南のまち、と森の端

南九州の一隅からちょっとした日常の出来事や思いを綴ります。

至福のとき クァルテット・エクセルシオ

2018-02-07 16:48:40 | 芸術文化

クラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」1月号の中でクァルテット・エクセルシオのメンバーにインタビューした記事で「日本が誇る常設弦楽四重奏団」という表現で紹介していて、とてもうれしくなりました。そうなんです。エクは、わが国のクァルテットの代表格といっていいほど、その存在感は大きなものがあると思っています。
私事、昨年は病いを得たこともあって、宮崎国際音楽祭、霧島国際音楽祭ほかほとんどのコンサートをパスしてしまい、かろうじて12月に宮崎市で開かれたサロンコンサート・森岡奈留子さんのクラヴサン「フランスの宮廷音楽」を聴きに行った程度でした(これがまたすばらしかった)。
CDはよく聴きました。その中でもお気に入りはエクのベートーヴェン「ラズモフスキー」全3曲(2枚組)や、同じく「ラズモフスキー」第3番とシューベルト「死と乙女」が入った1枚、石川静さんらのクーベリック・トリオのチャイコフスキー「ピアノ三重奏曲イ短調〈偉大な芸術家の思い出に〉」、またブラームスやベートーヴェンのヴァイオリンソナタなどです。
エクのメンバーはヴァイオリンの西野ゆか、山田百子、ヴィオラの吉田有紀子、チェロの大友肇のみなさん。常設の弦楽四重奏団としてエネルギッシュに公演を行い、アウトリーチ活動にも積極的に取り組んでいます。古典から現代曲まで幅広い演奏を行っていますが、東京など3都市で続ける定演では中心にベートーヴェンの曲を据え、メンバーの全身全霊でのクァルテットへの取り組みは鬼気迫るものも感じます。この「ラズモフスキー」全3曲はそういう意味でも注目に価する1枚だと思っています。
うまく表現できないのだけれど、イメージのぎゅつと締まった、研ぎ澄まされ精神性の高い演奏、シャープで繊細、それでいて強靱。真に迫ったクァルテットの妙が味わえます。
ベートーヴェンの曲のほか、宮崎公演でかつて聴き、私にとって思い入れのあるシューベルト「死の乙女」も秀逸と言っていいでしょう。
エクは、これからさらに円熟味が加わって、もっともっと注目されるのではないか、と思われます。
クーベリック・トリオについてはまた別の機会に。

 

 

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