里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
園地を開放しております。
自然の中に身を置いてみませんか?

東京都知事選挙、終わりました。

2024年07月08日 | 生活

小池氏の得票を石丸・蓮舫票がわずか上回った。
うまく連携すれば「小池打倒」は可能性を帯びた。
小池氏の前回得票から74万票も減らした。
これは大きな成果だ。
れいわの「静観」もある程度納得できる。
これまでの「国会対応」を見ていると「さもありなん」だ。

今回の知事選、いろいろと反省すべき点は多い。
「読売」「産経」はいつもの「共産色が強すぎた」というスタンス。
「立憲」の内部問題、候補者の勉強不足、認識不足なども目についた。
野田派の候補者ということもあった。
蓮舫よりも野田の方が有名になってしまったのではないか。
「立憲」の古だぬきより、若い力を期待したい。

自分の懐から出せば「買収」。
税金から出せばセーフ!?
10人、15人に金を渡したというスケールではない。
おまけに学会の投票所までの送迎で決定的になっただろう。

「防犯グッズ」小池百合子顔写真入り全戸配布も同様、これもセーフ!?
さすが金の使い方は1枚も2枚も上手だった。

【東京都知事選挙】小池百合子 有権者の15%にAmazonギフトカード1万円をプレゼント


蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

2024年07月04日 | 社会・経済

日刊ゲンダイDIGITAL2024/07/04

 

「現職の背中が見えてきました。政治の景色を変えるのは、いつだって皆さんの勇気だと思う!」

 7月7日投開票の東京都知事選まで残り3日。現職の小池知事を追う蓮舫候補は3日も京王線・調布駅前に立ち、支持を訴えた。常に1000人超の聴衆を集め、演説のボルテージも日ごとに高まっている。どこかシラけたムードが漂う小池知事の街宣に比べ、蓮舫氏とその支援者たちの熱気の方が、ハッキリ言って五十歩も百歩も勝る。とはいえ、主要マスコミの中盤情勢の調査結果はおおむね、小池「一歩リード」。終盤にかけ蓮舫氏に逆転の目はあるのか。

■「ひとり街宣」が活気づく

 ここにきて活気づいているのが、蓮舫氏を応援する人々の「ひとり街宣」と呼ばれる動きだ。

 一人一人が地元の駅頭などに立ち、独自に宣伝。プラカードを掲げ、候補者のように支援を求めたり、投票率アップを呼びかけたり、「外苑再開発見直し」などの政策を訴えたり、立っているだけだったり、スタイルは自由だ。空き時間を利用して5~10分から無理せず、いつでも、どこでも始められるのがメリットである。

 蓮舫陣営の「R」のロゴマークや「あなたと次の東京へ」のスローガンの入ったデザインなどプラカード用アイテムはコンビニのネットプリントで共有。著述家の菅野完氏らはグーグルマップと連動させた「ひとり街宣MAP」を開発し、どこの駅頭で行われたかがひと目で分かるようにした。SNSでは「#ひとり街宣」の投稿も増加中。一人で約70人に蓮舫氏への投票の約束を取りつけた猛者もおり、蓮舫への応援運動として都内全域で広がっているのだ。

「ひとり街宣は2022年の東京・杉並区長選で岸本区長当選の、昨年の同区議選で議会の半数を占める女性議員躍進の、それぞれ大きな原動力となりました。大阪の高速バス乗り場で、東京行きの乗客に蓮舫氏への1票を呼びかけた際の写真をSNSに投稿する人もいて、ひとり街宣は全国規模で拡散しています」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

芸能界にも広がる蓮舫支持の輪

賛同した人たちが自ら「ひとりスタンディング」/(C)日刊ゲンダイ

 

■キョンキョンも“参戦”

 芸能界にも蓮舫支持の輪は広がっている。歌手のUAとコムアイ、モデルの中田クルミが街宣にメッセージを寄せ、支持を表明。俳優の宍戸開はSNSに「蓮舫一択」と投稿し、元「ハロプロ」の和田彩花、音楽家で俳優の浜野謙太、タレントの松尾貴史、エッセイストの能町みね子氏らが期日前投票で蓮舫氏に投票したと明かしている。

