里の家ファーム

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自然の中に身を置いてみませんか?

「旧統一教会と縁を切った上で政治を」

2024年09月13日 | 社会・経済

被害対策弁護団、自民総裁選の候補者らに公開質問

 自民党の総裁選と立憲民主党の代表選が実施されるのを前に、旧統一教会による被害者救済に取り組む「全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)」は9月12日、政治が旧統一教会に今後どう対応していくかなどを問う公開質問状を両選挙に立候補する国会議員計13人に送った。

●「目を背けず回答して」

全国弁連はこの日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。

政治家が旧統一教会やその関連団体と長い間関わってきたことが信者への経済的被害や宗教2世への人権侵害など多くの問題を引き起こしてきたと指摘。日本を率いる可能性のある候補者に対して旧統一教会問題への対応や被害者救済をどう実現するかを質問する文書を送ったと説明した。

全国弁連の木村壮弁護士は「自民党では第三者による徹底した調査や政治にどう影響を及ぼしてきたのかについて、実態が解明されているとは言えない。今後、政治家が旧統一教会とどう関わっていくのかは国民の重大な関心事になっていると考えて質問した。過去の問題に目を背けずきちんと回答してほしい」と述べた。

山口広弁護士は、自民党の元首相、岸信介氏が旧統一教会の創始者である文鮮明氏と握手している写真を示し、「(旧統一教会の)関係者とはきちんと縁を切った上で政治をしていくという堂々たる態度を示してほしい」と訴えた。


カルト集団との「縁」も切れず、「裏金」とも「縁」が切れず。
こんな「政治家」が総裁候補とは!
おまけに「売国奴」。

園のようす。

枝豆の収穫。
食べきれないほどあるので、あとは正月の黒豆に。


日曜版スクープ JCJ大賞 パー券不記載・裏金報道 “自民が隠した闇 暴く”

2024年09月11日 | 社会・経済

「しんぶん赤旗」2024年9月10日

 「しんぶん赤旗」日曜版による「自民党派閥の政治資金パーティー大量不記載」報道と、政治資金、裏金問題を巡る一連のキャンペーンが、日本ジャーナリスト会議のJCJ大賞を受賞しました。この特報は自民党を揺るがす大事件へとつながり、岸田文雄首相退陣への引き金になりました。(三浦誠)

 「総裁選には出馬いたしません」。8月14日午前11時半すぎ、岸田首相が記者会見で退陣表明をしました。会見は質疑応答をあわせて約23分。その間に、岸田首相は「政治とカネ」という言葉を6回も発しました。

 「政治とカネ」で追い詰められ政権を投げ出した―そのことを象徴する会見でした。

どんな手口で

 自民派閥の政治資金パーティーを巡る疑惑を特報したのは、日曜版2022年11月6日号でした。

 自民党主要5派閥である岸田派(宏池政策研究会)、安倍派(清和政策研究会)、麻生派(志公会)、二階派(志帥会)、茂木派(平成研究会)がパーティー券の大口購入者名を政治資金収支報告書に記載していなかったというのです。

 自民党元最高幹部の事務所関係者はいいます。「日曜版の報道は自民党が隠していることを表に出した」

 どういう手口で不記載にしていたのか―。

 例えば業界政治団体「全日電工連政治連盟」(東京都)は、18年に岸田派のパーティー券を2回に分け、計30万円分購入。安倍派からも複数回で計90万円分を買っていました。しかし岸田派、安倍派とも収支報告書に同連盟の名前を記載していませんでした。

 同連盟の事務担当者は日曜版の取材班に、「同じ派閥に所属する複数の自民党議員からパーティー券の購入を頼まれ、それぞれ分けて口座にパーティー券代を振り込んだ」と証言しています。

 政治資金規正法は、20万円超のパーティー券購入者の名前を収支報告書に記載するよう定めています。不記載には5年以下の禁錮または罰金100万円以下の罰則があります。

徹底した調査

 ほかにも同じような記載をしている政治団体があるのでは―。そう考えた日曜版の取材班は、調査を他の業界政治団体にも広げていきます。

 日曜版の調査は徹底していました。総務省によると政治団体の数は、総務省届け出分と都道府県選挙管理委員会届け出分を合わせて6万1188(22年現在)。業界団体の全国的な政治団体は、総務省分だけでも約120あります。

 日曜版はいくつもの業界政治団体の収支報告書に書かれた支出を調べ、派閥側が記載した収入とつきあわせて、不記載をみつけていきました。地道で労力のいる作業です。

 その結果、不記載は18~20年の3年間で、少なくとも59件、額面で計2422万円分にのぼることを日曜版22年11月6日号で明らかにしました。

 その後も調査を続け、23年11月5日号では、18~21年の4年間で、主要5派閥の不記載が94件、計約4000万円になると報道しています。

 主要5派閥すべてが過去数年にわたって同様の不記載を繰り返していることで、自民党内でまん延している組織的な手法であることが浮かび上がりました。

 派閥側は日曜版が報道するたびに、あわてて収支報告書を訂正してきました。“罪を自白した”かたちでした。

特捜を動かす

 日曜版の特報をうけ、神戸学院大学の上脇博之教授が、まず22年11月中に、安倍派会長だった細田博之衆院議長(当時、故人)らを規正法違反の疑いで東京地検に刑事告発します。

 告発を受け東京地検特捜部が捜査しているらしいという情報が流れてきたのは23年秋ごろです。

 長年検察を取材してきたジャーナリストは、「検察は当初、『共産党のネタだろう』と言って捜査に乗り気ではなかった」と振り返ります。

 ではなぜ捜査が始まったのか。「不記載の規模と悪質さがあまりにも大きかったからだ。日曜版報道の貢献は大きい」

 裏金をつくっていた議員は自民党の「調査」でも82人。ジャーナリスト会議は日曜版報道をJCJ大賞に選んだ理由として、「スケールの点では、1975年の『田中金脈』報道や、88年の『リクルート事件』報道を超える」と評価しています。

大手紙は無視

 日曜版が不記載をスクープした後、大手メディアはどうしていたのか―。

 当時、大手メディアは、日曜版のスクープも上脇氏の告発もほとんど報じませんでした。

 大手メディアが報道したのは、東京地検が捜査を始め、自民派閥がパーティーを利用して裏金をつくっていたことが明らかになってきてからです。日曜版の報道から実に1年以上がたっていました。

 最近ではメディアから“逆流”も出ています。「読売」は社説(8月29日付)で自民党総裁選にふれて「『裏金』作りをしていた議員を公認するかどうかなど、自民党はいつまで内向きの議論を続けるつもりなのか」と主張。「党執行部は4月、多額の裏金を作っていた議員を処分したはずだ。この話題を蒸し返すだけでは前進はしない」と続けました。

3代の首相追い詰めた「赤旗」

 2020年代に入って「しんぶん赤旗」は、安倍晋三首相の「桜を見る会」私物化スクープでJCJ大賞(20年)、菅義偉首相の日本学術会議会員候補任命拒否のスクープでJCJ賞(21年)を受賞。今回の派閥パーティー資金の不記載報道を含めると、安倍、菅、岸田の3代首相にわたって、「赤旗」のスクープが退陣のきっかけとなっています。


園のようす。

ヤマブドウ・のぶどうが色付く。

ブラックベリー2回目の収穫。

マユミ

シュウメイギク


立憲民主党代表選で見るべきは「政治資金改革」の中身

2024年09月10日 | 社会・経済

 仮に枝野氏、野田氏なれば「後退」は確実だ 

政官財の罪と罰

古賀茂明

AERAdot 2024/09/10

 

 8月21日に枝野幸男・立憲民主党前代表が代表選出馬に名乗りを上げ、公約を発表してから約20日経過した。

 枝野氏の立憲民主党代表選挙の「政策骨子」は、A4判で5ページ。

 タイトルは、「ヒューマンエコノミクス―人間中心の経済」だ。

 教育投資・研究開発・地域経済・一次産業・エネルギー、雇用・賃金、社会保障・税、ジェンダー・多様性、外交・安保・災害対応・危機管理・選挙政治改革・行政改革という8本の柱からなる。

