(本頁は「久しぶりの月山の花1」の続きです。)
月山の山頂や稜線の西側は丈の低い草原が続いている。
『風衝草原』と呼ばれる植物景観で、いかにも『高嶺の花』的な高山植物が多いのが特徴。
冬場の北西季節風が強すぎるため、雪は飛ばされ、ほとんど積もらないと聞く。
そのため気温も低く、植物の生育にはまことに酷な環境だが、光には恵まれているので春の立ち上がりが早い。
山頂付近から西側斜面を望む。
どんな花が見られるかというと・・・
ミヤマウスユキソウ
ミヤマウスユキソウなどが代表だろう。
エーデルワイスに似た草姿のこの花は東北地方の限られた高山に生える。
秋田駒や鳥海山にもあるが、月山は量が多く、登山道からも楽に観察出来る。
咲き出しは6月と早いが、真夏の今頃でも古くなった花がまだ見られる。
ミヤマウスユキソウ
濃い青花はミヤマリンドウ。
この花は日光があたると開花する。したがって今回の登山の前半で見たものは全て花を閉じていた。
写真は全て日が差すようになった帰りに撮ったもの。
ミヤマリンドウとネバリノギラン
ミヤマリンドウ
ミヤマリンドウはあちこちの山で見かけるが、月山のものは株も大き目で見ごたえがある。
またミヤマウスユキソウに較べ、生育地も広いようで弥陀ヶ原のような湿原にも咲いていたのには驚いた。
風衝草原の役者達
ミヤマウスユキソウ、ミヤマリンドウ、ネバリノギラン、ウサギギク、ハクサンイチゲなど。
トウヤクリンドウは北アルプスではよく見かけるが、東北では尾瀬燧ケ岳と月山くらいと聞く。
トウヤクリンドウ
月山の東側斜面は驚くほど平らで広い。こちらは積雪量が多く、雪渓や雪田として遅くまで残っている(場所によっては越年)。
当然だが、植生もガラリと変わる。
オモワシ原方面を望む。
アラシグサは山頂付近の限られた斜面で見かける。
キバナノコマノツメ
アオノツガザクラ
アオノツガザクラは月山に多い矮性低木だが、今回は季節的なせいか、花付きのいいものには遭遇出来ていない。
ミヤマホツツジも登山口から山頂までよく見かけた。山頂近くのものは丈が低くなり、矮性低木になっていた。
イワカガミ
チングルマ
コシジオウレン(ミツバノバイカオウレン)は先日、鳥海山でも沢山見たが、月山にも多かった。
ヒナザクラ
ヒナザクラは通常このような雪渓の周辺に大群生する。ただし開花期間はとても短い。
登山道脇に多かったキク科の面々。
シロバナクモマニガナだろうか。低山の道端に多いニガナとは違う種類だ。
ミヤマコウゾリナ
ヤマハハコ。ハクサンフウロとタカネアオヤギソウ、ミヤマアキノキリンソウも混じっている。
ナンブタカネアザミは登山口から山頂まで広く分布。
今回の登山ではハクサンフウロと並び、よく目に付いた花だった。棘がすごく痛い。
右上はセリ科。ミヤマシシウドだろうか。バックは咲き出したばかりのウゴアザミ。
「久しぶりの月山の花3」へ続く。
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