 4年前の「#検察庁法改正案の強行採決に反対します」のネット運動に火を付けた小泉今日子も“参戦”。自身のSNSに蓮舫陣営PR動画を添付し、〈次の世代に何が残せるのか考えさせられます〉と書き込んだ。

■組織の緩みと恵みの雨

 ステルス支援の自民は「小池先行」の情勢に安堵しているが、その油断が組織の緩みにつながる。本気で動いているのは「同日投開票の都議補選に候補を立てた江東・品川・中野・北・板橋・足立6区、八王子・府中2市だけ」(自民関係者)とも言われている。

 あとは投開票日の天気次第か。都内有権者の5割強を占める無党派層のうち、3割強が小池氏を支持。蓮舫氏は2割弱にとどまり、石丸伸二候補の後塵を拝する情勢調査も。裏返せば当日が猛暑日やドシャ降りで無党派層の足が投票所から遠のけば、蓮舫氏に有利だ。7日の予報は「くもり時々晴れ」。ウェザーニュースによると〈ザッと雨が降ったりする可能性がある変わりやすい天気〉だという。

 はたして蓮舫氏に「恵みの雨」が降り、「神風」は吹くだろうか──。

  ◇  ◇  ◇

 東京都知事選が終盤に差し掛かり、情報戦の様相。大手メディアの情勢調査では現職・小池百合子知事(71)が先行、蓮舫前参院議員(56)が追いかけ、石丸伸二前安芸高田市長(41)が続く展開になっているものの、ここへきて下馬評を覆す“怪情報”が永田町で飛び交い始め……。

 

⁂     ⁂     ⁂

世にもおぞましい都知事選と総裁選 東京からも国からも自民党の一掃を

日刊ゲンダイDIGITAL2024/07/03

 自分の都合だけでメディアを利用し、不都合な事実には真正面から向き合わない。7月7日の投開票まで残り4日となった東京都知事選で「一歩リード」と伝えられる現職の小池知事とは、そういう人である。

 ライバルの蓮舫候補が連日「 テレビ討論会」を呼びかけるも、小池は「公務」を口実に無視。学歴詐称疑惑や外苑再開発、関東大震災で虐殺された朝鮮人への追悼文停止──聞かれたくないことは山ほどあっても全て小池の自業自得だ。現職知事が討論から逃げ回るなんて、あり得ない。

 小池陣営には東京青年会議所が主催した討論会のトラウマもあるのだろう。蓮舫が外苑再開発の業者からのパー券購入の有無を問いただし、石丸伸二候補が「イエスかノーで」と詰めても、小池は直接答えず「法律にのっとり……」とゴマカシを繰り返したアレだ。この映像はSNSで猛拡散し、小池には大痛手。本人も「二度と同じ土俵に立ちたくない」と居直っているに違いない。

 選挙前半に小池は街頭活動を控え、都内10カ所以上の現場を視察。そのたび都庁記者クラブの面々を従え、「都政最優先」のように演じてみせた。「公務」と「政務」の混同に手を貸すメディアもどうかしているが、小池の意のままに切り取られた映像は単なるプロパガンダだ。近代以降、数多くの独裁者が好んだ印象操作の手口である。

 小池が「エジプトの父」と公言し、かの国の軍部独裁政権下で情報相を務めた故ハーテム氏も「アラブ世界のプロパガンダの父」と呼ばれていた。小池の狡猾な自己演出能力は「父」譲り。告示日は西新宿の狭苦しい選挙事務所に乳児連れの母親を「大量動員」して第一声。異様なムードに泣き出す赤ちゃんもいたが、ニュース番組は“赤ん坊をあやしながら挨拶する小池”という狙い通りの「画」を伝えた。

