の配信日は会見の2日前であり、世界日報のXフォロワーは2495人(11月15日時点)と特段多くはなく、普段の投稿のインプレッション数は平均数千程度。

しかし、今回の投稿は500件以上リポスト、インプレッション数も75.5万以上(15日時点)など、不倫報道直後ということもあって、いつも以上に注目を集めることに。この投稿に対して、ユーザーの間では、過去の報道も手伝いこんな声が上がっている。

《世界日報による、玉木氏の応援が始まったらしい》

《応援になるのか?逆効果では?》

《統一教会の期待を一身に背負う玉木さん》


「不倫」記事はどうでもよいのだが、統一教会の活動が広がっているようで注視したい。斎藤知事にも関わり様々な分野で「反共」を旗印に金もバラまいているだろう。


困窮世帯の子3割「学校楽しくない」 大幅な支援拡充必要

2024年11月22日 | 教育・学校

「しんぶん赤旗」2024年11月22日

 困窮世帯の小中学生の3割近くが学校を「楽しくない」と答えていることが21日、公益財団法人「あすのば」(東京都港区)のアンケートで分かりました。担当者は「経済的支援を拡充してほしい」と訴えています。

 アンケートは2023年11~12月、生活保護を受けるなどしている1万4845世帯を対象にオンラインなどで行い、保護者4012人、小中学生551人を含む子ども1862人から回答を得ました。

 小中学生に「学校は楽しいか」と聞いたところ、10・9%が「全然楽しくない」、17・1%が「あまり楽しくない」と答え、「楽しくない」とした割合は3割近くになりました。「全然楽しくない」と答えた子のうち88・3%が生活の苦しさを訴え、81・7%は「何もやる気がしない」ことが「よくある」「ときどきある」と回答しました。

 また高校生・大学生などに対し、学校をやめたくなるほど悩んだ経験の有無を聞くと約半数が「ある」と回答。理由を複数回答で尋ねると、「経済的余裕がないから」が24・3%で最多でした。「希望の就職先や進学先へ行けるか不安」(14・8%)や「勉強についていけない」(13・0%)といった答えも目立ちました。

 自由記述欄には深刻な声も。生活苦のためスマホなどを我慢しているという大阪府の中学1年生は「塾に行けないので学校でしか勉強できず、授業内容も理解できない」と訴えました。岩手県の高校2年生は「コロナ禍と物価高騰で家庭の厳しい経済状態が続く。進学できるか不安」と嘆きました。

 あすのば代表理事の小河光治さんは「子どもの貧困対策は最優先課題。学校が楽しくないと感じるだけでなく、授業が理解できないという子もいる」と指摘。「政府には児童扶養手当の増額など困窮世帯への経済的支援の大幅拡充を求めたい」と話しています。

⁂     ⁂     ⁂

きょうの潮流(「しんぶん赤旗」)

 学校が楽しくないと思っている子どもほど家庭の生活が苦しいと感じている―。そんな傾向のあることが、子どもや若者の貧困対策に取り組んでいる公益財団法人「あすのば」の調査で分かりました▼同法人が経済的困窮世帯を対象に実施したアンケートで、学校が「全然楽しくない」という小中学生は、9割近くが「生活が苦しい」と感じているか、感じたことがあると答えています。同じ困窮世帯の子どもでも学校が「とても楽しい」という子で「生活が苦しい」と感じているのは74%にとどまります▼困窮世帯のみを対象にした調査なので単純にはいえないかもしれませんが、学校を楽しいと感じられないことと経済的な生活の苦しさに、一定の相関関係がうかがえます。不登校の小中高校生は41万人にのぼりますが、そのなかには貧困が背景にある子どももいるのではないでしょうか▼同調査によると、収入の少ない世帯の子ほど塾や習いごと、誕生日やクリスマスのイベント、友達との外出などをあきらめた経験があります。経済的な貧困が招く「機会の貧困」です▼経済的格差が学びや体験の格差につながり、子どもの将来の格差につながっている現実があります。同法人は国や自治体による子どもの貧困対策の拡充を求めています▼国連の子どもの権利委員会も、「子どもの貧困および社会的排除を減少させるための戦略と措置の強化」を日本政府に勧告しています。大軍拡ではなく、国民のくらしを優先する政治への転換が必要です。