 このうち、今回は、最後の柱の中に掲げられている政治資金改革について取り上げてみたい。なぜなら、非常に心配な内容だからだ。

通常国会の提案より後退した、枝野氏の政策骨子

 立憲民主党は、今年の通常国会に、政治資金に関するほぼ完璧とも言える素晴らしい提案(法案提出)を行った。若手議員の頑張りによるところが大きい。

 ベテラン議員は、実は内容が行き過ぎているという不満を持っていたが、改革派の若手の勢いに負けて押し切られたという経緯がある。

 前国会での立憲の提案のポイントをおさらいしておこう。

 現在の政治の最も根本的な問題は、金をくれる人に便宜を図る「事実上の贈収賄政治」になっていることだ。その構造の大本を断つために、立憲は、企業・団体献金の禁止を提案した。

 また、自民党が裏金を作る元になった政治資金パーティーも、個人向けも含めて全面禁止とした。

 さらに、使途不明なまま二階俊博・自民党元幹事長が5年で50億円を受け取っていたことで有名になった政策活動費禁止も提案した。

 長年の懸案である、調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途の全面公開も求めた。

 一方、枝野氏の「政策骨子」に掲げられた内容は、これとは全く異なる。

 その提案を「政策骨子」から引用しよう。

  • 政治資金に関する透明性を徹底し国民による監視機能を強化するため、まずは少なくとも、国会議員関係政治団体における企業・団体献金と政治資金パーティーに関して、一円単位での公開を実現する。
  • さらに、政治資金収支報告に関る罰則の強化を含めた適正の確保と公開性の拡大、「政策活動費」や調査研究広報滞在費(旧文通費)の透明化、政治資金に関する第三者機関の設置、さらには企業・団体による資金提供の禁止を視野に、他の政党や国民世論に向けた働きかけを粘り強く進める。

 というものだ。

 何も問題意識を持たずにさっと読むと、企業・団体献金はいずれは禁止するのだと思ってしまう。しかし、企業・団体献金については、最初に「一円単位での公開を実現する」と書いてある。

 「視野に入れるだけ」の企業団体献金の禁止

  つまり、企業団体献金は認めるということだ。「まずは少なくとも」と書いてあるので、将来は禁止するのかと思うと、「禁止を視野に」としか書いていない。将来禁止すると明言していないのだ。

 さらに、驚いたことに、禁止を視野に入れて、「他の政党や国民世論に向けた働きかけを粘り強く進める」と書いてある。 約束しているのは禁止ではなく、それを「視野に」「働きかける」だけなのだ。これでは、禁止しなくても、働きかければ、この公約は実現したことになる。周到に逃げ道を用意したというわけだ。

 しかも、「国民に」粘り強く働きかけるという意味がわからない。国民は企業・団体献金の禁止に反対しているとでもいうのだろうか。

 枝野氏は、年によって、10万円から数十万円単位で複数の団体から献金を受けているようだ。これをやめたくないのだと勘ぐられても仕方ないが、そんなことのために大事な公約を捻じ曲げるだろうか。それも立憲が国会で正式に提案していた内容を大きく後退させるのはなぜなのか、大きな疑問だ

 次に、政治資金パーティーについての提案の後退はさらに深刻だ。「一円単位での公開を実現する」と書いたのは、企業・団体献金についてと同じだ。しかし、将来については、禁止の「き」の字も出てこない。禁止を視野に働きかけることもせず、一円単位の公開で終わり。パーティーはこれからも存続させると読める。

 立憲の提案は反故にされた。

  さらに「政策活動費」についても、立憲の提案では、禁止だったのに、枝野氏の公約では「透明化」だけ。つまり政策活動費は残すのだ。しかも、ここでは「一円単位の公開」という表現を避けている。抽象的に「透明化」という言葉にしたことは、曖昧な使途の報告で許されるような政策活動費の温存を狙っていると考えられる。

 政策活動費は、巨額の資金を政党からその幹部などに渡し切りで提供し、使途を明らかにしないものだ。枝野氏が代表になったときのことを考えて、これをもらいたいと考えていると取られても仕方ない。

 枝野氏は、非常に前向きに聞こえる言葉をちりばめているため、記者たちもよく読まないで、特に変わったことはないと判断してしまったのかもしれない。朝日新聞では、枝野氏の「立憲は政治腐敗を一掃する政党」だという言葉を引用して、「政治改革に取り組む姿勢を見せた」と持ち上げたほどだ。

 ここまで読んだ人は、枝野氏がとんでもない悪人だと思ってしまうかもしれない。確かに立憲の素晴らしい提案を骨抜きにしようとしているという点では、そうした評価を受けてもやむを得ない。

 古い考えに影響される候補者が生まれる「仕組み」

 しかし、もう少し考えると、より深刻なことが思い浮かぶ。

 それは、立憲で自民党と同じことが起きているということだ。

 自民党の総裁選では、8月6日配信の本コラム「自民、立憲ともに民意が反映されない代表選は変えるべき “時代を変えるリーダー”を選ぶ『4つ』の改善点」に書いた通り、総裁になるためには総裁選の決選投票(1回目の投票の上位2人で争われる)で勝つことが必要だ。

 最初の投票では、国会議員票と党員・党友票の割合が同じだが、決選投票では、党員・党友票は47都道府県ごとに集約されて、47票にしかカウントされない。したがって、1人1票で369票(8月20日時点)になる国会議員票の重要性が非常に高くなる。しかも、そこでは、なくなったはずの派閥がまだ影響力を持つと予想されている。

 そのため、候補者は、公約に自分の考えを単純に書くわけにはいかず、旧派閥のリーダーをはじめ、党内の有力者に媚びる政策を掲げる必要があるのだ。

 現に、河野太郎氏や小泉進次郎氏が脱原発の考えを封印している。石破茂氏が裏金議員の公認問題に触れた後に党内の反発を受けてトーンダウンしたとも伝えられる。

 立憲ではそういうことがないと思う人もいるだろうが、今回の枝野氏の政治資金に関する提案を見ると、きっとあの人に気を遣って立憲の本来の提案を後退させたのだろうなということが思い浮かぶ。

 例えば、企業・団体献金の禁止については、今も企業や団体からかなりの寄付を受け取っている大物政治家がいる。また、政治資金パーティーで資金を稼いでいる幹部もいて、実は、国会での立憲の提案を作る際に彼らはかなり強い反対をしていた。

 政策活動費についても、立憲の役員として活動する人たちが、ぜひ、そういう金をもらいたいと考えているのは想像に難くない。

 そういう古い考えに候補者が影響される理由は、立憲の代表選の仕組みにある。

 1回目の投票では国会議員(136人)に1人2ポイント、国政選挙公認予定者(98人)に1人1ポイント、地方議員(1236人)と党員・協力党員に各185ポイントが割り振られる。全体で740ポイントのうち、党員・協力党員の割合は、185/740で、たったの25%だ。自民党が国会議員票と党員票を同じ割合にしているのに比べて、非常に低い。

 過半数を取る候補者がなかった場合には、上位2人による決選投票になるが、票数の配分は、国会議員1人2ポイント、公認予定者1人1ポイント、都道府県連ごとに1人割り当てられる代表者が各1ポイントなので、計417ポイントのうちで1割ほどの都道府県代表者の47票の中に埋没してしまう。これはほぼ自民並みと言えるが、1回目と2回目を合わせた全体として見れば、一般党員の声が選挙に反映される割合は、自民党より小さいと言って良いだろう。

言いくるめが得意な「弁護士」枝野

 したがって、枝野氏としては、政治資金規制について、「行き過ぎた」と党の実力者たちの多くが考えている立憲の前国会での提案をそのまま書くことはできず、大幅に後退させた内容を書かざるを得なかったというのが私の推測だ。

 そして、後退した内容を後退していないように見せかけて表現したのだが、そこは、「弁護士」枝野の面目躍如。狙い通り、記者会見でも、批判的な質問は出なかった。

 同じく代表選に立候補表明している野田佳彦元首相は、9月5日になって、「政権交代前夜」というタイトルで公約を発表した。そこには、いかにも立憲の提案を守るような言葉が並んでいるが、この人もまた人を言いくるめるのが得意な人だ。

 そう思ってよく見ると、ここにもおかしな言葉が紛れ込んでいた。それは、政治資金パーティーについてだ。「企業・団体によるパーティー券購入の禁止」とある。つまり、個人向けの政治資金パーティーは残すということだ。しかも、そこには括弧書きで、「(まずは、徹底的なガラス張り化)」とある。なんのことはない。企業団体向けのパーティーも当面は残すということを「ガラス張り化」という前向きな言葉を使って間接的に表明している。