■古今東西の独裁者と共通する女帝の危険性

 ヒトラー、毛沢東、スターリン……。独裁者は好んで自己宣伝に子どもを利用してきた。人を「敵か、味方か」で分別する。えり好みの激しさもまた、多くの独裁者と小池は同類だ。2017年の「希望の党」騒動で飛び出した「排除」発言以降は会見の場で「敵」認定したフリー記者を絶対に指名せず排除しているのが、いい例だ。

 都議会でも都政与党の公明、都ファ、すっかり仲良しの自民の都議ら「味方」の質問には応じるが、立憲民主や共産の都議ら「敵」の質問は答弁拒否。極めて個人的な学歴詐称疑惑に矛先が向くと、小池に代わって都政策企画局の女性局長が「知事がこれまで議会などさまざまな場面でお伝えしてきたとおりでございます」と繰り返す始末だ。

 独裁気質に誰しも嫌気が差して、学歴詐称工作に加担したと懺悔告白した元側近の小島敏郎氏をはじめ、「身内」がどんどん離れていく。16年知事選で都議として小池を支援し「ファーストペンギン」と称された音喜多駿・現参院議員(日本維新の会)にまで見限られるとは相当なものだ。

 4年前には小池の新型コロナ対策パフォーマンスに翻弄された都の福祉保健局職員が1年で80人も退職。知事直轄の政策企画局では、この1年の間に約30人が辞めた。身代わり答弁の女性局長も今年3月末に退職している。都庁内では建設的な意見を具申しても小池の考えに沿わないと、あっさり左遷されるとの猜疑心が広がり、職員の多くが小池の思い付き政策や懲罰人事にホトホト参っている。

「冷や飯食い」を「選挙の顔」に担ぐ図々しさ

 2期8年ですっかり増長した女帝独裁が続けば都庁の職員だけでなく、都民にとっても悲劇である。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。

「小池知事の本質は『排除の論理』。自民党の二階元幹事長に取り入り、自民党都連への接近は権力志向の表れです。脅しと恫喝で『敵』をねじ伏せ、時間をかけて話し合って『味方』にする気はサラサラない。民主主義の原則を理解しているとは思えず、彼女の都政支配が続くほど東京は『分断と対立』の住みにくい都市になります」

 裏金事件の逆風で国政与党の自公両党は自前候補を擁立できず、危険な女帝にひれ伏してステルス支援。寛容な保守を標榜しながら独裁者と裏で手を組む。前代未聞の選挙戦は世にもおぞましいが、一翼を担う自民の総裁選に向けた動きも引けを取らない。

 河野デジタル相が派閥ボスの麻生副総裁と会って出馬意欲を伝えたとか、石破元幹事長が菅前首相と会食して立候補に向け意見調整したとか。「ポスト岸田」と暗躍する黒幕との「会食報道」が連日、大新聞の政治面を賑わすが、どうでもいい。

 国民感情とすれば自民に裏金事件の落とし前をつけさせるのが先で、ケジメもないまま「次いってみよう!」と言わんばかりにポスト岸田レースという新たな“コント”を始められても困る。

 コントに例えたのはあまりにもバカバカしいからで、とりわけ石破が次期総裁の有力候補とは笑っちゃう。むろん、世論は大事。石破は地方で根強い人気があり、各社世論調査では「首相候補」として常にトップだ。しかし、そんな国民の声に背を向け、石破に「冷や飯」を食わせてきたのは自民ではなかったか。

■鼻をつまんででも蓮舫に投票するしかない

 石破は時の政権に苦言も辞さないが、その「正論」が災いして党内では、すこぶる不人気だ。計4回の総裁選に立候補するも、いつも国会議員の支持の広がりに欠け、負け続き。安倍「1強」時代からは長らく「非主流派」に追いやられ、最大20人前後が集まった自派閥も21年に解散。グループ化を余儀なくされた。

 その後もくしの歯が欠けるように仲間は去り、今や石破を囲む親睦団体の議員は衆参3人のみ。今なお党内の「石破アレルギー」は強く、「総裁になることはない」が通説だった。そんな嫌われ者を新たなリーダーに担ぎ出すのは永田町の図々しい論理だ。裏金事件で派閥への嫌悪感が強い中、無派閥で不人気の岸田首相とも距離があるなど屁理屈をこね、「選挙の顔」に仕立て上げようとしているだけ。石破本人も千載一遇の好機に、まんざらでもない様子がヒシヒシと伝わってくる。

