野外保育 とよた 森のたまご

愛知県豊田市2010年度森のようちえん開園
公式サイトhttps://www.morinotamago.com

つづき

2011年10月28日 | 保育
「じゃああっちの海に行ってくるね。」

今はがらんとしている駐車場の広場の方へ出かけていく
AくんとCくんとKくんとLくん。
私はちょっと泳いだだけであとは船のところに座って
双眼鏡で覗いたり、次々運ばれてくる魚に「へぇ!」と驚いて
子ども達のイメージの世界を全身で受け止めていた。
子ども達が勝手にどんどん膨らませていくのが楽しくてワクワクした。

その後あっちの海はどうなってるのかと、ちょっくら見に行ってみた。

Aくんが「ハヤの大群だよ」とオオバコ(合ってるかな?)
を摘みながら教えてくれたので、
へぇ、いっぱいいるのね! なんて言いながら泳いでみた。

海の中っていうことを思い出したようで、4人のほっぺが一斉に膨らむ。

ハヤが手にいっぱいになると、私のところに「ほら、こんなにいっぱい」
と持ってくる。

その持ってくる魚(草)の長さがぴったり揃っていて仕事が丁寧なのがCくん。

Lくんはみんなが草取りに夢中になってしまいそうなところでも
一人ほっぺをぷうっと膨らませたままで、すっかり海の中なんだなぁ。
イメージの世界をしっかり味わってる。

Aくんが垂れ下がった竹のササを見て
「あれはかつおの大群。あそこに行きたいけど後ろにサメがいるからね」
と教えてくれる。

「え!こわいね!」と私が怖がってもがいていると
「動くと見つかっちゃうよ。大丈夫だよ!」と口々に。

そこで「行ってくる!」
勇敢にかつおの大群に向かっていくKくん。すごい勇気だ!

Aくんが「さっきサメに噛まれたんだよ。でも大丈夫だよ」
と、さっきちょっとしたキズで貼ったばかりのばんそうこうを見せてくる。

「大丈夫だったの!?すごい!」

すると、俺も俺もと、ある傷ない傷見せてくる。
抱きしめたいわ。

サメは上の方にいるから、潜ってれば大丈夫だよ、とAくん。
そのタイミングで空に飛行機。

「あれがホオジロザメだよ。」とAくん。
「静かにしてれば行っちゃうからね。大丈夫だよ。」とLくん。


雲一つない真っ青な空だから、ますます海の底にいるみたい。
遠くに見える飛行機はまさに、サメ。ここは海だな、と実感した。
いつも君たちはこんな素敵な感覚を味わっているのかな。
すこしだけ子ども心を体験できた気分。
君たち、素敵すぎるよ~!

ひとしきり「ハヤ」を捕って、「太刀魚」も「ムール貝」も、もちろん「カツオ」も。
手にいっぱいの魚たち。
(さて、Mくんはどうしてるかな、と思いながら)
「この魚こんなにいっぱい食べられるかなぁ。」と声をかけてみる。
Kくん「冷蔵庫にいれとけばいいんだよ」
Lくん「料理すればいいじゃん」
私「お船で料理する?」
「いいね、いいね。お寿司屋さんにしたら」とCくん。
私「いいね~!それじゃM船長に聞いてみようか」

M船長は絵本を読んでまったりしていた。
Aくんが近づいて「僕たち漁師でもいい?」「いいよ」
のやりとり。Mくんうれしそうだった。

年長Mくんは普段「Aくんきょうは、なにごっこするの?」と聞くことが多い。
今日はMくんの船ごっこをやりたい気持ちがみんなに伝わったよ。


魚屋さんが始まる。

手前の小石が貝。

タンポポもいつの間にか摘んでいたけど、これはなんだったんだろうなぁ。

その後Aくんはブロックを持ってきてまな板に。そして竹を包丁に見立てて
かつおの刺身をふるまってくれた。

Gくんや、K.Rくんも買いに来ていた。
面白かったのが、Gくんは、魚屋に「お金ください」と来る。
そして、魚屋も魚屋でお金を惜しみなく渡す。

そのお金でGくんは、O.Rくん親子の笹団子やさんで買いしめて
魚屋に届けていた。

う~ん独創的♪大人の常識を覆してくれた。

この船のお店屋さんは、KくんとY.Rくんは犬になっていて
魚をさばきたい人、売りたい人、どうしようかなと様子を見てる人
それぞれがイメージすることをやっていたので
ごっこにつながりがあったかというとそれほどでもなさそうだったが
弁当の時間も迫って、ちょっと疲れてくる頃でもあるし、
これ以上盛り上げてつなげることもないのかなと思って離れてみていた。
Mくんは、満足できただろうかとそれだけ気になりながら。

弁当後は私はたまごまつりの準備をさせてもらって
他の当番さんにお願いしていたので
子どもの様子は逐一わからないのだが、

写真で見ると、Mくんが屋根の下に最初にコーナーを作りだしている
ようだった。それが最初から船だったかはわからないけれど。

片づけの頃見に行くと、Mくんが作った場所に大人数がおさまっていて
Aくんが「これは、南極に行く船なんだよ。シロクマはいないから大丈夫」
と教えてくれた。私がすぐに怖がるので安心させてくれてたのだろうか。
ジェントルマンA。

あとでみっちーに聞いたら、Y.RくんとLくんで魚の絵と海の絵を描くんだって
盛り上がっていたんだって。


Lくんは描いた絵を並べて
「今はここにいて、これからここまで行くんだ。ここには魚がいっぱいいるんだ」
と嬉しそうにAくんに伝えていた。南極観測の地図のようだった。

へぇ!と感心した。
Lくんは、去年絵を全然描かなかったと春ごろ母ちゃんから聞いていたから。
こんなふうに海ごっこを楽しんだ後に、絵を描いて表現していたなんて。
そして、それをまた地図に見立てて。
Lくんの溜め込み、表現する世界はこれからもっとすごくなるんだろうなと思った。
楽しみになった。

子ども達のイメージの世界って本当にすごいな、と思った一日でした。

(なお)


「森のたまご」お問い合わせ:morinotamago2010@mail.goo.ne.jp
            代表:遊佐(ゆさ) 080-5122-1052



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3 コメント

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つりざお (よこちん)
2011-10-31 20:51:03
それであんなにつりざおブームだったんだね 納得
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ふくらませたら、ふくらんだ! (よね)
2011-10-31 21:40:30
なおちゃんの、「泳ぎ(ほっぺをふくらませ、息を止める)」が、子ども達に波紋のように広がってイメージの世界をふくらませたね!!

みんなが、夢中で遊んでいる様子が、一緒に過ごしていて、伝わってきました。絵を描くところまでいったか~。相当面白かったんだね!
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Unknown (なお)
2011-11-02 05:45:54
よこちんへ

帰り際つりざおブームだったね!
その後どうなったんだろうね。
その釣竿使ってまた遊びが広がったら楽しそう。

よねちゃんへ

おおなるほどそういうことね!ほっぺをふくらませたら、イメージがふくらんだ、ね(笑)
旦那さんに泳いだんだーと報告したら「なにやっとんの!」の突っ込まれましたけど~ 
年中さんのイメージの世界の広がりってほんとに楽しいなぁと感服しました。忍者ごっことか恐竜ごっこより 海の中は平和だったよ♪
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