子ども時代くらい平等な環境を保障してあげたいものです。

園のようす。
雪が消えて・・・

クレソンがいっぱい。

最後のバラ。


生活保護利用者「就職サポート」 半年で離職7割超 大阪市 パソナなど大手派遣のもうけ口に

2024年11月21日 | 生活

「しんぶん赤旗」2024年11月21日

 大阪市がパソナなどの大手派遣企業に民間委託し、生活保護利用者らに就職支援を行う「総合就職サポート事業」―。支援で就職した人の8割超が不安定な非正規雇用で、7割超が半年で離職していることがわかりました。生活保護利用者が就職し、保護廃止となった場合、1人当たり6万円がパソナに「成果報酬」として払われることとあわせて、生活保護で企業をもうけさせただけだと批判の声が上がっています。(速水大地)

 同事業は、各行政区の保健福祉センターに派遣されたパソナ職員が、利用者への就職アドバイスを行い、パソナ保有の求人を紹介。2023年度に支援を受けた2699人中1716人が就職したものの、正規雇用は265人(15%)で、1451人(85%)が非正規雇用です。

 離職も非常に多く、3カ月以内の離職率は60%で1028人(正規178人/非正規850人)。6カ月以内では76%の1299人(正規204人/非正規1095人)が離職しています。

保護開始を盾に

 失業で困窮して生活保護を申請した30代男性は「再スタートを決めて最後のライフライン(生活保護)に頼りました。派遣生活で疲れ果て、安定した正規雇用の職をじっくり探したいと伝えたのに、パソナの派遣職員に『何でもいいから』と言われました」と絶望。「このままでは生活保護を開始できないと言われ、生活できないので、希望とは違う会社にも応募。動物が好きでペット関係の仕事はないかと聞くと、『“屠殺(とさつ)場”ならある』と言われショックでした」と話します。

 全大阪生活と健康を守る会の大口耕吉郎会長は「『成果』に応じて『報酬』が上がり下がりする仕組みは、生活保護利用者への管理強化や、意に反する強引な就職支援につながりかねない」と警告。本来は指導権限のない民間職員が「求職活動をしなければ保護が受けられなくなる」などの言葉で、利用者に「指導」を行う違法な事例も報告されていると指摘します。

民間任せの維新

 23年度の委託料は計約6億2422万円、加算額は約1440万円。24年度から加算方法が変わり、生活保護利用者が同事業の支援で就職した場合、保護廃止とならなくても3カ月分の就労収入認定額の5%が加算され、廃止の場合は2倍の10%が加算されます。

 大口氏は「就職サポートの支援ミスマッチは数字を見れば明らかで、ただの大手派遣企業のもうけ口になっている」と福祉業務にまで民間委託を拡大させる維新市政を批判。「大阪市は維新市政のもとで稼働年齢層(15~64歳)を違法に生活保護から排除して自立の機会を奪い、20代女性が申請を再三断られた末に死亡した事件も起きた。民間任せのムダな事業は見直し、一人ひとりに寄り添えるよう、人員不足の現場に専門資格を持つケースワーカーを増員すべきです」と指摘します。


これはひどい。
お金の使い方も。
まさに「人権」より「金」。

この記事は「しんぶん赤旗」1面トップニュースです。
今「フェイクニュース」などが問題になっています。
そして大手マスコミは肝心なところで「沈黙」します。
こんな時代だからこそ「忖度」無しに真実を報道し、「スクープ」を連発する「しんぶん赤旗」をお読みください。

立憲民主党は総選挙の総括で、自民党非公認候補への政党助成金2000万円提供が発覚していなければ、多くの選挙区で最終盤は接戦状態になったと評価しました。同党常任幹事会(19日)で議決した総括文書に記されました。

 総括は、「競り負けた選挙区も少なくない」と指摘。2000万円問題が出ていなければ、「より多くの選挙区が接戦状態で最終盤を迎えたとも想定される」としています。

 また「しんぶん赤旗」が特報した2000万円問題を、「終盤においては、再び政治とカネの問題が報じられた」と紹介。「世論の関心と反応を踏まえて、反省の気色なき自民党では改革は進まないことを改めて強く訴え」支持の取り込みを図ったとしています。

 「九条の会」の鶴見俊輔さんが、戦後十年ほどの時期の著作のなかで、迫害の嵐の中でも原点を揺るがさなかった日本共産党を北斗七星にたとえて、次のような文章を書きました。

 「すべての陣営が、大勢に順応して、右に左に移動してあるく中で、日本共産党だけは、創立以来、動かぬ一点を守りつづけてきた。それは北斗七星のように、それを見ることによって、自分がどのていど時勢に流されたか、自分がどれほど駄目な人間になってしまったかを計ることのできる尺度として、一九二六年(昭和元年)から一九四五年(昭和二〇年)まで、日本の知識人によって用いられてきた」(岩波新書『現代日本の思想』一九五六年刊)