「敵対した小池氏であれ、党内不人気の石破氏であれ、権力維持のためなら誰だって推す節操のなさが、自民“らしさ”です。89年にリクルート事件で退陣する竹下登首相の後継に推された伊東正義氏は『本の表紙だけを変えてもダメだ』と言って固辞してから35年。今の自民にそんな気骨ある政治家はいません。裏金にケリもつけず、顔だけ変える『刷新のふり』にはアキれるばかりです」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

 今回の都知事選は独裁都政に終止符を打ち、腐敗堕落政党の息の根を止めるには、またとないチャンスだ。小池「先行」の情勢に自民党内は安堵感が広がっているらしいが、小池が勝てば裏金に反省の色なし自民の「これにて一件落着」は目に見えている。

「都知事選の投票用紙はプラチナチケット。全国民が期待を寄せています。『国政の問題を都知事選に持ち込むな』という言い分を真に受けてはダメ。日本の人口の約1割の判断が国政を動かさないわけがない。小池知事が希望の党騒動で安倍1強体制を脅かし、一時は『初の女性総理誕生か』と騒がれたのも、都知事選の旋風があればこそ。今度の都知事選は間違いなく、政権交代の一里塚。裏金自民に本気で猛省をうながしたいのなら現状で小池知事に勝てる候補が他にいない以上、鼻をつまんででも蓮舫氏に一票を投じるべきです」(五野井郁夫氏=前出)

 都知事選と同日実施の都議補選も自民全敗が都民の至上命令だ。

マトモな政治を取り戻すには、東京からも国からも自民党を一掃するしかない。


小池百合子がどれだけ信用できるのか?
最も近くにいた人たちがどのように評価しているかを見るのが一番だ。
「女帝」をこれ以上継続させてはいけない。
「鼻をつまんででも蓮舫氏に一票を投じるべきです」
言い過ぎとも思われますが、今は「女帝」を潰すことです。
「蓮舫批判」はその後でも。


都知事選 7日投票 国保料下げる都政つくる 蓮舫候補猛追 聴衆からコール 江戸川

2024年07月03日 | 社会・経済

4人世帯 全国で最も高い 小中学生 年間1人6万9000円

「しんぶん赤旗」2024年7月3日

 

 大激戦のまま終盤戦を迎えている東京都知事選(7日投票)は、幅広い市民と野党が支援する蓮舫候補=無所属=が小池百合子知事を猛追しています。2日には江戸川区の東京メトロ・西葛西駅前で街頭演説を行い、集まった大勢の聴衆からは「蓮舫コール」が上がりました。

 蓮舫氏は、自営業者や年金生活者、健康保険非適用の労働者などが加入する国民健康保険料(税)が大幅に値上げされ、加入者の暮らしが追いつめられていると指摘。江戸川区では給与年収400万円(40歳未満)の4人世帯で国保料が全国で最も高く、小中学生でも、1年間で1人につき6万9000円(均等割)の保険料になると述べました。その上で、「子どもをもちたいと思う人ほど、国保料が高いことで家計が圧迫され、結果的に子育てをあきらめざるを得なくなってしまう。そうならないための都政をともにつくっていこう」と訴えました。立憲民主党の長妻昭、大串博志両衆院議員が応援演説しました。

 市民と野党の共同宣伝では、日本共産党や立民、ネットの区議や都議らが参加しました。

 「葛西の自然を守る会」の服部至道代表は、「今回の都知事選は、神宮外苑再開発だけではない。大切な葛西臨海水族園の木々が守られるかどうかも問われている。投票所に行って『蓮舫都政』を誕生させよう」と訴えました。