 これもかなり手の込んだ詐欺的手法だ。この点は、実は、記者会見でバレてしまって、立憲の提案を後退させたことを認めざるを得なかった。

 泉健太代表も立候補に漕ぎ着けたが、これまでの実績から見ると、党内実力者から独立して政策を遂行する力はなさそうだ。

 最後に告示日当日に江田憲司氏の支援を受けて立候補した吉田晴美氏は、4人の候補者の中で最も政治資金改革に前向きな候補であるとみられる。

 ただし、次の立憲代表として有力なのは、枝野氏か野田氏だというのが一般的な見方のようだ。仮に、この二人のうちのどちらかが代表になれば、前に見たとおり、政治資金改革は、「確実に後退する」。そうなれば、来るべき総選挙において、自民党を厳しく追及することができなくなるだろう。

 推薦人集めで苦戦して立候補を断念した江田憲司・立憲元代表代行は立憲の本来の提案を守る姿勢を見せていただけに、こういう候補が立候補できないという今の立憲の代表選のルールは極めて大きな問題であることがあらためて証明された。

 推薦人20人というハードルを下げることを頑なに拒否し続けた立憲幹部たちは、実は、この問題で立憲の国会での提案を「リセット」するために、20人を維持しようとしたのではないか。そんなことまで考えさせる、ここまでの展開だ。

 マスコミは、立憲の政治資金改革の提案がどうなるのか、また、なぜ自民党よりも代表選立候補のハードルを高くしているのかという問題について、もっと深掘りして報道すべきだ。


これ推しです。

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米がない「食料危機」?

2024年09月09日 | 食・レシピ

印鑰智哉ブログ 2024/09/08

 何か音を立てて崩れている気がする。「米がない」。しかも生産量は十分あるのに。なぜ、そんな事態が起きたかということに関してはいくつも記事がでているので、それに付け加えようとは思わない。だけど、その記事には書かれない、問われるべきことがどうしてもまだあるので、そのことを書いておきたい。

 結論を先に書いておくと、食料主権がなければいつまでも食料危機になってしまうということ。食料主権とはひとりひとりの食料の決定権。今、その決定権がここのところ急速に危うい状態になっている。

 食料危機を単に食料のない状態と定義してしまえば、食料をどこからか持ってくれば、その時点で食料危機は表面上からは消える。だけど、その食料が地域社会の中でしっかり作られており、生産・流通・分配まで、人びとがその権利を確保していれば、問題ないが、そうでなければ、いつでも危機になりうる。

 今後、このような「食料危機」は常態化するかもしれない。その危機がどうやって作られたか、知らなければ、人びとはパニックに陥るだろう。その状態はある特定の勢力からすれば好都合だ。

 つねに「危機」的な状況に置かれると人びとの選択肢は狭められてしまう。食べられればなんでもいい、ということになってしまう。気候変動など長期的な環境保護や健康よりも、当面の命の維持に関心が切り詰められる。本当にしなければならないことは棚上げにされ、「緊急」策だけに関心が行くようになってしまう。

 スーパーにお米が並び始めたら、忘れてしまうかもしれない。あれば何でもいい、というパニック状態の中では、この危機がなぜ生まれたか、どうしたら繰り返さないかということを考える余裕もなくなってしまうが、それでは困る。問題となる政策を変えることこそが危機対策になる。

 たとえば、備蓄米があるからそれを活用すべき、と主張すると、お米の市場価格が下がってしまうからできない、として政府は動かない。そもそも市場価格といっても、市場原理は農業には適さない。農業は他の産業とは違う。市場価格で農家の収入が決まるのではまずい。農家の所得を補償することは不可欠だ。農家の割合は先進国では人口の1%〜数%であり、その所得を守ることが不可能な規模ではない。

 工業製品と違って、農産物はなければないで済ますわけにはいかない。農産物が誰にも手に入る価格で提供される必要はあるし、それと同時に農家の所得を補償することは政策さえあれば両立できること。それをまったくやっていないのは日本政府くらいだろう。すでに今年のコメ農家の倒産・廃業は過去最多になることが確実だ。そもそも農家の所得は限界を超えて下がっている。その所得を守る政策がずっとなかったことがこの危機をさらに深刻なものにしている。この政策を変えることは必須だ。

 世界でも農産物での市場原理主義を排除することは切実な問題となってきている。WTOなど自由貿易の対象として農産物を扱うことで、各国農業に大変な問題が引き起こされ、世界の多くの市民が農業への市場原理主義の適用をやめることを求めている。自由貿易協定の対象からも農産物を外すことが要求されている。にも関わらず、その古いルールを日本政府は金科玉条のように守り続けている。

 こうしたルールによって必然化されるもっとも深刻な一つの例が「飢餓輸出」だろう。国内で飢餓状態が発生しているから、国内で生産された農産物は輸出せずに、国内の飢餓状態の解消に使いたい、と考えても、この自由貿易体制の中では、それはできない。その国は農産物輸出が実質義務付けられており、国内の飢餓状態が解消できなくなっている国は少なくない。

 「飢餓輸出なんて日本は関係ない」、そう思うかもしれないが、今、国内のスーパーにお米がないのに、日本米の海外輸出は過去最高である。輸出するお米があるなら、国内のスーパーに回すべきと思っても、それができない。政府が日本の農業の成長の鍵は農産物輸出だ、と言う度に、それは「飢餓輸出」をもたらすと批判してきたけれども、そんな深刻な構造が日本にはすでにできつつある。そんな輸出優先主義政策をさらに続けさせていいわけがない。

 この状況の中で、急速に進んでいるのが、食の企業化・独占だ。発酵食品の規制が強化され、それまで家内工業的に作っていた人びとが市場から追い出されている。発酵食品以外でも大きな企業以外のプレーヤーの排除が進みつつある。種子、農産物生産、食品加工、流通において、企業独占の傾向は近年ますます高くなっている。そのプロセスの中で、「みんなのもの」としてあった食が少数者による独占物に変えられようとしている。いつの間にか、お米も自家採種できないものに変えられようとしている。食べられればなんでもいいということになれば、「みんなの食」としてあったものは失われてしまう。

 政府の施策に声を上げると同時に、直接消費者が生産者を支援する関係を今一度、学校給食など含めて、いろんな場面で作り直すことが必要だろう。食は今日明日の命を保つ上でも重要だが、同時にこの社会や環境が崩壊しないためにも、最重要なのだから、作られた「食料危機」に対して、何を言うべきかもしっかり確認しておきたい。


農家のお年寄りやご婦人団体・サークルなどで作る漬物などである。
そして「種」。
農民は育てる野菜から良い性格の作物を見極め、その種を採取してきた。
土地が変われば気候も変る。
自分の畑に一番適した品種を創ることは農民の権利である。
「世界で一番企業活動ができる」とは、このような個人的活動を潰し、企業に明け渡すことを意味する。
自公政権では必ず「食糧危機」に見舞われるであろう。
だから「政権交代」が望まれる。
そして各家庭がどのように「食糧主権」を行使するか、考えておかなければならない課題だ。
「新婦人」と「農民連」との連携などの取り組みも注目である。


世界的にも重要な日本の花卉(かき)遺伝資源と園芸文化を継続させるために

2024年09月08日 | 野菜・花・植物

YAHOOニュース 9/5(木)

 Meiji.net

  半田 高(明治大学 農学部 教授)

 来る2027年3月から半年間、横浜市旧上瀬谷通信施設跡地(約100ha)で国際園芸博覧会(GREEN × EXPO 2027)が開催されます。この博覧会は、国際園芸家協会(AIPH)承認A1クラス、かつ博覧会国際事務局(BIE)認定の最上位の国際園芸博覧会で、日本では1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」以来37年ぶりとなります。この博覧会では、日本の花卉(かき)園芸についても、その歴史や重要性が発信される予定です。

◇日本が花卉遺伝資源に恵まれ園芸文化が発展したのは、多様な自然と日本人の感性による

 花卉(かき)とは、人間が観賞する植物全般を指します。観賞植物には花だけでなく、葉や枝を観賞する観葉植物や樹木、さらにはシダやコケなども含まれます。また、遺伝資源には野山に自生する野生植物だけでなく、人間の手で選抜して改良(育種)された園芸品種も含まれます。

