(本頁は「2024年12月16日、講演記録/男鹿毛無山の花1」の続きである。)
五月中旬になると、毛無山の山頂部では男鹿の名花とされるオオサクラソウが咲きだす。
一年で最も登山者が多くなる季節だが、樹木は葉を展開するため、林は暗くなる。
そのためか新たに咲く花は地味な花ばかりになる。
一方、森林性のランが次々と咲きだすので、そちらを探して歩くのはすこぶる愉しい。
オオサクラソウは北海道道南から北陸白山あたりまでの主に日本海側に分布すると聞くが、
登山道から間近に見られる場所は少なく、毛無山はそのベストのひとつかもしれない。
2019/05/14 オオサクラソウ
(右上)2024/04/28 オドリコソウの白花。
オドリコソウは男鹿に多く、海岸近くの草原から山林内まで広く群生する。
イチヨウランは割と量が多いが、花が緑色なので見過ごしてしまうことが多い。
2020/05/11 イチヨウラン
2020/05/08 フッキソウ。厳密には「草」ではなく低木。
(右上)2020/05/15 ムラサキヤシオ。
ムラサキヤシオは毛無山には少ないが、本山にみごとな群生地がある。
タチカメバソウは真山の山頂部には多いが、他の山域では見かけない。
2024/05/10 タチカメバソウ
ウマノスズクサ科カンアオイ属の植物は男鹿ではオクエゾサイシンとトウゴクサイシンの二種がある。
前者は本山や毛無山の山頂部に多く、山麓では見ない。後者は山麓から山頂部まで広く生育している。
2020/05/15 オクエゾサイシン
(右上)2019/05/14 ミヤマカタバミ
シャクは男鹿の彼方此方で群生している。
2022/05/20 林の中のシャク群生。
意外かもしれないが、此処は前頁「男鹿毛無山の花1」のフクジュソウ群生地のひと月半後の姿だ。
この花はスプリングエフェメラル(春の妖精)のように花が終わるとすぐに枯れて消えてしまう。
2024/05/10 エビネ
(右上)2019/05/29 キンラン。バックはウゴツクバネウツギ。
2022/05/20 ヤマシクヤク
2020/06/09 ミヤマナルコユリ
2020/06/13 トケンラン
(右上)2020/06/01 チョウセンキバナアツモリソウ。
チョウセンキバナアツモリソウは海外では割と広く分布している(シベリアや朝鮮半島、カナダなど)が、
日本では何故か男鹿毛無山だけという不思議な分布パターンを持つ植物だ。
2019/05/23 チョウセンキバナアツモリソウ。真山神社向かいの特別栽培地にて。
2020/06/13 スズムシソウ
2022/06/15 サルメンエビネ
(右上)2020/06/21 サイハイラン
2020/06/21 アキタスズムシソウ
以前はセイタカスズムシソウと思われていたが、2019年に新種記載されたとのこと。
「秋田」と冠するが、北海道から九州まで広く分布するそうだ。
以上。
「・・・講演記録/男鹿毛無山の花3」へ続く。
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