 日本共産党の原純子都議は、同園の建て替え計画の事業者プランの詳細について、情報開示請求で9割が黒塗りで開示されたことに言及。「自ら答弁に立たず、『財界ファースト』で再開発ばかりの小池都政を終わらせ、都民と対話する蓮舫さんを新しい都知事に」と呼びかけました。


小池都政、このまま続けさせるわけにはいきません。
あってはならないさまざまなことが明らかになってきています。
にもかかわらず「報道」はスルーされ、真実を知らせられないまま「投票」を迎えています。
われわれも、もっと対話を重ね、現職の「実績」を有権者に知ってもらわねばなりません。
まだまだ厳しい状況にあることに変わりありません。
あと数日です。
小池百合子、落選のために!

園のようす。
アジサイの季節


古賀茂明 政官財の罪と罰 抜け穴だらけの政治資金規正法改正の“闇” 改悪の根源は「政治部記者」と「立憲国対」の怠慢さ 

2024年07月02日 | 社会・経済

AERAdot 2024/07/02

 政治資金規正法の改正法が6月19日に成立した。東京都知事選挙の告示直前のタイミングだった。

 この改正法の内容については、散々報道されているのでここではあえて触れないが、本来なら、政治資金のあり方を抜本的に見直し、公明正大なものに変革する絶好のチャンスだったのに、それとは真逆で最悪の結末になったと言って良いだろう。

 それにしても、「民主主義国家」の日本で、ここまであからさまに国民の声を無視した法案が通るのは、どうしてだろうかという疑問が湧く。

 そこで、今回は、政治資金規正法改正の裏で恐ろしい役割を果たした二つの反民主的勢力の話をしてみたい。

 まず、マスコミは、今回の規正法「改悪」の主役の一人である。

 とりわけ、政治部記者たちの罪は重い。

 その原因は、5月14日配信の本コラム日本が今でも報道の自由度70位に低迷する理由 安倍政治で“変えられてしまった”記者たちの末路でも指摘した、彼らの「会社員体質」「記者クラブの談合体質」「取材先の広報マン体質」などに起因する。政治家に擦り寄りネタを仕入れる彼らの取材行動は、自らの価値観が政治家と同質化するという極めて深刻な問題を引き起こす。

 今回の改正案についても、「政治は金がかかるが、どうしたらそれを最小限にするかというアプローチと、金がかかることを前提としてどうやって透明化を図るかという二つの道がある」とか、「企業・団体献金の禁止は自民党には受け入れ難いので実現は困難だ」とか、「どこまで与野党が歩み寄れるかが鍵だ」などという報道を繰り返し、理想的な規正法については、最後まで論じようとしなかった。

 立憲民主党が、捨て身の覚悟で出してきたほぼ完璧な提案(企業・団体献金禁止、政治資金パーティー禁止、政策活動費禁止)を全面的に支持する論説が皆無だったことがそれを物語る。

「妥協」を許したマスコミの罪

 「とにかく妥協して改正案をまとめることが大事」という相場観を作り、その結果、規正法改正法成立が一つの成果であるかのような錯覚を国民に生じさせたのだ。全く不完全な法律がこの先何年も放置されることを政治部が積極的に後押ししたと言って良いだろう。彼らは民主主義がどうなるかには関心がない。日々の政治家の動きを追い回し、誰と誰が会食して、こんな話をしたらしいというくだらない記事を書いて満足しているだけで、本質的な政策議論を書くことなどないのである。

 かくして、規正法改正というテーマは、「一段落した」ことになり、彼らは、次のテーマである、東京都知事選と自民党次期総裁争いの宣伝記事に集中している。

 与野党伯仲で「政権交代の可能性も」などと書くのに、自民総裁選関連記事は紙面に溢れるのに、政権交代で次の首相候補となる立憲民主党の代表選についての記事はほぼゼロに近い。恥を知れと言いたくなる。

 マスコミの罪についてはこの辺にして、もう一方の主役の話をしよう。それは、野党の国対(国会対策委員会)である。

 国対は国会の常任委員会のような組織とは異なり、各党に個別に置かれる組織だ。政権の意向を体する与党国対と野党国対は、国会運営について協議する。中でも、自民と立憲の国対委員長は、緊密に協議しながらスケジュール管理を行っていく。