 日本は奇跡的に観賞価値の高い花卉遺伝資源に恵まれた国です。ツツジ(躑躅〉、アジサイ(紫陽花)、ツバキ(椿)、フジ(藤)、サクラ(桜)、モミジ(紅葉)、ユリ(百合)、ハナショウブ(花菖蒲)、サクラソウ(桜草)(注:生物学では植物名に片仮名表記を用いますが、園芸文化として漢字表記も併用しました)などは、もともと日本の野山に自生する野生植物をもとに園芸品種群が作出された花卉です。一方、キク(菊)、ウメ(梅)、ボタン(牡丹)、シャクヤク(芍薬)、アサガオ(朝顔)などは古く仏教伝来とともに中国や朝鮮から主に薬用植物として持ち込まれ、その後日本で花の美しさを鑑賞するため、独自に改良されて多くの品種が生まれました。また、パンジー、カーネーション、コスモス(秋桜)、ペチュニアなどは地中海や中南米原産の植物ですが、日本で画期的な品種が作出されました。近年では、北米原産のトルコキキョウが、もともと一重咲き小輪紫色しかなかったものから日本で大幅に改良され、今ではバラやシャクヤクと見間違えるような豪華な花形と様々な花色を持つ品種となって世界中の花屋の店先を彩っています。

 日本が花卉遺伝資源に恵まれ花卉園芸が発展したのは、自然と人間、その両方の力が作用しています。

 日本で多様な野生植物が生まれた要因としてまず指摘するのは、日本列島の地理的位置です。北半球の中緯度のユーラシア大陸東側に位置し、四方を海で隔離された日本列島は、年間の気温、降水量、日照時間の変動が大きい明確な四季があり、このダイナミックな変化は、季節変化に合わせた性質を持つ植物が育つ要因となっています。また、日本列島は南北に長く亜寒帯から亜熱帯まで含まれ、海岸から急峻な山地までの標高差や、山地に隔てられた日本海側と太平洋側での気候の違いもあります。何万年も前に大陸や海洋島から日本列島に到達した植物は、こうした様々な自然環境に適応して次々に形態や性質を変化させていくことで、多くの固有種が生まれてきました。生物多様性が顕著な地域は「生物多様性ホットスポット」として世界中に36か所が認定されていますが、日本列島もそのうちの一つで、維管束植物だけで2500種以上の固有種(亜種・変種含む)が確認されています。

 また、花卉園芸の発達には日本人の文化的背景も影響しています。例えば、米を主食とする稲作において、桜の開花を苗代の準備や田植えの基準とするなど、植物の季節変化と生活が密接に関係してきました。地域ごとのダイナミックな自然環境の違いや、同じ場所でもそれぞれの季節で見られる植物が変わる日本では、万葉集や古今和歌集などで詠まれたように、古くから野山や庭先の植物の季節による移ろいに気づき愛でる文化がありました。生け花、盆栽、庭園など、日本では自然や季節そのものを身近に楽しむ独自の園芸文化を洗練させてきました。また、先に述べたように仏教とともに薬用植物として渡来した植物も、その花の美しさを楽しみたいという人々の嗜好から日本人の感性で多くの品種が生まれました。

 海外に日本の園芸植物が広く知られるようになったきっかけは、江戸時代に来日逗留したドイツ人シーボルトによるものでした。当時の日本は鎖国中でしたが、オランダ商館医の彼は長崎の鳴滝に医学・自然科学を教える塾を開くことを許されます。一方、日本の博物学的・民俗学的研究調査と日蘭貿易の再検討という使命を帯びていた彼は、全国各地から学びに来ている塾生に動植物の採集を依頼します。こうして集めた膨大な日本の植物標本をもとに後年、「日本植物誌(フロラ・ヤポニカ)」を執筆し、また日本から輸送した植物を馴化する植物園をオランダのライデンに設置し、さらには王立園芸奨励協会を設立して日本産園芸植物を通信販売するなど、欧州に日本産園芸植物の一大ブームを起こしました。オランダのライデン大学植物園には、当時シーボルトが持ち帰った植物が今でも生き残っています。シーボルト以降、各国のプラントハンターが日本の花卉を求めて来日し、多くの日本産の花卉園芸品種が欧州に渡りました。明治維新の開国後は、ユリ球根を筆頭に日本産花卉が一大輸出産業となった時期もありました。

◇日本の花卉園芸品種と園芸文化は江戸時代に発達し、各地へ広がっていった

 日本国内で園芸品種や園芸文化が急速に発達したのも江戸時代です。江戸時代は300年近く安定した政権が続き、一般庶民も平和に過ごせたことで様々な文化が成熟しました。江戸幕府の為政者たちは花卉園芸に理解があり、振興政策を進めました。また、参勤交代の制度下、全国の主だった大名や藩士が交代で常駐するための大名屋敷や武家屋敷が江戸にあり、その庭に出身地から持ってきた観賞価値の高い花卉が植えられたことで江戸に日本中の花卉が集まってくる素地ができました。駒込の六義園や新宿御苑では、当時大流行した「江戸霧島」と称される九州の霧島山地由来のツツジの園芸品種を今でも見ることができます。こうした大名屋敷の庭を手入れする植木屋は、一部を譲り受けて流通させたと考えられます。江戸の上駒込村染井(現在の豊島区駒込)には、一般庶民も立ち入れる世界一の規模のガーデンセンター(植木屋通り)がありました。そして、江戸で手に入れた観賞価値のある植物は各地に持ち帰られ、日本中に様々な園芸品種が広がりました。先のシーボルトが学名に愛妻タキの名を付けたことで有名なアジサイも、当時すでに長崎にまで広まっていたガクアジサイの手毬(てまり)咲き園芸品種をそれと知らずに命名したと考えられます。また、熊本藩の六代藩主・細川重賢は、家臣たちの精神修養に花卉園芸を奨励したことで多くの花卉が育てられ、その後6種の花が「肥後六花」として選定されましたが、そのうちの花菖蒲は、江戸で作出された品種群がもととなったとされています。

 花見の文化が成熟したのも江戸時代です。江戸に桜の名所をつくるという施策は徳川家八代将軍吉宗によってはじまり、奈良吉野山のヤマザクラを御殿山や隅田川沿いなどに植樹しました。桜の園芸品種‘染井吉野’は江戸の染井で偶然生まれた品種で、吉野の桜に匹敵する美しさでこの名を付けられましたが、科学的にエドヒガンとオオシマザクラの雑種であることが証明されています。この‘染井吉野’は種子をほとんどつけないのですが、その観賞価値の高さと挿し木や接ぎ木の容易さでクローン苗が急速に全国に広がり、日本各地に桜の名所が生まれました。また、当時は花菖蒲や桜草も花見の対象となっていたことが浮世絵などからわかります。

 鎖国は日本独自の花卉園芸品種が生まれやすい環境をつくるのにもひと役買いました。長い期間、限られた植物の中からより洗練されて変わったものを求めた結果、菊や朝顔では花が極端に異形となって種子もできず、自然ではとても生き残れないような品種群が作出されました。また、葉が突然変異などで部分的に葉緑素ができずに白や黄色の縞や斑点の模様になる「斑入り(ふいり)」という現象を示す品種が様々な植物で見いだされました。こうして、これらを「奇品」とよんで珍重する日本独自の園芸文化も生まれました。

 鎖国中は西洋で発見された自然科学の情報が制限されていたため、花粉に遺伝的要素があるといった遺伝学の知識も一般には知られていませんでした。江戸時代に生まれた花卉園芸植物の膨大な品種群の多くは、人の手による交配ではなく、自然発生した突然変異や、風・振動・昆虫などによる自然交雑でできた種子由来の苗から偶然見つかる良いものを選抜したと考えられます。

 私の研究室では日本の花卉遺伝資源の現状を明らかにし、保全による将来への継続性や育種利用への一助とするため、現存する野生集団の自生地での形態・生態調査、遺伝子マーカーを用いた解析や成分分析などによって、野生集団の多様性と進化や、園芸品種群の成立過程などについて研究を進めてきました。これまでに、ツツジ、ユリ、ハナショウブ、アジサイなどを研究対象にしてきています。ツツジでは、江戸時代に品種群が発達したオオヤマツツジは、西日本でできたヒラドツツジなどの園芸品種群と、関東の里山に自生する野生種ヤマツツジとの自然交雑で生まれた可能性を示唆し、またイタリアやベルギーの研究者との共同研究では、鉢植えのツツジとして現在世界中で流通しているベルジャンアザレアとよばれる品種群が、江戸時代に作出された日本の園芸品種群をもとに成立したことを明らかにしてきました。ユリでは、野生種のユリとしては世界最大の花を咲かせる伊豆諸島固有種のサクユリについて、島ごとの多様性や、伊豆半島に自生する近縁種ヤマユリとの関係について明らかにし、また、伊豆半島に自生するイズユリとよばれる美しいユリは、ササユリとヤマユリの自然交雑でできた雑種で、多様な形態を持つことを明らかにしました。ハナショウブでは、玉川大学との共同研究で江戸時代に育成された園芸品種群の由来となった野生種ノハナショウブの地域集団を推定しました。現在は、アジサイ園芸品種群のもととなった野生種のガクアジサイ、ヤマアジサイ、エゾアジサイについて、自生地野生集団の遺伝的多様性、江戸時代以降に欧州に渡った園芸品種と野生集団との関係性、ガクアジサイが持つ強い環境ストレス耐性(特に耐塩性)などについて研究を進めています。また、「奇品」として成立したアサガオの形態変異品種群である「変化朝顔」は種子ができないため、現状では親系統の維持と変異個体の選抜に多大な労力が必要とされることから、組織培養系を利用したクローン増殖ができないか試みています。