日本などG7に「化石賞」 COP29

2024年11月20日 | 自然・農業・環境問題

  毎日新聞2024.11.16

 アゼルバイジャン・バクーで開催されている国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で、世界の環境NGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」は15日、「本日の化石賞」を日本など主要7カ国(G7)に授与すると発表した。

 CANはG7諸国への授賞理由について、COP29は途上国の地球温暖化対策への資金支援が最大の焦点だが、「支援額の目標案も提案せずに参加し、会議の進展を妨害している」と指摘。G7諸国は国別の累積温室効果ガス排出量の上位を占めているにもかかわらず、「自分たちが引き起こした気候危機を解決するのに、他のすべての国に同等の責任を負わせようとしている」と批判した。

 化石賞は、気候変動対策に後ろ向きだったり、COPでの交渉の進展を妨げたりした国などに贈られる賞。日本は受賞国の常連で、23年のCOP28でも複数回授与された。【バクー山口智】


園のようす。
だいたいハウスの片づけが終わりましたが今日はハウス内でウサギと遭遇。
お互いにしばらくウオッチング。
これから雪囲いの大仕事が残ってます。


雨宮処凛がゆく! 羨ましすぎて泣きそうに〜物価高騰にも対応する海外のセーフティネット事情。

2024年11月19日 | 生活

マガジン9  2024年11月13日

   マガジン9

 衆院選投開票日翌日の10月28日、嬉しいニュースが飛び込んできた。

 国による生活保護引き下げを違憲として全国で保護利用者が原告となって戦っているわけだが、この日、岡山地裁で勝訴となったのだ。通称「いのちのとりで裁判」は全国29都道府県で起こされているのだが、現在、18勝11敗。怒涛の快進撃である。

 そんな嬉しいことがあった翌日には、衝撃的なニュースが報じられた。

 昨年の自殺者のうち、「経済・生活問題」を原因・動機とした自殺が前年比484人増の5181人で、この2年で1.5倍に増加したというのだ。

 7月に発表された国民生活基礎調査を見ても、6割が、生活が「苦しい」と回答。3年近くにわたる物価高騰が続いているのだから当然だ。

 私が属する「反貧困ネットワーク」にも日々「所持金が尽きた」などのSOSが届いている。ちなみに最近、反貧困ネットワークが支援した人は勾留を解かれたばかりだったという。失業し、1年以上にわたって飼い犬と車上生活をするものの、その果てに畑の野菜を盗んだ罪で勾留されたのだという。昨今「闇バイト」がメディアを騒がせているが、そのようなものが「流行」する背景には、厳しい現実がある。もちろん、だからといって強盗は決して正当化などできないが。

 さて、そんな現在から遡ること約1ヶ月の10月3日、この国の貧困問題を考える上で非常に重要なシンポジウムに参加した。

 名古屋国際会議場で開催された日弁連・人権擁護大会の「今すぐ生活保障法の制定を!」と題されたシンポジウムだ。

 最後のセーフティネットを「生活保障法」として権利性をより明らかにしたものに、という内容で、私も第三部に登壇したのだが、印象に残っているのは二部。

 諸外国の生活保護に該当する制度が「海外調査報告」として紹介されたのだが、それを聞いて、羨ましくて悔しすぎて、思わず涙が出そうになった。

 日本で生活保護を利用するとなると、多くのものを手放さなければいけない。貯金が何十万とかあったら当然ダメだし、お金に換えられる資産があればまずはそれを売ってお金にするようアドバイスされる。

 貯金がどれくらい減れば利用できるかと言えば、国が定める最低生活費の半月分以下。よく「一人暮らしの人は残金6万円くらいになったら窓口に行くといい」と言うが、都内で一人暮らしの場合、保護費は家賃混みで13万円ほど。その半分以下ということで、「6万円」なのである。

 しかし、世界に目を向けると、状況はまったく違う。

 例えばドイツでは1年の猶予期間中、4万ユーロ(643万円)の貯金があってもOK 。

 イギリスでは1万6000ポンド(304万円)、お隣の韓国では最大7740万〜1億1340万ウォン(851〜1247万円)の貯金を持つことが許されているというのだから、「雲泥の差」という言葉では足りないほどのギャップである(※換算レートは、日弁連「『生活保障法』の制定等により、すべての人の生存権が保障され、誰もが安心して暮らせる社会の実現を求める決議」による)。