 スケジュール管理と言うと重要性が低いように感じてしまうが、実はそうではない。

 一番わかりやすいのが、予算案審議の日程管理だ。今年度予算は、昨年度末の今年3月28日に成立した。予算審議では、予算案がいつ成立するかが重要な与野党攻防のテーマとなる。予算案が3月末までに成立しないと暫定予算が必要になる場合があり、政権の責任問題となる。

予算案成立に「加担」した立憲

 また、予算案が通るまでは、予算関連法案以外は審議に入らない慣行があるため、予算審議の遅れは、残りの会期内での重要法案の可決、成立を阻害する可能性があり、これも政権の責任問題となる。

 また、予算審議では、テレビ中継が入ったり、首相の出席回数が他の委員会審議よりも多かったりするので、これが長引くと野党による政権攻撃に注目が集まり、政権の支持率低下につながるのが普通だ。

 こうした理由から、予算案をとにかく早く成立させることが重要だ。さらに、予算については、憲法が衆議院の優越を認めていて、参議院が衆議院で可決した予算を受け取った後30日以内に議決しないと、そのまま国会の議決となる。つまり、3月初めまでに衆議院を通過すれば事実上年度内成立が保証される。

 だからこそ、衆議院の予算の採決の日程をいつにするかが、与野党攻防のポイントになるのだ。

 さらに細かく見ていくと、最も重要な日程は、衆議院での中央公聴会をいつにするかである。

 公聴会を開催しないで予算案の採決をすることはできない。逆に、公聴会を終わらせてしまえば、仮に野党が採決に反対しても、強行採決ができる。したがって、公聴会の日程を2月末までに設定すれば、事実上衆議院での3月初めの採決が保証され、予算の年度内成立が保証される。

 実は、立憲の国対は、公聴会を2月29日に開催することに全く抵抗しなかった。つまり、予算の年度内成立のために立憲の安住淳国対委員長(元財務相)が自民党側に協力したことがわかる。

 もちろん、そんなことが広く知れ渡れば、安住氏の地位が危うくなる。そこで、公聴会の日程を決めておきながら、予算案の採決はまだ決まっていないかのような芝居、「国対歌舞伎」を演じるわけだ。非常に厳しい言葉で政権批判を展開し、戦う姿勢を見せるのだが、それは自民党の国対も了承済みで阿吽の呼吸で見せ場を作る。それによって政権支持率の低下があっても、予算が年度内に成立することのメリットの方が大きいということなのである。かくして、予算案は3月2日に衆議院で可決され、年度内成立が決まってしまった。

自民のシナリオ通り

 政治資金規正法の改正案の審議でも、これと全く同じことが起きた。

 岸田文雄首相から見ると、とにかく早く規正法審議を終わらせたい。特に、4月の衆議院3補選全敗や主要な地方選でも負けが続き、政権は死に体という声も聞かれる中で、なんとか、その雰囲気を変える必要に迫られた。その最大のチャンスが、東京都知事選で小池百合子知事を支援して勝利し、連敗からの脱出劇を演出することだ。

 そのためには、6月20日の都知事選告示までに規正法改正案の審議を終えることが極めて重要だった。万一審議が遅れて、会期(6月23日会期末)延長に追い込まれれば、都知事選期間中に国会での裏金問題批判が続き、自民党支援を受けた小池知事が敗れたり、あるいは、それを恐れる小池知事側が、自民の支持をあからさまに拒否したりするという事態になりかねない。「連敗脱出」というシナリオが根底から崩れ去るわけだ。

 したがって、6月19日までの規正法改正法の成立が至上命令となった。そこから逆算し、衆議院では、参考人質疑が5月27日に設定された。参考人質疑を終え、首相出席の委員会審議を行えば、強行採決への道が開ける。それにより、参議院での必要な審議日数を確保できるという計算だ。立憲の安住国対委員長は強く反対せずに参考人質疑の日程設定に応じている。