◇花卉遺伝資源は一度失ってしまうと、再生させるのは難しい

 このように世界的にも貴重な日本の花卉遺伝資源ですが、日本に自生する野生集団や、過去に作出された園芸品種群の現状は保全や維持が困難な状況が続いています。これまでの研究からも、極めて限られた地域でしか生存が確認できない野生集団の存在や、すでに野生集団にはなくなってしまった遺伝子を江戸時代に育成された園芸品種だけが持つことを確認しています。

 野生集団の自生地では自然環境の変化や、人為的開発・盗掘による個体数の減少や集団の消滅が確認されています。野生集団の緊急避難先としても重要な日本各地の植物園ですが、予算や人員の削減により、規模縮小、民間への管理移管、廃園が相次いでいます。また、江戸時代に作出された日本独自の花卉園芸品種群を継承している民間団体や個人では、高齢化により継続が危ぶまれ、一人の方が亡くなると何百品種も一気に失われしまうこともあります。花卉遺伝資源は、一度失ってしまうと再生させるのには大変な労力と時間を要し、なかには二度と見ることができない場合も少なくありません。

 一部の花卉遺伝資源については、保存に向けた公的取り組みも行われています。農林水産省の「ジーンバンク事業」では、農業上重要なキクやカーネーションなどの系統や品種を保存しています。文部科学省の「ナショナルバイオリソースプロジェクト」では生物学の研究材料の一つとして「変化朝顔」が選ばれ、九州大学を代表機関とし保存や配布をおこなっています。また、サクラソウでは、国立歴史民俗博物館や国立科学博物館が、大学や民間団体との協力で江戸時代からの品種保存の啓蒙活動を担っています。しかし、これらは膨大な日本の花卉遺伝資源のごく一部にしか過ぎません。

 こうした中、日本の植物園を取りまとめている日本植物園協会では、日本産の絶滅危惧植物の生息域外保全を目的とした「植物保全拠点園ネットワーク事業」を2006年から開始しました。これに加え、2017年よりガーデニング先進国である英国の制度を参考に「野生種、栽培種に関わらず、日本で栽培されている文化財、遺伝資源として貴重な植物を守り後世に伝えていく」ことを目的とした「ナショナルコレクション認定制度」を開始し、2024年5月の段階で17が認定されています。

 近年、日本の花卉遺伝資源と園芸文化の重要性は再認識されています。日本の多様性に富んだ野生植物やユニークな園芸品種は貴重な育種素材です。また、芸術性の高い盆栽はBONSAIとして欧米でも一般化していて、アジア圏の富裕層は日本の盆栽や植木を高額で買い求めています。国としても花卉の重要性について認識し、10年前に「花きの振興に関する法律」を制定することで日本の花卉産業を育成するための法整備がなされ、花卉に関するイベント事業に対して補助金を出すなどの花卉園芸への振興策も始められました。今後は更に、日本の花卉遺伝資源や園芸文化を貴重な自然および文化遺産として継承し、積極的に発信して進展することが期待されます。

 2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会は、日本の花卉の素晴らしさを世界にアピールするチャンスです。コロナ後にインバウンドが急速に回復しているいま、海外から日本に訪れる人々は、和食、風景、建築物、伝統工芸、庭園など、日本らしさを感じさせるものを強く求めています。こうした日本の自然に根差した美意識や世界観と、日本の花卉遺伝資源や園芸文化とは密接な関係にあります。日本の自然環境の中で生まれた野生植物や、日本人の感性で作り上げてきた園芸品種や園芸文化をあらためて見つめ直し、花卉遺伝資源の保存・利用や園芸文化の発展へつなげていくことは、過去へのノスタルジーではなく、これからの日本にとって非常に重要なことだと考えています。

半田 高(明治大学 農学部 教授)


 わたしは品種名にはあまりこだわらない、というか覚えられない。
それにほとんどがそこに生えてたものやもらったものであり、自分で挿し木で増やしたものばかりである。だから正式な品種名がわからない。バラはバラである。このバラもカミさんの誕生日に企業から送られてきたものを花が終わってから挿し木したものである。

 もうそろそろ今までのようには動けなくなるであろう。
畑をどうするか?
草でボウボウになるのなら一面アジサイでも植えてみようか・・・・
そんなことを思い、今アジサイの苗木数百本を創っている。
単に沼の水辺に挿してあるだけだけど。

 


立憲民主代表選 政権交代の意義を示せ

2024年09月07日 | 社会・経済

「東京新聞」社説 2024年9月6日 

 立憲民主党の代表選が7日に告示される。自民党派閥の裏金事件を受け、自民政権の継続を望まない世論が以前よりも高まる中での代表選びだ。政権交代でしか実現できない社会の変革と、政権獲得までの道筋を示し、自民に不満を持つ同党支持層も引きつける論戦となるよう望みたい。

 代表選にはすでに枝野幸男前代表(60)、野田佳彦元首相(67)が立候補を表明。泉健太代表(50)も出馬への最終調整を行っており、ほかにも立候補の動きがある。

 自民は総裁選で次期衆院選や来夏の参院選を念頭に「選挙の顔」を選ぼうとしているが、立民代表選に求められるのは、各候補者が目指す理念や社会像、それを実現するための政策について堂々と訴え、議論を深めることだ。

 立民内で、枝野氏はリベラル寄り、野田氏は保守寄りとされる。立ち位置の違いはあるが、出馬会見ではいずれも「自民を支持しながら怒っている人を含め、幅広い民意を包み込む」(枝野氏)「自民に失望した保守層を巻き込む」(野田氏)などと強調した。

 立民は今、政党支持なし層に加え、自民に不満を持つ層にも幅広く訴えかける好機にある。

 立民が政権の座に就いたら自民政権とは政策がどう違うのかだけでなく、裏金事件への誠実な反省が見られない自民とは違うクリーンさ、派閥の論理に染まらない党運営、大企業ではなく生活者の立場を重視する政策など、訴えるべきことはいくつもある。

 政策とともに避けて通れないのが他党との連携を巡る議論だ。

 連合を支持母体とする国民民主党との合流を目指すのか。野党第1党の座を争うであろう日本維新の会との協力を深めるのか。共産党との距離感をどうするのか。

 立民単独で衆院の過半数の議席を得る見通しが現段階では立っていない以上、他党との連携の方向性を示さねば、政権交代は現実味を帯びて伝わってこない。

 自民政権の継続を望まない一方で野党中心の政権にも不安を感じる層に訴えかけるには、政権の枠組みを具体的に示すことは欠かせない。

 立民代表選は、40代や女性を含めて過去最多の5人を超える争いとなる見通しの自民総裁選に比べて新味に乏しいとしても、活発な議論を通じて、自民とは違う政党の姿や存在意義を示してほしい。

 

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立民代表選、4氏論戦スタート 次期衆院選の野党連携で差

2024年9月7日 (共同通信)

 立憲民主党代表選が7日告示され、17日間の論戦がスタートした。立候補したのは野田佳彦元首相(67)、枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)の4氏。日本記者クラブの討論会では、次期衆院選での政権交代を目指す方向性で一致した。日本維新の会や共産党など他の野党との連携を巡っては見解の違いも浮き彫りとなった。衆院選で自民党と対峙する「党の顔」は、23日の臨時党大会で選出される。