 日本でも、これくらいの貯金の所持が認められれば、どれほど「入りやすく、出やすい」制度になることか。

 もうひとつ、驚愕したのは世界的な物価高騰への対応について。

 日本では2013年から生活保護基準が引き下げられ、そこに3年近くにわたる物価高騰が直撃。利用者たちは食事の回数を減らすなど、本当に命を削るような節約を強いられているわけだが、スウェーデンでは物価高もあり、直近2年連続で生活保護に該当する制度の額を前年比9%弱の大幅引き上げ。また、ドイツでも2年連続で前年比12%の引き上げが行われているという。

 翻って、日本ではこれほどの物価高なのに保護費は引き下げられたまま。

 コロナ禍から現在に至るまで、私は2ヶ月に一度ほど、主に困窮者を対象とした電話相談の相談員をつとめているのだが、この2年、生活保護利用者の方から以下のような悲鳴を聞いてきた。

 「生活が苦しく水だけで過ごす日もある。物価高もきつい。生きていくのがつらい」

 「光熱費が上がり携帯も解約。保護費だけではとても暮らせない」

 「残金25円。電気・ガスも止まり食べるものもない」

 ちなみに過去の日本では、物価高による生活保護基準引き上げが行われている。

 オイルショックの起きた1973年、年度途中の10月に生活保護基準額を5%引き上げ、翌年4月には20%引き上げ。その間に2回、特別一時金も出しているのだ。

 しかし、この物価高騰では全くの放置。その結果、2023年には118人の生活保護利用者が「生活苦」で自殺している(https://s-newscommons.com/article/4297

 この日のシンポジウムには4人の当事者も登壇。それぞれのお話も素晴らしかったので紹介したい。

 登壇したのは、自動車保有を理由に保護停止された三重県鈴鹿市の女性。

 外国人という理由で生活保護を利用できない透析治療中のガーナ人男性。

 生活保護世帯から大学に進学した女性。

 そして夫のDVから逃れて生活保護利用の上、就労自立したシングルマザー。

 どの方のお話も本当に心に残ったのだが、大学生の「人生は親ガチャなのか」「大学は贅沢なんですか?」という言葉が今も胸に残っている。

 シングルマザーのハマダさん(仮名)のお話にも心を動かされた。

 25年にわたる元夫からのDV・支配から逃れて緊急一時保護されたのが7年前。働かない夫のために10代からずっと働きづめだったという彼女は、夫が原因の借金もあり、自己破産も2回経験。子どもは4人。

 転機となったのは、7年前に骨折するほどのDVを受けたこと。これによって夫は逮捕されるものの、彼女が身を寄せたDVシェルターには2週間しかいられないことが判明。住まいも仕事もお金もなく、生活保護利用を考えるものの偏見やバッシングが怖くてなかなか踏ん切りがつかなかったという。

 しかし、働きづめの日々を送る中、高校生の子どもに「疲れてるおかん見るのがつらい」「生活保護受けて」と言われ、やっと申請。

 そのことで、彼女の人生は大きく変わった。

 まずは医療を受けられるようになった。生活保護を利用すると医療費は無料になる。そのことによって、初めて最後まで歯医者に通えたという。

 また、DVなどでメンタルに深い傷を負っていたものの、生活保護を利用することで「生きる気力」が得られたという。

 彼女が受け取っていた保護費は月に数千円。多い時で2、3万円。働いて得られる収入が最低生活費以下だと、このように差額が給付されるのだ。わずかな額かもしれないが、「手取りが変わらない安心感」は何物にも代えがたかったという。

 例えば、生活保護利用前、子どもの体調が悪くなると「また病院行かなきゃいけないの」「また仕事休まなきゃいけないの」と不機嫌になってしまったものの、利用後は「休んだ分、生活が苦しくなる」心配や「医療費にいくらかかるか」という心配がない。そういう一つひとつの安心が心の安定につながり、結果、子どものメンタルも安定したという。

 そうして生きる気力を取り戻したハマダさんは正社員となり、現在は生活保護を「卒業」。

 生活保護って、こんなふうに、生きる上で絶対的に必要な「安心」を与えてくれるものなのだ。改めて思い、こういう話こそもっともっと知られてほしいと心から思った。

 バッシングや偏見の前に、「利用したことでこんなふうに支えられた」という事実こそが知られるべきなのだ。そして大変な時は、国が支えてくれるという安心感がもっと広まれば、どれほど今の殺伐とした状況は変わるだろう。