 もちろん、その後も、厳しく自民案を批判する「国対歌舞伎」を演じながら。

 この時、立憲内部からは、どうして世論の支持があるのに、簡単に採決を許すような国会運営をするのかという疑問の声が上がった。特に、完璧な改正案と言われる立憲案をまとめる上で大きな役割を果たした若手議員たちから見れば、ほぼ「完敗」と言って良い屈辱的内容のまま採決を許したことへの失望、いや、絶望と言って良い声が上がっていた。あと数日から1週間でも採決を遅らせるのは簡単だったはずだが、立憲国対は、声高に法案への反対は叫びながら、採決を簡単に許した。完全な八百長である。

抜け穴だらけの規正法「改悪」法

 そして、参議院も全く同じだった。

 6月10日の委員会での実質的な審議開始の前日、9日には、

 「古賀さん。何だか来週の19日にも参議院で採決して成立しそうだという話がもう出てるんですよ。総理出席の委員会審議と党首討論をやることで、採決を認めるらしいんです。まだ審議は始まってないのに酷いと思いません?」という声が立憲議員から寄せられた。

 果たして12日になると、19日に3年ぶりの党首討論を開催するというニュースが流れた。合意したのは自民と立憲の国対委員長同士だ。またもや国対談合。

 首相出席の法案審議と党首討論で立憲に政権批判の見せ場を作る。自民にとっては、政権批判のチャンスを与える嫌な話だが、都知事選への影響を最小限に食い止められるし、何よりも、この内容なら、今まで通りの金権政治を続けられるというのが自民側の考えだった。

 結局、立憲は最後まで規正法改正案に反対したという形を残しただけで、抜け穴だらけの規正法「改悪」法が成立してしまった。しかも、都知事選前に。

 この結果、自民は小池氏の要請がないまま、裏で小池氏を支持する体制を作り、小池勝利の暁には、「自民勝利! 連敗脱出!」とはしゃぎ、小池知事も終わってしまえば怖いものなしで、「応援してくれた全ての方々に感謝」の意を表明して万事めでたしとなる可能性が出てきた。

 それにしても、立憲国対委員長がここまで自民に擦り寄るのはなぜか? 

通商産業相が選挙資金を手渡し

 普通に考えれば、何か見返りがあるはずだ。

 私が官僚の時、時の通商産業相が国会運営に協力してもらうために、選挙期間中に、選挙応援の資金を数十万円単位で候補者に代理人を通じて手渡すのを目撃したことがある。当時の野党議員に渡したのだが、断るどころか「大臣にくれぐれもよろしくお伝えください」と頭を下げたので驚いた記憶がある。

 そんな慣習が今も続いているのかは不明だが、巨額の裏金や政策活動費、さらには、官房機密費などは“領収書なし”で使える。過去の政府要人からも官房機密費の国会対策としての支出の証言なども出ている。

 今回の規正法改正は、こうした国対政治の闇を継続させるためのものではないかとさえ思えてくる。

 今回の「改正」は改正ではない。次の臨時国会では、ゼロから議論をし直して、立憲が提出した理想的な改正案を自民が丸呑みにする「真の改正」を成し遂げてほしい。そうすれば、国対歌舞伎政治も「金の切れ目が縁の切れ目」ということで浄化されるのではないか?

 そのために一番の近道は、政権交代であることは論を俟たない。

古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『分断と凋落の日本』(日刊現代)など


園のようす。


「集団的自衛権」容認10年 戦争する国にせぬ覚悟

2024年07月01日 | 社会・経済

「東京新聞」社説 2024年7月1日 

 

 2014年7月1日、第2次安倍内閣が「集団的自衛権の行使」の容認を閣議決定してから10年

 この間、他国同士の戦争への参加を可能にした安全保障関連法の成立が強行され、防衛予算の増額も続く。戦後日本の「平和国家の歩み」を踏み外した起点を、決して忘れるわけにはいかない。

 集団的自衛権は、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、密接な関係にある外国への攻撃を実力で阻止する権利を指す。