 野田氏は「穏健な保守層に支持を拡大した時に初めて政権交代のチャンスがある」と主張。野党勢力の議席最大化に向け「どの野党とも会話できる環境をつくる」と説明した。

 枝野氏は維新や共産とは政策面で乖離があるとして「包括的な連携は難しい」と述べ、地域ごとの実情に応じて対応すると訴えた。

 泉氏は維新について「立民と自民の両にらみだ」と指摘し、次期衆院選前の連携は困難との見方を示した。共産との連立政権も否定した。

 吉田氏は他の野党と連立政権を組む場合には「事前にどの政党と組むか国民に示すべきだ」と語った。

原発問題でも他の候補者があいまいな表現をしている中、際立った。

吉田晴美氏は脱原発への決意を前面に打ち出した。「私は一日も早く原発ゼロの日本を目指したい」とし、「地震大国であり、攻撃の標的にもなり得る原発は私たちの不安になる」と主張。「一日も早い原発ゼロに向けて、再生可能エネルギー。ここが私は次の成長産業でありイノベーションだと考えている。そこにしっかり投資していく」と語った。


というわけで、わたしには投票権は無いが吉田晴美氏を応援したい。

園のようす。
頑張っている。

食べられるらしい。


自民総裁選 「改憲を」大合唱

2024年09月06日 | 社会・経済

小林氏「喫緊の課題」■石破氏 持論を封印■林氏「任期中に発議」■河野氏「早く発議へ」■小泉氏「国民投票を」■茂木氏「実現早期に」

「しんぶん赤旗」2024年9月5日

 自民党が総裁選を前に、9条改憲をあおる動きを強めています。同党は2日、憲法改正実現本部を開き、自衛隊明記に向けた改憲の論点整理を了承。総裁選の各候補が改憲に前のめりの発言を繰り返しています。

 論点整理は岸田文雄首相の指示によるもの。現行の9条を維持した上で「9条の2」を新設して自衛隊を追記する案を軸として改憲発議を目指すとしています。

 岸田首相は2日の同本部会合で「新総裁にも引き継ぐ申し送りをし、さらなる議論につなげていく」と述べ、早期の改憲発議への道筋に縛りをかける構え。総裁選は、岸田首相の思惑に乗る形で9条改憲の大合唱となりつつあります。

 総裁選に立候補を表明している小林鷹之前経済安全保障担当相は、緊急事態条項新設と9条への自衛隊明記は「喫緊の課題」だとして「早期の発議に向けて最大限の熱量をもって取り組む」と表明。小林氏は、憲法改正実現本部ワーキングチームの事務局長代行も務めています。

 同じく総裁選に立候補を表明している石破茂元幹事長は自著でも「国の自衛権を体現する実力組織は国際的に『軍』です」と述べ、戦力不保持を定めた9条2項の削除を主張していました。しかし、2日の同本部の会合後には「今回決まった以上、議論を振り出しからしてもしょうがない」などと述べ、持論にこだわらない考えも示しています。

 3日に出馬表明した林芳正官房長官は「発議を任期中に行いたい」と表明。河野太郎デジタル相も8月26日の出馬会見で「なるべく早く発議へ持っていきたい」としています。

 このほか、総裁選に立候補の意向を示している議員もみな改憲に前のめりです。小泉進次郎元環境相は「憲法改正、そのためには国民投票が不可欠で、一日も早く実施したい。国防、防衛力の強化、予算の増額、これは大賛成」などと述べています。

 茂木敏充幹事長も「新しい時代にふさわしい憲法のあり方について、できるだけ早期に国民の皆さまに選択肢を提示し、憲法改正を実現すべき」(2023年1月の衆院本会議代表質問)と発言しています。

 自民党は、安倍政権のもとで14年に集団的自衛権の行使容認を閣議決定した後、安保法制=戦争法を数の力で強行。岸田政権は敵基地攻撃能力保有、軍事費2倍化など、「戦争する国」づくりを次々と具体化させてきました。

 その結果、戦力不保持を定めた9条と自衛隊との矛盾は極限に達しています。改憲勢力は、国会発議に必要な3分の2以上の議席を衆参で確保している間に、数の力で改憲を押し切ろうと躍起です。憲法改正実現本部が打ち出した9条改憲は、「戦争する国」づくりへの“総仕上げ”として持ち出されています。

 総裁選を通じて、改憲キャンペーンを張り、改憲発議へのレールを規定路線とする危険な動きには、警鐘を鳴らす必要があります。(佐藤高志)


 憲法を守らなければならない人が憲法を無視し変えようとしているのですから、そもそもが憲法違反です。
 いま国民が求めていることは「裏金」政治の一掃、賃上げ、国民負担率の軽減(消費税の見直し)、お米です。
自公政権継続ではなく、政権交代です。
お引き取りください。


虐殺朝鮮人追悼 「負の歴史」伝えてこそ

2024年09月05日 | 社会・経済

「東京新聞」社説 2024年9月5日

 関東大震災発生直後に虐殺された朝鮮人犠牲者の慰霊式に、自治体の首長が追悼文を送る動きが広がっている。「負の歴史」を教訓として後世に伝えるため、こうした取り組みを後押ししたい。

 1923年9月1日の大震災直後、朝鮮人による暴動が起きたとのデマが拡大。各地で官憲や民間の自警団が朝鮮人らを殺害した。内閣府の中央防災会議が2009年にまとめた報告書によると犠牲者数は震災死者の「1~数%」。千~数千人に当たる計算だ。

 大規模な殺りくとして記憶にとどめ、後世に伝える責任が、今を生きる私たちにはある。

 千葉県の熊谷俊人知事は、1日に船橋市で開かれた民間式典に追悼文を送付。埼玉県の大野元裕知事も、4日にさいたま市で行われた民間式典に追悼文を送った。いずれも今回が初めてで、主催者から案内状を受け取ったことがきっかけだという。

 一方、東京都の小池百合子知事は今年も、1日の墨田区での民間式典に追悼文を送らなかった。歴代都知事が1974年から続けていた追悼文の送付を、小池氏が2017年に取りやめた。

 小池氏は「別の法要で全ての震災犠牲者を慰霊している」などと釈明するが、虐殺は家屋倒壊や火災による死と意味合いが違う。追悼文の送付中止は不適切だ。

 小池氏は朝鮮人虐殺を巡り「さまざまな研究がある」と明言を避け続ける。虐殺が「なかった」とも「あった」とも言わない。

 ドイツなどでは、ユダヤ人の大量殺りく(ホロコースト)を公に否定する行為を処罰対象とし、歴史の修正は許されない。

 日本に同様の法律はなく、政府も近年、朝鮮人虐殺を巡り「記録が見当たらない」と事実認定を避ける見解を繰り返している。

 受け止めがたい「負の歴史」でも、事実を把握し、後世に正しく伝えていくことが、過ちを再び起こさないためには欠かせない。

 特に、選挙で選ばれた政治家には、その責任を強く自覚する必要がある。私たちメディアも、記憶や教訓を風化させないための報道を続けたい。


差別・選別は「戦争への道」につながる。
「戦争できる国造り」の策動に乗っかってはいけない。


雨宮処凛がゆく! 「皆GOROし」「豚の餌」「はよじさつしろ」〜クルド人への見るに耐えないヘイトの数々と、101年前の関東大震災時のデマとの類似性

2024年09月04日 | 社会・経済

マガジン9 2024年9月4日

 

「帰れ クソゴミクルド人 犯罪者、トルコへ帰れ」

「お前らクルド人全員殺してやるからな 覚悟しとけ」

「はよしねよクルド人 気持ち悪い人種は生きんな はよじさつしろ」

「皆殺しにして、豚の餌にしてやる」

 これらの言葉は、埼玉県でクルド人との交流・支援活動を続けている団体「在日クルド人と共に」に寄せられたメールである。

 埼玉県川口市・蕨市にクルド人が暮らしていることは多くの人が知る通りだ。1990年代から増え始め、今や2000〜3000人ほどいると言われている。

 「国を持たない世界最大の民族」と言われ、トルコやイラン、シリア、イラクなどにまたがって居住し、世界に約3000〜4000万人いるとされており、少数民族として迫害を受けてきた歴史があるクルド人。

 ちなみに川口市・蕨市にいるクルド人の多くはトルコ出身だが、徴兵から逃れるために他国に渡った人も少なくない。トルコに住んでいたら、クルド人でもトルコの軍隊に行かなければならない。が、トルコ政府はトルコからの分離独立を求めるクルド人の武装組織・PKK(クルディスタン労働者党)を軍事弾圧。よって徴兵に応じたら、同じクルド人に銃を向けなくてはならなくなる。また、PKKとトルコの対立により、クルド人というだけでPKKと同一視され迫害を受けるという理由で逃れてきた人もいる。