 シンポジウムに参加して、改めて、多くのことを気付かされた。

 今回の衆院選で当選した議員たちには、このような現実や、諸外国のスピーディな物価高騰への対応などを、ぜひ知ってほしいものである。


園のようす。
カモも引っ越したようです。
もうじき沼も雪と氷に包まれます。


兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

2024年11月18日 | 社会・経済

日刊ゲンダイデジタル 2024/11/18

「SNSのプラスの面を強く感じた」「県民一人一人の勝利だ」──。神戸市中央区の選挙事務所前に集まった1000人近い支持者を前に堂々の勝利宣言だ。兵庫県知事選は17日の投開票の結果、県議会の不信任決議を受け、自動失職した斎藤元彦前知事(47)がまさかの再選。前尼崎市長の稲村和美氏の圧勝とみられた下馬評を覆し、逆転した格好だ。パワハラやおねだりなど、さまざまな疑惑で県庁を追われた斎藤氏がなぜ逆風をはねのけ、支持を集めたのか。カオスな出直し選を制したキーワードは「同情論」「陰謀論」だ。

  ◇  ◇  ◇

 9月30日の失職直後から独りぼっちで駅前に立ち始めた斎藤氏に声をかけるのは当初、数人程度だったが、しょんぼりした様子がSNS上の支持者を通じて拡散。日を追うごとに「同情」を誘い、10月31日の告示後は聴衆の輪が広がり、16日に最後の演説会場となった神戸・三宮駅前には3000人が詰めかけた。

「この2週間で聴衆の数は3~4倍に膨らみました」(地元記者)

 目立つのは年配の女性若者たち。手づくりうちわや陣営のシンボルカラーの青いペンライトを振り“斎藤コール”が沸き上がる熱気は、まるでライブ会場のよう。有権者の関心も高まり、期日前投票数は94万4541人と前回から34万人上回り過去最多を更新。投票率も55.65%と11年ぶりに50%を超えた。

「斎藤氏はたった1人で選挙を戦っているかのような演出でしたが、自主投票となった自民党兵庫県連の一部が支援していた」とは、現地を取材したジャーナリストの横田一氏だ。こう続ける。

「裏金問題で党員資格停止中の西村康稔元経産相の地元・明石市の青年部は、斎藤陣営のビラ配りに加わっていたほど。また、日本維新の会を離党した前参院議員の清水貴之氏が出馬し、反斎藤票が割れたのも勝因のひとつ。その維新の地元議員の一部も斎藤氏を支援。清水氏が伸び悩んだのはそのためです」

 告示前には斎藤氏の告発文書を作成し、百条委員会での証言直前に亡くなった元県民局長の個人情報が流出。それをもとにSNSや街頭演説で「告発者は問題のあった人物。斎藤さんは悪くない」と擁護しまくったのが、N国党党首の立花孝志氏だ。

 立花氏は立候補しながら、「自分には票を入れないで」と訴え、斎藤氏の支持拡大をアシスト。選挙ポスターの掲示板に「元県民局長自殺の真相」と題し、流出した元局長の個人情報に基づく文書まで貼り出した。

■「既得権益者vs改革派」の構図を演出

 こうして既得権益を守る側が大手メディアと手を組み、「改革派知事」を追い出したという陰謀論を大々的に展開したのだ。

「故人への冒涜でしかないのですが、『既得権益者vs改革派』の構図をつくり出し、かなり浸透したのも事実。斎藤氏も改革の実績を強調し、便乗しました。しかも、選挙期間中にメディアは県知事選の報道を控えた。否定材料を有権者に与えないから、ますますSNSの陰謀論が信憑性を持って受け取られてしまう。県内市長会の有志22人が稲村氏支持を表明した際、ある市長は『なぜメディアはデマや誹謗中傷に沈黙するのか』と声を荒らげましたが、時すでに遅しでした」(横田一氏)

 斎藤氏のパワハラ疑惑に関する県職員のアンケートでは約4500件の回答のうち約300件が実名で答えていた。民意を味方につけた出戻り知事の“報復”に職員たちは戦々恐々だろう。これでいいのか。

再選の斎藤氏巡り百条委再開

 斎藤氏の疑惑告発文書を巡り、県議会は18日午後に百条委員会を開く。25日に問題に関連した総括的な尋問を関係者に行う予定で、対象の選定や今後の進行を協議。斎藤氏への尋問も今後再開される見通しで、知事復帰が決まった斎藤氏の疑惑検証に注目が集まる。