 政府は、国連憲章で認められた集団的自衛権は有しているが、その行使は「憲法9条のもとで許される実力の行使を超え、許されない」との解釈を堅持してきた。

 これは、主に自民党が担ってきた歴代内閣が、国会や政府内での長年の議論を通じて確立し、踏襲してきた憲法解釈である。

 この解釈を一内閣の独断で根底から覆したのが安倍内閣だ。1959年の最高裁による砂川判決を根拠に「集団的自衛権の合憲性は砂川判決で担保されている」として憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認に踏み切った。

◆専守防衛と法秩序壊す

 この解釈変更の問題点を主に二つの観点から批判したい。第一は専守防衛という戦後日本の防衛政策を根幹から変えたことだ。

 国内外に多大な犠牲を強いた戦争への反省から、戦後日本は憲法9条で戦争放棄と戦力不保持を誓った。その後、日米安全保障条約で米軍の日本駐留を認め、自衛隊を保有するに至ったが、他国に軍事的脅威を与えない「平和国家の道」を変わらず歩んできた。

 攻撃を受けたときに初めて防衛力を用いる専守防衛、他国領域を直接攻撃する敵基地攻撃能力の不保持、国際紛争を助長しないため武器を輸出しない武器禁輸原則、防衛費をおおむね国内総生産(GDP)比1%程度に抑える節度ある防衛力整備などである。

 しかし、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定と、行使を法的に可能にする安保法成立が強行された後、戦後日本の防衛政策は根幹から変質していく

 敵基地攻撃能力の保有が容認され、他国領域を直接攻撃できる長距離巡航ミサイルの整備が進む。防衛費も関連予算を含めてGDP比2%に倍増させる方針へと大きくかじを切り、殺傷能力を持つ戦闘機の輸出も解禁された。

 集団的自衛権の行使容認が「アリの一穴」となり、9条の平和主義という堤防を決壊させた形だ。

 解釈変更がもたらしたもう一つの問題点が憲法秩序の破壊だ。

 国権の最高機関であり、唯一の立法府である国会が定め、その後定着した憲法の解釈を、時の政権が都合よく変更できるなら、国民が憲法を通じて権力を律する立憲主義や法秩序は崩壊する。

 そもそも、安倍内閣が行使容認の根拠にした砂川判決は駐留米軍に関する判例である。固有の「自衛権」を持つと明示しているが、個別的自衛権を指すことは明白であり、集団的自衛権を巡って争われたものではない。この判決から集団的自衛権の行使容認を導き出すのは牽強(けんきょう)付会が過ぎる。

 この閣議決定後、政権は法解釈を恣意(しい)的に変更し続けた。

 例えば、東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年延長。

 検察庁法は検事総長以外の定年を63歳と定めていたが、安倍内閣は法解釈の変更で定年延長を決めた。政権中枢に近いとされた黒川氏を検事総長に就けるため、と指摘された。

 後継の菅義偉内閣は政権に批判的な学者を排除するため、法解釈を事実上変更して、日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命を拒否した。

 岸田文雄内閣も政府の憲法解釈を事実上変更して、敵基地攻撃能力の保有に踏み切った。

 政権の都合で憲法や法律の解釈を変更する頻度が増えたのも、集団的自衛権を巡る閣議決定が法秩序を破壊し、解釈変更のハードルを下げたからにほかならない。

◆平和主義により磨きを

 本紙は10年前の7月1日、通常は紙面の中程にある社説を1面に掲載し、行使容認の閣議決定に反対する旨を主張した。本紙の毅然(きぜん)とした姿勢を示すためで、今もこの覚悟に変わりはない。

 日本を再び「戦争する国」にしないためには、戦後日本の平和主義と憲法秩序を取り戻さなければなるまい。憲法で誓った平和主義を国家戦略に位置付け、より磨きをかける。戦火がやまない世界を生き抜く唯一の道だと信じる。


園のようす。
昨夜から雨。
日中も20℃に届かない。
雨にバラは落ち目だがアジサイは元気。