 そんなクルド人は長年、日本の若者がなかなか定着しない「3K」と呼ばれる解体現場などの仕事を担ってきた。その子どもたちは日本の学校に通い、日本で教育を受け、多くの人が川口市・蕨市に定着して暮らしてきた。ちなみにクルド人が増え始めてから30年ほど経っているわけだが、例えば3年くらいより前にその存在についてあなたは耳にしたことがあっただろうか? おそらくはないと思う。それほどに、日本社会はクルド人に無関心だった。

 しかし、この1年ほど、SNSには見るに耐えないようなクルド人へのヘイトが溢れている。冒頭に紹介したような言葉がSNS上にも書き込まれ、多くのデマと共に拡散し、クルド人への憎悪を煽っている。

 私の周りにも、そんなヘイトにこの1年で染まった人がいる。コロナ禍、クルド人が仕事を失い困窮していることを伝えてもまったく無関心だったその人は、今やクルド人に対して「犯罪者、出て行け」「日本が乗っ取られる」などと口にする。

 なぜ、こんなことになったのか。

 昨年の入管法改定問題が報じられたこともひとつだが、さらに大きなきっかけは昨年7月に起きた「病院事件」だ。埼玉県内の病院前に約100人のクルド人が集まったことによって救急の受け入れが5時間半ストップしてしまったのだ。

 そもそもの発端は、男女関係のもつれだったという。その結果、男性が女性の親族に切りつけられてしまい、病院に搬送。それを聞きつけた親族や友人たちが集まってきて騒ぎになったのが真相らしい。

 しかし、このことが「暴動」などと報じられ、また動画も拡散したことでクルド人へのバッシングがあっという間に広まった。その流れなのだろう。これまで20年近く問題なく開催されてきたクルド人の祭り「ネウロズ」に対して、公園側に「クルド人に公園を貸すな」と抗議の電話が寄せられるように。結果的には無事に開催されたのだが、今年春には川口駅や蕨駅前で「クルド人は出ていけ」と叫ぶヘイトデモが開催されている。

 そんなクルド人へのヘイトをなんとかしようと8月26日、弁護士会館にて「クルド人に対するヘイトスピーチ問題を考える緊急集会」が開催され、参加した。

 冒頭で紹介した言葉は、そこで「在日クルド人と共に」の代表理事・温井立央さんが示したものだ。「在日クルド人と共に」には「クルド人は出ていけ」などの電話もかかってくるという。

 が、その相手に「クルド人に何かされたのか」と聞くと「されていない」。「川口市に住んでいるのか」と聞くと「住んでいない」。では、なぜこんなことをするのかと問うと「YouTubeで見た」と答えるのだというから嫌な意味で「令和……」って感じだ。

 この日はジャーナリストの安田浩一さんも登壇したのだが、「差別者側は同じ」という指摘が非常に印象深かった。

 例えば2009年、やはり蕨市であるデモが起きている。それは「在日特権を許さない会」による、「フィリピン人一家追放」デモ。入管から強制送還を迫られた非正規滞在のフィリピン人一家の長女がメディアに登場し、「友達と離れたくない」と訴えていたのだが、それに対して「出て行け」と迫るデモが開催されたのだ。しかもデモ隊は長女が通う中学校にまで押しかけていたというから13歳の彼女の恐怖はどれほどのものだっだろう。

 その後に標的にされたのは川口市内の団地。中国系住民が急増して団地の半数以上を占めていることを問題視した「排外主義」を掲げる人々が押しかけたのだという(『世界』24年9月号 ルポ 埼玉クルド人コミュニティ 安田浩一)。一方、東京の大久保や神奈川県の川崎で在日コリアンへのヘイトデモが行われていたことは多くの人が知るところだ。

 そして昨年、差別の矛先が突然クルド人に向いたのである。一部メディアもそれを後押しするような報道をしている。

 クルド人を多く取材している安田さんはこの日、彼らに「何が怖い?」と聞いた時の答えを教えてくれた。

 それは「スマホ」。

 彼らが働く現場や資材置き場にやってきて、無遠慮にスマホを向ける者がいるという。それをデマとともにSNSにアップするのだろう。

 だからこそ、常に撮影され、録音され、それが拡散される恐怖に怯えているというのだ。普通に暮らしていても、常に誰かにつけられ、撮られていないか後ろを振り返って確認しなければならない日々。それだけではない。コンビニ前でコーヒーを飲んでいるだけのところを盗撮され、「この人たちがレイプしている」などとデマの情報とともに拡散されることもあるというのだから恐ろしい。

 平和だと思ってやって来た日本だが、その「平和」はこの一年で吹き飛んだというのだ。

 クルド人を貶めるデマがネット上に溢れていることについて、安田さんは「101年前の、関東大震災における朝鮮人虐殺のデマと似ていませんか?」と問いかけた。いったいいつまで、同じことが繰り返されるのだろう?

 ちなみにヘイトを煽る方は「日本がクルド人に乗っ取られる」というが、川口市の人口約60万人に対して外国人は約4万3000人で7%ほど。その半数は中国人で、クルド人は約1200人。蕨など近隣の市を入れても2000人ほどで川口市の人口の1%にも満たない。そんな人々がどうやって「日本を乗っ取る」というのか。

 一方、クルド人には「偽難民」という言葉もつきまとう。

 が、国連によると、11年からの10年間で世界各国で約5万人のクルド人が難民認定されている。また、トルコ国籍を持つクルド人の難民認定率は18年には世界で約46%(全国難民弁護団連絡会議の統計より)。一方、この約15年で、日本で難民申請をしたトルコ国籍の人は9700人。その多くがクルド人とみられているが、認定されたのはたった一人だ。

 19年のトルコ出身者の難民認定率は、ドイツ33.8%。アメリカ41.3%。フランス36.7%。カナダ73.7%、イギリス51.6%。対して日本は0%。そもそも日本の難民認定率は1〜2%と極端に低いわけだが、クルド人がこれほど難民認定されない背景には、外交上の問題もあると指摘されている。

 9月2日に9月2日に訃報が報じられた佐々涼子さんの著書『ボーダー 移民と難民』(2022年、集英社刊)には、クルド人の難民認定率が低すぎることについて、以下のような記述がある。

 「トルコ政府は、クルド人に対する迫害行為をテロ対策として正当化している。そしてNATO加盟国であるトルコのテロ対策担当機関と、日本でテロ対策を担う法務省・警察庁とは、継続的な協力関係にある。つまり仲良しなのだ。友人であるなら、時にたしなめることも必要だと思うが、トルコの一連の行為を迫害と認めてしまうのは外交上不都合だと考えているのだ」

 そんなクルド人の状況や子どもたちの実態については8月末に出た新刊『難民・移民のわたしたち これからの「共生」ガイド』でも詳しく触れたのでぜひ読んでほしいが、一方で心あたたまる話もある。

 それは24年元日の能登半島地震の際のこと。日本に住むクルド人たちが被災地に入り、炊き出しをしたのだ。被災からわずか10日ほどの頃、埼玉県や東京都内のケバブ料理店で働くクルド人たちがキッチンカーで被災地入り。まだまだ避難所ではあたたかい食事ができなかった頃、出来立てのケバブやスープは大歓迎されたという。彼らは23年2月のトルコ・シリア大地震の際、日本からの支援が寄せられたことに触れ、「故郷を助けてもらった恩返しがしたい」と支援を申し出たそうだ。

 さて、最後に書いておきたいのは、海外で「デマ」が原因で起きた暴動のことだ。

 7月末から8月にかけて、イギリスで起きた暴動である。

 発端は、子ども3人が少年に刺されて殺害される事件が起きたこと。事件直後から「犯人はイスラム系移民だ」という情報がSNSで拡散され、それによって難民申請者が滞在するホテルが襲撃されるなどの暴動に発展したのだが、「イスラム系移民」との情報はデマだった。これまでに逮捕されたのは1000人以上。

 今、日本のSNS上で起きていることと非常に酷似していないだろうか。

 そして実際、日本でもクルド人へのヘイトが原因で書類送検されている人がいる。

 先に紹介した「在日クルド人と共に」にひどいメールを送りつけた人物だ。「在日クルド人と共に」が被害届を出した結果、人物が特定され、脅迫容疑で書類送検されたのは東京都足立区に住む34歳の男だったという。川口市や蕨市に住む住民ではなく、まったく外部の存在だったのだ。