 斎藤氏は19日就任し、再選後としては初登庁する。百条委は、10月下旬に告発文書で挙げられた阪神・オリックス優勝パレード経費を巡る不正疑惑などに関し、県幹部らを非公開で尋問。知事選への影響を配慮して斎藤氏については見送られた。10月分の議事録や録画映像が今後公開される予定だ。

 また県が設置した第三者委員会も今年度中をめどに報告書をまとめる予定で、斎藤氏はこの問題と向き合っていく必要がある。知事選で勝利したとはいえ、県政の混乱がただちに収束するかどうか、現時点では見通せない。

 ⁂     ⁂     ⁂

話題の現場 突撃ルポ

異様な兵庫県知事選の実態…斎藤元彦氏の疑惑「パワハラは捏造」の臆測が急拡散

日刊ゲンダイ 2024/11/15

 17日に投開票日が迫る兵庫県知事選。当初は前尼崎市長の稲村和美氏が大きくリードと伝わっていたが、パワハラやおねだりなどさまざまな疑惑で逆風が吹いていた斎藤元彦前知事が激しく追い上げているという。どうやら「パワハラは捏造された」という陰謀論めいた主張が広がり、支持が盛り返しているようだ。先週の土曜日(9日)斎藤の選挙活動を丸一日追った本紙記者は、異様な光景を目撃した。

「今日は斎藤さんに謝りに来ました。聴衆のみんなも斎藤さんに『今まで誤解しててごめんね』って伝えていました」

 こう話すのは、斎藤の街頭演説に来ていた70代の女性だ。この日の朝、JR兵庫駅前(神戸市)で行われた街頭演説には、250人ほどの聴衆が集まった。斎藤が「初心に返りもう一度頑張っていきたい」と話すと、「斎藤さんは悪くない!」などと声援が相次ぎ、大盛り上がりだ。最前列で一言一句に「ウンウン」とうなずいていた冒頭の女性は、真っ赤な服も相まってひときわ目立っていた。女性はあるインフルエンサーのSNSの投稿から「真実にたどり着いた」と、熱っぽくこう話した。

「既得権益で甘い汁を吸っていた旧体制派の人たちが、改革を進める斎藤さんのことを疎ましく思い、県政の転覆を図って告発文書を世に出したのです。本当はパワハラの事実はなく、メディアや旧体制派が捏造したのです」

 とはいえ、県の調査では多くの職員が斎藤のパワハラを証言していた。この女性が話すような、臆測ベースの言説をSNSや街頭演説を通じて拡散しているのが、無所属で出馬したN国党党首の立花孝志氏だ。立候補していながら「自分には票を入れないで」と、斎藤を応援する旨の街頭演説をして回っている。

反対派に「殺すぞボケ!」

 この日は斎藤の演説が終わった後、同じ会場に立花が駆けつけ演説するという“作戦”を展開。ほとんどの聴衆は斎藤が去ってもその場に残り、立花が来ると「あ、立花さんだ!」と目の色を変え、食い入るように演説を聞いていた。

 斎藤もとい、立花の支持者はマスメディアへの不信感を隠さない。斎藤を支持するという50代女性はこう言う。

「斎藤さんがなかなか辞職せずおかしいなと思っていたところ、立花さんのおかげで真実を知り全てがつながりました。“斎藤さん潰し”に加担する既存メディアは本当におかしい。以前は産経新聞を購読していたのですが、今では新聞はもちろん、

 テレビも一切見ない。その代わりユーチューブとXで偏りなく情報を集め、考えが凝り固まらないようにしています」

 夕方、斎藤は尼崎市の尼崎中央商店街を練り歩いた。ここもまた異様な熱気で、100人から200人くらいが斎藤を取り囲み、大名行列の様相。小学校低学年くらいの女の子が「さいとうさんがんばれー!」と叫べば、「ガンバレ! サイトウ!」とコールが突発的に起こり、大きな声が商店街に響き渡る。一般客は「一体何事か」と、ポカンと口を開けていた。

 人ごみの中には斎藤に異を唱えようと「パワハラ知事」などと書かれたプラカードを掲げる者もいた。それを見た斎藤支持者が激高し「殺すぞボケ!」と詰め寄るなど、騒然とする場面もあった。

 斎藤の集会は確かに盛り上がっているが、真偽の判断が難しい情報が飛び交う状況に後押しされているのも事実だ。稲村氏を支持する地元首長はこう吐露する。

「こんなにも臆測が拡散されている選挙は、本当にいかがなものかと思います。告発とは本来関係ない県民局長のプライベートのことまでいろいろと噂され、もうメチャクチャです。それに、パワハラ疑惑については斎藤さんの人望がないのも事実。県立大学無償化など大がかりなことを言い出す割に、自分は根回しなどをしない。結果、現場は混乱し、職員に負担を押し付けるから、県庁にあれだけ味方がいないのです」

