北海道南幌町で昨年10月、自宅で母親(当時47)と祖母(同71)を刺殺したとして高校2年の三女(17)が逮捕された事件で、札幌家裁(栗原壮太裁判長)は21日、殺人の非行内容で家裁送致された三女を医療少年院送致とする保護処分を決定した。三女の責任能力や事件の計画性を認めたうえで、祖母や母親による虐待が動機に影響していると結論づけた。

 同日、記者会見した付添人の弁護士は、三女は肉体的、精神的な虐待を受け続け、睡眠障害など心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症していたと、少年審判で認定されたことを明らかにした。

 付近の住民らによると、三女は庭の草むしりや早朝の雪かきをよくさせられていた。冬に庭に立たされてホースで水をかけられ、小麦粉に青汁の粉を混ぜて焼いただけの食事を与えられることもあったという。