 この男がどれほど確信を持ってメールを送りつけたのかはわからない。しかし、真偽不明の情報に触れ、軽い気持ちでしたSNSへの書き込みや団体へのメールで書類送検されたり、場合によっては実名を公表されて人生が終了することは十分にありえることは強調しておきたい。どんなに「煽られた、騙されただけ」「ネットに書いてあったことを真に受けた自分は被害者」と言ったところで、書いてしまった事実は覆らない。結果、仕事や家族や友人など、多くのものを失うだろう。

 人生を破滅させたくない人は、このことをよく覚えておくといい。ヘイトデモをするような人たちがネットで煽る言説に今、多くの人が巻き込まれ、信じているからこそ、周りにそういう人がいたらリスクを教えてあげてほしいのだ。

 ここまで書いても「クルド人は怖い」という人もいるだろう。テレビなどでも病院事件以来、不安を口にする近隣住民の声が紹介されたりする。

 そのような不安の声は、決して軽視されてはならないと思う。私だって、言葉が通じない人がたくさんいたら不安を感じると思う。だからこそ、その不安を一つひとつ解決していくことも大切だと思うのだ。

 そうして実際、川口市では長年日本に住むクルド人がパトロールをし、新しく来たクルド人に日本の文化やルールだけでなく、ゴミの分別を教えるなどの活動もしている。また「在日クルド人と共に」は、クルド人をはじめとする地域の外国人たちに無料の日本語教室を開催。言葉がわかれば、多くのトラブルは回避できるからだ。

 こんなふうに、不安解消のための「実践」がなされている。

 もしかしたらその光景は、人口減で人手不足のこの国の「未来の光景」なのかもしれないとも思う。

 

※このような状況について危機感を持って書いた一冊が8月末に出版した『難民・移民のわたしたち これからの「共生」ガイド』です。「在日クルド人と共に」の日本語教室や、クルド人にも多く取材しました。ぜひ、彼ら彼女らの声に耳を傾けてほしいです。


昨日、初めて「熱中症」?なるものを体験した。
お昼近くから何か体がフラフラする。
昼食のおにぎりを食べて早めに帰ってきた。
しかし腰かけていても具合は悪くなる一方。
床に就いたが天井がグルグル、吐き気も催す。
2時間ぐらい眠ったら治った。
今日も晴れて不安だったので昼食前に帰宅した。
最高気温は28℃に届かないがハウス内は30℃を超えている。
今朝の最低気温10.8℃だった。


イスラエルで50万人集会・デモ 人質解放へ停戦求め

2024年09月03日 | 社会・経済

「しんぶん赤旗」2024年9月3日

 【カイロ=秋山豊】イスラエル軍が1日、イスラム組織ハマスが拉致した人質のうち6人の遺体をパレスチナ・ガザ地区南部ラファで収容したと発表しました。これを受け、イスラエルで1日、人質解放のための停戦合意を結ぼうとしない同国のネタニヤフ政権に怒りが噴出しました。

 報道によると、商都テルアビブの30万人をはじめ、エルサレムや他の都市を含めると全国で50万人が街頭に繰り出し、集会・デモに参加しました。テルアビブのデモ参加者は人質6人の死を悼み、六つのひつぎで怒りや悲しみを表しました。人びとは、残る人質の解放のため、ネタニヤフ首相にハマスとの停戦を要求。「それは今だ!」と唱和しました。

 人質の家族会は声明で「合意に早く至っていれば(死亡した)6人の人質は家族と再会できた」と指摘。家族会によると101人がガザに残されています。

 イスラエルの労働組合は1日、停戦合意を求めるストライキを2日に実施するよう呼びかけました。

 イスラエル側によると、ハマスによる昨年10月7日の奇襲で約1200人が殺害され、約250人が拉致されました。双方が昨年11月に戦闘を7日間休止した際に人質105人が解放されました。

 他方、イスラエル軍はこれまでガザで4万700人以上を殺害しています。

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安保法維持「共闘成り立たず」 共産幹部

時事通信 9/3(火) 

 共産党の小池晃書記局長は3日の記者会見で、立憲民主党代表選の候補者が相次ぎ、集団的自衛権行使を認めた安全保障関連法の維持を主張していることに、強い警戒感を示した。

 「(関連法廃止は)野党共闘の一丁目一番地で原点だ。これを否定すれば共闘が成り立たなくなることもあり得る」と強調した。

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 野田氏

「(立憲が)政権を取って百八十度、政策転換なんてことをやってしまったら、もう国際社会からは相手にしてもらえない」と述べ、外交・安全保障では政策の継続性を重視する姿勢を強調。「(同法制定後に)どんなことがあったのかの検証を、丁寧にやっていくことが必要だ」とも語った。

集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障法制について、「すぐに何かを変えるのは現実的ではない」と述べた。立憲は2022年の参院選公約で安保法制の「違憲部分の廃止」を掲げていたが、野田氏はこれを見直す考えに言及した。

 立憲の現状については、「中道と言っていたけれども、『リベラルな方向と仲良くやりすぎているのではないか』というイメージが出来上がっている」と指摘。そのうえで「それを崩さないと政権を取りにはいけない」と主張した。(小林圭)

小沢一郎衆院議員は3日、野田佳彦元首相(67)の衆院議員会館の事務所を訪ね、党代表選で支援する意向を伝えた。

枝野幸男前代表は1日、地元・さいたま市で講演し、前回3年前の衆院選での共産党などとの選挙協力について、「ものすごく反省している」と述べた。


 これではだれが代表になっても変らない。そもそも言うこととやることが違う政党である。国会質問と「採択」で態度が違ったことなどざらだ。信頼できない政党だ。自民党と同じムジナか?
 「立民」との連携を前面に出すべきではない。
「革新」的立ち位置ではない。
「革新的市民共闘」の立場でいこう。

園のようす。


マイナ保険証 利用者本位で考えねば

2024年09月02日 | 生活

「東京新聞」社説2024年9月2日 

 現行の健康保険証が新規に発行されなくなる12月2日まで残り3カ月。しかし、健康保険証の機能をマイナンバーカードに持たせた「マイナ保険証」の利用率は7月時点で11・13%にとどまる。

 利点が実感されないためだが、現状で現行保険証の廃止が強行されれば、現場の混乱は必至。政府は利用者の立場に立ち、現行保険証廃止の方針を撤回すべきだ。

 マイナ保険証による受け付けは受診時に毎回カードリーダーで資格確認をしなくてはならず、初診時と再診の月初めに提示すればよい現行保険証よりも煩雑だ。

 顔認証か4桁の暗証番号を入力した後、医療情報提供の可否を確認するが、トラブルが絶えない。旧漢字と新漢字の異体字などが原因でエラーが出れば、受け付け事務は滞る。カードの電子証明書は5年に1回の更新が必要だ。

 こうした煩雑さもマイナ保険証の普及が進まない原因だろう。

 政府はマイナ保険証導入の目的に「医療の質の向上」を掲げる。ただ、根拠の一つとする投薬情報は直近の1カ月分は反映されず、現場の医師らは「お薬手帳の方が役立つ」と指摘する。

 利用者への説明を抜きに投薬歴などの医療情報の提供を承認させることもプライバシーへの配慮を欠く。精神的な障害や妊娠など機微な個人情報は治療に必要だとしても、医師への信頼に基づき、納得した上で明かせる情報だ。

 マイナ保険証は弱者の負担も大きい。高齢者施設ではマイナカードと暗証番号を預かることに懸念が強い。重症者や車イスの利用者がカードリーダーで資格確認することも容易ではない。

 人権を重んじるべき医療現場で弱者へのしわ寄せを伴う「利便性の向上」は許されない。

 利用者の尊厳を軽視したり、負担を弱者にしわ寄せしたりする姿勢は、任意と言いながら、マイナ保険証の取得を実質義務化する政権の強引な手法にも通じる。

 河野太郎デジタル相は、現行保険証の廃止理由に「なりすまし防止」も挙げるが、発生件数は2017年からの5年間で50件だけ。マイナ保険証でも暗証番号が漏れればなりすましは可能で、導入を必要とする理由にはならない。

 利点に乏しく、利用者に負担を押し付けるマイナ保険証を強引に導入する必要があるのか。政権は立ち止まって考えるべきである。


裏金政治、利権政治を終わらせる絶好の機会なのだが、立民代表選候補者の顔ぶれを見て絶望とため息である。立民内部にも良識者はいると思うのだが・・・・