 県政の混乱がまだまだ続くことを予感させる一日だった。


 マスメディアへの不信感を煽り、「陰謀論」を際立たせる陣営に対しまたもやマスコミは「沈黙」を貫き、結局は斎藤陣営を勝たせてしまったようだ。
まさに「愚民」。

園のようす。
今朝起きた時には3㎝ほど積もっていた。
お昼前はわりと穏やかであったのだが、昼過ぎからまた降り出した。
今で20㎝ほどだ。
今日は真冬日か?
と思ったら夜中の1時2時はプラス1度だった。


北原みのり 松本人志「復帰」と百田尚樹の「30歳を超えた女」の「SF」に日本の「男社会」の強烈さを思う

2024年11月17日 | 社会・経済

おんなの話はありがたい

AERAdot2024/11/15

 キオスクの店頭に並ぶスポーツ新聞、「松本 復帰」の文字がケバケバしく踊っている。足が思わず止まる。松本人志氏は自分が週刊誌相手に起こした裁判を取り下げただけである。それなのに、なぜ、復帰の話になっているのだろう?

 松本氏が裁判を取り下げるというニュースが流れてきたとき、「良かった! 本当に良かった!」と、心から安堵した。女性が証言をすることで味わうだろう痛みや恐怖を考えれば、そんな負担、ないほうがいいに決まっている。だいたい松本氏が訴えを取り下げたということは、松本氏に勝ち目がない=「事実無根」と怒った週刊文春との闘いに勝ち目がないと認めたようなものだ。

 訴えの取り下げにあたって松本氏の代理人弁護士は「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました」とコメントを出していた。歯切れが悪く、モノハイイヨウ、な表現方法である。そもそも週刊文春の記事も「物的証拠がある」という前提で書かれてはいなかった。記事は被害を受けたという女性たちの証言、その証言を支える客観的な証言やLINEなどのやりとりで構成されていた。当たり前のことだが、「直接的な物的証拠がない」ことは、被害がなかったことを意味するわけではない。 

 また、松本氏側の弁護士は、被害女性の実名を暴露するネット投稿を「証拠」として法廷に提出したり、実名を突き止めた被害女性を探偵業者に尾行調査させたり、弁護士を通じて出廷しないよう説得しようとしたりしてきたと報道されている。そのような行為は、どれほど女性たちを恐怖させたことだろう。そしてそれは、松本氏自身が、女性が証言することを恐れていた証拠でもあろう。

 今、ネット上では「復帰はありえない」という声と、「おかえりなさい」というファンや身内からの声が激しくぶつかりあっている。ファンからすれば「長い沈黙で禊ぎを済ませた」くらいの気持ちなのかもしれないが、それではテレビ界であれだけの権力を誇っていた松本氏が一瞬にしてテレビから消えた理由は、何だったというのか。

 松本氏による性被害に苦しみ、声をあげた女性が何人もいる、という事実が明らかになったからではなかったのか。そしてその多くは、物的証拠のない(報道によれば女性たちはケータイを取り上げられるなどしていた)被害であった。だからこそ刑事事件として訴えるのは難しく、だからこそ女性たちには強いメディアが必要だったのだ。

 テレビに出て、自分の名前で、自分の声で表現できるというのは、大変な特権でもある。強い影響力を持ち、大きなお金が動く世界でもある。そういう特権の上で女性たちへの性加害に及んだ……と告発する被害者が複数いるのであれば、テレビに復帰できるには、「そろそろ1年経つから」「裁判しないことになったから」くらいの理由では到底無理なはずだと私は思う。芸能界の真摯な判断を期待したい。

 そしてそんなところへの、日本保守党代表の百田尚樹氏の発言である。「これはSFやで」とふざけながら、少子化対策として「(女性は)30超えたら子宮を摘出する」「女性は18歳から女性は大学に行かさない」などと楽しそうに動画配信で話していた。あまりに酷い発言に「女性に失礼」どころか「SFに失礼」という怒りまで買っている始末だが、こんなふうに「軽口」として吐かれる暴言は、じわじわと女を絶望の淵に追いやっていくのだろう。女に希望を持たせない、女に尊厳を与えない、女を搾取することしか考えない社会で、女は安心して子供を産むことなどできないのだから。百田さん、女が子供を産みたいと思う社会にするならば、男が女への暴言を1回吐くごとにペニスの皮をピーリングナイフで削ぐ刑を提案しますよ。あ、SFやで。

 そんなところへとどめのような公判記事だ。新潟地裁で、3年前に妻と1歳の娘を殺した罪などに問われている男の裁判が開かれている。

 被告人質問によれば、男が妻に離婚したいと告げると、「本当に言っているの? 不倫して借金を作って私の口座の金を無断で返済に充てたりしたあなたにそれを言う権利も資格もない。これまで一緒にいてくれただけありがたいと思え」と言われたことに腹を立て殺害したという。さらにその一部始終を見ていた1歳の娘も殺害したという。私はこの事件自体を知らなかったが(もしかしたら忘れてしまっていただけかもしれない。あまりにも、女や子供が殺されている社会だから)、知っている、こんな男を私は知っている……という気持ちが抑えられない。いろんなことが、点で起きるいろんなことが、こういう事件に直面するたびに一気に面となって迫ってくるように感じるのだ。

 日本社会、まだまだここは男社会、強烈な男様社会である。四方八方、「男様!」と書かれた面が女たちの人生を囲んでいるかのような社会だ。男社会は、男の暴力や男の暴言に寛容である。男社会は、女の怒りや女の裏切りを全力で潰しにかかる。男社会は、男を守る。男社会は、女を見捨てる。男社会は笑いながら女に暴力を振るい、楽しそうに女に暴言を吐く。

 それがずっと許されてきたので、男自身、それの何が悪いのか実はよくわかっていなかったりするのだ。だから、女が怒るとびっくりする。女が牙を剥くと恨みをつのらせる。賢く臆病な女たちは、男を怒らせないことに細心の注意を払いながら、はりついた笑顔で生きる道を選ぶ。それはとても苦しいこと。だけど男を怖がらせたら自分の身が危険だ。

 そんな女の苦しさなど、もう見たくない。殺される女を見たくない。怯える女を見たくない。いったいなぜ、この国は、女の声にここまで耳を塞ぐのだろうか。


園のようす。
なんの花だろう?

イヌサフランかと思ったが、ほとんど終わっているし色が違う。
サフランか?
いや、違うなぁ。
ワカラン。


自民党、今回の県知事選で三つにわかれて斎藤氏と元尼崎市長の稲村和美氏、前維新・国会議員の清水貴之氏を支援

2024年11月16日 | 社会・経済

21年兵庫知事選 前知事に自民が4400万円

上脇氏 おおさわ候補で県政転換

「しんぶん赤旗」2024年11月15日【社会】

 政治とカネの問題を追及してきた上脇博之・神戸学院大学教授が、パワハラなど数々の疑惑で失職した斎藤元彦・前兵庫県知事に多額の資金を提供していたのが自民党だと解明し、今回知事選(17日投開票)で自民党が支援する3候補では県政は変わらないと指摘しています。上脇さんは、おおさわ芳清さん(医師、日本共産党推薦)への投票を呼びかける動画に登場し「私は、おおさわさん一択」と語っています。

 自民党は今回の県知事選で三つにわかれて斎藤氏元尼崎市長の稲村和美氏前維新・国会議員の清水貴之氏を支援しています。

 上脇さんが注目したのは、斎藤県政をつくったのは誰かということです。「“維新の斎藤”という見方があるが、それ以上に自民党が支援していた」

 斎藤氏が知事になった21年、自民党から斎藤氏とその後援会に流れた選挙資金・政治資金は計4440万円にのぼります。知事選の選挙運動費用収支報告書や「さいとう元彦後援会」の政治資金収支報告書を上脇さんが分析しました。

 ―自民党本部から斎藤氏個人への選挙資金の寄付200万円。

 ―自民党兵庫県支部連合会から後援会への寄付2000万円。

 ―国会議員や県議などが代表の自民党支部や議員個人から後援会への寄付2040万円。

 ―自民県議の党支部から後援会への貸し付け200万円。

 斎藤氏の後援会には、兵庫維新の会も同年の知事選後に302万7437円を寄付しています。自民党はその14倍超の資金をすべて選挙前に提供し、斎藤氏の政治資金の約8割を占めました。

 「知事の顔を替えるのではなくて県政全体を変えるなら、自民党の支援を受けた候補者ではない、おおさわさんしかありえない」(上脇さん)


自民党との「相乗り候補」では真の改革はできない。

園のようす。
今日はマアマアの天気。
明日は1日雨の予報でその次は雪のマーク。
ハウスビニールを降ろすのは今日しかない。